箕面都市開発株式会社の平成22年度決算及び平成23年度事業計画〔平成23年5月作成〕

特定調停に基づく調停条項との比較

1．経営内容を判断するポイント

貸借対照表や損益計算書で経営判断することも必要ですが、新たな投資や臨時的な支出に大きく左右されます。調停条項の着実な履行を判断するポイントは、期末にどれだけの資金残高があるのか、純資産額が増加しているのか（3年で赤字が解消するのか）といった資金計画です。

2．資金計画の見込み

（単位：千円）

• 期末資金残高については、平成22年度の資産に計上する設備投資が発生しなかったことにより、調停条項の想定見込みを上回る予定です。
• 純資産額については、経常利益の減収により調停条項の想定見込みを若干下回りますが、平成25年度以降は想定見込みを上回る予定です。

概ね順調な経営です。

参考1．利益計画・資金計画の比較

• 「売上高」とは、企業が提供する主たる営業活動である商品の販売やサービスの提供などにより獲得した金額であり、企業活動の結果、企業が成長しているかどうかを的確に示すものです。
• 「営業利益」とは、本業の利益を表す指標として使われるもので、売上高から本業にかかるコストを差し引いた金額であり、本業の強さを見るものです。
• 「経常利益」とは、営業利益に資産運用など本業以外に行っている活動からの損益を加減して計算したものであり、財務力を含めたその企業のト－タル的な実力を見るものです。
• 「当期純利益」とは、経常利益に非反復的・非経常的な損益である特別利益、特別損失を加味した損益から法人税、住民税などを差し引いたものであり、一定期間における企業の最終利益を示すものです。
• 「期末資金残高」とは、3月31日現在の現金・預金の額であり、箕面都市開発株式会社の場合、経営に際し80,000千円が必要です。
• 「純資産額」とは、会社の資産総額から負債総額を差し引いた額であり、マイナスの場合、債務超過相当額と言われるものです。（3年で赤字解消をめざします。）

参考2．営業利益（本業利益）の比較

• 平成22年度は、人件費の削減を実施したものの、調停費用（弁護士・裁判所予納金・株価鑑定料・登録免許税）の支出により見込額を下回りました。
• 平成23年度は、3階スペースの改修などにより見込額を下回りました。

→営業利益は、新規事業の投資や臨時的な支出に大きく左右されます。

平成22年度決算実績及び平成23年度決算見込み

1．事業別売上高の推移

2．売上増減の主な要因

3．利益ベースの推移

参考1．決算実績と今後の見込み

法人税等調整額とは、税務上の損金、益金で算定される課税所得と企業会計上の費用、収益で算定される当期純利益との差額を調整するものです。

参考2．貸借対照表

繰延税金資産とは、将来の会計期間に帰属すべき税金費用（損金）を当期に前払いしたと考え、これを繰延処理することにより生じる資産です。

• 箕面5丁目の所有土地の評価損を計上したため、有形固定資産が大幅に減少しました。
• 平成23年1月7日の特定調停成立を受けて、箕面市から5億2千万円の出資を受けたことにより負債合計が減少し、会社の財務体質は大幅に改善されました。

平成23年度事業計画（重点政策）

1．経営安定化に向けた新規事業の創造・開拓

各種施設の管理実績やノウハウを生かした新規事業や各種事例を調査研究し、売上の柱となる事業を創造・開拓します。

2．新たなビジネスネットワ－クと信頼関係の構築

箕面市が監査法人に委託した「調査報告書」に記載しているとおり、受託管理費の見直しに伴う新たなビジネスネットワ－クを広げるとともに、得意先との信頼関係をさらに強固なものにします。

3．業務の単純化と内製化を進めるコストダウンの実施

• 商店街振興組合みのおサンプラザ名店会や箕面市シール会の運営支援について、業務を単純化することで業務効率を改善します。
• これまで外部委託していた広報・ホ－ムペ－ジ作成業務の内製化や給与規程の見直しにより徹底したコストダウンを図ります。

4．公共施設の管理運営業務の高度化による利便性と安全性の向上

箕面市立文化・交流センタ－の指定管理者として、年中無休や3階ミ－ティングル－ムの広報周知を行い、地域の活性化や利用者の利便性向上を図ります。

5．箕面市のまちづくりに関する政策との連携体制の構築

• 箕面市との経営状況に関する会議において、調停条項の進捗状況など、経営に関する情報交換や課題について協議を行い、着実な弁済計画を遂行します。
• 平成23年度から10年間のまちづくり計画である「第5次箕面市総合計画」の実現に向け、箕面市と連携体制を図りながら、既成市街地の活性化への取り組みを進めます。