令和2年度第3回箕面市総合教育会議議事概要
日時:令和3年(2021年)2月16日(火曜日)午前10時から正午
場所:箕面市役所本館3階委員会室
出席者:
【箕面市】上島市長
【教育委員会】藤迫教育長、山元代表教育委員、高野委員、中委員、大橋委員、稲田委員
【事務局】尾川副教育長
(子ども未来創造局)藪本副部長、岡担当副部長、今中担当副部長、小西担当副部長、石橋学校教育監、巣組センター長、三島所長、高取室長、福田室長、土井担当室長、韮澤課長、松澤室長、片山室長、村中室長、菅原室長、遠近室長、大迫館長
(市政統括)小林市政統括監
(総務部)浅井部長、水谷副理事
【傍聴者】5名
1.議事内容
1.「箕面市教育大綱(素案)」について
(稲田委員)
- 今まで1年ごとに更新していたが4年間の大綱とし、別紙において来年度1年間の目標を掲げているということか。
(事務局)
- お見込のとおり。別紙については、総合教育会議の場で進捗や達成状況について確認し、内容の入れ替えについても必要に応じて行っていきたい。
(稲田委員)
- 学校教育の基本方向のなかに「生きる力」や「つながる力」とあるが、この文言だけだと非常にわかりづらい。
(事務局)
- 「生きる力」とは学びに向き合う力や知識、技能、思考力、判断力、表現力をバランス良く培い、社会に出てから学校で学んだことを活かしていくことだと考えている。
- 「つながる力」とは子ども同士のつながりや今後求められていく地域や社会とつながっていくための力だと考えている。
- 大綱に掲げている取り組みを通してこれらの力を育んでいきたい。
(稲田委員)
(大橋委員)
- 「学校教育」というと学校という組織をイメージしてしまう。近年、学校組織に馴染めない子どもが増加しており、そういう子どもたちがこの大綱ではあぶれてしまっている。学齢期全体の子ども達全体を支援しますという視点が見えてこない書き方に感じてしまう。
(山元代表教育委員)
- 大綱の項目はきっちりブラッシュアップできていると感じている。ただ、このコロナ禍の中で感染症に関する予防教育というものが子どもたちには必要だと思う。項目立てしにくい内容かと思うが検討していただきたい。
(藤迫教育長)
- 感染症予防については、人権と同じですべての分野にかかってくる事項なので個々に書くのが難しい。そのため、大綱の「はじめに」の中ですべての分野に共通する事項として書かせていただいている。
(上島市長)
- 小中学校、幼稚園、保育所を視察しているが、どの校園所とも感染症対策を非常によくやっていただいていると感じている。今後についても子どもたちの感染症予防をしっかりとしていかなければならない。
(髙野委員)
- ICTを活用した情報活用能力の向上というところで、箕面市は以前から1人1台タブレットを目指してきたことから環境が整っている。しかしタブレットは非常に便利な機器である一方で、本体が故障したりネットワークの接続不良が発生したりすると授業が止まってしまうため、何か起きたときのサポート体制が非常に重要となる。そのためにも今後もICT教育に関する予算はしっかりつけていただきたい。
(藤迫教育長)
- 本当であれば全学校に漏れなくICT支援員を付けたいが財政的な問題もあり難しい。限られた人数ではあるがICT支援員とOAサポートを付けていただいているので、最初は支援員に頼りながら教員がノウハウを積み上げ、最終的には初歩的なことやよくあることは教員で解決し、専門性の高い部分だけを支援員等に頼んでいくという体制を積み上げていきたい。
(中委員)
- 学校教育というと、学校を中退したり不登校の子が置き去りになっている感じがする。
- 新大綱で生涯学習を入れていただいたのはありがたい。ただ、生涯学習というのは生まれてから亡くなるまでであり、若者も含まれているので、若者に向けての項目を1つ作っていただきたい。
(稲田委員)
- つながる力という大きな方向性があるので、学校にいけない子どもたちや地域社会とつながる力ということは意識していただきたい。
- 別紙において、すべての子どもが安心できる幼児教育の実施の中で、箕面市幼児教育センターを設立するとあるが、来年度目標として設立が位置づけられているのか。まだ先の話であればもう少し書き方を変えた方がいい。あいあい園の更なる機能強化についてもだいぶ先のことだと思うので、同様に書き方を変えた方がいい。
(中委員)
- 設立するというのはまだだと思うので、検討としたほうがいい。
- 検討していくにあたっては、支援の必要なお子さんが公立にはたくさんいらっしゃるので、アンケート等で保護者や公立の先生の意見を取り入れたうえで進めていったほうがいいと思う。
(上島市長)
- 幼児教育センターについては、保育士あるいは幼稚園教諭の間で公立・民間といった壁をなくした交流も含めてしっかりとやっていきたい。
(藤迫教育長)
- いろんなところに視察に行って、幼児教育センターについては前向きに検討していくイメージは沸いている。
- あいあい園については、保護者や民間園の方々といったいろいろな人の声を聞いてみたいと考えている。ニーズに合っているのか、今後どういう検討が必要なのか等、しっかりと意見を聞いて、丁寧に進めていかないと空振りしてしまう可能性があると思っている。
(大橋委員)
- 箕面は英語教育の土台ができているので、もう一歩踏み込んで、英語を使えるだけでなく、様々な文化の人と話し合い、違う文化を理解できる力を育む段階にきている。この力を育むことがが大綱の「生きる力」や「つながる力」に繋がっていくと思う。
(事務局)
- 大綱別紙の中で「多文化理解も深めながら国際社会で活躍するグローバル人材を育成する」と記載させていただいている。
(稲田委員)
(事務局)
- 今回いただいたご意見をもとに修正し、3月に予定している第4回総合教育会議において概ね完成した「箕面市教育大綱(案)」をお示しし、来年度から4年間の期間で策定する「箕面市教育大綱」を制定していく。
2.「箕面市新改革プラン」について
(山元代表教育委員)
- 子どもたちにとって5歳から8歳という時期は人生を確立させていくうえで非常に大事だと考えている。5歳から8歳を教えられる先生が幼稚園と小学校を行き来できるような体制を組むことができればいいと思う。
(大橋委員)
- パブリックコメントを見ると、幼稚園・保育所に関して想像していた反対意見が出ているというのが実際の感想。自分自身、市の委託の保育所に子どもを預けていたが、市が必ずチェック等をしているという前提があると思って安心して預けることができていた。教育大綱の中ですべての子どもが安心してとあるが、すべての保護者も安心できるような体制をぜひとも作っていただきたい。
(上島市長)
- すべての子ども・保護者も含めて安心できる保育・幼児教育をしっかりとやっていかなければならないと思っているが、セーフティネットが公立でしかできないかというと、そうは思わない。すでに支援の必要なお子さんを私立の幼稚園で受け入れていただいているし、更に受け入れていただく場合には当然加配もしていく。エレベーター等の必要な施設改修については私立に対してもしっかりとやっていく。そうすることで私立でもセーフティネットが可能だと考えている。
- 幼稚園にしても保育所にしても、決してすぐにやるというものではなく、長いスパンの中で慎重に丁寧に対応し、一番いい方法でやっていきたい。
(藤迫教育長)
- 私立幼稚園や民間保育所の方々と教育委員の皆さんで一度話をして、色々と情報収集したいと思っている。4歳児からの受け入れは定員の関係でちょっと難しいかもしれないという声はすでに入ってきている。市長が財政的なところで色々と考えていただいているが、お金の面で解決することもあればそうでない部分もあるかもしれない。そのあたりじっくり話を聞いて議論したいと思っている。
(髙野委員)
- 支援の必要な子どもが、非常に人数の多い私立幼稚園の環境に馴染めるのかというところは気になっている。公立で出来ていたが民間では出来ないということがないのか1つ1つじっくり考えていく必要がある。
- パブリックコメントの意見は声を上げられる人のもので、声を上げられない人の意見も拾っていただきたい。
(上島市長)
- 前回の総合教育会議の時にメイプル文化財団と国際交流協会の統合についてご意見をいただき、実際に国際交流協会の現場の第一線で活動されているかたと話をしてきた。その中でみなさんMAFGAやコムカフェがなくなると思われており、説明が足りない部分があったと感じている。なくすなんて気持ちは全くなく、逆に、外国人の雇用の場にもなっているコムカフェという素晴らしいモデルを拡大できればと考えている。文化振興、国際交流というものをシナジー効果を持たせて、市民の方々が国際文化交流に触れる機会を増やすための両財団の統合であって、機能の縮小等をするものではない。
(大橋委員)
- 府内のいくつかの自治体の中で、運営や経済的な基盤によってほとんどが縮小されて、最後日本語教室のみになるとか、なくなっていくということが実際に起きている。パブリックコメントでもそこを心配している意見もあったかと思う。
(上島市長)
- 目指しているのは事業規模の縮小ではなく発展。MAFGAやメイプルというものの存在感を今まで以上に高めていくことを目的とした統合のため、決して縮小にはならない。結果的に縮小になってしまったということがないように、しっかりとやっていきたい。
(大橋委員)
- 外国人は支援されなければならない人たちだと思われがちだが、若い方が年齢的にも多いし、実際に災害が発生した時には非常に大きな力を発揮してくれており、私たちが支援される側にもなっている。そういう意味で様々なところで力が発揮できるような場所を作っていただければありがたい。
(稲田委員)
- 新改革プランの中で、教育センターを本庁に移設するとあるが、あれだけ広いスペースでやっていたものが本庁に来ることで機能が縮小してしまうという心配がある。教育大綱でも教員の授業力指導力の向上が掲げられているが、教育センターの移転によってどういうメリットが作り出せるのか方策を色々考えていただきたい。
(上島市長)
- 教育専門監の授業を公開授業で広めていけば教員のスキルアップになると思う。教育専門監をどんどん増やすことで、教育センターでなくても学校の教室で研修を行うことも出来るようになる。
(藤迫教育長)
- 本庁に移設して効果が下がるということになっては意味が無い。学校現場を知ってる指導主事が本庁に来ることでパワーアップにもなるし、連携も強化される。特にICTにおいてはタブレットをどう使っていくかの検討も必要なので、力を合わせてやっていく。
(大橋委員)
(藤迫教育長)
(稲田委員)
- サンプラザにある青少年指導センターの相談機能はどうなるのか。
(事務局)
- まだ決定してないが、仮にサンプラザが改修される場合、その間青少年指導センターは本庁に持ってくる予定。本庁のどこになるかは現在協議中のため未定。
(稲田委員)
- 今まで相談機関があちこちにあり、それぞれの異なる相談事項を取り扱っていたが、それはそれで良い機能であったと思う。市役所に全部集約してしまうことが相談しに来る人にとって本当に相談しやすい環境なのか非常に気になる。出来れば色々他のところも考えていただきたい。
(上島市長)
- 同じような話は他から聞いている。相談に来る人が顔を合わせないよう配慮が必要だと思うので、工夫して欲しい。
(中委員)
- 相談に来られるかたはやはり見られたくないという話をよく聞くので、細かい配慮をしていただきたい。
- 私立の園長先生と話をするのは非常に大事だと思う。支援の必要な子どもたちが本当にその園の教育方針に合っているかとか、保護者の方も不安だと思う。私立がどこまで支援の必要な子を受け入れていただけるのかをしっかりと話していきたい。
(事務局)
- 4歳児の問題は私立でも一定の役割分担をしているという認識をお持ちで、今後本当に公立がなくなるとなったら、連盟として、また各園として担えること、担えないことをきっちり伝えたいと思ってまとめているという話はすでに聞いている。
(藤迫教育長)
- 私立幼稚園の中でも温度差はある。各園によって対応できることとできないことがそれぞれ違うので、その辺も含めて確認したい。
(上島市長)
- 箕面市は他市と比べて、市と私立幼稚園の関係は良好だと思う。ただ、それぞれの個性があるのが私立の良さで、色々考え方に差があるのは当然だと思うので話し合いの機会を早く作っていただきたい。
(山元代表教育委員)
(事務局)
- 相談ホットラインという形で専用のメールアドレスがあり、最初はメールでのやりとりをして、対面の相談につなげている。タブレットだけでの相談は実施していない。
3.その他
成人祭について
(稲田委員)
- 夏だと着物は着れないなどの声が出ており、事務局が検討していると聞いているが、どういう状況になっているのか。
(藤迫教育長)
- これまで夏の開催に向けて検討してきたが、前回の教育委員会定例会で教育委員の中から意見をいただき、再度検討してきた。具体的には今年に限ってはイレギュラーな対応として、春と夏の2部方式とし、春は従来やろうとしていたコロナ対応の簡素化した式典とし、夏は船場の新ホールで華やかに実施する。春の日程は現在4月24日にグリーンホール、5月4日にメイプルホールを仮押さえしており、どちらかで実施できればと考えている。ただ、コロナのことを考えると広いグリーンホールで実施するほうがいいかと思う。
- 成人の方々の思いを少しでも叶えられる方向にしたいというのが教育委員の総意で、市長に了承いただければ動きたい。
(上島市長)
(大橋委員)
- どちらの日程でも自由に参加できるのであればいいと思う。
(中委員)
- 着物についても急に予約できるかわからないし、どちらの日程に参加してもいいというのであればいいと思う。
(髙野委員)
- 普段であれば決まった日に実施するが、今年に限ってはイレギュラーな取り組みで、それも良い試みじゃないかと思う。
(山元代表教育委員)
- 今の判断でいいと思う。最初は8月14日に決まったが、他の教育委員も思うところがあり、今回それを汲んでいただきこういう新たな展開になって良かったと思う。
(藤迫教育長)
- 2部制にするが、両方出てもらってもどちらかの日程だけでも自由に参加していただけたらと思う。
(上島市長)
- やはり暑い時期に晴れ着が着れるかという話もある。
- 第一部は4月24日にグリーンホールで簡素化した式典を行い、晴れ着を着てもらって写真を撮ってもらうような機会も設けられると思う。8月は新ホールでイベントとかをやって楽しんでいただくという形で二部制にしたいと思う。
- 実施にあたっては議会のご理解もいただかなければならないので、追加の補正予算を早期に組み、早く周知ができるようにいきたい。
熱中症について
(事務局)
- 熱中症の対応についての進捗状況について、現在確認フローチャートを含む熱中症予防マニュアルの作成を進めている。作成にあたっては学識経験者や教職員、各関係団体に意見を伺い、素案を完成させたところ。現在意見を伺った方々に再度素案をお示しし、素案の内容について意見を集約させていただいている。今後については、3月に教育委員会定例会に諮り、確定させた後に各学校や関係団体等に周知をしきたいと考えている。教職員に対する研修会や、児童生徒向けの学習会については新年度になったら実施する。
- その他の取り組みとして、保護者や児童生徒に対してマニュアルの内容をよりわかりやすくしたチラシやリーフレットを配布したいと考えている。
- 部活動における熱中症予防のための環境整備や、熱中症対策セットなどについて必要な予算を現在お願いしているところ。
(稲田委員)
- 予防政策に関する予算措置は市長さんに是非ともお願いしたい。
(髙野委員)
- 基準を変えたときには現場からいろいろな声がでると思うので、その声を拾いながら随時更新していっていただきたい。
(藤迫教育長)
- マニュアルには最低守っていただきたい基準を盛り込もうと思っているので、それぞれの組織によって厳しい基準を設けていただくことを拒むものではない。実際に今までの基準でよかったという声もあるため、最低の基準は守っていただき、それぞれの組織でより安全にやっていただくことは問題ない。
(大橋委員)
- 各組織でマニュアルを読む時間を必ず作るようにしていただきたい。
- 地域活動や他市のクラブ活動で箕面市内のグラウンドを使っている場合も多々あるので、そういった指導者達にどう周知していくのかというところも含めて今後議論していただきたい。
(山元代表教育委員)
- 良い取り組みをしているところがあれば事務局中心にぜひ情報交換等していただきたい。
(中委員)
- 子どもたちにも確実にマニュアルを把握してもらうことと、保護者にも基準が変わることをしっかりと理解していただくことを大前提としていただきたい。
(上島市長)
- 熱中症予防のための環境整備はまず中学校からやるが、プールのサンシェード設置と部室前のミストシャワーは令和3年度に実施する。
- 子どもや保護者、地域の人など多くの人への周知が必要なので、いろいろな手段でまずは周知を徹底していただきたい。
(事務局)
2.資料