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更新日:2018年2月15日

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平成30年度(2018年度)施政及び予算編成方針

平成30年(2018年)2月

 箕面市長 倉田 哲郎

 本日、ここに、平成30年度(2018年度)における予算案及び関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げ、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

 私が箕面市政を担当させていただき、はや10年となります。10年前、不安と期待、そして熱情をもって、未知の世界の入り口に立たせていただいた時の気持ちは今でも忘れません。「安心・支え合い最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」を政策の3本柱に、この10年、ただ愚直に走り続けてまいりました。しかしながら、ひとの暮らしの続く限り、市政にゴールはありません。新年度も歩を緩めることなく、次の扉を開き、新たな気持ちで一歩一歩を踏み出してまいります。

 昨年末、箕面市において、4歳の幼子が虐待により命を落としました。市は、この幼い命を見守る立場にありました。小さな兆候に気付くことができる距離に居りました。それでも、救うことはできませんでした。私を始め関係者一同、痛恨の極みであり、私たちの関わりの中で何かできることがあったのではないかと自問自答しながらの年越しとなりました。

 市は、ひとの暮らしに最も近い行政です。そのことを、職員一同、今一度、心に刻み、至らなかったところは反省し、見直し、市民の暮らしをすぐそばで支えるべく、一歩ずつ着実に歩を進めていくことを、改めてお誓い申し上げます。

 そして、いま、私たちに受け継がれたこの素晴らしい箕面市も、先達の長きに亘るそうした努力と試行錯誤の積み重ねのうえに形づくられてきたものです。これまでも、これからも、箕面市を愛し、箕面市のより良い明日のため各方面においてご尽力をいただいている市議会議員並びに市民の皆さまに感謝を申し上げ、新年度におきましても、これまで以上に力強く、信念と実行力を以て市政運営を推し進めていくことを重ねてお誓い申し上げます。

予算編成概要

 一般会計の予算規模は、581億8千万円で、前年度から59億1千万円の増(対前年度比11.3%増)となりました。
 歳入の根幹である市税収入は、前年度から約2億6千万円増(対前年度比1.1%増)の約238億円となる見込みです。
 市債につきましては、北大阪急行線の延伸整備などにより、残高は前年度から約57億円増(対前年度比13.3%増)の約483億円となる見込みです。北大阪急行線の延伸や周辺整備が本格化する中で一時的に増加していますが、財政運営に大きな影響を及ぼす水準ではなく、健全な財政を維持しています。

 また、基金につきましては、小中一貫校の増築や学校教育現場のICT環境整備の財源として学校教育施設整備基金を活用するなど、残高は14億円減(対前年度比5.6%減)の約234億円となりますが、各種の事業展開に備えて、10年前と比較すると100億円程度増加した高水準を維持しており、類似団体に比べても依然として良好な状態にあります。

 当初予算における経常収支比率は98.7%となり、定年退職が集中するこの2か年にわたり一時的に上がってはおりますが、10年連続で安定的に経常黒字を達成しています。

 さらに、市の財政が健全かどうかを示す4つの指標、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」は、全てにおいて、良好な状態を示しています。

 病院事業会計につきましては、昨年「新市立病院改革プラン」を策定し、早期の黒字化をめざしているところですが、平成29年度は病床稼働率は順調に改善しているものの、入院患者数を増やすことができず、目標値よりも3億円の収支悪化となる見込みです。新年度は、加えてさらなる収支改善策を実行し、全力で黒字化に向けた取り組みを進めます。また、昨年末には、市立病院の移転建替えに市議会でのご英断を賜りました。コスト面からの経営インパクトも十分考慮しながら、地域医療の中核として、また、市民の皆さまの安心の源として、新病院が備えるべき医療機能や設備を検討する基本計画の策定を鋭意進めてまいります。

 競艇事業会計につきましては、ボートレース業界全体の売上が、平成22年度には約8千4百億円まで落ち込んでいましたが、イメージの一新や広域発売の充実等、業界全体で事業の見直しに取り組み、ついに平成29年度には、目標であった1兆2千億円を達成できる見通しとなりました。

 この間、ボートレース住之江においても、専用場外発売場の新設や外向発売所等の設置による360日発売、ナイターレースの通年実施等に積極的に取り組み、売上向上と収益確保に努め、着実な成果を上げてまいりました。これまでの一般会計への繰出し累計は約1,483億円となり、これまでもこれからも、箕面市民の暮らしを支える貴重な財源です。新年度は、例年の「GI高松宮記念特別競走」と9年ぶりの本市開催となる「GI近畿地区選手権競走」の2本のGI競走を軸に、更なる売上向上、収益確保に努めます。

 水道事業会計及び公共下水道事業会計につきましては、「箕面市上下水道事業経営改革プラン」に基づく財政の健全化が順調に進んでおり、プランの目標である経費回収率100%以上を維持し、水道事業会計では約3億9百万円、公共下水道事業会計では約1億6千5百万円の黒字を見込んでいます。新年度は、大阪広域水道企業団の供給単価の値下げ額を、そのまますべて利用者に還元するべく、7月に水道料金を値下げします。近隣市に比べて特に「料金が高い」との声が多い、概ね3人から4人世帯のご家庭に手厚く還元する方針で、年間千円程度の値下げが実現いたします。

 以上、新年度の一般会計に特別会計・企業会計を加えた全会計の予算総額は1,458億円で、前年度から39億4千万円の減(対前年度比2.6%減)となっています。
 新年度も、財政規律を高いレベルで堅持しつつ、未来に向けた積極投資を惜しまず、50年後、100年後まで見据えたメリハリのある行財政運営を行ってまいります。

 市政の重点運営方針

 冒頭で触れましたように、昨年末に起きた痛ましい事件について、何をすべきだったのか、何かできることがあったのではないかと悔やみ、省みる日々ではありますが、私たちはここで立ち止まっているわけにはまいりません。どうしたら次の事件の芽を摘むことができるのか、すぐにも行動に移すことこそが、亡くなった命のためにできるただ一つのことであると考えています。

 今回のケースの反省点は主に2点。ひとつは、市と大阪府池田子ども家庭センターや警察との連携が不十分であったこと。もうひとつは、命の危険に及ぶ可能性がある新たな事象に気づいた職員がいたにもかかわらず、過去の見立てによって決められた方針に囚われ続け、対応を見直すことができなかったことです。

 そこでまず、行政機関だけで構成されていた児童虐待を取り扱う会議体(要保護児童対策協議会・児童虐待部会)に、新たに弁護士など複数の専門職を入れ、箕面警察署からも参加いただくとともに、市の参加者についても役職クラスを上げて一本化することで、先入観を排除し、判断の客観性を高め、対象児童や家庭の最新の状況に即した判断ができる合議体へ強化することといたしました。また、市の組織体制として、要保護児童とその家庭の支援を専門的に取り扱う「(仮称)児童相談支援センター」を創設します。4月当初は現有人員からのスタートとなりますが、新たに社会福祉士などの専門職の採用を進め、国が平成29年4月に創設した「市区町村子ども家庭総合支援拠点」制度を活用して、10月を目途に専門職を集めた14人体制の構築をめざします。センター長は副部長クラスとし、すべての関係課室長を横断的に兼務させて、セクト主義に陥るリスクを排除し、俯瞰的な視点と緻密な連携ができる体制を整えます。

 さらに、今回のように、虐待の危険レベルが比較的軽度と位置づけられて市が担当しているケースにおいて、新たな事象の発生により高度な対応が必要になった場合等に、市と子ども家庭センター間で抜けのない確実な対応をするための役割分担ルールの策定が必要と考え、大阪府との協議に着手したところです。

 そして、反省点のなかでも悔やみきれないのは、過去に立てた方針が先入観となり、察知した危険な兆候を見逃してしまったことです。現在、この経緯についてさらに詳しく分析をしているところですが、先入観を排除し、かつ担当者個人の経験に過度に依存することのない情報伝達や判断の「しくみ」の構築を急ぎ進めてまいります。

 昨年度は、市が保有する子どものあらゆるデータを統合して定点観測を行う「子ども成長見守りシステム」の運用が始まりました。このシステムでは、学力や健康状態、家庭の経済状況など様々なデータから子どもを多面的に捉え、なんらかの兆候があればデータの変化から自動的に抽出されますので、小さな変化や複合的な課題も見落とされることなく、関係機関の検討のテーブルに乗せることが可能になると考えています。子どもに接するすべてのおとなの五感を駆使して子どもを見守り、変化に気づくよう努めるとともに、子ども成長見守りシステムによる早期発見・早期対応をめざし、データの蓄積と分析、支援への活用を行ってまいります。

 また、新年度からは、全小学校の学童保育のほか自由な遊び場開放事業等の放課後関連4事業を市の直営にします。支援員もすべて市が直接雇用して校長の指揮下に入れ、子どもたちの登校から下校まで学校一体で守り育てるとともに、教育委員会と現場との連絡をこれまで以上に密にし、見守りや学習支援の強化を図ってまいります。
 虐待や経済的困窮など、特に問題を抱える子どもたちを見守り、支えていくことはもちろんですが、私たちには、すべての子どもたちの将来を輝かせる、その下地をつくる責務があります。
 その一つの取り組みとして、全小学校の4年生から6年生全員にタブレット端末を1人1台配備し、2学期から授業での活用を開始します。実証実験を行った箕面小学校では、タブレットの活用により、授業時間中に子どもたちが自ら考えたり発表したりする時間が増え、他校に比べて学力が上がるという成果が出ています。世の中全体がそうであるように、教育におけるICTはもはや特別なものではなく、当たり前に必要なものです。子どもたちの力を自然に引き出せるよう、ICT支援員による教員のバックアップも行いながら、授業の充実をめざします。

 今や当たり前に必要なもの、そのもう一つは、英語です。小学校1年生から中学校までの全学年で毎日英語に触れる取り組みを進めて3年、この間、外国人英語指導助手ALTを年々増員し、現在48名、新年度にもさらに12名増員して、1学級4分割による少人数指導の試行実施や、小学校1年生からの45分英語授業の実施などに取り組み、英語を当たり前に身近に感じられる環境で、箕面の子どもたちを育ててまいりたいと考えています。

 子どもの見守り。これが平成30年度の箕面市政の最も重要な命題であることは間違いありません。しかしながら、見守りが必要なのは、子どもたちだけではありません。
 箕面市の高齢化率は全国に比べわずかに低いものの、4人に1人が65歳以上で、かつ高齢者の独居あるいは高齢者のみで構成される世帯が全世帯数の27%となっており、地域での見守りやつながりづくりの重要性が高まっています。また、世代にかかわらず疾病や引きこもりなどの課題を家庭内で抱え込み、相談相手もないまま孤立を深めてしまうケースも見受けられます。

 ひとの暮らすところには、様々な「困りごと」がそこかしこにある、地域包括支援センターは、これらの困りごとをご相談いただき、適切な行政サービスや地域の支援に繋げる、市民の皆さまのアテンダントです。これまで箕面市では、民間に委託してセンターを4か所に設置し、5つの日常生活圏域を設けてまいりましたが、新年度からは、市直営の地域包括支援センターを新設し、各小学校区を1つの圏域として、全5センターで14圏域を担当する体制へとシフトします。4年後を目途に相談窓口を各校区に1つずつ開設することをめざし、平成30年10月から4つのモデル校区で週に2回、「(仮称)くらしのお困りごと相談所」を開設する試行実施を箕面市社会福祉協議会と合同で進めるほか、市直営センターでは、センター間の総合調整や困難事例の後方支援、認知症支援等の機能を併せ持ちつつ、自らも3圏域を担当して当事者やご家族からの相談に直接対応します。福祉の最前線に市職員が就くことで、市民の皆さまに寄り添いながら、新たな施策へとつなげてまいります。

 「箕面市は元気で長寿なかたが多い」と言われたい、その想いから取り組んでいる「健康とスポーツ」をテーマとする施策展開も第二フェーズに入ります。昨年春から着手した市立スポーツ施設のリニューアルは、利用者の手に直接触れる施設や設備の一斉更新を今月にも完了し、新年度は、消防設備や空調機器など安全や快適性の確保のための機器更新を中心に約4億円を計上しています。

 ご高齢の皆さまに「出かけて」いただくための仕掛けもますます充実していきます。より多くの「お出かけ」のスタート地点になれるようシニア塾のプログラムを1.5倍に増やすとともに、人気の腰痛予防や転倒予防の教室などの実施回数も大幅に増加して、運動習慣の定着や地域の通いの場での運動継続につなげます。通いの場となり得る自治会の集まりや地域のサロンにおいては、グループで手軽に取り組める運動用DVDの貸出とあわせて、健康運動指導者を派遣して運動の指導と効果測定を行うことでモチベーションと効果の維持を図るなど、きっかけづくりから継続まで、健康寿命の延伸をめざして一貫した支援を進めてまいります。

 高齢者を取り巻くもう一つの大きな課題として、特殊詐欺など財産に関する消費者被害の増加があります。昨年の箕面市での還付金詐欺などの被害は、届け出られているだけでも27件、総額約7千万円にのぼります。これまでも思いつく限りの周知啓発をしてまいりましたが、このたびもう一歩踏み出し、消費者安全法に基づく「消費者安全確保地域協議会」の立ち上げを進めます。この協議会を組織することで、市は、消費者庁が悪質業者から押収した名簿情報の提供を受けることが可能となるため、地域での見守りや注意喚起など、より直接的で効果的な消費者被害の防止方策を講じてまいります。

 昨年7月、九州北部地方を未曽有の豪雨が襲い、福岡県と大分県で土砂崩れや河川の氾濫により死者37名、行方不明者4名の痛ましい被害が発生しました。箕面市においては、この数年幸いにも大規模な避難を要する災害には見舞われておりませんが、平成26年には集中豪雨によって近年初の避難指示を発令し、約350名のかたが避難所に避難する事態がありました。この間、あのときに感じた不安と疑問を常に反芻してまいりました。現在の本市の土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンには約7千世帯が住まわれており、仮に全世帯が避難した場合には推定1万5千人の避難者が発生します。高齢者や障害者、小さな子ども連れのかたまで含めてこれだけの大人数が暴風雨のなか危険を冒して、特に夜間の暗い道を避難所に向かうことが本当に安全なのだろうか?悩み、考え、先進市に学び、本市で想定される土砂災害の詳細を分析し、今般、一つの答えを出しました。
 それが「垂直避難」です。レッドゾーンとイエローゾーンは、建築物に損壊が生じるか否かで線引きされているため、イエローゾーンにおいては、土石流の深さが2.5メートル以下であれば、家屋の2階以上かつ崖から離れた場所にいることで、安全の確保が可能です。むしろ最も危険なのは、土石流が流れてくる可能性があるエリアで屋外を移動することです。「垂直に避難する」。これはおそらく、市民の皆さまにとって大きな発想の転換となりますので、丁寧な啓発・解説パンフレットなどによる、十二分な周知啓発が必要です。
 一方、建物が倒壊するレッドゾーン、いわゆる土砂災害特別警戒区域内の家屋や、イエローゾーンであっても土石流が深く平屋建ての場合には家屋内での安全が確保されないため、避難所への移動、すなわち「水平避難」によって速やかに身を守る必要があります。水平避難を要する世帯は全市域で約30世帯程度と推計され、これらの世帯には避難の必要性を早い段階でお伝えし、安全な時間帯に避難所への移動を開始していただくことが重要です。

 垂直避難する世帯と、水平避難を要する世帯、それぞれ自らがとるべき避難行動を予め知っていただくため、人家のある全ハザードエリアの世帯別避難行動マップを配布するとともに、レッドゾーン内の全世帯に防災行政無線の戸別受信機を、イエローゾーンには高性能防災スピーカーを設置し、激甚な豪雨や台風に耐えうる防災体制の構築をめざしてまいります。
 ハード面においても、引き続きレッドゾーン内人家ゼロを目標に対策を進めています。大阪府の対策の対象となるレッドゾーンにおいては前提条件となる地権者の合意形成が府内で最も早く進んでおり、滝道地区においては新年度に工事着手されるほか、市独自での対策工事についても、平和台の工事をまもなく完了し、新年度は次の対策箇所の優先順位付けのため現地踏査等を行います。

 市民生活の安全において、もう一つ大きな比重を占めるのが消防力です。全国的には人口減少が進む中、本市では、手堅く試算した人口推計においてもピークは今より1万人多く、かつ今後20年間は今の人口を下回りません。その一方で高齢化率は確実に上昇し、救急車による搬送件数の4割が75歳以上であることに鑑みますと、高齢人口の増加により搬送件数が増加することは必然です。

 このたび、本市と豊能町の将来動向を分析し、「今後の消防需要に基づく消防力保全計画」を策定しました。今後早期の1隊増隊をめざすとともに、箕面市南部市街地において現在3消防署で運営しているところを5消防署体制に拡充していく必要があることから、新年度には、最も優先度の高い「箕面東B拠点」として、豊川支所前用地への新消防署整備に着手します。

 市民生活の安心の源でもある箕面市立病院の移転建替えも着実に進めます。新病院が備えるべき医療機能等を検討する基本計画の策定に昨年から着手しており、新年度はいよいよ新病院の規模や建物形状の検討など、具体的な検討フェーズに入ります。市民の暮らしを見渡す広い視野を持ちつつ、細部にまで心を配り、単なる施設更新に留まらない、新生・箕面市立病院の“創設”をめざしてまいります。

 市立病院の移転先でもある船場エリアでは、北大阪急行線の延伸工事が着実に進んでいます。大きな重機が林立する威容を見ると、かつて市長に就任した頃には淡い幻のようであった延伸構想が、現実のものとして目前にある姿に感慨もひとしおです。2つの新駅周辺のまちづくりは、まもなく建物のデザインなど具体的な姿を皆さまにお示しできる段階まで漕ぎ着け、新駅の名称候補案の公募には1,400件を超える応募をいただいて、現在選定作業の真っ最中です。新駅へのアクセス道路となる3本の都市計画道路も用地買収や工事が本格化し、いよいよ開業に向けての準備が加速してきたことを実感しています。

 また、こうした新事業以上に、日々の市民生活を支えるインフラは重要です。数年来検討を重ねてきた環境クリーンセンターの基幹改良工事を3か年計画で実施するとともに、約15年間の長期包括委託による施設運営を開始し、安定的な運営を確保すると同時に、約10億円の経費圧縮を実現します。

 子どもたちを育む教育環境の整備においては、引き続き彩都の丘学園及びとどろみの森学園の増改築を段階的に進めるとともに、船場エリアへの新たな学校建設場所を市立病院跡地に決め、引き続き箕面市通学区域審議会及びワークショップにおいて、総勢約200名に及ぶ地域の皆さまと活発な議論をさせていただきたいと存じます。
 既成市街地の小学校についても、国の緊急経済対策などを最大限活用しながら、安全で快適な環境整備に努めてまいりましたが、最も古い箕面小学校で築44年、コンクリート構造物の寿命70年を迎えるのもそう遠い将来の話ではなくなってきています。現在、建替えまで見据えた中・長期の修繕計画を策定中であり、今後も引き続き計画的なメンテナンスを実施してまいります。

 本市においては、都市魅力の源泉であり、暮らしに溶け込んだインフラの一つと呼んでも過言ではない存在が“みどり”です。山なみ景観の保全、都市農業の振興と遊休農地の積極的解消など、様々な角度からみどりの保全を行っているところですが、このたび、景観を阻害するおそれのある規模の太陽光発電設備の設置に関し、新たな規制を設ける条例案をご提案させていただいています。懸念が現実化する前に先手を打って、箕面が誇るみどりの景観を守るため、最善を尽くしてまいります。

 いくつものビッグ・プロジェクトが同時進行し、財政負担にご心配をいただくこともございますが、新たなプロジェクトを検討する際には、必ず中長期の財政シミュレーションを行い、将来にわたって健全な財政を堅持できることを確信した上でなければ、実施の判断をすることはありません。
 今後の高齢者人口の増加などで膨らむ扶助費や道路等公共施設の維持管理などにかかる固定的経費に加え、現時点で実施を決めたすべてのプロジェクトへの投資的経費を含めたシミュレーションの結果、財政状況を表すすべての指標において、いずれも健全性を維持できると確認できています。

 新年度は、住民記録システムの更新や、学校で子どもたちや教職員が使用する情報システムの刷新なども進めます。これらの事業規模も大きなものではありますが、イニシャルコストとランニングコストを合わせて、住民情報システムについてはシステム運用の最適化により5年間で約2.1億円、約15%の削減を実現します。学校ICTにおいては、現在の機器類をそのまま更新した場合に比べ、9年間で約1.1億円の経費増とはなるものの、子どもたちが使うパソコンは約2千台から6千台へと増え、1台あたりの経費では60%の縮減を実現しています。情報システムは、一定の年数で更新を迎える宿命ではありますが、最新の技術と、研究を重ねた上での創意工夫でコスト圧縮を図り、最良のコストパフォーマンスを追求しているところです。
 学校ICTのパフォーマンスは、教職員の働き方改革の面でも発現します。国においては、昨年夏に中央教育審議会で「学校における働き方改革に係る緊急提言」が取りまとめられ、学校における業務改善が強く求められている中、本市においても、学校における事務作業をサポートする校務シェアボードの導入、パイロット校における学校組織改善の研究、部活動の土・日いずれかを完全休養日とする試行や部活動指導員の任用など、様々な角度から教職員の時間外労働時間の削減に取り組んでいます。新年度はさらに、教員1人1台のタブレットパソコン配備による事務の効率化、部活動の完全休養日の本格実施、部活動指導員の任用柔軟化による増員などを図り、目に見える効果を出していきたいと考えています。

 教育も然り、市の業務も然り、教育レベルや市民サービスの質を落とすことなく業務改善を進めるには知恵と工夫が必要です。「時間外を減らせ」と言われるものの仕事は減らない、などということのないよう、俯瞰的な視点で業務分析を行って具体の改善策を示し、実行し、ときには力業も駆使して働き方改革を進め、市役所、学校、そしてすべての職員・教員のパフォーマンスを最大化してまいります。

 以上、この場で申し上げました市政の重点運営方針のほか、「安心・支え合い最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」の3本柱にかかる主要施策の詳細につきましては、議会提出資料の「予算概要」にてお示しさせていただいております。

 先達が苗木を植え、市民の皆さまが大切に慈しんで育ててこられた樹木を、さらに未来へと枝葉を伸ばし、年を追うごとにその花の美しさを増す大樹へと育て上げていく、その任を今の私たちが担わせていただいています。色とりどりに咲き誇るその姿を次代へと引き継ぐため、より丈夫で、どんな風雨にも負けないよう深く根を張り幹を太らせ、生き生きとした緑の葉を茂らせるよう、手をかけ汗を流し、日々の手入れを積み重ねていかなければなりません。

 『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』。為すべきことを信じ、雨の日も風の日も怯むことなく、強力に箕面市政を進めていく決意でございます。市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、新年度の施政及び予算編成方針とさせていただきます。
 なお、ご提案申し上げました予算案及び関連諸議案につきましては、それぞれご上程の都度、関係職員から説明をさせますのでよろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

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