更新日:2017年4月1日

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箕面市財政健全化計画(案)

平成11年(1999年)12月 箕面市行政改革推進本部

はじめに

社会経済情勢が大きく変化し、従来のような右肩上がりの経済成長が見込めないもとでは、これまで常識としてきた私たち自身の意識も社会に合わせた改革が求められており、市財政もまた自らの構造を改革し、新しい時代に適応した財政運営の確立が求められている。
本市では、地方分権の推進にあわせ平成8年3月に箕面市行政改革大綱を策定し、全庁を挙げて行財政改善に取り組み、一定の成果を上げてきたところであるが、さらなる行政改革の実効性を高めるため、平成11年度から平成15年度を期間とする「行政改革推進5カ年計画(案)」を策定し、改革内容・成果目標を明確にしたところである。 しかし、長引く景気の低迷による市税収入の伸び悩みや競艇事業収入の著しい減少、今後の少子・高齢化や地方分権の進展に伴う新たな行政課題への対応など、財政環境は予想をはるかに上回る厳しいものとなっている。
これらから、限られた財源を有効に活用し市民福祉の最大化を実現するためには、「行政改革推進5カ年計画(案)」と連動して、財政の健全化に向けた具体的方策を確立することが緊急の課題となっている。

一.財政の現状と将来見通し

本市財政は、高い担税力による堅調な市税収入と好調な競艇事業収入に支えられ、府下的にも強い財政力を有し、その健全性を維持してきた。しかし、ここ数年、市税収入は伸び悩み、競艇事業収入は大幅に落ち込む一方で、確実に増嵩する義務的経費とともに、公共施設の整備に伴う維持管理経費や既存事業の充実・拡大は、財政構造の硬直化を招いている。

1.財政の現状

(1)伸び悩む市税収入
財源の根幹をなす市税収入は、他市に比べ、市税に占める法人市民税の割合が低いため景気の変動を直接的には受けにくいが、バブル経済崩壊後の景気の低迷や住民税減税等の税制改正は、市税全体に大きな影響を与えている。平成5年度決算で市制施行以来、初めて前年度を下回った市税収入は、平成6年度においてさらにこれを下回った。その後、緩やかな増収を続け回復してきたかに見えたが、平成10年度においては、特別減税等の影響を受け、再び前年度を下回った。平成11年度の税収見通しは、恒久的減税により、これをさらに下回る239億56百万円となり、これは平成7年度の水準となっている。また、徴収率にあっても毎年じわじわと低下を続け、平成10年度においては90.8%となり長引く不況の影響を色濃く反映した結果となっている。平成12年度以降も、減税が継続して実施されることになっており、現下の経済情勢をも勘案すると、その回復の兆しは見いだせない状況にある。

(2)減少する競艇事業収入 
市制施行以来、これまでに繰り入れた競艇事業収入は1300億円を超え、本市の行財政運営、特に都市基盤施設や公共施設の整備に多大の貢献を果たしてきた。好調時の平成2年度及び3年度には、それぞれ70億円という多額の繰り入れが可能であった。しかし、長引く不況が与える影響は競艇事業においても例外ではなく、収益の減少、すなわち繰入額は著しく減少してきている。平成10年度においては、単年度の収益が当初予定の繰入額を下回り、繰越金の充当によりこれを確保したところであり、平成11年度においても、同様の措置が講じられる予定である。今後も、売り上げの減少傾向が続く中、経費節減に努めてはいるものの開催経費は増嵩し、収益を見込むことは相当厳しいと予想している。将来的には、競艇事業収入への依存から脱却した行財政運営を確立しなければならないが、当面は、市税と同様、本市の貴重な自主財源として競艇事業収入を確保する必要がある。

(3)財政の硬直化
財政の健全性を示す経常収支比率は、市税等の経常的な収入に対する人件費、公債費等の義務的経費や施設の管理経費等の毎年経常的に支出される経費の割合で、財政構造の弾力性すなわち臨時的な財政需要に対する経常的な財源の余裕度を示す指標で、通常70~80%程度が望ましい数値とされている。本市の経常収支比率は、平成3年度の67.8%から年々上昇し、平成8年度から継続して90%を超え、平成10年度においては、昭和42年度以降の最高値となる93.5%まで上昇してきている。平成11年度以降は、これをさらに上回ると予想しているが、これらの要因の一つとして、それまで、経常経費の伸び率を上回って推移していた市税等の経常的な収入が、バブル経済が崩壊した平成4年度以降、逆転したことが挙げられる。あわせて平成6年度以降に継続して実施された特別減税等が、市税の50%以上を占める個人市民税に影響を与え、これに拍車をかけたのである。
本市は、当初予算の編成からこの経常収支比率に着目した財政運営を行ってきている。すなわち、予算編成方針策定時に経常収支比率により財源を配分し、財政の健全性を維持しようとするものである。しかし、経常経費の増加に伴って、財源配分のための経常収支比率も上昇せざるを得ない状況にあり、予算編成作業は年々困難を極めている。この間の予算編成においては、平成7年度当初予算における経常経費の10%削減、平成8年度以降の部局別枠配分方式の採用などによって、新たな市民サービスへの財源を生み出してはきたが、経常収支比率を抑制し、健全な財政を確保するまでにはいたっていない状況にある。

(4)経常経費の動向
経常経費の約60%を占めているのが、人件費、扶助費、公債費の義務的経費であり、一貫して増加を続けている。人件費については、給与費が年々拡大しているのに加えて、今後10年間に定年退職者が増加することにより、多額な退職手当が必要となる。社会保障費としての扶助費においては、老人保護や老人医療にかかる扶助費の増加が著しく、高齢化の進行を如実に表している。また、景気の低迷により生活保護費も増加しており、これらの傾向は今後も続くであろうと予想される。公債費については、公債費比率の増嵩を招くことのないよう、これまで市債発行を抑制してきたところである。しかし、平成6年度以降の減税による減収を補てんするため、平成10年度までに51億9百万円の減税補てん債を発行しており、また、スカイアリーナやライフプラザ関連施設にかかる建設事業債など、これまでに発行した市債の償還経費は、今後、増加し、本市財政を圧迫する要因となる。義務的経費に次いで大きいのが、施設の管理経費を始めとする物件費である。施設の管理経費や事務経費については極力節減を図ってきているが、情報化の進展に伴う各種事務の電算化や保健福祉サービスの充実などによって、物件費もまた増加傾向にある。

(5)投資的経費の動向
普通建設事業費は、平成5年度から本格的に着手したライフプラザ関連施設や第1市民体育館の建設が平成8年度に完了し、現在、火葬場斎場及び(仮称)西南図書館の建設やダイオキシン削減対策工事が行われている。これらも平成12年度には完了する。

2.今後の財政収支見通し

本市の厳しい財政状況に鑑み、今後4年間、特段の財政健全化の対策を講じなかった場合、本市財政がどのように推移するかを把握するために、一定の前提条件の下、財政収支の試算を行ったところである。この条件は、必ずしも理論的または経験的実証に基づいたものではなく、今後の財政収支を見通すための資料として、仮説の条件を設定したものである。その結果、各年度の財源不足額は、平成12年度の53億67百万円から、平成15年度の81億92百万円と、4年間で268億82百万円の膨大な財源が不足し、また、経常収支比率の上昇は著しく、平成13年度以降100%を超えるという、極めて深刻な事態に陥るものと予測される。なお、昭和57年度(1982年度)以降、普通交付税の不交付団体であった本市は、平成11年度において、交付団体へと移行したが、今日の財政状況を勘案すると、この傾向はさらに続くものと予想されるため、平成12年度以降も所要の額を見込んでいる。

[財政収支試算(一般財源ベース)]平成11年10月時点 【単位:百万円】

区分

平成12年度

平成13年度

平成14年度

平成15年度

一般財源(1)

28,410

28,717

28,812

28,958

(内訳)市税

23,557

23,759

23,963

23,807

競艇事業収入

600

400

800

600

その他

4,253

4,558

4,049

4,551

充当一般財源(2)

33,777

34,981

35,871

37,150

(内訳)義務的経費

16,837

17,115

17,434

17,826

投資的経費

4,417

4,232

4,465

5,911

その他

12,523

13,634

13,972

13,413

収支差引(1)-(2)

▲5,367

▲6,264

▲7,059

▲8,192

収支累計

▲5,367

▲11,631

▲18,690

▲26,882

経常収支比率

99.6%

100.4%

102.2%

104.2%

財政収支試算の前提

【歳入】

  • 市税
    現行制度に基づき、平成11年度当初調定をベースに、毎年0.5%の経済成長率及び人口伸び率を見込んだ。 平成11年度実施の恒久的減税は継続されるものとして見込んだ。
  • 譲与税、各交付金
    平成11年度決算見込額で固定した。
  • 地方特例交付金
    市民税の減税減収見込額から推計した。
  • 地方交付税
    普通交付税については、市税推計から現行制度に基づき算出した。 特別交付税については、各年度1億円で固定した。
  • 競艇事業収入
    各年度の収益見込額から推計した。
  • 特定財源
    国庫・府支出金は現行制度をベースに、歳出連動で見込んだ。 特定目的基金からの繰入金は、継続費設定事業以外、見込まない。 市債については、継続費設定事業等、現行事業計画から発行額を見込んだ。

【歳出】

  • 人件費
    職員数は平成11年4月1日現在をベースに、定年退職者の減、新規採用及び再雇用の増から算出した。 各年度3%の伸び率を見込んだ。
  • 扶助費
    個別事業毎に、過去3カ年の実績伸び率等を参考に推計した。
  • 公債費
    各年度の市債発行見込額から、利率2.5%で推計した。
  • 投資的経費(普通建設事業費)
    現行の事業計画等をベースに、事業を個別に積み上げ推計した。
  • その他の経費
    過去3カ年の実績伸び率等を参考に推計した。 財政収支への影響が大きいと考えられるものについては、現行の事業計画等をベースに、個別に積み上げ推計した。

二.財政健全化の基本的な考え方

1.財政健全化の目的

これからの地方分権をはじめとする新たな時代の要請に弾力的かつ的確に対応できる財政体質を確立する。そのため、既存の事務事業を見直し、事業のさらなる効率化と徹底した再構築を図るなかで市財政の構造改革を進め、市税収入等の財源の伸びに見合った歳出構造を確立する。

2.基本的な考え方

  • 財政の健全化を図る上では、次のような基本的な考え方に立って、財政構造改革に取り組む。
  • 行政改革の実効性をさらに高めることを目的として策定された「行政改革推進5カ年計画(案)」を踏まえ、財政の関与すべき分野や守備範囲の見直しを行う。また、歳入面においても、地方税の確保と受益者負担の適正化など財源確保に向けての取り組みを強化する。
  • 新しい課題に的確に対応するため、第3次総合計画フォローアップ計画及び次期総合計画と連動して施策の選択と再構築を行う。
  • 財政危機を克服し地方分権の推進を図るために、自主財源による自立した財政運営を基本とする。しかし、地方が自立し、地域の特色あるまちづくりを展開するためには、税制度の抜本的改革による国と地方の税源配分の見直しが必要不可欠である。そのため、所得税や消費税など国から地方への税源移譲策を検討し、全国の都道府県、市町村とも連携しながら、国に対して強く働きかける。
  • これらを踏まえ簡素で効率的な新しい行財政運営システムを構築する。(事務事業評価システム等の導入を検討する。)

三.財政健全化方策

1.「財政健全化計画」の位置づけ

(1)財政構造改革の「目標と方策」
この財政健全化計画は、財政収支試算で見込まれる財源不足を解消しながら、今後の新たな行政課題に弾力的かつ的確に対応できる財政構造をつくりあげるための目標と方策を示すものである。

(2)「行政改革推進5カ年計画(案)」と連動
この計画については、「行政改革推進5カ年計画(案)」と連動して進めていくものとする。なお、「行政改革推進5カ年計画(案)」は、市民、議会をはじめ広く意見を求めながら推進していくこととしているため、本計画についても連動して修正を加えるものである。

(3)計画期間中の「財政運営の基本」
この計画については、景気動向や税制改正(減税等)により市税収入が左右されることや、地方交付税等についても国の地方財政計画等で大きく変動すること。また、国・府の補助金削減の具体的影響や競艇事業収入の見込みが不透明であることなど、多くの変動要素を含んでいることから、この計画によって各年度の予算を全て拘束するものではない。しかし、今後、各年度ごとの状況の変化に応じた修正を加えながら、予算編成及び財政 運営の基本としていくものである。

2.計画期間

平成11年度(1999年度)~平成15年度(2003年度)までの5年間とする。 

3.財政健全化の目標

(1)財源不足の解消
平成15年度までに財政収支試算で見込まれる財源不足額269億円を解消する。

(2)経常収支比率の抑制
平成15年度までに経常収支比率を90%以下の水準に引き下げる。

4.具体的方策

(1)歳出の抑制策 財源確保目標額合計148億39百万円

1)人件費抑制目標額19億1百万円
人事給与制度の見直しについては、効率的な行政運営を推進するため、職員の能力・意欲の向上と活用の視点から見直しを進めている。しかし、今日のように財政状況の見通しが極めて厳しい中においては、経常経費に占める割合が最も高い人件費の抑制が緊急の課題となっており、具体的な抑制策を方針化する必要がある。給与関係費については、全職員の5%を削減目標とする第一次定員適正化計画(平成8年度からの5カ年計画)に基づき、毎年度定員管理を行っている。しかし、この成果が新陳代謝効果として現れるまでには、まだ時間を要するため、毎年の定期昇給や給与改定等に伴う給与関係費の増嵩が職員数削減効果を上回って、増加を続けてきた。今後、少なくとも平成19年度までは、この傾向が続くと予想されるため、給与関係費の削減については、これまでの取り組みに加えた職員数削減策や給与の時限的削減措置など思い切った取り組みが求められている。これらから次の施策を実施する。
(1)職員数の削減
行政改革推進5カ年計画(案)に基づき平成12年度から14年度の3年間、定年退職不補充として60人程度の職員数を削減する。(第一次削減と合わせて120人程度になる。)定員適正化については、この3年間の時限措置の間に事務事業の見直しや組織機構、事業運営手法の見直し等を徹底して進め、平成15年度以降の適正化計画 を確定していくものとする。
(2)給与の削減
行政改革推進5カ年計画(案)を基本に、健全化計画期間中の給与削減の時限措置として次のような検討を進める。

  • 平成11年度人事院勧告実施による期末・勤勉手当の一部削減
  • 定期昇給延伸
  • 特殊勤務手当等の見直し

(3)その他
行政改革推進5カ年計画(案)に基づき、市長、助役、収入役、教育長及び水道事業管理者の給与の減額や事務事業の見直しによる人件費抑制策など、その他の施策についても検討をすすめ、平成12年度以降の具体的な取り組みの中で明確にする。

2)内部管理事務費等の削減 目標額11億2百万円
施設の維持管理費や内部事務経費については、平成7年度に経常経費の10%削減や平成8年度以降の部局別枠配分予算、昨年度の一件査定など、これまでも厳しい削減を行ってきたところであるが、今後もなお一層の削減を図っていく必要があるため、次の施策を実施する。
(1)施設管理委託料等は法的に必要な業務を除いて管理方法、内容を見直し、平成11年度当初予算額の10%削減を目標とする。
(2)内部事務用消耗品、備品購入費、印刷製本費、食糧費、光熱水費等については引き続き節減に努める。
(3)事務事業の見直し 目標額 10億26百万円
厳しい財政状況の中で新たな市民ニーズに的確に対応するため、これまでも事務事業の見直しを実施してきたところであるが、今後も全ての施策において事業の存廃を含む見直し及びその執行体制について見直しを図る必要がある。そのため、本年度は通常の第3次総合計画フォローアップ計画の事業プログラム年次調整に加えて、事業のさらなる効率化と徹底した再構築を図るため、財政的視点からの事務事業見直し(サマーレビュー)を実施し、経常経費の圧縮に取り組む。その中で、特に次の方策については、重点的に見直しを実施することにしている。
ア.個別見直し事業
「行政改革推進5カ年計画(案)」及びサマーレビューの中で検討されている個別事業について、次の視点に基づき見直しを実施する。

  • 行政改革方針
  • 施策、サービス提供方法の時代変化への適合
  • 主要事業でも永年継続的に行われている事業について、事業効果と財政負担の均衡の確保
  • 行政の守備範囲の見直しにより、市民、民間又は国、府との役割負担の明確化
  • 行政コストの最少化(人件費や工事コスト等を含む)

イ.講座・イベント事業
講座・イベントにかかる経費については、市全体で内容を見直し、各部局同種同様の内容のものは、統廃合・隔年開催など創意工夫することで平成11年度当初予算額の10%削減を目標とする。
ウ.団体補助金等
団体補助金については、その必要性や費用対効果を再度検討し、事業内容の見直しを図る中で、原則的に平成11年度当初予算額の10%削減を目標とする。なお、市が100%出資して設立した文化振興事業団、国際交流協会及び障害者事業団の3つの財団法人については、各団体が行う事務事業の実施方法や事業の存廃を含めて妥当性を検証するとともに、経営的視点に立った総点検、抜本的見直しを行う。

[見直しの視点]

  • 市からの財政支出に対する費用対効果の検証
  • 団体経営の自主・自律性の確立
  • 効率的・弾力的な事業執行体制の確立

時代のニーズに適応した新たな支援策の再構築を前提に、3つの財団法人については、現行の財政的支援策である「財団設立時との金利差分の補助金」を平成15年度までに30%削減する。

4)企業会計・特別会計に対する財政支出の見直し 目標額 68億10百万円
公営企業会計及び特別会計に対する繰り出しについては、本来、一般会計が負担すべき額を国が基準として定めている。しかし、現行の財政的支援としては、この国基準を上回る額を各会計に繰り出しており、結果として各事業の安定した運営につながっている反面、現在の財政状況のもとでは、一般会計において大きな負担となっている。
ア.これらから企業会計等においては、本来の独立採算性の原則に基づき、的確な収入の確保や経費の節減などに努め、経営の一層の効率化を図ることで、平成15年度までに国の基準外の繰出金について段階的に削減・廃止する。
イ.また、同時に、企業会計等の自律した財政運営の確立に向け、「市からの財政支出のあり方」を検討するとともに、各会計別の経営改善策を再構築する。

[経営改善の視点」

  • 経営的視点に立った事業の総点検・抜本的見直し
  • 施設管理コストや建設コストなどの削減
  • 事業手法や執行体制などの見直しによる組織人員体制のスリム化と効率的・弾力的な事業執行体制の確立
  • 費用対効果の検証、経営内容の個別分析や事業評価指標による経営改善
  • 受益と負担の明確化

5)投資的経費の削減 目標額40億円
財源不足を解消するには、当面、投資的経費の総量を抑制する必要がある。そのため、今後の財政収支を見通す際に、昨年度のフォーローアップ計画調整結果を基に平成15年度までの投資的経費を要求から70%に抑制して試算している。その結果、財政収支試算段階では、平成11年度からの5年間で約77億円の経費を圧縮したことになるが、それでもなお、平成12年度からの4年間で約269億円、毎年平均で約67億円の財源不足を生じている。これらから、投資的経費においても次の視点に基づいて、さらに見直しを行い平成12年度以降、毎年10億円程度の経費を圧縮する。

  • 平成13年度からはじまる次期総合計画との整合性を図りながら、事業の進行管理や事業量の平準化、抑制に努め、限られた財源の重点的、効率的配分を図る。
  • 公共工事コスト縮減行動計画に基づく見直しを行うとともに、事業の熟度に応じ、緊急性、効果等を個々に検討し、毎年の財政状況を勘案しながら優先度の高いものから実施する。
  • とりわけ、市民生活に身近な公共施設の整備や箕面市の未来につながるリーディングプランに優先的・重点的な配分に努める。

(2)歳入の確保策 財源確保目標額合計108億82百万円

1)市税収入の確保目標額1億46百万円
市税徴収率については、毎年低下しており平成10年度決算において90.8%まで落ち込んでいるため、平成15年度までに引き上げる徴収率の目標値を設定し、市税収入の確保に努める。このため、「滞納整理特別対策」として、特別に集中期間を設け、全庁的に、滞納市税の徴収を図ることを目的に市税滞納対策本部を設置し、個別訪問による納税交渉などの取り組みにより滞納整理の促進を図る。

  • 平成15年度徴収率目標値94%

2)使用料・手数料の確保目標額未定
使用料・手数料については、受益者負担の適正化の観点から見直しに取り組んできたが、次の視点に基づき、引き続き料金の適正化を図り、その確保に努める。

  • 利用者の負担とすべき経費の精査を行い、その負担の範囲を明確にする。
  • 原則として経費と料金収入の均衡を確保するよう適正な料金設定を行うとともに、税による負担を行う場合は、その範囲を示し、受益者負担とのバランスを図る。
  • 近隣自治体で同種のサービスを提供しているものについては、それらとの均衡を勘案の上、料金を設定する。
  • 減免措置については、時代の変化や受益者間の負担の公平を確保する観点から整理や見直しを行う。
  • 料金の見直しについては、一定の期間を設定し(4年以下)定期的な見直しや改定を行う。
  • 財源確保額については、平成12年度以降の具体的な取り組みの中で明確にする。

3)遊休地の処分等【臨時的方策】
普通財産の未利用地は、約22000平方メートル、路線価からの推計で約50億円あるが、財源確保の臨時的措置として、売却や一時貸付など遊休地の有効利用を図る。具体的には、庁内の関係部局による検討チームを立ち上げ、有効利用策を策定し適切な時期に随時実施する。

4)地方債の確保と特定目的基金の充当目標額107億36百万円
ア.この間、地方債については、市税をはじめ豊かな自主財源によって、抑制的な発行に努めてきたが、今後の財源不足に対応して、財源確保のための年度間調整や世代間の負担の公平性確保などの視点から積極的な活用策を検討する。ただし、地方債の発行にあたっては、フォローアップ計画や次期総合計画の中で適正な進行管理に努めながら、中長期的な見通しのもとに将来の負担の予測、対象事業の厳選を十分にした運用に努める。
イ.基金については、競艇事業収入等の伸びが見込めない状況では、積み立ては非常に困難であり、基金残高は、平成4年度をピークに年々減少してきている。一方、大規模プロジェクトなどの事業の本格化を前に、基金活用の重要性が一層高まっている。したがって、特定目的基金を有効に活用するため、地方債の発行計画と合わせて適切な運用に努める。平成15年度までの基幹的事業に充当可能な特定目的基金約87億円については、事業の熟度に応じ、緊急性、効果等を個々に検討しながら優先度の高いものから重点的に配分する。

5)競艇事業収入の確保目標額(24億円見込み済み)
競艇事業は、長期的な不景気の影響により、収益状況は今後一層厳しくなると予想されることから、一般会計への繰り入れを確保するのは容易ではない。しかし、財政収支試算においては本市の貴重な自主財源として、さらなる事業の効率化や開催経費の節減に努め、平成12年度からの4年間でさらに24億円の繰り入れを何とか確保したいと考えている。

四.地方分権の時代に対応する「自主財源」確保策

1.自主財源確保の必要性

(1)自主財源の必要性
地方分権の推進と本格的な少子・高齢化社会の到来を背景に、総合的な地域福祉施策や環境施策など新たな行政需要が増大している。このような需要に対応し、行政がその役割を十分に果たしていくためには、新しい時代に適応した施策展開が可能となるような条件整備をすすめる必要がある。しかしながら、現在の国と地方の租税負担の割合は、国2対地方1となっているのに対して、歳出ベースでは、国1対地方2と逆転しており、地方税収入と歳出規模との乖離が存在する。これら地方の財源不足を埋めるため地方交付税や国庫補助金などにより国税の再配分が行われている。その結果として、地方自治体の財政運営は、国からの移転財源に依存せざるを得ない状況にある。また、この間の数次にわたる国の景気対策や減税の影響等によりその財源不足は、一層深刻化している。一方、今後、本市が新たな住民ニーズに応え、よりよい地域づくりを自主的・自立的に推進するためには、地域の特性に応じて効率的に自由に使える安定した「自主財源の確保」が必須要件となる。しかし、今後の低経済成長を見通すと、現在の税体系のままであれば、歳入の根幹を占める地方税収も大きな伸びは期待できない。地方税が地方自治体の自主財源の基本であることを考えると、早急に「地方税源の充実確保策」を検討し、国に対して新たな税源移譲を求める必要がある。

(2)「地方税財源の充実確保」を求める行動の広がり
地方分権推進計画(平成10年5月29日閣議決定)の概要
【地方税財源の充実確保】

  • 地方における歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小するという観点に立ち地方税を充実確保
  • 所得、消費、資産等の間における均衡がとれた国・地方を通じる税体系のあり方等を踏まえつつ、税源の偏在性が少なく、収の安定性を備えた地方税体系の構築
  • 平成10年度においては、事業税の外形標準課税の課題を中心に、地方の法人課税について総合的に検討

全国市長会等の税制改正に関する決議や要望の行動があいついで展開されている。

【要望の概要】

  • 地方分権推進計画に沿って地方の歳出規模と地方税収入の乖離を縮小するため、所得税から個人住民税への、また、消費税から地方消費税への税源移譲等を含む抜本 的な税制改正を進め、地方分権時代にふさわしい都市税財源の充実強化を図ること。

本市においても大阪府市長会等を通じて、国や府に対して税制度の改正を要望するとともに、府下の地方公共団体と連携して「地方税財源の充実確保策」の研究に取り組み、全国の地方公共団体とも連帯して行動展開するよう呼びかけている。

2.自主財源確保策の検討

本市は、昨年度、地方交付税制度の改革を軸に、税源移譲・財源調整に対する方向性を検討し、「箕面市における税源移譲に関する調査報告書」として、とりまとめたところである。その中で、本市における地方税財源の充実確保策としては、地方交付税等の中央政府の再配分機構を縮小し、国から地方への税源移譲などによる地方税を拡充する方向、つまり、「自主財源」を確保する方向が望ましいとしている。

(1)税源移譲の考え方

財政力の弱い自治体にとって税源移譲の効果は相対的に大きくなく、むしろ従来の交付税制度の安定的な拡充を望む声が多い。しかし、全ての自治体にとって、税源移譲は自主財源の拡充という共通の利点があることから、「税源移譲か、交付税拡充か」という二元論から離れ、「いかに税源移譲を進め、それを補完する交付税制度を見直していくか」という視点が求められる。そのためにも、財政力の弱い自治体にも納得できる、税源移譲と財源調整の新たなシステムを考える必要がある。その際の原則は、以下のとおりである。地域的な偏在度の小さい税目を移譲する。それでもなお財源が不足する自治体に対しては、現在の地方交付税制度を見直し、移転の規模がより小さく、より透明性の高い財源移転のしくみをつくること。
(地方交付税制度を簡略化した新たな財源調整システムが必要)

(2)税源移譲の試算

東京都等では、具体的に国税から地方税への税源移譲のシュミレーションを行っている。その例を参考に、本市においても以下の2通りの試算を行った。

  ケース1

所得税率10%部分から約2割を個人市民税へ税源移譲した場合

個人市民税の増収額(平成9年度ベース)3853百万円

  ケース2

消費税の2%分を市税として、税源移譲した場合

増収額(平成8年度想定値)3552百万円

(3)税源移譲による財源の確保 財源確保目標額77億6百万円

税源移譲については、地方公共団体において早期に実現するよう、強い要望があるものの、現下の経済情勢や国の財政赤字の問題などから時期尚早といった意見もみられ、実現までにはかなりの時間が要すると思われる。また、地方公共団体においても、税源移譲の内容について、全国的に統一された要求とはなっていないことなど課題は残されている。これらから、大阪府下の自治体をはじめ、全国の自治体と連携して、「地方が本格的な地方分権に対応し、自律した財政運営を行うためには、権限の移譲だけではなく財源の移譲が必要である」ことを訴え、国と地方の財源配分を見直し、地方の自主財源を拡充する税財政制度の抜本的改革を行うよう、国に対して強く要望していく。なお、本計画においては、本市独自の努力として、歳入歳出両面にわたる財政面からの徹底した見直しを図り、市財政の構造的改革に取り組むことを基本とし、財政健全化方策を可能な限り着実に、かつ速やかに実行することを前提としながら、平成14年度に税源移譲を獲得することを目標として取り組みを展開する。財源確保の目標額については、不確定要因が多いため「 特別対策 」として位置づけ、所得税の一部を税源移譲した場合の試算「ケース1」を仮置きし、健全化計画に盛り込むこととする。

五.財源確保の目標

以上のような財政健全化方策や税源移譲による財源確保策の取り組みを確実に実施することにより、平成15年度には、4年間の合計で約334億円の財源を確保することを目標とする。

【財源確保の目標額】(一般財源ベース) 単位:百万円

項目

目標額

備考

歳出の抑制

人件費の削減

1,901

60名程度職員削減、定昇1年停止等

内部管理事務費の抑制

1,102

施設管理経費等△10%

事務事業の見直し

1,026

 

個別事業の見直し

305

 

行政改革項目分

458

政策の改革・その他の改革項目概算分

講座・イベント経費

36

シーリング△10%

団体補助金等

227

シーリング△10%、金利差補助△30%

企業会計等財政支出見直し

6,810

国基準以外の繰出金段階的廃止

投資的経費の削減

4,000

総事業費の抑制

小計

14,839

 

歳入の確保

市税収入の確保

146

税徴収率の目標値94%

使用料・手数料の確保    

未 定

減免率の見直し等受益者負担の適正化

遊休地の処分等    

未 定

臨時的措置として検討(50億円)

地方債の確保と基金の充当

10,736

積極的に活用

競艇事業収入の確保

見込み済み

開催経費の効率化(24億円)

小計   

10,882

 

自主財源確保策

税源の移譲等

7,706

所得税の一部移譲

小計

7,706

 

合 計

33,427

 

六.健全化方策実施後の収支見通し

ここで示した財源確保策が計画通り実施されるものとして、財源確保の目標額を財政収支試算に反映させると次表のとおりの収支見通しとなる。平成12年度及び13年度においては、所要の財源対策を講じ、財源不足の補てんを行う必要がある。平成14年度においては、財源不足は一定解消されるものの平成15年度には再び財源不足の補てんが必要となる。特別対策の税源移譲による財源確保策が平成14年度から実施された場合には、財源不足が解消され、経常収支比率も改善されることから、税源の移譲により、安定的な財源の確保につながる。

[財政収支試算(一般財源ベース)]平成11年10月時点  【単位:百万円】

区分

平成12年度

平成13年度

平成14年度

平成15年度

合計

単年度財源不足額(1)

▲5,367

▲6,264

▲7,059

▲8,192

▲26,882

経常収支比率

99.6%

100.4%

102.2%

102.2%

 

健全化(財源確保策)(2)

4,858

6,185

7,170

7,508

25,721

歳出の抑制

2,446

3,468

4,139

4,786

14,839

歳入の確保

2,412

2,717

3,031

2,722

10,882

実施後の収支(1)+(2)=(3)

▲509

▲79

  111

▲684

▲1,161

経常収支比率

96.3%

96.5%

98.1%

99.8%

 

税源の移譲(4)

 

 

3,853

3,853

7,706

再収支(3)+(4)=(5)

▲509

▲79

3,964

3,169

6,545

経常収支比率

96.3%

96.5%

85.1%

86.7%

 

おわりに

本計画の前提にあるものは、社会環境の変化である。バブル時期のように財政が豊かな時代には、環境の変化は包括され、財政論議は起こらない。今日のように厳しい財政状況の中で新たな行政課題に対応する必要がある時に、はじめて、環境の変化に適応する行政の意識と構造の改革が求められる。新たな行政課題には、変動的で不安定な要因が多く、予測困難な内容が含まれる場合がある。このため、財政運営においては、財政本来の自由度を取り戻し、将来にわたって、新たな市民ニーズに的確に対応できる弾力的な財政体質を確立する必要がある。したがって、財政健全化の取り組みは、本計画のみで終わるものではなく、行政改革推進本部においても、次の3点について引き続き検討することとしている。競艇事業について、本計画期間中は、経営の合理化や経費節減への努力を行う中で、一般会計への繰り入れを確保するとしているが、公営競技を主催する自治体の中には、赤字経営に陥っているところも見られることから、現状から今後の収支見通しや経営環境などを分析し、将来の方向性について検討をすすめる。「公有地の拡大の推進に関する法律」に基づき、市が設立した土地開発公社の財政健全化に向けて、公社の保有土地の内、具体的に利用目的のない土地については、すでに一般分譲等を実施しているが、今後、さらに、遊休地の活用や事業用地の早期具体化など、財政健全化に向けて検討をすすめる。さらに、財政健全化方策を実行に移すためには、現在の財政状況に対する、市民と職員の理解と協力が不可欠になる。そのため、本計画では、財務諸表の公開にむけて「事務事業評価システムの導入」を検討しているが、これに加えて、本市における資産・負債等の状況を明らかにし、財政状況の分析に活用するため、企業会計的な「貸借対照表」についても調査研究をすすめる。 これら付帯意見も含め、今日の厳しい財政状況を克服し、財政健全化の目標を達成するためには、何よりもまず、本計画を全庁的に位置づけ、財政健全化に向けた具体的な取り組みを、可能な限り着実かつ、速やかに実施することが求められている。また、当面は所要の補完的財源措置を講じざるを得ないが、税源移譲に頼ることなく財政健全化を実行するために、全庁的に、個々の職員の意識改革とさらなる事務事業の見直しを行い計画全体を補完していくものとする。なお、本計画の具体的な方策については、「行政改革推進5カ年計画(案)」と連動して、市民や議会を始め広く意見を聞きながら、今後さらに検討を進めるとともに、付帯意見を含め、必要に応じて実施方策を明らかにし、平成12年度以降の予算編成を通じて反映させていくものとする。

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