ロタウイルス感染症予防接種
ロタウイルス感染症予防接種について
- ロタウイルス感染症予防接種は、令和2年(2020年)10月1日に定期接種となりました。
対象は、令和2年(2020年)8月1日以降に生まれたかたです。
- 令和2年(2020年)8月1日以降に生まれたかたであっても、定期接種(無料)で接種可能となるのは、令和2年(2020年)10月1日以降に接種した予防接種のみが定期接種となります。
ロタウイルス感染症について
- ロタウイルス感染症の主な症状は、急性胃腸炎(ロタウイルス胃腸炎)であり、ときに脱水・けいれん・肝機能異常・腎不全・脳症等を合併します。
- ロタウイルス感染症は2日から4日の潜伏期間ののち、突然の嘔吐・発熱に続き、水様性下痢が繰り返し起こります。発熱を伴うことが70~80%程度あり、回復には1週間ほどかかります。
- ほとんどの場合は1週間程度で回復しますが、下痢・嘔吐による脱水症状が強い場合や、合併症を併発した場合は入院が必要であり、乳幼児の急性胃腸炎の入院の中で最も多い感染症です。
- 合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などが起こることがあり、死に至る場合もあります。意識の低下やけいれん等の症状が見られたら、速やかに、近くの医療機関を受診しましょう。
- ロタウイルスは感染力が非常に強く、衛生状況に関係なく5歳までにほどんどすべての乳幼児が感染します。初めてロタウイルスに感染した際は特に重症化しやすいため、ワクチンの接種は早い時期に完了させましょう。
腸重積症について
- 腸重積症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです(下図)。
- 国内外の調査から、ロタワクチンの接種後(特に1週間)に腸重積症のリスクがわずかに増加する可能性があるとされています。
- 0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、もともと、生後3か月から4か月頃から月齢が上がるにつれて多くなります(下のグラフ)。
- 米国小児学会では、腸重積症の好発年齢を避けるため、15週0日を過ぎた場合は接種を開始しないとしています。早めに接種を開始し、早期に接種を完了させましょう。
【図:腸重積イメージ】 【グラフ:日本人小児の月齢別腸重積症の患者分布】
- 腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後早く治療すれば、ほとんどの場合手術をせずに治療できます。
- 以下のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。
・泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
・嘔吐を繰り返す
・ぐったりして顔色が悪くなる
・血便がでる
- このような症状に気づいたら、速やかに接種した医療機関を受診してください。
接種した医療機関とは別の医療機関を受診する場合は、このワクチンを接種したことを医師に伝えてください。
回数及び接種間隔
- ロタウイルス感染症のワクチンには、2種類のワクチンがあり、接種するワクチンによって接種回数、接種期間の終了日が異なります。
- 途中でワクチンを変更することはできません。
- 1回目に接種したワクチンと同じワクチンを2回目以降も接種してください。
- どちらのワクチンも、予防効果、安全性に違いはありません。
ワクチンの種類 |
血清の数 |
回数 |
接種間隔 |
接種期間 |
ロタリックス
(経口弱毒生ヒトロタウイルス
ワクチン)
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1価 |
2回 |
1回目(出生14週6日までに接種)
↓ 27日以上あける
2回目
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出生6週0日から出生24週0日まで
(標準的な接種期間は生後2か月から開始)
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ロタテック
(五価経口弱毒生ロタウイルスワクチン)
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5価 |
3回 |
1回目(出生14週6日までに接種)
↓ 27日以上あける
2回目
↓ 27日以上あける
3回目
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出生6週0日から出生32週0日まで
(標準的な接種期間は生後2か月から開始)
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接種方法
- 接種の際は母子健康手帳を忘れずに持参してください。
- 予防接種予診票は、出生届出時にお渡ししている「予防接種手帳」内にあります。
- この予防接種は個別接種となりますので、下記の定期予防接種医療機関でご予約のうえ接種してください。
(定期予防接種医療機関一覧表)
接種費用
無 料
※ただし、規定週数外の接種は任意接種となり、有料となります。
※任意接種の場合、健康被害が生じた際に予防接種法に基づく補償が受けることができないため、ご注意ください。
ワクチンの種類
経口生ワクチン(口から飲むワクチン)
留意事項
- 接種当日は、朝からお子さんの状態をよく観察し、普段と変わったところがないことを確認してください。
- 予防接種を受ける予定であっても、体調が悪いと思ったらかかりつけ医とよく相談して接種するかどうか判断してください。
※37.5度以上の明らかな発熱がある場合は接種できません。
- 未治療の先天的な消化管障害のある人や、過去に腸重積症をおこした人、重症複合型免疫不全(SCID)のある人も、接種できません。
- お腹がいっぱいで上手にワクチンが飲めなかったり、吐き出したりする場合がありますので、接種前後30分程は授乳を控えることをお勧めします。
- ワクチンをうまく飲み込めず吐き出してしまった場合について、わずかでも飲み込めていれば、ワクチンの効果には問題がありませんので、再接種する必要はありません。
- 接種後は医療機関で30分程度様子を見てから帰宅しましょう。
- ワクチン接種後2週間程度は、便の中にワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後など、丁寧に手を洗いましょう。
- 体調の変化があった場合や腸重積症を疑う症状があった場合は速やかに医師の診察を受けましょう。
- 母子健康手帳は、予防接種を受けた大切な記録となります。今後接種歴を確認する機会も多くありますので、大切に保管してください。
副反応について
- 重い副反応がなくても、気になる症状や体調の変化がみられた場合は、接種した医師に相談してください。
- 予防接種によって健康被害(入院が必要な程度の障害など)が生じた場合は、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものと認定されると、予防接種法に基づく補償を受けることができる健康被害救済制度があります。
- 予防接種の効果・副反応などを理解した上で接種してください。
厚生労働省リーフレット