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今回の旧街道沿いに見る古くからのみどりは、旧巡礼道(新稲)や旧西国街道(瀬川から小野原)を歩き、守り育てられてきましたみどりの一例を切り取り紹介させていただきます。
二つの古道は、古木や大樹が特徴的な巡礼道と旧家の門被りの松が特徴的な街道ではないでしょうか。
まずは、旧巡礼道沿いで守り育てられています大樹のみどりです。(門被り(もんかぶり)は、江戸時代には家の格式により門の形に制限があったため、立派な松や槙等を門の所にさしかけて植えるのが徐々にステータスになっていったといわれています。)
府道箕面池田線を市立第一中学校前から西(池田市畑方面)へ中池公園付近まで進むと、旧道に入る三叉路があります。一部が一方通行になっています区間を過ぎると、指定保護樹木のヤマモモが目に入ります。この旧道が西国三十三所観音霊場札所巡りの二十三番勝尾寺と二十四番中山寺への巡礼道になっていたようです。さらに、この道を西に進むと火の見やぐらを目印に南側に下る道があり、自治会館を目指すと旧家のみどりや保護樹木などの大樹を見ることができます。
新稲5丁目(旧巡礼道沿い)
新稲5丁目
旧街道沿いでは、クスノキなどの大樹が目に留まります。
新稲6丁目
旧街道を西に進み、新稲6丁目に入ると、杉の高木が目につきます。
旧巡礼道を、さらに池田市との市境(石澄川)近くまで進むと、多くの大樹にも出会うことができました。
新稲5丁目(旧家のみどり)
旧巡礼道を火の見やぐら付近で南に進みました。
自治会館の斜め前に玄関まで続く、みどり豊かな通路のある旧家があります。
同じ旧家の玄関付近のみどりです。
新稲5丁目
自治会館を西へ進むと、指定保護樹木のシラカシとクロガネモチの巨木が仲良く並んでいるのが目に留まります。
新稲5丁目の指定保護樹木2本
写真の手前から19番クロガネモチ、18番シラカシです。
新稲5丁目
保護樹木を過ぎると、白壁越しに前栽の大樹が目に留まります。
(前栽(せんざい)は草木を植えた庭、または植え込みのことです。)
新稲6丁目
旧道沿いでは珍しく、玄関先をオープンにされた庭のみどりと出会いました。
以上で旧巡礼道沿いと新稲自治会館付近のみどりの紹介を終わります。
つぎに旧西国街道沿いのみどりを紹介させていただくことにします。
旧西国街道は、瀬川から小野原まで続いています。国道171号や国道423号で一部が途切れていますが、西の半町から東の小野原に進みながら街道沿いのみどりを紹介させていただくことにします。
萱野三平の旧邸(涓泉亭)のほか、手入れされた前栽や門被りの松などを見て回るのも楽しみの一つではないでしょうか。
半町2丁目
萱野3丁目(旧街道沿い)
旧街道沿いでは、塀越しに前栽のみどりが目に留まりました。
庭木の中には、所有する山から移植した木々もあり、自ら手入れを重ねてきたとのことでした。
萱野3丁目(旧街道沿い)
旧街道沿いの萱野三平旧邸(涓泉亭)近くの門前の松に目が留まり
ました。塀越しに指定保護樹木72番モチノキを見ることができます。
粟生新家1丁目(旧街道沿い)
旧街道沿いで瓦葺きの塀越しに前栽の木々が目につきました。塀の黒い瓦と木々のみどりがよく似合っていました。
小野原西1丁目~2丁目(旧西国街道沿い)
旧街道沿いでは塀越しの門被りの松がよく目に留まります。
ほんの一例ではありましたが、ふたつの旧街道沿いで古くから大切に守り育てられてきましたみどりの紹介を終わります。
現地では、写真には見られない美しいみどりをご覧いただけるのではないでしょうか。また、門被り松に雪が積もれば、美しい風景にも出会うことができるかもしれません。
次回は、「古くからの住宅地のみどり」をテーマに紹介させていただく予定です。
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