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更新日:2025年4月2日

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令和7年度(2025年度)施政及び予算編成方針

令和7年(2025年)2月

 箕面市長 原田 亮

 本日ここに、令和7年度における予算案及び関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げ、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 昨年8月、市民の皆さまのご信任を賜り、第19代箕面市長に就任させていただいて以来、早くも6か月が過ぎようとしています。この間、多くの先輩方が連綿と築き上げてきた箕面の美しいまちなみや住環境をさらに発展させる責任の大きさを日々感じています。それと同時に、大好きな箕面の未来をつくりあげていく使命を改めて胸に刻んでいるところです。

 就任してからは、若さを武器に、スピード感を持って、目の前にある課題に全力で取り組みました。

 市政を運営するにあたっては、市民ファーストで市民の皆さまの声が届く身近なリーダーであることをモットーに、「箕面の明日を市長と語る会」など、毎月市民の皆さまと対話する機会を設けています。

 また、様々な事業をスピード感を持って実施していくには、市政運営の屋台骨である市役所組織の改革が必要不可欠です。改革を進めるため、就任初日から職員アンケートを実施するなど、課題把握に努めてまいりました。その結果を踏まえ、ボトムアップ型組織への移行をめざし、部局長への権限移譲を進めました。さらに、職員一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出し、120%の力を発揮できる組織づくりに向け、職員が使用する1,470台全ての業務用端末をノートパソコンに更新するほか、内線電話のPHS化などを進め、働きやすい環境づくりに大胆に取り組んでまいります。

 また、職員は市政運営にとってかけがえのない「人財」であり、限られた人員で最大限の力を発揮できる体制づくりが求められます。任期付職員の処遇改善など、今いる職員を大切にする一方、将来にわたって質の高い市政運営を支えるため、「おかえりなさい採用」の導入や副市長の公募など、新たな人財確保策にも取り組んでいます。また、人財育成や関係機関との連携の強化を目的に実施してきた職員派遣を縮小し、派遣していた職員を市の事業に注力させることで、より効果的な市政運営をめざします。文部科学省や株式会社ディー・エヌ・エーなどへの合計5人の派遣については、一定の役割を終え、派遣を終了します。今後はこれまで築いてきた関係機関とのつながりを最大限に活用するとともに、人財育成については短期派遣を含む各種研修を通じて進めてまいります。

 そのほかにも、特殊詐欺被害への対策として「ATM振込限度額少額キャンペーン」の実施や、利用実態のある管理者不明橋梁について閉鎖・撤去の解除による利用の継続を実現しました。

 また、みのおキューズモールと連携して、箕面萱野駅周辺の不法駐輪対策や利便性の向上に取り組み、キューズモール駐輪場の全てに無料時間の設定や料金の統一、自動二輪の増台を含む駅周辺の駐輪環境の改善などを進めました。さらに、箕面萱野駅高架下に整備する子どもの遊び場については、設置する遊具を当初の3基から6基に増やし、「ゆずるキッズパーク」として3月23日にオープンします。引き続き、目の前にある一つ一つの課題に全力で取り組んでまいります。

 市民の皆さまにお約束した公約の実現に向け、財源の確保は避けては通れません。国では、いわゆる103万円の壁の問題について、178万円までの引き上げが議論されており、地方財政への影響が懸念されています。令和7年度税制改正大綱では123万円への引き上げが決定されましたが、国からの補填がなければ本市においても約4千万円の歳入額の減少が見込まれます。また、少子高齢化に伴って社会情勢が大きく変化する中、社会保障関連経費の増加など、今後も厳しい財政状況が想定されることは本市も例外ではありません。

 限られた財源を有効に活用するため、歳出の抑制や財源の確保についても積極的に取り組んでまいりました。歳出の抑制や事業の見直しに関する様々な取り組みの一例として、令和5年度に設置した学校の太陽光発電設備に関する固定価格買取制度(FIT制度)の活用について、既存の太陽光発電設備の撤去を求められていましたが、先日、経済産業副大臣に直接要望し、撤去せずにFIT制度を活用できる方向で了解を頂けました。これにより、約4千万円を見込んでいた撤去費用の削減を実現しました。

 さらに、就任後、緑あふれる住宅都市のブランド化や真に使える子育て支援策の実現をめざし、具体的な方針や施策を積極的に発信してまいりました。その結果、これらの取り組みに共感いただき、企業や市民の皆さまから緑化や子育て支援事業などへの新たな寄附や追加のご支援を頂いています。例えば、寄附いただいた絵本を活用し、絵本と触れ合う楽しい体験と絵本をセットでプレゼントするブックスタートの仕組みを導入します。具体的には、4か月健診の場で絵本の読み聞かせを行い、同時に絵本をプレゼントする取り組みを始めます。これにより、市の予算負担なしで、子どもたちに初めての本との出会いを提供し、本に親しむきっかけをつくります。これらの寄附は、箕面市の未来への共感の表れとして、責任を持って大切に活用してまいります。

 引き続き、国や大阪府などへの要望活動をはじめ、私自らが積極的に行動し、特定財源の確保やPayPay商品券の加盟店舗の拡大によるふるさと寄附金の増収などに努め、市政を着実に前進させてまいります。

 新年度におきましても、「箕面市を子育てや教育が世界一の文教都市へ。みどりあふれるブランド力ある憧れのまちへ。便利で安心な、歩いてどこでも行けるまちにしたい。」その強い信念のもと、将来に夢や希望を持てる未来を見据え、市民の皆さまが安全安心に暮らせるまちづくりをめざし、スピードを緩めることなく、市政運営を推し進めてまいります。

予算編成概要

 一般会計の予算規模は、734億8千万円で、令和6年度から47億3千万円の増(対令和6年度比6.9%増)となりました。

 歳入の根幹である市税収入は、定額減税の終了及び所得・納税義務者数の増加により個人市民税が、新築物件の増加などにより固定資産税が堅調に伸びることで、市税全体では、令和6年度当初予算から18億4千万円増(対令和6年度比7.2%増)の273億9千万円と見込んでいます。

 市債については、消防拠点整備やあかつき園再整備などにより、残高は13億円増(対令和6年度末見込比2.4%増)の約528億円となる見込みです。新年度も財源の確保状況に応じて繰上償還の実施を図るなど、引き続き、残高の抑制に努めてまいります。

 基金については、ボートレース事業会計繰入金を新市立病院整備基金に積み立てる一方、(仮称)新みのおサンプラザ1号館のフロア取得や公園リニューアルをはじめとした市の魅力アップに繋がる施策に活用するため、残高は23億円減(対令和6年度末見込み比8.0%減)の約261億円となる見込みです。

 当初予算における経常収支比率は99.9%で、令和6年度に比べて0.6ポイントの上昇となりました。先に述べたとおり、個人市民税や固定資産税が堅調に伸びている一方、物価高騰に伴う支出などの経常経費の増加が、市税収入の伸びを上回っている状況です。経常収支は黒字を維持していますが、新年度も引き続きさらなる健全な行財政運営に向け努めてまいります。

 ボートレース住之江では、お正月を除き通年でナイターレースを開催し、近年のインターネット投票での利便性の向上などにより、昨年11月に開催した「GI第52回高松宮記念特別競走」では、令和5年度を約8億円上回る約110億円を売り上げました。お盆やお正月の開催では、ファミリー層にも喜ばれるイベントを実施し、多くの来場者で賑わいを見せるなど、売上の向上と収益の確保、また、来場促進においても着実な成果を上げています。

 新年度は、開催日数を90日とし、業界最高峰のレースである「SG第40回グランプリ」の開催に加え、好調な業績を背景に、当初予算で一般会計に、令和6年度から10億円を積み増し、30億円を繰り入れます。ボートレース事業から一般会計への繰入額は累計1,770億円を超えることとなり、古くは下水道の整備から、今後は市民の健康を守る砦である新市立病院の整備に活用が予定されており、これまでも、これからも、ボートレース事業は市民生活を支える重要な柱です。

 病院事業会計については、指定管理者制度への移行に伴い、病院開設者として、指定管理者に対し政策的医療に関する経費や人材確保を目的とした人材確保補助金などを予算措置し、地域に必要とされる医療機能の確保、持続可能で質の高い医療を確保します。また、新市立病院の整備については、整備発注方式を設計施工分離方式とし、新年度は設計に関する入札を行い、令和10年度中の着工、令和13年度中の新病院開院をめざします。

 水道事業会計及び公共下水道事業会計については、水道事業会計で約1億1千万円、公共下水道事業会計で約4千万円の黒字を見込んでいるものの、昨今の電気料金、物価の高騰や使用水量の伸び悩み、老朽化した水道管の更新や耐震化などにかかる費用の高騰などに伴い、厳しい経営環境に置かれています。

 水道事業、公共下水道事業については、箕面市上下水道施設整備基本・実施計画に沿って事業を実施してまいりましたが、近年の経営環境の変化を踏まえ、水道事業、公共下水道事業いずれの計画についても見直しを進め、今後も引き続き、市民の皆さまに安全安心な水を安定して届け、良好な生活環境を維持できるよう努めてまいります。

 特に水道事業につきましては、経営環境の変化を受けて水道料金の値上げに踏み切る事業者が全国的にも増加しており、今後、本市においても料金値上げの検討が避けられないものと見込まれます。ついては、値上げ幅などの抑制や、経営基盤の強化につながる方策として大阪広域水道企業団への統合について検討を進めており、新年度においては、さらなる検討を深め、統合の是非について慎重に見極めてまいります。

 新年度も引き続き、未来への投資と財政規律の堅持を両立し、住民目線に沿った堅実な行財政運営を行ってまいります。

 市政の重点運営方針

 ここで、令和7年度の市政運営にあたっての基本方針について申し上げます。

子育て・教育 世界一のまちへ

 1点目は、「子育て・教育 世界一のまちへ」です。子育てや教育が世界一のまちへと生まれ変わり、全国から選ばれるまちにしたい。未来の箕面を担う若い世代に、箕面に住みたい、箕面で子育てをしたいと、選ばれるまちをめざします。

 まず、真に使い勝手の良い子育て支援策を実感していただくため、新年度は、財源は全て地方創生臨時交付金を活用し、中学3年生以下の子どもを対象に一人1万円の給付金をプッシュ型で支給します。

 さらに、最も支援を必要とする妊娠期から0歳の時期において、二つの取り組みをスタートさせます。

 一つ目は、「ぴよぴよサポート事業」です。妊娠期から1歳の誕生月までの時期において体調不良や育児不安を抱える家庭を中心に、家事や育児を支援するヘルパーを初回無料で派遣し、2回目以降についても一般で利用するよりも格安で利用が可能となります。二つ目は、「見守りおむつ定期便事業」です。生後3か月から1歳の誕生月までの子どもがいる家庭を対象に、子育て経験などがあり、かつ、市の事業内容について研修を受けた「見守り配達員」が毎月訪問し、おむつなどの支給品を届けます。これらの取り組みにより、子育て家庭の経済的支援を行うだけではなく、育児不安の解消、虐待の未然防止や早期発見につなぐアウトリーチ型の見守り支援を実現します。子育て中の保護者や子どもたちのSOSにいち早く気づき、対応できる体制づくりを進めます。

 また、不妊や不育に悩むご夫婦が増加しており、治療には精神的・経済的な負担が伴います。こうした負担を軽減するため、不妊・不育治療を受けるご夫婦に対して、検査や治療に要する費用の一部を上限5万円で助成します。

 そのほか、早期療育を実施する児童発達支援事業所「あいあい園」は、令和7年4月から市役所第二別館に移転します。障害児の外来リハビリテーションを行う診療所を併設した「児童発達支援センター」に生まれ変わることで、地域全体の障害児支援の充実を図ります。

 さらに、新箕面市アウトソーシング計画で定めた公立幼稚園・保育所の再編計画についても見直します。当初、西部地区及び東部地区に幼稚園施設を活用した3歳から5歳児の公立認定こども園を整備し、保育所は0歳から2歳児の乳児特化型保育園とした上で、保育ニーズに応じて民営化または廃園とする計画としていました。これを改め、保育所施設を活用した「0歳から5歳児を対象とした認定こども園」の整備を検討します。

 これは、令和3年度の計画策定以降、国による「こども誰でも通園制度」の創設など、全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充が進み、特に乳児への支援の強化が示されたことに加え、支援を必要とする子どもの増加や低年齢化などが進んでいることを踏まえたものです。こうした社会情勢の変化を受け、令和9年度に桜ヶ丘保育所、令和10年度に東保育所を活用した公立の認定こども園への移行をめざします。この見直しは、保護者のニーズにも合致するものと考えており、今後、丁寧かつ着実に進めてまいります。

 続いて、学校教育においては、令和6年度から実施する教員事務支援員の全校配置を継続するほか、生徒指導担当を専任化するための授業支援員を新たに2人増員し全校配置を実現します。さらに、弁護士資格を有する職員を新たにフルタイム職員として雇用し、箕面版スクールロイヤーとして教育委員会事務局に配置します。学校関係者への相談対応や研修の実施、いじめや問題行動などの課題に対する法的助言を通じて、早期対応と解決を図ります。これらの取り組みにより、学校の教職員がそれぞれの専門性を最大限発揮できるよう学校組織体制の強化を図り、児童生徒や保護者が安心して学校生活を送れる学校教育環境の実現をめざしてまいります。

 箕面市の教育における一つの特徴は英語教育です。グローバル社会で活躍する子どもを育成すべく、全22校の小・中学校に合計76人のALTを配置し、小学1年生から中学3年生まで9年間を見通したカリキュラムを毎日実践しています。新年度は、より多くの児童生徒が生きた英語に接し、真に使える英語力を身につけられるよう、国際協力都市であるニュージーランドのハット市に加え、新たに時差が少ないフィリピンなどの国とオンラインで交流できる環境を整えてまいります。

 次に、箕面の子どもたちの従前からの課題である体力向上です。新年度は、天候に左右されず計画的に水泳授業を実施でき、子どもの泳力の強化に効果が期待できる小学校のプール授業の民間委託を5校から7校に拡大します。さらに、令和8年度からは、新たに整備する室内温水プールを活用し、全小学校での実施をめざします。新設する室内温水プールは、子どもの体力向上だけではなく、高齢者を含む市民の皆さまの健康増進に寄与するものであるため、令和8年度の供用開始に向けて着実に進めてまいります。

 そのほか、校内教育支援員の増員による不登校対策支援の拡充、SNS相談事業による若者支援対策の実施など、誰一人取り残さない教育環境をめざし取り組みを進めてまいります。

 さて、子育て・教育を世界一に引き上げるためには、地域のあらゆるリソースを最大限に活用することが不可欠です。その一環として、地元に拠点を置く大阪大学や大阪青山大学をはじめとする教育機関との連携を強化し、その知見や技術を本市の施策に取り入れていくことを積極的に推進します。大阪大学とは、教職課程を履修する学生に学校現場を経験してもらい、教育や教職への関心を高めてもらう取り組みを行っています。また、箕面キャンパスを拠点に日本語や日本文化を学んでいる留学生と児童生徒が交流する機会を設けるなど、外国語教育だけではなく、多様な国際文化に慣れ親しむ環境を創出してまいります。大阪青山大学とは、健康栄養学科の学生とコラボした給食献立のプランニングや保育士・教職員の採用に向けたアプローチなど、引き続き連携の強化を図ってまいります。

緑あふれる 突き抜けるブランド力あるまちへ

 2点目は、「緑あふれる 突き抜けるブランド力あるまちへ」です。

 箕面市の強みは“みどり”です。市街地の北側には四季折々に姿を変える箕面の山なみが広がり、まちなかには都心では見られない田園風景があります。まちかどには桜並木や街路樹があり、親水公園で川のせせらぎを見守るのも豊かなみどりです。圧倒的な都市緑化により、箕面の住宅都市としてのブランド価値を高めます。

 公園や街路樹、駅前ロータリーなどの緑は、まちなかの貴重な景観資源です。令和6年度は、当初構想時のイメージパースと比べ、緑が少ない状況となっていた桜井駅前ロータリーへの植樹を行い、新年度には、芦原公園の蓮池跡地に整備した広場で桜の植樹を進めます。また、「箕面市公園施設長寿命化計画」に基づき、4公園の遊具を更新し、3公園のトイレの洋式化・バリアフリー化を実施し、子どもから高齢者までが安心して憩える場所を整備してまいります。さらに、都市緑地法に基づく都市の緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画である「箕面市みどりの基本計画」を改定し、まちなかの緑を守り育ててまいります。

 加えて、市役所本館屋上の一部に緑化した広場を整備し、箕面市役所として初めて一般に開放します。市役所の屋上からは箕面が誇る山なみが一望でき、抜群の眺望を体感できます。市民の皆さまや来庁する方々が箕面の魅力を全身で感じることができる交流・憩いの場となるよう整備します。

 続いて、西部地区の再ブランディングです。

 まず、箕面駅においては、建替えが進む(仮称)新みのおサンプラザ1号館を箕面駅前の賑わい創出の核施設に位置づけ、中心市街地の活性化を図ります。新年度は、市が取得予定である同館1階から3階の事業運営予定者を公募により決定します。令和9年度のオープンに向け、子育て施設の充実など市民も観光客も楽しめる集客交流施設の整備を着実に進めます。

 また、新年度は、滝道に自然環境と調和したポケットパークを整備します。現在滝道の景観を損ねているブルーシートに覆われた残置物などの土地所有者による撤去手続きが完了次第、土地を取得し、整備を進めます。今後も箕面大滝への玄関口である箕面駅前ロータリーの改修や、サブリースの仕組みによる滝道の空き店舗の有効活用など、さらなる活性化を実現し、市民が誇れる魅力的な観光エリアにしてまいります。

 桜井駅においては、駅前ロータリーが令和5年度に供用開始され、令和6年度には植樹により緑を充実させるなど整備を進めています。新年度も引き続き、南側改札口の令和9年のオープンに向け、阪急電鉄株式会社と連携し進めてまいります。

 続いて、「文化・芸術のまち箕面」のブランド化です。

 箕面は文化の薫りが似合うまちです。アートプロジェクトと銘打って、市民の皆さまを中心に多くの方々が利用するあらゆる公共施設にアート作品を展示するほか、ガラス扉やチョークボードを使ったアート制作など、アートに溢れた空間を創出します。さらに、野外ステージなどを活用し、まちなかで音楽やダンスを楽しめる場を提供し、文化活動をより身近に感じられる環境を整えます。

 また、新年度には、国際協力都市連携30周年を迎えるニュージーランドのハット市から訪問団を受け入れます。記念式典やニュージーランドフェアを開催し、国際交流を深めるとともに、世界に開かれた、多文化が共生するまちづくりを進める機会とします。

 次に、子どもたちから高齢者までが気軽にスポーツに親しむことができる「スポーツのまち箕面」をブランド化します。箕面にゆかりのあるスポーツチームであるサントリーサンバーズ大阪やガンバ大阪、大阪エヴェッサ、岩谷産業陸上競技部との連携をさらに深めてまいります。新年度は、ガンバ大阪の市民応援デーとしてパブリックビューイングを実施するほか、各種イベントを開催します。また、箕面スケートボードパークでは、小学生までを対象としたスケートボード体験会を開催し、利用促進を図ります。

 続いて、「健康長寿のまち箕面」のブランド化です。

 新年度は、箕面市立病院において指定管理による運営が始まります。安全安心で質の高い医療を提供できるよう、指定管理者である医療法人協和会との連携を密にし、着実に取り組んでまいります。

 一方、半導体工場など国主導の大型事業や大阪IRなどの影響により、設備工事会社の確保が極めて困難な状況であったことから、新市立病院整備事業に関する入札が不調となりました。直近では、大阪母子医療センター建替えの入札不調や、神戸市立医療センター新西市民病院移転建替えの発注延期など全国の公立病院において、事業の見直しを余儀なくされる事例が相次いでいるほか、民間病院においても、建替えそのものを見合わせる事例がみられます。

 しかしながら、老朽化が進む箕面市立病院において、早期の移転建替えは必要不可欠であり、立ち止まることはできません。そこで、当初予定していた「基本設計からのデザインビルド方式」に拘ることなく、事業者が参加しやすい環境を整えることを最優先事項とし、病院建設実績が豊富な建設工事会社や設備工事会社、設計事務所に対し、整備手法や着工可能時期などの調査を実施しました。

 その結果、「基本設計からのデザインビルド方式」では、設備工事会社はもとより、建設工事会社の参加も得られず、入札の成立が見込めないという結果となりました。

 建設市況は短期間で大きく変化しており、さらにこの先も施工体制を確保できるかどうか不透明な中、早期開院に向け、設計だけでも進めるべきと判断し、「設計施工分離方式」により再スタートを切ることとしました。早速4月には設計委託業務の発注公告を実施する予定です。

 開院時期の見極めは非常に困難ですが、現時点では、令和13年度中の開院を目指し、手続きを進めてまいります。今後も設計事務所へのヒアリングを通して整備スケジュールを見直しつつ、建設・設備工事会社へのトップセールスを継続して行うなど、できることは全て行い、新市立病院の早期開院をめざして取り組んでまいります。

 次に、「安全安心なまち箕面」のブランド化です。

 新年度は、警察や金融機関などの関係機関と連携し、振込金額を0円から10万円までにする少額設定や国際電話拒否の設定など、特殊詐欺対策に関する効果的な周知広報を最大限展開し、その取り組み効果を検証してまいります。また、令和6年度から6年間で順次更新する通学路及び公園の防犯カメラ1,140台の更新に加え、新年度からは自治会で設置する防犯カメラに関する補助制度を拡充します。これらの取り組みを継続強化し、犯罪発生率の低減をめざします。

便利で安心 歩いてどこでも行けるまちへ

 3点目は、「便利で安心 歩いてどこでも行けるまちへ」の実現です。

 まず、バス路線網の最適化です。北大阪急行線の延伸開業に合わせて実施した箕面萱野駅を中心としたバス路線網の再編については、市民の皆さまからも様々な声を頂いています。令和6年度は、バス路線の最適化に向け、利用状況の分析や市民アンケート・利用者アンケートなどを行い、市民ニーズの把握、オレンジゆずるバスの実証運行の見直しの検討や社会実験路線の評価・見直しの検討などを行いました。新年度は、オレンジゆずるバスの実証運行や社会実験路線の見直しの検討を継続して行い、見直し後の運行内容を決定してまいります。また、昨年12月から箕面・新稲及び粟生間谷・彩都地域周辺で実証運行を開始したAIオンデマンド交通「のるーと箕面」についても、利用状況の分析・検証を行います。引き続き、バス事業者などの関係者と粘り強く交渉しながら、市内全域における便利で持続可能な公共交通網の構築をめざし取り組んでまいります。

 公共交通を補完し、市内交通ネットワークをさらに充実させる新たな交通システムとして実証中のシェアサイクルについても、引き続きサイクルステーションの拡充に努めます。

 福祉有償運送オレンジゆずるタクシーについては、令和6年度に運用を見直した結果、当日予約ができなくなり利便性が低下したという声がありました。新年度からは当日予約枠を復活させ、利用者ニーズに応じたサービスの提供に努めてまいります。

 さて、昨年は、1月に石川県能登半島地震が発生し、8月には初の南海トラフ地震臨時情報の発表があり、災害への備えの重要性を改めて考えさせられる一年となりました。また、先日1月17日には、阪神・淡路大震災から30年という節目を迎え、災害に強いまちづくりの必要性を、改めて深く認識しています。新年度は、災害対策のレベルを大きく引き上げます。避難所生活では、プライバシーの確保が難しく、心身の健康に影響を及ぼす課題があります。そこで、既存の避難所をプライバシーに配慮した「完全プライベート型避難所」へと整備し、生活環境を改善します。具体的には、約5千張りのテント型パーティションなどの資機材を追加整備し、全避難所で約1万3千人分のプライバシーに配慮した衛生的な空間を確保します。これにより、安心して避難できる環境を整えます。また、地域防災ステーションの設置を拡充し、誰もが歩いて行ける距離に避難所または地域防災ステーションがある環境をめざします。さらに、災害発生場所や範囲、各対策部の対応状況などを一元管理・共有する情報共有システムや大型モニターを導入するなど、災害対策本部の機能強化を図り、市民の皆さまの安全を守ります。

 また、災害時はもちろん、平時においても市民の安全を守るために重要となるのが消防力です。箕面市と豊能町の今後の消防需要を見据えた消防力保全計画に基づき、令和8年4月の運用開始をめざして、(仮称)箕面中部拠点と(仮称)箕面東A拠点の整備を進めてまいります。

 続いて、市民が安全安心に暮らせるまちづくりは、障害のある方々との共生のまちづくりでもあります。重度障害者の日中活動の場となる生活介護事業所(市立障害者自立支援センター)として、新年度は、令和7年7月に「いろはもみじ萱野」を開所するとともに、令和9年4月の開所をめざした「あかつき園」建替えの本格的な工事に着手します。そのほか、令和8年度の検証を踏まえ、令和10年をめざした「(仮称)ワークセンター小野原」の開所に向けては、引き続き地域の理解を得る取り組みを丁寧に進めてまいります。

 また、令和6年度に設置した箕面市障害者就労検討会議において、新年度中の具体的な取り組みのスタートをめざし、障害者優先調達の拡充に加え、障害者の就労機会を広げる新規事業の展開可能性や必要な支援体制などを検討してまいります。

 以上、この場で申し上げました市政の重点運営方針のほか、「子育て・教育 世界一のまちへ」「緑あふれる 突き抜けるブランド力あるまちへ」「便利で安心 歩いてどこでも行けるまちへ」の3本柱に関する主要施策の詳細につきましては、議会提出資料の「予算概要」にてお示ししております。

 昨年3月23日、箕面市にとって約50年にわたる念願であった北大阪急行延伸線がついに開通しました。この抜群の交通利便性をより充実させ、次世代の箕面市につないでいく重大な役目への責任を感じています。

 3月12日には、箕面萱野駅前南側交通広場とかやの第一駐輪場がオープンします。みのおキューズモールと連携し、箕面萱野駅周辺の駐輪環境改善の一環として昨年12月に先行して実施いただいたキューズモール駐輪場の料金改定に続き、駅周辺の市営駐輪場もかやの第一駐輪場のオープンに合わせて無料時間や料金を見直し、自動二輪の駐輪台数を拡充します。新たなランドマークである箕面萱野駅を拠点に、都心への優れたアクセスをさらに活かすため、今後も取り組んでまいります。

 また、北大阪急行延伸線のもう一つの新駅である箕面船場阪大前駅には、大阪大学箕面キャンパスや文化芸能劇場、船場生涯学習センターがあり、国際交流・文化の拠点となります。また、多くのステークホルダーを含む地域全体と新しいビジネスを営むベンチャー企業のつながりを演出し、産業集積拠点を創出します。さらに、本市では初の取り組みとして、市の職員が大阪大学の共創機構の研究員となり、そこで得た知見を地域課題の解決に活用します。加えて、市内で創業する事業者向けの新たな支援制度を通じて、地域経済の活性化と住民利便性向上の好循環をつくります。

 このほかにも、地権者で組織する土地区画整理組合が実施する粟生間谷地区の面整備に伴う大型商業施設の誘致により生じる交通課題への対策や、市民評価型の市長給料の導入など、公約でお約束しましたことはもちろん、まちの魅力を最大化し、憧れられる新たなまちづくりをめざした取り組みを着実に進め、市民の皆さまのご負託に応えてまいります。

 これからも市民ファーストで、開かれた市役所で市民の声を活かすまちづくりをめざし、「粉骨砕身」、持ち前の若さと行動力で、信念を持って、ワクワクする箕面の明日を創っていく決意でございます。市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、新年度の施政及び予算編成方針とさせていただきます。

 なお、ご提案申し上げました予算案及び関連諸議案につきましては、それぞれご上程の都度、関係職員から説明をさせますので、よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

 

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