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更新日:2014年2月25日

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平成26年度(2014年度)施政及び予算編成方針

平成26年(2014年)2月

 箕面市長 倉田 哲郎

 本日、ここに、平成26年度(2014年度)における予算案及び関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げ、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 2期目の市政運営をスタートさせて1年半。市民の皆さまからご信託をいただき、箕面の施政をお預かりしてから早いもので5年半の歳月が過ぎようとしています。
 振り返れば、初めて市長に就任させていただいた当時、最も危機感を覚えたのは、本市の逼迫した財政事情でした。就任前年の平成19年度(2007年度)一般会計決算は、市制施行以来、初めての赤字決算という極めて厳しい状況に陥っていました。

 こうした財政危機を打開するため、就任後ただちに、抜本的な行財政改革に着手し、職員給与の削減や事務事業の大胆な見直しなど徹底的な改革に取り組んでまいりました。その一方で、緊縮財政一辺倒ではなく、「安心・支えあい最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」を政策の3本柱に据え、国の緊急経済対策などを最大限に活用しながら、未来への投資も積極的に行ってきました。全小中学校の耐震化や彩都の丘学園の整備など教育環境の充実、小野原地域における図書館を併設した多文化交流センターや子育て世代からご高齢の皆さままで幅広い世代の活動の場となる多世代交流センターをはじめとする公共施設の整備などが、その一例です。
 そして、1期目の最終年度となる平成24年度(2012年度)の一般会計決算において、臨時財政対策債を除いてもなお経常収支比率が100%を切る、10年ぶりの完全黒字を達成することができました。これらは、ひとえに市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力があってこそ成し得たものであり、ここに改めて、心からの感謝を申し上げる次第です。

 私は、2期目の所信表明において、この4年間で確実に変化をもたらしたいテーマとして「教育改革」「北大阪急行線の延伸と関連のまちづくり」「公務員制度改革」の3つをお示ししました。
なかでも特に、「北大阪急行線の延伸と関連のまちづくり」につきましては、この間、市議会議員並びに市民の皆さまの力強いご支援をいただきながら、大きなハードルをひとつひとつ乗り越え、ついに本年は、いよいよ延伸実現への歴史的な一歩を踏み出す1年となります。したがいまして、それぞれのテーマはございますが、この場では、「北大阪急行線の延伸と関連のまちづくり」を中心に、新年度における市政の重点運営方針を申し上げ、「安心・支えあい最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」の3本柱にかかる主要施策の詳細につきましては、議会提出資料の「予算概要」にお示しをさせていただきます。

 平成26年度(2014年度)も、安全で住みよい、将来にわたって輝き続ける箕面をめざし、議員の皆さま並びに市民の皆さまのお力添えをいただきながら、強い信念をもってぶれることなく、本市の未来をしっかりと見据えた市政運営を推し進めてまいりますことを、ここにお誓い申し上げます。

市政の重点運営方針

 箕面の最大の魅力は、「みどりと住みやすさ」にあります。
 箕面市は、古くから落ち着きのある低層住宅を中心に良好なまちなみが形成され、市街地には農家の方々の努力によって残されたかけがえのない農地が、貴重なみどりの空間を創出しています。
 また、市街地を優しく包む北摂山系の山々は、四季折々に鮮やかな彩りを見せます。大阪都心部から20分も車を走らせれば、本市のシンボルである緑の屏風が視界いっぱいに広がりを見せ、帰宅する市民や箕面を訪れる多くの人々に安らぎと潤いを与えてくれています。
 市の西部では、阪急箕面駅前が平成24年(2012年)春に全面リニューアルを果たし、川床の復活など箕面大滝へ続く滝道と駅周辺が一体となって活性化に取り組んでいます。

H26施政方針写真・滝道

 駅前の市営駐車場・駐輪場の再整備では、PFI事業手法により利用者の安全性と利便性を最優先にしつつ、周辺道路の美装化など回遊性を創出する魅力あるまちづくりを進めています。
 桜井地区では、“歩いて暮らせるまちづくり”をコンセプトに、自治会、商店会、まちづくり団体の方々と駅周辺の将来像を描きながら、官民協働による再整備への歩みを進めています。

H26施政方針写真・桜井駅前パース

 また、耐震性やバリアフリーに課題を抱える西南公民館についても、周辺に広がる公共施設群と一連のものとしてさらに力を発揮できるよう、建て替えをも視野に入れた基本構想の検討を進めようとしています。
 東部の小野原地区では、広い歩道沿いにおしゃれな店舗が立ち並び、長年の課題であった図書館を併設した「多文化交流センター」がオープンし、国際色豊かな地域特性を発揮しながら、多くの人たちでにぎわいを見せています。

H26施政方針写真・小野原

 まちの形が整いつつある彩都地区では、小中一貫校「彩都の丘学園」から聞こえる子どもたちの賑やかな声に包まれながら、市内最大規模の「国文都市6号公園」や幹線道路となる「国文都市4号線」の工事が着々と進行し、みどりあふれる魅力的な住環境を背景に、急加速で人口の定着が進んでいます。

H26施政方針写真・彩都

 中部のかやの中央地区では、親水空間や公園、ゆったりとした道路空間などグレードの高いオープンスペースと、年間1千万人の集客を誇る大型商業施設(みのおキューズモール)を拠点とするまちづくりが成果をあげ、外縁部に広がる長閑な田園風景や住宅地と見事に共存しながら、箕面らしい都市核を形成しています。

H26施政方針写真・かやの中央

 箕面グリーンロードにより南部市街地と直結した北部地域では、箕面森町に小中一貫校や保育所など教育・子育て環境が整い、さらなる地域の活性化が期待される4年制大学((仮称)履正社大学)の開校に向けた準備が進められています。
 市全体を見渡してみると、近年は毎年1千人以上の規模で人口が増加し、各地の学校で教室が足りなくなるほどに子どもたちも増え続けています。長年にわたり先を見通してきた箕面市政の成果として、また、官民を問わず重ねられてきた努力により、全域にわたって、それぞれの地域が強い個性をもって姿を顕してきているのが、現在の箕面市です。
 そして今、本市まちづくりの総仕上げであり、これら個性あるまちを大きくつなぐ結節点ともなる北大阪急行線の延伸構想が最終局面を迎えようとしています。
 本市の都市骨格の背骨を成す鉄軌道「北大阪急行線の延伸」。箕面の都市インフラに残された最後の重要課題であるとの認識のもと、鉄道整備では全国初となる社会資本整備総合交付金を活用した枠組みを構築し、幾度にも及ぶ大阪府や鉄道事業者との協議や国への要望など、私自らが先頭に立ち、市役所一丸となって持てる力をすべて注ぎ込んでまいりました。

H26施政方針写真・北大阪急行線1

 これらの努力の積み重ねにより「北大阪急行線の延伸整備」に関して、ようやく事業化合意に向けた最終調整が整い、過日、大阪府が「戦略本部会議」にて、また、阪急電鉄株式会社、北大阪急行電鉄株式会社においても、それぞれ意思決定手続きが執り行われたところです。これを受けていよいよ来月、大阪府、阪急電鉄株式会社、北大阪急行電鉄株式会社、そして箕面市の4者による「合意書」の調印に臨みます。
 箕面市最後のビッグプロジェクトともいえるこの北大阪急行線の延伸は、私が生まれる以前、昭和43年に策定された箕面市総合計画にその構想が書き起こされてから、既に約45年の歳月が経過しています。私が先頭に立って取り組んできたのは、わずかそのうちの5年半。それでも、遠く長く感じた道のりであり、本当に“ようやく”というのが正直な気持ちです。
 いま、北大阪急行線の延伸が、実現に向け2本のレールの上を動き出そうとしています。これも、歴代の市長をはじめ諸先輩がたの長きにわたるご努力と、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力の賜物であり、改めて心からの感謝を申し上げます。

H26施政方針写真・北大阪急行線2

 鉄道延伸にかかる事業費については、昨年完了した鉄道基本設計をもとに大阪府、箕面市、鉄道事業者が共同で算出するとともに、本市負担を軽減するべく交渉を積み重ねた結果、総事業費は650億円、このうち本市の負担額は概ね185億円と見込んでいます。今定例会における市議会の了承を経て、この春からは、鉄軌道の詳細設計、事業許認可に向けた各種手続きを進め、概ね5年程度の工事の後、平成32年度(2020年度)の開業を目標として、鋭意進めてまいる所存です。

H26施政方針写真・北大阪急行線3

 また、鉄軌道にあわせて、新駅の周辺整備も構想していくことになりますが、まちづくりは、人為的に特徴を生み出すのでなく、その立地特性がもともと持つ強みを伸ばし育てていくべきというのが、私の持論です。まちの中心的な役割を担う核がしっかり存在し、それが立地特性に沿うものならば、必要な機能の集積が自ずと始まり、まちそのものが放射状に広がり融合しあい強い力となっていくと考えています。
 現在、すでに都市核をもつ(仮称)新箕面駅については、アクセス性を強化する都市計画道路萱野東西線の整備に向けて実施設計、用地交渉などとあわせ、駅前広場の整備検討に着手しています。また、かやの中央の魅力を一層引き出すため、子育て支援を中心とする公共施設整備や民間施設の誘致策の検討なども進めていきます。
 (仮称)箕面船場駅については、市内で唯一高層ビルが許容されるエリア特性と、大阪都心部や新大阪への強力なアクセス優位性を最大限に生かし、大阪船場繊維卸商団地協同組合と連携して、まちづくりの核となる施設の検討を進めています。その一つが複合的な機能を持つ公共ホールの実現可能性の検証です。グリーンホール(箕面市立市民会館)は、建設から半世紀近くが経過し、施設の老朽化による維持・改修費の増大や、アクセス面の弱さなどの課題を抱えています。市内だけでなく、市外からも強力なアクセス優位性を持つ駅前ホールは、人の流れの核となり、船場地区のポテンシャルを最大限に生かす起爆剤となりえます。

 

 これら新駅周辺のまちづくりは検討をスタートさせた段階であり、いずれも一つの選択肢です。引き続き、あらゆる可能性を排除せず、民間の資金や経営能力、技術力を活用したPFIやPPPなどの整備手法も視野に入れ、持続的に発展する未来となるよう検討を深めてまいります。
 北大阪急行線の延伸については、目途がついたとはいえ、ようやく、スタート地点に立ったにすぎません。事業推進に向け組織体制の強化を図りながら、しっかりと先を見据え、強力に進めていく決意でございますので、市議会議員並びに市民の皆さまの力強いご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

 次に、平成26年度(2014年度)の予算編成概要についてご説明申し上げます。 

予算編成概要

 一般会計の予算規模は、410億4千万円で、前年度から18億8千万円の増(対前年度比4.8%増)となりました。
 歳入の根幹である市税収入は、前年度から約6億円増(対前年度比2.6%増)の約224億円となる見込みです。
 歳出では、扶助費など、社会保障関係費において、約6億円の増(対前年度比6.9%増)となる見込みです。
 基金については、必要最小限度の取り崩しにとどめる一方で、競艇事業の企業会計移行に伴う25億円の積み立てや、定額運用基金の機能再編など平成25年度(2013年度)の補正予算を含め、基金残高は約228億円と、前年度当初予算から約63億円の増(対前年度比38.4%増)。平成20年度(2008年度)水準(約147億円)と比較して、基金残高は約81億円の増となり、基金に頼ることのない予算編成に加え、将来に備えた財政余力を格段にアップさせています。

H26施政方針グラフ・基金残高の推移

 市債につきましては、新年度も発行を極力抑えた結果、市債残高は、前年度から約9億円減(対前年度比2.9%減)の約288億円となり、健全な財政運営を実現しています。

H26施政方針グラフ・市債残高の推移

 なお、当初予算における経常収支比率は94.6%となり、6年連続で安定的に経常黒字を達成。臨時財政対策債を除いた経常収支比率においても99.8%と、平成13年度(2001年度)以来、実に13年ぶりの完全経常黒字を達成した予算となりました。

H26施政方針グラフ・当初予算の経常収支比率

 競艇事業収入は、これまで下水道の全市整備やNox規制に伴う消防車両の集中更新など、その時代に応じて必要となる臨時的なプロジェクトへの投資に活用してきました。新年度から競艇事業は企業会計への移行を果たしますが、移行に伴う25億円の一般会計への一括繰り入れのほか、引き続き新年度からも6億円の一般会計繰り入れをめざしていきます。なお、企業会計への移行に伴い、他場主催の場外発売については、その収益分のみを計上する仕組みに変わることから、競艇事業の予算規模は、旧会計方式の前年度と比べると681億円の大幅減という数字になっています。
 病院事業会計につきましては、地方公営企業会計制度の改正に伴い、新年度予算は一時的に見た目上の赤字となりますが、年度末時点では剰余金の振り替えによる相殺効果のほうが上回るため、累積赤字が4億円規模で減少する見通しです。会計制度改正の影響を除いた実質的な収支差は、前年度予算と比較して約1億9百万円の収支改善となっており、完全黒字化に向けた着実な改革が進んでいます。
 水道事業会計につきましては、約1千6百万円の黒字を、また、公共下水道事業会計においては、約1億6千8百万円の黒字を見込んでおり、引き続き、「箕面市上下水道経営改革プラン」に基づき着実な経営改革を進めてまいります。
 以上、新年度の一般会計に特別会計・企業会計を加えた全会計の予算総額は1,227億8千万円で、主に競艇事業の企業会計移行により、前年度から633億2千万円の大幅減(対前年度比34.0%減)となっています。

 

 新年度における予算は、厳しく精査しながらも、箕面の魅力をさらにアップし、これから先も箕面がずっと活気あるまちであるために勇気をもって投資するメリハリのあるものに仕上げています。
 平成26年度(2014年度)の主な施策については、主要施策の概要にお示しをしていますが、特に力を入れて取り組むものとして、新年度からの「箕面市農業公社」の本格稼働です。農業を成立させ、市内各地に残る農地を保全するとともに、中学校給食への地場産物の活用をはじめ地産地消率を向上させるべくスタートしたものですが、これをより確かなものにするため一般社団法人化し、独立採算をめざして運営していきます。

H26施政方針写真・田園風景

 また、市の貴重な財産である豊かなみどりを将来にわたって維持・保全していくための安定的な財源の確保策として、有識者等の意見を踏まえながら、宅地開発の事業者等を対象とした新たな“緑化負担”のための税制度の検討を進めていきます。
 箕面の子どもたちの健やかな成長と輝かしい未来を切り拓く一助となるべく、子どもたちの成長を中心に据えて進めているのが「教育改革」です。昨年4月から、切実感と緊迫感を持つ保護者中心の委員構成でスタートした新教育委員会では、実際に何度も学校に足を運び、全国学力・学習状況調査でトップ水準を誇る秋田県由利本荘市の小・中学校を訪問されるなど、精力的に活動されています。
 教育委員会と学校現場の意思疎通をさらに深めるため、新年度は、初めて中学校で行政職員を校長・副校長へ登用するとともに、秋田県由利本荘市への教員の長期派遣や教員採用選考の豊能地区での単独実施など、教育改革の実現に向けてきめ細かな取り組みを継続していきます。
 また、グローバル化や高度情報化社会に対応するため、小学1年生からの毎日の英語教育の試行を開始するとともに、すべての教室への電子黒板の整備など、時代を先取りした教育環境づくりを進めます。

H26施政方針写真・電子黒板

 これらの施策のほか、高齢者から子どもまで、公園など身近なフィールドを利用したラジオ体操やウォーキングイベントを通じた市民の健康づくり。真の待機児童ゼロをめざして、桜井地区、市立病院敷地、彩都地区に新たな保育所の開設。キッズスペースや屋外テラス整備など、親子づれで利用しやすく、ゆっくりくつろげる中央図書館のリニューアル。市民の皆さまにわかりやすく利用しやすい本庁舎の窓口レイアウト変更など各種取り組みを進め、この美しく便利なまち箕面に住みたい、箕面に住んでいて良かった、箕面にずっと住み続けたい、そう感じていただけるよう、引き続き、積極的な事業展開を図ってまいります。

 

 冒頭に申し上げたとおり、私は、希望あふれる未来への積極的な投資を行う一方で、抜本的な改革に一貫して取り組み、将来の世代に負担を先送りしない行財政運営にこだわり続けてまいりました。
 また、市民の皆さまからの信頼を得るため、市役所を身近に感じてもらうこと、市役所に新しい風を取り入れることに主眼をおいて「市役所改革」に取り組んでまいりました。特に、企業などの経験者採用や人事交流の導入などに注力した結果、就任当時と比べると、職員の意識は格段に変化していると感じています。
 その結果、平成24年度(2012年度)一般会計決算で10年ぶりに完全黒字を達成。今回の予算案においても、完全黒字を達成し、極めて健全性の高い予算編成を実現できました。これは、全ての職員、全てのセクションが一丸となって、妥協を許さない改革の断行に取り組み、自らを変化させてきた証でもあります。
 就任以来、こだわり続けてようやく成し得た健全な行財政体質を、これから先も崩すことは絶対に許されません。そこで、これまでの成果を一時的なもので終わらせず、将来にわたって健全で活気ある行財政運営を継続させる大きな仕掛けとして、今議会や新年度の議会において2つの提案をさせていただきます。

 

 1つめの提案は、財政運営全体の基本ルールを定める「財政運営基本条例」です。これは、1期目の就任直後に発足させた改革特命チーム“ゼロ”が掲げた「子ども達の未来に負担を先送りしない」という理念、いわば今を生きる大人として当然の責務を具現化したものです。施策実施にあたっての財源確保や市債発行等のルールを定めるとともに、中長期的な財政見通しの策定や財政状況の公表など、財政運営の計画性と透明性を確保し、収入にあわせて支出を組むという組織本来の姿を改めて制度化して、将来にわたって健全な財政規律を確保する仕組みとしています。
 また、健全な財政規律を堅持するための縛りは、大規模なプロジェクトについても例外ではなく、本条例では特に将来にわたり財政支出を伴う事業を「特定事業」と位置づけ、長期財政試算のうえ、条例で財政支出ルールを定めることとしています。
 なお、直近では北大阪急行線の延伸事業が「特定事業」の対象となり、収支計画の公表、進捗状況や財政運営に与える影響額の議会への報告義務だけでなく、鉄道延伸の本市負担185億円の取り扱いについて、歴代市政が貯蓄してきた延伸基金65億円を充てるほかは、残りすべてを競艇事業収入によって賄う財政支出ルールを条例内に定めています。将来にわたり、市民の皆さまからお預かりする貴重な税金による財政運営に影響を及ぼさないことを制度により担保するものです。

 

 もう1つの提案は、人事・給与制度構造改革です。これは、2期目の就任直後に発足させた改革特命チーム“ゼロⅡ”が 「頑張る職員には報い、頑張らない職員には“一切”報いない制度」をめざしてとりまとめた「人事・給与制度構造改革プラン(たたき台)」を具現化したものです。
 これまでの市役所の人事・給与制度は、頑張りが評価されにくく、頑張っても頑張らなくても同じというものでした。このまま、ともすると起こりやすい上司と部下の給与の逆転現象を放置し、昇進しても仕事が増えるだけの現状を容認し続けることは、意欲ある多くの職員のモチベーションを削ぎ、せっかく高まった箕面市の組織活力を長期的に減衰させていきます。
 そこで、本人・周囲の双方にとっての納得性の高い人事評価の導入とあわせて、年功序列を廃し、頑張った職員が相応に報われる制度として、平成27年4月実施に向け、新年度に「一般職の職員の給与に関する条例」ほか関係条例の改正を行う予定です。これは、人材が育ち、活かされ、将来にわたり箕面市役所が行動する組織であり続けるために必須の仕組みと確信しております。そして、公務員制度としては新しいかもしれないけれど、いわば世間では当たり前の人事・給与制度でもあり、今後、全国の地方公共団体のモデルになっていくものと考えております。

 5年半におよぶ行財政改革につきましては、皆さまのご理解とご協力により、一定の成果を導くことができました。ここに重ねて心からの感謝を申し上げます。この成果を2つの仕組みにより持続させ、これから先も、市議会議員並びに市民の皆さまのご意見を柔軟に受け止め、職員一丸となって未来を見とおした行財政運営に尽力していく所存です。

 

 1910年に箕面有馬電気軌道として開業した阪急箕面線は、箕面のまちを大きく拓き、箕面の発展の礎となり、開通100年を経過した今もなお、当たり前に箕面のまちや人々の暮らしを支え続けています。

H26施政方針写真・箕面有馬電気軌道1

 4年前の施政方針でも申し上げましたが、はたして開通当時の人々は、100年後の今の、この素晴らしい箕面をどこまで想像することができたでしょうか。この問いは、これから鉄道を延伸しようとする今の私たちにも、いつか未来の誰かが問いかけてくれるかもしれません。まさに箕面が1世紀という時間軸で経験してきたとおり、鉄軌道は、時を超えてまちを支え続けるスーパーインフラです。

H26施政方針写真・箕面有馬電気軌道2

 一方、視点を空に飛ばし、上空から関西一円を俯瞰してみれば、南北に細長い大阪の地勢上、実は、北大阪地域は、東西に展開する日本の国土軸に大阪がタッチする唯一の交点です。いわば北大阪は、全国と大阪都心部をT字状に結びつける陸路の要衝であり、新幹線をはじめ、名神高速道路、中国自動車道など国土軸の主要幹線が、北大阪に集中しているのは地勢上の必然といえます。そして、平成28年度(2016年度)の新名神高速道路の開通により、箕面市はこれら国土軸の“主要幹線の束”の内側に位置し、さらなる要衝性を増すこととなります。

H26施政方針写真・国土軸

 大阪都心部から箕面グリーンロードまで貫く新御堂筋は、大阪においてこれらの国土軸の主要幹線を縦に束ねて縛る力強いロープのような役割を果たしており、その新御堂筋の終着点を市域の中央に擁する箕面市は、いわば国土軸の結び目のようなものです。私たちの住む箕面市は、そんな好立地に恵まれた住宅都市です。
 北大阪急行線の延伸は、「みどり豊かな住宅都市」という本市最大の特性に、国土軸と大阪都心部へのさらなる強力なアクセス性、利便性を加え、市全域にわたって次世代にわたり住宅都市としての価値を大きく高めていきます。
 また、北大阪急行線の延伸の効用は、新駅を結節点とするバス路線網の再編にも及ぶため、積年の課題である市内東西交通の不便さを抜本的に解消することとなります。そしてもちろん、現在は駅が少なく、そのほとんどをバス圏のみのエリアに覆われる箕面市において、2つの新駅は、駅からの徒歩圏・自転車圏のカバー率を圧倒的に拡張させます。

 

 北大阪急行線が延伸した6~7年後のまちを見渡せば、北に連なる山なみを背に、両翼に展開するみどり豊かな田園の広がりのなか、その中央で濃厚に賑わう(仮称)新箕面駅があることでしょう。
 駅前広場の周縁からは東西南北に広い道路が伸び、市全域とバス網を通わせるとともに、まちからまちへと人々を小刻みにつなぐオレンジゆずるバスが元気に走りまわっています。バスに乗ると、活気ある市街地の景色のなかにも、ときおり穏やかな緑が目に入り、子どもたちの給食になる野菜たちが、日々、大きく葉をつける姿が気を惹くことでしょう。もしかすると、背中に「農業公社」と書かれた作業着姿も見えるかもしれません。 

H26施政方針写真・新箕面駅周辺

 駅からビル群が広がるだけの街なら、箕面に住んでいただく意味などありません。鉄軌道の利便性、駅周辺の商業集積や円滑で安全な道路交通と、都心部にない穏やかな田園風景との共存。この共存が、箕面の希少価値を高め、箕面を象徴し、未来においてもきっと市外から羨望の的となっていることを確信しています。
 (仮称)箕面船場駅から地上にあがると、新御堂筋を東西にまたぐ見晴らしの良いデッキにたくさんの人々が往き交う姿を目にし、そこから駅東側には健康機能や文化機能など産・官・学が連携した拠点を仰ぎ見ることができます。デッキから視線を少し下に向ければ、駅前の緑の広場で一休みを終えたビジネスパーソンたちが、屹立する周辺のオフィスビルに元気に入っていく様子が映ることでしょう。

H26施政方針写真・箕面船場駅周辺

 新幹線の時間を気にしながら急いで駅に駆け込んでいく出張と思しき姿や、授業のためか周辺どこかのキャンパスに移動するのんびりした大学生たちの姿も目に入るかもしれません。
美しい山々を背に、いたるところに残るみどり豊かな自然。これら恵まれた住環境を魅力の核に、誰からも愛され、元気で便利で活気あるまち、これこそが、箕面というキャンバスに描かれた未来予想図です。

 昨年9月、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地に東京が選ばれました。実に、半世紀ぶりとなる東京での開催決定が、日本の全国民に大きな喜びを与えたことは記憶に新しいところです。くしくも、同じ2020年度、本市にとって長年の悲願である北大阪急行線が延伸され、開業を迎えます。50年後、100年後も持続的に発展する箕面の未来を描きながら、これからも『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』を座右の銘とし、「変えるべきは断固として変え、伸ばすべきは思い切って伸ばす」の姿勢を貫き、信念をもって強力に箕面市政を進めていく決意でございます。市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、新年度の施政及び予算編成方針とさせていただきます。
 なお、ご提案申し上げました予算案及び関連諸議案につきましては、それぞれご上程の都度、関係職員から説明をさせますのでよろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

 

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