部門別計画1-1-3
1.動向と課題
本市では、1993年度(平成5年度)に策定した箕面市保健福祉計画に基づき、みのおライフプラザを中心にソフト・ハードの両面から高齢者福祉サービスの充実強化に努めてきました。その結果、保健福祉計画に示した施設整備の目標量は達成してきました。
しかし、本格的な高齢社会を迎え、介護・介助を必要とする高齢者の増加が確実視されるなか、介護期間の長期化や介護者の高齢化は、市民の老後生活における最大の不安要因となっており、市民ニーズにおいてもサービスの量的充足から質的充実への転換が求められています。また、福祉全般の仕組みも従来の行政による「措置方式」から利用者と事業者による「契約方式」への移行が図られ、社会全体で市民生活の安定を支える制度へと大きく変わりつつあります。
こうしたことを背景に、高齢者介護にかかる保健・医療・福祉サービスの総合化、サービス利用の応分負担、サービス利用の自己選択等を基本とした介護保険制度の適切な運用とともに、本市の介護保険事業計画に基づく円滑なサービス供給を図るため、NPO・事業者・行政が協働し、それぞれの特性を生かしながら互いに補完し合えるサービス供給の体制を整えることが、重要な課題となっています。
また、介護保険の対象にならないまでも何らかの生活支援を必要とする在宅高齢者が自立して生活できるよう、介護予防を視点にした福祉サービスの再構築も重要な課題となります。
さらに、高齢社会をいきいきとした豊かな社会にするには、高齢者の豊富な経験と技術を生かした就労支援の強化、健康増進や生涯学習事業等の推進による高齢者の生きがいづくりも重要な課題となっています。
2.基本方針
- 高齢社会において市民が豊かで生きがいのある暮らしができるよう、地域に根ざした福祉サービスの充実と、その推進体制を確立していきます。
- 高齢者の自己決定権の尊重と、要介護高齢者と家族が安心して生活を送る権利の尊重を基本に施策の推進を図ります。
- NPOや民間事業者の福祉事業への参入を促進しながら、保健・医療・福祉の連携による総合マネジメントを確立し、より質の高い介護サービスの展開をめざします。
- 市民ニーズの動向に応じ、利用者の適正負担を図りながら、介護保険の対象外となる市独自のサービスの継続や介護予防のための施策の再構築を図るなど、きめ細かな高齢者福祉の充実を図ります。
- 各世代の市民とともに、高齢者がいきいきと暮らせる豊かな長寿社会の実現をめざします。
3.施策の体系
- (1)地域に根ざした福祉サービスの展開
- (2)要援護高齢者への介護サービスの充実と確保
- (3)高齢者の自立生活への支援
- (4)高齢者のいきいき生活の支援
4.施策の内容
(1)地域に根ざした福祉サービスの展開
- 箕面市福祉のまち総合条例の理念に基づき、すべての市民が年齢や性別、障害の有無に関わらず自己の意思で地域で暮らすことができるよう、ハード・ソフトの両面から各種福祉サービスを展開していきます。
- 社会福祉協議会や各種団体の地域福祉(コミュニティ)活動を支援するとともに、ボランティア活動やNPOとの協働を図りながら、都市化や少子高齢化に対応した地域の相互支援システムの確立をめざします。
(2)要援護高齢者への介護サービスの充実と確保
- 高齢者個々の保健・医療・福祉ニーズに応じた各サービスの効率的な提供を行うため、総合保健福祉センターと基幹型在宅介護支援センター*を中心に、保健医療サービスと介護保険サービスを含む福祉サービスの総合マネジメント体制の推進と充実を図ります。
- 総合的な相談・苦情窓口を再編し、各種情報の共有化を図りながら、給付サービス内容の調整および市民意見の反映等に努めます。
- 介護保険において必要な各種介護サービスの確保を図ります。
- 痴呆対応型共同生活介護(痴呆性高齢者向けのグループホーム)や通所生活介護(デイサービスセンター)の整備を進めます。
- 高齢者の介護サービス利用の選択の幅を確保するため、民間事業者やNPOの参入を図るなど、サービス供給体制の多元化を図り、地域における社会資源の活用や人材の育成を進めます。
- 介護を必要とする市民ニーズを適切に把握し、介護給付対象サービスの需給バランスの調整を図ります。
- 介護認定の適正かつ迅速な業務体制を確立し、給付内容の定期的な評価を行うなど、介護保険の適切な運営に努めます。
- 適正な保険料の設定と保険料の円滑な収納を図るとともに、保険事業運営の効率化を推進し、財政基盤の安定化に努めます。
(3)高齢者の自立生活への支援
- 高齢者のニーズを的確に把握し、健康増進や介護保険外の高齢者福祉サービスの一層の充実を図ります。
- 一人暮らしによる孤独感や生活不安を解消するため安否確認・緊急通報システム・訪問給食サービス等を整備・拡充するとともに、社会福祉協議会の小地域ネットワーク活動との連携を強化します。
- 要介護認定において自立と認定された虚弱な在宅高齢者や、何らかの支援を行うことで寝たきりや痴呆の予防ができる方を対象に、介護保険事業と連携を図りながら配食サービスや外出支援サービスなどを推進します。
- 成年後見制度に基づき、意志能力にハンディキャップを持つ痴呆性高齢者等の権利擁護体制の確立をめざします。また、社会福祉協議会の「まかせてネット」を中心にした財産保全や金銭管理サービスの充実を図ります。
(4)高齢者のいきいき生活の支援
- 地域におけるコミュニティ施設の機能再編を図り、高齢者同士や多世代交流等の場として市民の自主的な活動を支援するとともに、身近な地域での高齢者の地域活動や老人クラブの活動を支援します。
- 自己実現を図りながら豊かな人生を過ごすことができるよう、高齢者自らが企画し選択できるような生涯学習環境を整えていきます。
- シルバー人材センター*の機能充実を支援するなかで、高齢者の豊富な経験と技術を生かした就業機会を確保します。また、新たな技能習得の場を提供することにより、高齢者の生きがいづくりと社会参加の拡大を支援します。
- 民間賃貸住宅への入居が困難な独居等の高齢者世帯を対象として、公的住宅の整備や民間住宅の借り上げ促進等幅広い住宅施策を進めます。
- 虚弱で一人暮らしに不安のある高齢者が安心して生活できるコレクティブハウス*やシルバーハウジング*などの整備を検討します。
- 在宅の要介護高齢者の自立生活を支援するため、理学療法士等の専門スタッフによる住環境の整備に関する相談システムを確立します。
【関連計画】
- 箕面市高齢者保健福祉計画(進行中)
- 箕面市介護保険事業計画(進行中)
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