更新日:2010年3月1日

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平成16年度施政及び予算編成方針

平成16年(2004年)2月

箕面市長 梶田 功 

 

本日ここに、平成16年度(2004年度)予算案及びこれに関連します諸議案をご提案申し上げ、ご審議をお願いするに当たり、当面する市政の運営方針と予算案の概要を申し述べ、議員各位並びに市民の皆さまの温かいご理解とご協力を賜りたいと存じます。  

新しい世紀を迎えて4年目となる本年は、平和の祭典、アテネオリンピックが開催される年であります。何かと暗いニュースが多い昨今でありますが、オリンピックにあやかり、世界平和が実現することを願いつつ、私に与えられた職責を全うし、本市の限りない発展のため全力をつくす所存であります。 

振り返りますと、昨年は、重症急性呼吸器症候群、いわゆるSARSの大流行にはじまり、イラク戦争の勃発とその後の復興支援、大手銀行への公的資金の注入や地方銀行の一時国有化など、不安と混乱のうちに幕を閉じた1年でありました。しかし同時に、景気回復の兆しが見えはじめ、長引く不況からの脱出という期待を抱かせる1年でもあったと存じます。 

我が国の経済は、この10数年来、金融機関の不良債権とその裏側にある企業の過剰債務に苦しめられてまいりました。これを克服し、日本が持続的な経済成長を取り戻すには、経済や財政、行政、社会の各分野における構造改革が必要との考えから「小泉構造改革」が推進され、現在、日本経済はバブル経済崩壊後3度目の回復基調にあると言われております。 

従来の景気対策は、政府の財政出動による公共投資型経済対策を中心としたものであったため、企業の財務体質の改善が進まず、過去2度にわたる回復基調も長続きすることはありませんでした。しかし、今回は、政府の公共投資依存型ではなく、企業の収益改善と輸出による外需が回復の原動力になるなど、民需主導で経済が持ち直しているように見受けられます。決して楽観視することはできませんが、これを機に、日本経済が長引く不況から脱出し、本格的な回復に至ることを心から期待するものであります。

 

一方で、我々地方自治体を取り巻く情勢も大きな転換期を迎えた1年でありました。平成12年(2000年)4月に地方分権一括法が施行され、機関委任事務の廃止や自治事務の導入などにより地方自治体への権限移譲がなされました。しかし、真に自立した自治体となるには税財源の移譲、いわゆる「地方分財」が不可欠であり、その解決が懸案となっておりました。

昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」いわゆる「骨太の方針2003」では、「三位一体の改革」の具体像が打ち出され、今後3年間で、国から地方への税源移譲と国の補助金・負担金の整理・合理化、地方交付税制度の見直しを一体的に進めることが決定されました。 

この方針を受け、平成16年度(2004年度)は、補助金の削減とともに一部財源の移譲がなされる予定でありますが、本市の税収構造からしますと、その内容は、市にとって厳しいものであると認識しております。まだまだ改革の内容が不透明であり、今後ともその動向を注視する必要がありますが、これまで遅々として進まなかった税源移譲が国の意思として決定されたことは、地方分権一括法施行後の地方自治体にとって、意義深い第1歩であったと存じます。

 

地方分権が叫ばれ、都市間競争、地域間競争と言われて久しいところでありますが、「地方分財」が現実のものとなれば、いよいよ本格的な都市間競争の時代が到来いたします。 

自己決定、自己責任を求められる地方分権時代において、地方自治のキーワードは「自立」と「個性」と「競争」であると存じます。与えられた権限と財源を有効に活用し、街の個性化戦略を推し進めることにより、住民に選択されるまちづくりを如何にして進めるか、自治体の知恵とアイデア、創意工夫が求められております。 

これまでのような全国一律、横並び型のまちづくりを踏襲する自治体は淘汰され、市民ニーズを的確に捉え、その満足度を引き上げることのできる自治体が生き残る厳しい時代であります。

 

そういった意味で、私は、今一度初心に立ち帰り、本市が自立した自治体として生き残れるように、また、市民の皆さんに「箕面に住んで良かった」と心から思っていただけるように、本市を取り巻く諸課題に対し真摯に取り組む決意を新たにし、以下、市政運営の基本的な考え方を申し述べたいと存じます。

市政運営の基本姿勢

全国の自治体をめぐる情勢は非常に厳しいものがあります。本市も例外ではありませんが、厳しい時代であるからこそ、より一層、将来のあるべき姿を描きつつ、その目標に向かって着実に進む努力と、それを可能にするための行財政基盤の強化・充実が必要であると存じます。 

決してマイナス思考に陥ることなく、知恵を絞って創造的な解決策を模索する努力が必要であります。 

そういった意味で、私は、この厳しい状況を逆に自治体改革のチャンスと捉え、「経営」という視点から、「積極姿勢」で行財政運営を進めてまいりたいと考えております。 

都市(まち)は生き物であり、新陳代謝を繰り返しています。不安におびえ、立ち止まるばかりでは本市の将来はありません。もちろん、ただ漫然と事業を展開すれば良いというものではなく、しっかりとした方針と戦略をもち、経営規模の適正化を図りつつ、市民ニーズに合致した政策推進を図ることが肝要であると存じます。

 

第四次箕面市総合計画の着実な推進

平成13年度(2001年度)から平成22年度(2010年度)の10箇年を計画期間とする第四次箕面市総合計画も中盤を迎え、本年度から第2期実施計画期間に移行いたします。 

第四次箕面市総合計画は、本市の将来のあるべき姿、将来ビジョンを描いたものでありますが、施策全体を貫く視点として「人権の尊重」と「安全の確保」をかかげ、全ての市民の人権が尊重され、安全が確保されるまちづくりを前提として、3つのリーディングプランを中心に各種施策の推進を図ってまいりました。 

振り返りますと、第1期実施計画期間は、新しい総合計画のスタート、初動期に当たり、10年間の礎となる基本的な施策を重点的に実施した期間でありました。 

本市の新たな都市拠点、市民交流の拠点として整備を進めておりました箕面新都心「かやの中央」は、昨年10月に無事まち開きを果たし、予想を上回る賑わいをみせております。また、本市のシンボルである山なみ景観、山間・山麓部の保全と活用については、公益信託方式による「みのお山麓保全ファンド」を設立するなど、市民主体の保全活動のための仕組みについて一定の道筋をつけることができました。 

子育て環境の整備と教育の充実については、様々なソフト施策のほか、病後児保育室の設置など「保育所制度の充実」や「地域子育て支援センター」の整備、さらには教育現場におけるITの有効活用などを推進し、一定の基盤を整えることができたと考えております。 

これに対して、第2期実施計画は、第1期実施計画期間に種をまき、芽を出した各種施策を大切に「育て上げる」重要な時期であると存じます。また、少子高齢化を背景として、より一層の子育て施策の充実や、既成市街地の活性化と住環境の保全など、身近な生活を豊かにするための地域密着型の施策展開が求められるものと考えております。 

このような認識に立ち、第2期実施計画で力を注ぐべき主な項目について4点申し上げます。

 

第1に、リーディングプランの推進についてです。

先ほど申し上げたとおり、リーディングプランについては、概ね順調な進捗をみているところでありますが、今後は、創り上げた施設や仕組みのもとで、これが市民に根付いたものとなるよう、市民との協働による施策展開に努めてまいりたいと存じます。

子育て環境の整備と教育の充実については、全国的なすう勢として、合計特殊出生率が1.3人程度まで落ち込むなど、依然として少子化に歯止めがかからない状況が続き、昨年7月には「次世代育成支援対策推進法」が制定され、次世代育成支援対策についての基本理念を定めるとともに、国による「行動計画策定指針」や、地方公共団体及び事業主による「行動計画」の策定などが義務づけられました。 

本市では、これに先立ち、平成11年(1999年)に「箕面市子ども条例」を制定し、その理念を具体化すべく平成13年(2001年)には「箕面市子どもプラン」を策定して総合的な子ども施策の推進に努めてまいりました。少子化の背景には様々な要因があろうかと存じますが、少なくとも、子どもをもちたいと願う市民が安心して子どもを産み、育てることのできる環境を整えることは、行政として喫緊かつ重要な課題であり、地域における子育て支援、親子の健康の確保、教育環境の整備、子育て家庭に適した居住環境の確保、仕事と家庭の両立などについて、必要な施策を講ずる必要があると存じます。 

今後は、これまで実施してきた様々なソフト施策の内容をさらに充実させるとともに、子育て環境の整備の具体策として、「豊能広域こども急病センター」の円滑な運営や地域における子育て支援機能の充実を図り、教育の充実については、児童・生徒の「生きる力」の育成に向けた取り組みを通じ、学力・体力の向上を促進するとともに、インターネットや学習用電子教材を活用した「より分かる、より楽しい」授業を展開し、IT社会に対応した教育の充実を図ってまいりたいと考えております。併せて、小中学校の教育環境の充実と児童・生徒の安全確保のため、計画的な改修工事を進めてまいります。 

山間・山麓部の保全と活用については、公益信託「みのお山麓保全ファンド」の設立により、山林所有者や市民グループがおこなう活動に対する財政的な支援制度が整いました。山間・山麓部の保全は、大変息の長い、壮大な取り組みであります。先人たちが守り、育てた山麓部の緑を現在の私たちが享受し、様々な恩恵を受けております。これを市民の手でさらに発展させ、次代に引き継いでいくことが私たちの責務であります。このため、今後は、ファンドを有効に活用し、NPO法人「みのお山麓保全委員会」との十分な連携のもと、山林所有者・市民・行政の三者協働による保全活動を通じて山麓保全アクションプログラムを推進することにより、本市のシンボルである山なみ景観、山間・山麓部の保全と活用に努めてまいりたいと存じます。 

箕面新都心「かやの中央」については、順調な滑り出しをみせておりますが、この街が持続的に発展し、次代の市民に誇れるような街となるには、これからが最も大切な時期であると存じます。 

私が描く箕面新都心「かやの中央」の姿は、市民の手によって支えられ、時代とともに「成長する街」であります。この街では、これまで多くの市民の皆さんがまちづくりにかかわり、夢を描いてこられました。昨年のまち開きイベントでは、市民、事業者、関係団体が一堂に会し、「市民活動センター」や「かやの広場」で多彩なオープニングイベントが開催されました。 

こうした取り組みの積み重ねにより、市民、地域に根ざした「まち育て」活動が継続的に展開され、街の持続的な発展につながるものと存じますが、特に、市民活動センターには、分野を越えて市民活動をつなぐ情報の収集と交流の拠点となることを期待しております。また、憩いの空間、くつろぎの空間である千里川や公園・緑地などの公共空間について、イベントにかかわった皆さんを中心に自主的な環境美化活動に発展し、市民・事業者・行政のパートナーシップがさらに強くなることを願っておりますが、「まち育て」の取り組みは一朝一夕に成り立つものでもなく、市民の手による自律的な「まち育て」活動の展開に向けて、今しばらく側面的な支援を続けてまいりたいと存じます。 

また、箕面新都心「かやの中央」の持続的な発展と併せ、北大阪急行線延伸の実現に向け、引き続き粘り強く取り組んでまいります。

 

第2に、既成市街地の活性化と住環境の保全についてです。 

本市は、都市計画法や独自の条例に基づき、建設行為の規制・誘導を図るとともに、道路や公園などの基盤整備を計画的に進めてきた結果、自然環境に恵まれた大阪近郊の住宅都市として発展してまいりました。 

街の成り立ちは、阪急箕面線沿線を中心として西部地域から市街化が進行し、現在、市民の約半数が西部地域に住まわれております。このように古くから発展した西部地域は、既に街の成熟期を迎えておりますが、落ち着いた街なみを形成する一方で、様々な課題も顕在化しております。とりわけ、駅前を中心に賑わっていた商店街については、既成市街地における居住人口の減少や高齢化などの要因により活力を失いつつあり、地域の生活拠点としての賑わいを取り戻すことが大きな課題であると認識しております。もとより、商業の活性化は行政だけで達成できるものではなく、商業者が中心となって取り組んでいただく必要があると存じますが、市といたしましても、地元商業者の皆さんと連携し、桜井地区、箕面地区を中心とした既成市街地の活性化方策について積極的に取り組み、市の果たすべき役割を担ってまいりたいと存じます。 

また、既成市街地では、今後、土地利用の更新が進むものと考えられますが、誰もが暮らしやすいまちづくりを実現するため、昨年11月に決定いたしました箕面市版「高度地区」や、「箕面市まちづくり推進条例」に基づく独自の建設基準により、良好な住環境の確保を図ってまいりたいと存じます。加えて、地区計画や建築協定など、地区レベルのまちづくりルールについても、それぞれの地区の特性にあった個性的なまちづくりの推進のため、市民の自主的な活動を支援してまいりたいと存じます。 

地区ごとに個性を競い合うようにまちづくりルールが策定され、その積み重ねの中で箕面市としての街のグレードがさらに高まる。そんなまちづくりをめざしてまいりたいと存じます。

 

第3に、安全・安心のまちづくりについてです。

市政運営に当たり、「安全・安心」は重要なキーワードであります。誰もが日々安心して暮らせる身近な生活環境の整備や、万が一の災害に備えた危機管理など、ハード、ソフト両面にわたる施策の充実は大変重要な課題であると存じます。 

昨年、世界を震撼させたSARS騒動に見られるように、市民の生活をおびやかす危険はどこに潜んでいるか容易には察知できません。従来の防災対策や防犯対策に加え、テロ対策など、日常生活をおびやかす突発的な事件への対応が求められており、危機管理体制の強化・充実が必要であります。 

消防・救急体制については、市民の生命・財産を守るため、災害発生時はもとより、平常時においても、突発的な事件に備えて体制の充実を図ることが求められており、安全・安心のまちづくりを支える基盤として、引き続きその充実に努めるとともに、より迅速かつ的確な対応を可能とするため、最新の通信指令装置の整備に着手いたします。併せて、地域の中核病院である市立病院の大規模改修に着手し、救急外来スペースの拡張など、医療体制の充実に取り組んでまいりたいと存じます。 

防災については、風水害、地震災害などの自然災害について、市民が安心して暮らせるように、災害に強いまちづくりを推進するとともに、危機管理体制の強化が必要であると存じます。阪神・淡路大震災の発生から9年が経過し、人々の意識の中で次第に震災の記憶が薄れつつありますが、これは大変危惧すべき状況であります。「災害は、忘れたころにやってくる」「備えあれば憂いなし」の精神で、引き続き、防災対策に取り組んでまいります。 

防犯については、近年、全国的に犯罪の発生件数が増加傾向にあり、その内容が凶悪化、低年齢化するなど、極めて憂慮すべき事態にあります。本市の犯罪発生件数は減少傾向にありますが、その内容が凶悪化しており、日々の安心を確保するには、身近な防犯対策が必要であります。 

平成14年(2002年)4月に「大阪府安全なまちづくり条例」が施行され、昨年3月には箕面警察署のほか、防犯委員会や青少年を守る会など、多くの関係団体と大阪府及び本市が連携し、「箕面市安全なまちづくり推進協議会」を立ち上げ、「市民の防犯意識の醸成」や、「犯罪の起きにくいまちづくり」、「犯罪を犯しにくい環境づくり」などの課題について検討しているところであります。このような取り組みを通じて、市として果たすべき役割を整理し、所要の措置を講じるとともに、防災対策、防犯対策のほか、日常生活全般にわたる危機管理体制の強化・充実を図り、安全・安心なまちづくりを総合的に進めてまいりたいと存じます。 

また一方で、高齢社会を迎え、安全・安心なまちづくりには、街のバリアフリー化も急務であります。ノーマライゼーションという理念のもと、平成12年(2000年)5月、いわゆる「交通バリアフリー法」が施行されました。本市では、専門家、高齢者・障害者団体、交通事業者などからなる「策定委員会」の提案を受け、「交通バリアフリー重点整備地区基本構想」の策定を進めておりますが、構想策定後は、鉄道事業者、バス事業者など関係者と連携し、駅舎の改善など、所要の措置を講じてまいりたいと存じます。

 

第4に、花とみどりあふれるまちづくりについてです。

潤いのある街には「花と緑」が欠かせません。本市には「自然環境に恵まれた緑豊かな街」というイメージがありますが、その多くは山間・山麓部の緑によるものと存じます。決して市街地の緑が少ないということではありませんが、私の理想は、街中に市民の手によって育てられた木々や花々が咲き誇る「花と緑あふれる街」であります。 

花や緑は、街の景観を向上させるだけではなく、人々の心を和ませ、潤いを与えてくれます。不況にさらされ、殺伐としたニュースが飛び交う昨今ですが、人々の心が砂漠のように渇き、社会全体が潤いを求めていると感じるのは私だけでしょうか。 

花や緑を見て楽しみ、また、自ら育てることによって、改めて生命の大切さやありがたさ、人に対する優しさや思いやりの心を感じたり、花や緑を介して隣近所のつきあいが深まることがあるのではないでしょうか。子どもたちの情操教育にも良い影響を与えるものと存じます。 

このような思いから、私は、「花とみどりあふれるまちづくり」を進めるべく、平成14年度(2002年度)から様々なイベントや緑化相談の実施、「まちかど表彰」や花苗の配布など、市民の手による「花と緑」の取り組みを支援し、輪を広げるための施策を推進しております。昨年は箕面新都心「かやの中央」のまち開きに併せ、公園内の花壇づくりや記念植樹などもおこなったところでありますが、市民の皆さんによる公園などの環境美化活動の推進なども含めて、引き続き、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 

以上4点について、第2期実施計画期間に力を注ぐべき主な項目として、考えを申し述べましたが、いずれも市民の皆さんとの協働なくしては立ち行かないものばかりであります。 

私は、昨年度の施政方針において、地方分権の流れの先には、それぞれの地域住民が主体的に活動し、互いに支え合う社会があること、また、それを実現するには、市民、行政のそれぞれが自己改革を達成し、新たな市民像、行政職員像を創出する必要があることを訴えました。 

市民参加を進める中では、市民と行政、もしくは市民間で様々な軋轢が生じます。しかし、これを避けることなく、努力を続けることによりともに成長し、市民と行政の協働関係を築くことが非常に重要であると存じます。そういった意味で、私は、率先して市民の皆さんとの対話を重ね、自ら研鑽に努め、市民の皆さんとの協働関係の構築に努めることにより、誰もが住みよく、いきいきと暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと存じます。

 

計画的・効率的な行財政運営

次に、計画的・効率的な行財政運営について申し上げます。

 

「積極姿勢」で市政を運営するには、その前提として、本市が十分な体力をもち、地方分権を担える行政組織であることが必要であります。「重要施策の推進」と「財政基盤の安定化」という二律背反する命題の両立は、極めて困難な課題でありますが、これを達成しない限り、責任ある市政運営がおこなえず、その実現は、市にとって重要な取り組みであります。 

本市では、このような課題を解消すべく、昨年2月に「箕面市経営再生プログラム」を策定し、本市行政システムの抜本的再構築に取り組んでいるところであります。経営再生プログラムでは、改革の方向性として3つの改革を打ち出しており、第1に、小さな政府への転換をめざす「構造改革」、第2に、歳入に見合った歳出規模をめざす「歳出改革」、第3に、自ら考え、行動できる職員の育成をめざす「意識改革」をかかげ、その具体策として、「行政評価制度」など、11の処方箋を提示しております。また、経営再生プログラムの計画期間は平成14年度(2002年度)から18年度(2006年度)の5年間であり、最終年度は総合計画第2期実施計画と一致しております。 

11の処方箋のうち、行政評価制度については、経営再生プログラムを実行するための基本ツールとなるものであり、総合計画第2期実施計画で3年間の施策の方向性を示し、行政評価制度により毎年度、その進行管理を図るシステムとなっております。 

なお、第2期実施計画においては、限られた資源の有効活用と再配分を進めるため、従来の実施計画の内容を大幅に見直し、「事業中心」から「施策中心」に考え方を改めたところであります。総合計画に82ある「施策」を一律に並べるのではなく、施策ごとに3年後の到達目標を示し、「目標水準」と「資源配分」の両面から優先度を整理したもので、限られた資源の効率的な配分による市民サービスの向上を目的としております。 

このほか、「アウトソーシング計画」、「第2次職員定員適正化計画」、「滞納整理の特別対策」などにより、行政事務の効率化、適正化を図るとともに、現在策定中の「人材育成計画」に基づき、職員の能力や業績を給与に反映させるなど、職員の人材育成や能力開発と組織の活性化を図ることによって抜本的な自治体改革を推進し、本市が地方分権を担いうる行政組織となるよう、取り組んでまいりたいと存じます。

予算編成概要

次に、予算編成の概要について申し上げます。

 

予算の編成に当たりましては、経営再生プログラムの目標値に従い編成に臨むとともに、第四次箕面市総合計画を着実に推進するため、平成16年度(2004年度)を初年度とする第2期実施計画との整合を図りながら、地方分権の受け皿として安定した財政基盤を確立することを目標といたしました。また、国の「三位一体の改革」については、平成16年度(2004年度)地方財政計画に基づき所要の措置を講じております。 

本年度の財政見通しにつきましては、本市歳入の根幹である市税収入において、「かやの中央」地域をはじめとする新築家屋の増加などにより固定資産税の増収が見込まれるものの、恒久的な減税の継続実施や長引く景気低迷の影響などで個人市民税が7年連続して減少するなど、市税としては前年度より約1億8千万円の減収となっております。 

また、競艇事業収入については、議員各位のご支援・ご協力のもと、平成15年度(2003年度)に続き、SG競走である「第19回賞金王決定戦競走」を開催することとなりました。売上の減少など、本事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にありますが、売上向上策の推進や固定経費の削減など、一層の経営努力を図ることで、一般会計への繰出金として11億円を確保したいと考えております。議員各位におかれましては、今後とも貴重な自主財源を確保するため、競艇事業に対するご理解とご支援をお願い申し上げます。 

歳出においては、行政評価制度との更なる連携を図ることにより、限られた財源を有効的かつ効率的に配分し、真に必要な行政サービスについて、成果重視の予算編成を行うことを基本方針といたしました。 

その結果、経営再生プログラムに示した平成16年度(2004年度)の経常収支比率の目標値“106.6%以内”に対し、101.0%、また、臨時経費等に充当する基金につきましては、目標値“約20億円以内”に対し、約14億円の取り崩しにとどめることができました。しかしながら、財政構造の硬直化は極めて深刻であり、今後とも経営再生プログラムに基づく様々な取り組みを着実に推進する必要があると考えております。 

以上の考え方に基づき予算を編成した結果、

会計区分

予算額

対前年比

一般会計

433億3,000万円

3.0%減

特別会計

競艇事業費

790億2,331万4千円

3.7%減

国民健康保険事業費

103億6,908万2千円

11.2%増

牧落住宅団地事業費

2,268万円

0.6%増

老人保健医療事業費

86億865万8千円

4.6%減

財産区事業費

21億7,050万6千円

1.8%減

萱野中央土地区画整理事業費

1億748万5千円

84.9%減

介護保険事業費

45億2,158万5千円

5.8%増

小野原西土地区画整理事業費

24億6,216万2千円

49.4%増

公共用地先行取得事業費

11億2,427万7千円

45.3%減

病院事業会計

88億7,498万9千円

9.0%増

水道事業会計

44億3,907万7千円

14.2%増

公共下水道事業会計

30億2,887万3千円

8.3%減

1,680億8,268万8千円

1.9%減

となった次第であります。

 

主要施策の概要

次に、本年度の予算編成にあたり、意を注ぎました主要な施策について申し上げます。

 

安心して暮らせるまちづくり

保健・医療・福祉施策の総合的推進

市立病院については、施設の老朽化や市民ニーズの変化に対応し、アメニティの向上やプライバシーの保護、バリアフリーの促進など、利用者サービス向上のため、「市立病院経営健全化計画」に沿って、計画的な施設改修に着手いたします。また、微細な“がん”の早期発見が可能となる最新の「核医学検査システム」を導入し、医療の質を高めるとともに、経営改革の一環として、本年度から給食調理業務の外部委託をおこないます。 

なお、改修計画の策定に当たっては、利用者である患者、市民の皆さんからご意見をいただく機会を設け、実施設計などへの反映に努めます。 

健康増進については、昨年策定した「健康みのお21」に基づき、乳幼児から高齢者までの生涯を通じた健康づくりの推進や、基盤整備を進めてまいります。 

一次予防については、食生活や運動習慣の改善を中心とした多彩な健康教室を開催し、市民の健康づくりを支援いたします。 

二次予防については、がん検診をはじめとする各種健康診査を実施し、疾病の早期発見・早期治療に努め、健康寿命の延伸及び医療費の削減を図ります。このうち、前立腺がん検診については、本年度から対象年齢を拡大し、歯科健診は、対象年齢を拡大するとともに、出張歯科健診箇所の充実を図ります。 

母子保健については、安心して子育てができ、子どもが健やかに育つ環境を整えるため、子育てサロンや育児健康相談などの地域展開を拡充し、母子の健康の保持・増進に努めてまいります。 

また、小児救急医療体制の充実を図るため、本年4月に「豊能広域こども急病センター」を本市で開設いたします。当センターは、小児科医が不足し、十分な小児救急体制を維持することが難しくなる状況に対応すべく、豊能二次医療圏、いわゆる箕面市、豊中市、吹田市、池田市、豊能町、能勢町の4市2町の広域連携により設置するもので、年間を通じて、休日、夜間、早朝の小児急病患者に対する365日の初期救急診療体制を確立することにより、子育て環境の充実を図ります。 

地域子育て支援センターについては、西部地域での整備のあり方について、箕面サンプラザ内の分室の利用実態、課題整理などを含めて、引き続き検討いたします。 

また、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て施策の「行動計画」について、「保健医療福祉総合審議会」のご意見をうかがい、策定してまいります。 

高齢者福祉施策については、地区福祉会等による小地域ネットワーク活動などの福祉活動が効果的に展開されるよう、中小学校区及び西小学校区において、地域活動拠点の整備を図るとともに、地域の青少年健全育成活動を促進するための拠点としても有効活用を図ります。 

市民団体、NPOが主体となり、柔軟できめ細かな高齢者サービスを提供する「街かどデイハウス」については、新たに2箇所で設置・運営に対する補助をおこないます。 

介護保険については、平成17年度(2005年度)に予定されている制度見直しに向けて、「保健医療福祉総合審議会」のご意見をうかがい、第3期「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定を進めてまいります。 

障害者福祉施策については、障害者実態調査や現行計画の進捗状況を踏まえ、現在策定中の 第2次「障害者市民の長期計画」に基づき、総合的に施策を推進してまいります。なお、障害者市民の在宅生活を支援し、障害者福祉の向上を図るため再整備を進めておりました障害者福祉センターささゆり園については、本年度リニューアルオープンし、従来の機能に加え、新たに、身体障害者デイサービス事業を展開いたします。 

また、老人デイサービス、知的障害者デイサービスを一体的・複合的に提供できる小規模・多機能型サービス拠点として、光明の郷ケアセンターを設置いたします。 

大阪府池田保健所箕面支所の廃止に伴う施設の跡利用については、成人保健、高齢保健など保健事業の展開を図るとともに、社会福祉協議会の事務所機能及びボランティアセンターなどの機能を合わせもった複合施設として活用してまいります。 

身近な生活環境の整備と保全

住環境については、昨年11月に都市計画決定した「高度地区」や、関係法令、本市独自の条例に基づき、引き続き、安全で快適な住環境の保全と育成に努めてまいります。 

また、「高度地区」による市街化区域内での建築物の高さ制限や社会情勢の変化などを踏まえ、「箕面市まちづくり推進条例」の建設基準を一部見直し、市街化調整区域における建築物の高さ制限の導入などにより、さらなる住環境の保全・育成に努めます。 

市民に身近な緑、公園・緑地については、民有地を含んだ総合的な指針である「みどりの基本計画」に基づき、「花とみどりあふれるまちづくり」などの施策を積極的に推進いたします。 

また、道路・公園施設の維持・管理については、市民、事業者、市などが役割分担し、協働で環境美化活動を進める「アドプト活動」を展開することにより、花や緑のある美しい街なみの形成と、地域コミュニティの醸成を促進してまいります。 

循環型社会への取り組みについては、昨年10月、ごみの減量と資源化を目的として、指定ごみ袋の無料配布制度の変更と、ごみ処理の一部有料化を実施いたしましたが、その後の市民の皆さんのご意見を踏まえ、総容量を超えない範囲で袋の種類と配布枚数を選択できるシステムに変更いたします。 

また、焼却ごみの減量と資源化を図るための実証実験として進めている「生ごみと剪定枝による特殊肥料の生成」については、本年度から、生ごみ供給の対象となる公共施設をこれまでの保育所から小学校まで広げ、特殊肥料の生成量を拡大するとともに、生成した特殊肥料の利用システムについて検討を深めてまいります。 

安全の確保

安全・安心のまちづくりについては、従来の防災対策や防犯対策に加え、テロ対策など今日的な課題を踏まえ、日常生活全般にわたる危機管理体制のあり方について検討してまいります。 

防犯については、箕面警察署との連携を密にするとともに、「犯罪の起きにくいまちづくり」の一環として、自治会に対する防犯灯設置補助の内容を拡充することにより防犯灯の設置を促進し、併せて、市による街路灯の設置を進め、犯罪の起きにくい明るい街の実現に取り組んでまいります。 

消防・救急体制については、瞬時に現場の地図情報を検索し、出動指令などに迅速かつ的確に対応できるシステムを構築するため、通信指令装置の更新に向けた具体的な調査・検討に着手いたします。また、東分署及び西分署に配備する消防ポンプ自動車2台を更新し、常備消防力の充実・強化を図ります。 

併せて、救急業務の高度化とメディカルコントロール体制の強化に対応するため、救急活動の事後検証と救急救命士の教育研修体制の充実・強化を図り、さらなる救命率の向上をめざすとともに、市立病院においても、改修工事により救急受け入れ体制を充実いたします。 

また、高齢社会を迎える中、住宅火災による高齢者の罹災の低減・抑制を図るため、高齢者世帯などに重点をおいて住宅防火診断、啓発活動などを引き続き実施いたします。 

交通安全対策については、市道箕面今宮線と新御堂筋の交差点改良に向けた事業に着手するとともに、西小路地区において踏切の統廃合工事を実施し、踏切事故の防止に努めてまいります。 

防災については、土砂災害から人命を守るため、平常時と災害発生時を通じて市民と行政機関が相互に通報できる「土砂災害情報相互通報システム」を整備するとともに、止々呂美地区の前川について、狭小な河川断面の拡幅・改修工事をおこないます。

いきいきと暮らせるまちづくり

文化の振興と教育・学習環境の充実

人権施策の推進については、「箕面市人権のまち条例」に基づき、様々な人権課題に対する施策や、啓発、教育などの事業展開に当たっての基本的な方向性を明らかにするため、人権に関するアンケート調査の結果や人権侵害にかかる事象の状況などを踏まえ、「人権施策審議会」の審議・提言をいただきながら、次期「人権行政基本方針」を策定いたします。 

また、男女協働参画社会の実現に向けて、第4期「男女協働参画推進計画」の策定を進めるとともに、男女協働参画課、女性ルームを庁舎第3別館に移転し、相談室や情報コーナーを充実するなど、市民の活用を促進いたします。 

学校教育については、児童・生徒の「生きる力」を育成するため、一人ひとりに応じた、きめ細かな指導を支援できる体制を整えるとともに、子どもの体力づくりを支援してまいります。また、インターネットや学習用電子教材を活用した授業については、総務省の「EduMart(エデュマート)構想」実証実験の成果を踏まえ、本年度以降も市単独事業として継続いたします。 

学校施設の改修については、東小学校の大規模改修工事に着手するとともに、西南小学校屋内運動場の改修工事をおこない、教育環境の整備・充実を図ります。また、箕面小学校、豊川南小学校、第二中学校において、児童・生徒の安全確保のため、外壁改修工事を実施いたします。 

水と緑の健康都市で建設を予定している「小中一貫校」については、子どもの“育ち”に合わせた特色のある教育を実現し、街のシンボルとなるような学校づくりをめざして、基本設計をおこないます。 

また、第一総合運動場市民野球場については、安全性の確保のため、防球ネットの設置工事をおこないます。 

自然環境と地球環境の保全

自然環境の保全については、「みのお山麓保全ファンド」を活用し、山林所有者・市民・行政の三者協働による保全活動を支援することにより、山麓保全アクションプログラムを推進いたします。 

地球環境の保全については、「みのおアジェンダ21の会」と連携し、「地球環境保全行動計画」の推進に向けて、継続的な取り組みを進めてまいります。市有建築物の改修に当たっては、経費縮減と環境対策に配慮した工法の導入に努めることを基本とし、東生涯学習センターの空調設備について、国の補助を活用し、省エネルギー型で環境にやさしい空調システムへの取替工事をおこないます。 

雇用創出と産業の活性化

雇用創出については、国の「緊急地域雇用創出特別基金事業」を活用し、失業者・就職困難者へ雇用機会を提供するとともに、障害者雇用支援センター機能やシルバー人材センター機能の活用と併せ、地域就労支援事業における雇用・就労情報の発信や相談機能により、総合的な就労支援をおこないます。 

商業の振興については、既成市街地活性化策の一環として、阪急箕面線の桜井駅及び箕面駅周辺を中心とする西部地域において、今後の活性化方策のあり方を検討し、基本となる計画を策定いたします。 

また、地域商業の賑わい創出と個店の経営基盤強化を図るため、新たに「(仮称)地域商業賑わい創出緊急補助事業」を創設し、空き店舗を活用した創業支援など、所要の措置を講じてまいります。 

観光の振興については、箕面市観光協会との連携による事業を引き続き実施するとともに、豊能地区3市2町による広域観光事業の推進や、名所・旧跡マップの作成、観光ポスターの掲示、ホームページの充実などによる観光情報の発信に努めます。 

農業の振興については、見直しをおこなっている「農業基本指針」に基づき、都市農業の経営基盤の強化のため、農業者と市民の相互理解や市民の農業への参加などの施策を展開してまいります。

 

暮らしを支えるまちづくり

秩序ある市街地の形成

水と緑の健康都市については、平成19年(2007年)春のまち開きに向けて、昨年7月に大阪府と締結した「基本協定」に基づき、事業の円滑な推進に努めます。また、止々呂美地区既存集落周辺部のまちづくりについては、水と緑の健康都市をはじめとして、余野川ダム、国道423号バイパスなどの関連事業の進捗を見据えながら、地元組織である「止々呂美地域まちづくり協議会」が策定し、市へ提案された「基本構想」の具体化について検討してまいります。 

彩都(国際文化公園都市)については、事業主体である都市基盤整備公団との十分な協議・調整により、基本理念である「アメニティ豊かな複合機能都市」の形成に向けて、計画的な事業の推進に努めます。 

小野原西特定土地区画整理事業については、無秩序な開発を防止し、安全かつ快適な市街地形成を図るため、引き続き、道路築造工事、整地工事などを進めてまいります。 

桜井駅前地区については、社会経済情勢の変化や地権者合意の状況を踏まえ、従来の市街地再開発事業手法にこだわらず、市による道路買収方式などへの転換を模索しておりますが、引き続き、地元商業者、地権者の皆さんとの協議を重ね、合意形成に努めます。 

道路整備については、小野原豊中線第2工区において橋梁工事、道路築造工事を実施するとともに、止々呂美東西線について、水と緑の健康都市の整備に合わせて、区域外部分の整備を進めます。 

なお、里道敷・水路敷など、国有財産である「法定外公共物」などの譲与については、本年度中に譲与申請をおこない、契約を締結いたします。 

また、誰もが安心して移動できる環境整備のため、国及び大阪府と連携し、バス事業者に対して低公害型ノンステップバス導入にかかる経費の一部を補助いたします。 

北大阪急行線の延伸については、箕面新都心「かやの中央」のまち開きを踏まえ、本年秋に予定されております「近畿地方交通審議会答申」でのランクアップに向けた取り組みを強化いたします。 

上水道については、引き続き鉛製給水管の取り替えを推進するとともに、青松園配水池の耐震化、箕面浄水場浄水処理施設の更新に着手するなど、安全・安心な水道水の供給に努めます。また、北部水道事業の余野川ダム利水について、給水コスト軽減などの観点から、大阪府営水道への水源変更を引き続き検討してまいります。 

公共下水道については、萱野汚水中継ポンプ場の老朽化に伴い、改修計画を策定し、これに基づいた実施設計を進めてまいります。また、浸水被害の発生を解消するため、牧落地区などで雨水管整備を進めます。 

なお、経営の安定を図り、将来にわたって安定した下水道サービスを提供するため、本年4月から下水道使用料を改定いたしますが、より一層の経営の効率化と経費削減に努めてまいる所存でありますので、ご理解いただきたいと存じます。 

美しい景観形成に向けた取り組みについては、本市の特徴である山なみ景観と住環境の保全に努めるとともに、「箕面市都市景観条例」に基づき、適切な誘導をおこなうことにより、個性豊かな街なみ景観の形成を促進いたします。

多様な市民活動の推進

行政情報の提供については、市民との情報の共有化を図るため、広報紙やホームページの内容充実に努めるとともに、コミュニティ放送など多様な情報媒体を活用してまいります。また、施行後16年を経過した「箕面市公文書公開条例」について、「情報開示審査会」の答申を踏まえて改正いたします。 

また、庁内に様々な情報システムが導入されている中、社会全体の急速な情報化の進展に伴い、電子データの漏洩やコンピューターウイルスによる侵害行為など、新たな課題に対処するため、「箕面市情報システムの管理運営に関する条例」を制定し、これに基づきセキュリティポリシーを策定するとともに、コンピューター起動時の利用者認証やウイルス対策など、情報セキュリティ対策を講じてまいります。 

さらに、数年内に更新時期を迎える基幹的な情報システムがあることを踏まえ、より効率的かつ経済的で安全性の高い情報システムのあり方について全庁的な検討を進めてまいります。 

なお、住民基本台帳ネットワークシステムについては、本年1月に開始された公的個人認証にかかる手続きも含め、引き続き適切な運用を図ってまいります。 

コミュニティ施策については、基礎的なコミュニティである自治会について、今後2年間の時限措置として「自治会創設費補助金」を設置し、新たな自治会の設立を支援いたします。 

また、コミュニティセンター5箇所において、地元管理運営委員会と連携し、一部施設の改修工事をおこない、事務所スペースなどの環境改善を図ります。 

市民参加については、これまでの様々な取り組みをさらに充実・強化し、市民と行政の協働によるまちづくりを推進してまいります。特に本年度は、「かやの中央」に開設した市民活動センターについて、運営主体であるNPO法人「市民活動フォーラムみのお」との的確な役割分担のもと、同センターが様々な市民活動の拠点となるよう、効果的な運営に努めるとともに、インターネット上に「市民活動支援情報交流サイト」を構築し、多様な市民ニーズと活動団体のニーズをマッチングするなど、各団体間や市民活動センターとの情報交換の場を提供し、市民活動の活性化を促進してまいります。

 

以上、本年度の施政及び予算編成について、その概要を申し上げた次第であります。

 

冒頭に申し上げましたとおり、我々自治体を取り巻く情勢は大変厳しく、分権型社会の一翼を担う責任ある自治体として、自ら徹底した行財政改革に取り組みつつ、創意・工夫を凝らし、市民福祉の向上のため、諸課題に対して果敢かつ果断に挑戦し、市民との協働のもと、市民ニーズに合致した豊かな地域社会の創造をめざすことが求められております。 

成熟社会を迎えようとする中で、市民の満足度を高めていくには、潜在的な市民ニーズに目を向け、顕在化させることが必要であります。特に今後は、安全、安心、快適、健康といった個人生活の質を高める分野の施策強化が求められ、少子高齢社会の到来を考えると、高齢者ケア、医療、子育て支援などの施策を充実させる必要があるものと存じます。同時に、街の個性化を進めていくうえで、その街の自然、歴史、風土、文化を素材として他地域との違いをどう組み立てていくかが重要であり、本市においては、自然に恵まれた住宅都市を基調とした「箕面ブランド」を守り、育てることが大切であると存じます。 

「財政基盤の安定化」「行政の体質改善」という観点からは、引き続き経営再生プログラムに基づく改革を着実に実行することが重要であると存じます。改革には痛みを伴うものでありますが、今や行財政の改革は喫緊の課題であります。財政状況が悪化すれば、結局は市民が不利益を被ることになります。時として、市民の皆さん、市職員に対し、厳しい改革案を示すことにならざるを得ませんが、本市の将来を見据えたとき、誰かがやらねばならない改革であることを肝に銘じ、また、今の痛みが必ずや将来の箕面市にとってプラスとなって返ってくることを信じて、批判をおそれずに改革を断行する決意であります。 

中国の儒学者、仲長統の『昌言』に「安危に其の志に弐かず、険易に其の心を革めず」という言葉があります。困難だから、簡単だからという価値判断で安易に心を変えてはならない。目標に向かって、どんな状況になっても信念を貫き通す心構えが必要。という意味でありますが、私も、この言葉にならい、勇気をもって前進する所存でありますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 

先般おこなわれました大阪府知事選挙では、太田房江知事が再選され、公約にかかげられた「大阪再生」に向けて2期目のスタートがきられたところでありますが、府政と市政に共通する政策課題については、府内市町村長と十分に議論されるなど、府市協調を基本とした取り組みを期待するものであります。

 

また、本年7月には参議院議員選挙がおこなわれる予定であり、本市では8月に市議会議員選挙、市長選挙が予定されるなど、平成16年(2004年)は、国政、府政、市政についての政治的選択の節目となる年であります。私自身の任期が本年8月26日をもって満了となりますので、予算編成に当たりましては骨格のみにとどめおくべきとも思料いたしましたが、今日の社会経済情勢を考えますとき、約半年間も市政運営を停滞させることは余りにもその影響が大きいと考え、敢えて年間を通ずる予算編成をいたした次第でありますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 

なお、本年度予算の編成に当たり、議員各位並びに各会派からいただいておりますご意見、ご要望に対しましては、厳しい財政状況の中で最大限努力をいたしましたので、何とぞご理解を賜りたいと存じます。 

ご提案申し上げました予算案及び関係諸議案につきましては、それぞれご上程のつど、関係職員からご説明申し上げますので、何とぞよろしくご審議の上、ご議決賜りますようお願い申し上げます。

よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:市政統括政策推進室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6718

ファックス番号:072-724-6971

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