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更新日:2010年3月1日

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箕面市行政改革推進委員会からの第一次答申

第一次答申箕面市における行政改革の推進について

平成7年(1995年)12月

はじめに

いま、わが国においては、活力に満ちた魅力ある地域社会の形成が求められている。わが箕面市においても社会経済情勢の変化、変容する市民ニーズを的確に把握し、地方分権の担い手となる地方公共団体として、限られた人材、財源を有効に活用して、弾力性・柔軟性に富んだ効果的な行財政運営システムを確立する必要がある。

地方自治体における行財政運営の究極の目的は、「市民の福祉の増進」を図ることであり、具体的には、公共的資源及び市民サービス提供の配分の適正化と効率化を図ることを中心として、市民ニーズに沿うコミュニティを建設することが基本目標となる。

こうした目的や基本目標を達成するためには、「民主的かつ能率的な運営」を保障する必要があり、現在、第3次箕面市総合計画の実施計画を着実に実行し、その仕上げともいえる「第三次箕面市総合計画フォロー アップ計画」を平成7年(1995年)3月に策定し、事業プログラムの年次調整が実施されたところとなる。

しかしながら、「第三次箕面市総合計画フォローアップ計画」の実現の裏付けとなる本市の財政は、長期の不況の影響を大きく受け、財政の硬直化、経常収支比率の悪化、市税の減収、競艇事業収益の減少等現下の本市行財政を取り巻く極めて厳しい環境に至っている。

また、地方分権の推進に対する国会の決議、国の行政改革に関する各種の答申など、地方分権への国民の声を反映する大きな流れの中で、市民に身近な行政は地方において行うことを基本に、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指す「地方分権推進法」が成立し、地方分権の具体化が図られることとなった。

このような情勢の中で、新しい箕面市政の展開が実現できるように市民の立場に立って、新たな市民サービスの展開と最少の経費で最大の効果を上げるという行財政運営の基本に立ち、内部努力を行い、創造的な行財政運営システムの構築を目指し、自主的、主体的に他市に例を見ない行政改革に取り組むことが緊急の課題となっている。

箕面市行政改革推進委員会は本年7月に発足して以降、市民福祉の向上と市民参加を進めるという観点から検討を重ねてきた。

この程、箕面市における行政改革の推進について、基本的な考え方を第1次答申として示すこととする。

第1 行政改革推進の基本方針

1 行政改革の基本的視点

  • (1)この行政改革のなかで果たすべき課題は、今日における時代の変化、変容する市民ニーズを的確に把握し、市民の視点に立って、市民福祉の向上を図るため、民主的で効率的な行財政運営システムを確立させることである。
  • (2)したがって、人・物・金という要素の他に情報・技術を組み合わせ、市民の多様化した価値観にどのように対応するか、また多元的な市民ニーズのどれをどのように充足していくかについて、積極的な市民参加による自治体経営という視点に立って、市民の納得のいく効果的なシステムと運営の新しいあり方を創って行かねばならない。
  • (3)いま必要なことは、いたずらに投入努力を減らして市民サービスを減量化することではなく、硬直化したり効率の落ちた「お役所」的なシステムを徹底的に見直すなかで、現在のシステムの柔軟化・弾力化・増力化を図って、市民生活の安全と快適さを満たす市民サービスの質量の向上を生み出すために、全面的で思い切った創意と工夫を尽くすことである。
  • (4)このためには、積極的な市民参加を行財政の計画プロセス・決定プロセスにおいて、従来以上に進めるだけではなく、さまざまの市民サービス業務の実施プロセスにおいても「受益者参加」の視点から新しい役割分担や各種規制の見直し、手続きの改善、市民にわかりやすい情報の提供のあり方なども検討しなければならない。また、市民に対して「開かれた市役所」にするためには、市行政組織内部における管理上の硬直化を改め、権限関係の柔軟化を図り、市民ニーズに直接に接する末端の現場が意思決定の権限を拡大するよう改革しなければならない。
  • (5)また、個性と独自性を先取りした「みのお」のまちづくりの将来について、高齢化社会に向かって市民の間のネットワークづくりというテーマをまちづくりの理念として、まちを使いこなし、住みこなすとともに外に開かれた交流が出来るまち「みのお」を目指して、ハードとソフトのバランスの取れたまちづくりへと転換し、箕面らしさのコンセプトを打ち出していく必要がある。    

2 新たな市民サービスの展開

(1)基本的な考え方について

新しい市民参加行政システム

市政の民主的運営の根幹が市議会の機能であり、従来の各種審議会制度であることはいうまでもない。ただ、今日の高度化・複雑化・成熟化する社会と市民生活において、多様化する市民ニーズを市行政に有効に反映するためには、これまで以上に多面的な市民参加をくみあげ、市政におけるこれまでの諸機能・諸制度のより活性化を引き出すことが必要となっているのである。市民参加とは、具体的には市民が、自らに直接かかわりをもつ市行政施策については、情報を取得すること、また、その政策決定・実施の事前になんらかの協議を受けること、また、その政策決定・実施になんらかの関与を果たしうることを意味している。このような方向を市政にのなかに実現していくことによって、今日に必要な弾力化・活性化の方途をみつけ、また、不必要であったり今日の現実のあわないムダな面を見つけることができよう。

市民サービスの減量化ではなく、市民サービスの質量の向上

したがって、基本的視点においても明確にされているように、いま必要な市行政改革は、いたずらに行財政における投入努力を減らして市民サービスの減量化をまねくことではない。今日の社会環境にあわなくなっていたり、「お役所」的な硬直化を含んでいるようなところを改善し、いろいろと新しいサービス能力を開発するように市民と行政のみんなで知恵をしぼり、創造的な前進を図ることである。「やり方さえ変えれば、こういうこともできるではないか」という発見・創意を大胆にくみあげ、その実現のために古い制度・慣行を見直すことを進める必要がある。そのことによって、市民サービスの質量の向上を図ることが最大の眼目である。

(2)行政サービスのあり方について

行政と市民の受け持つ役割分担

前記のような基本的考え方にたって、行政サービスの限界、公私の機能分担について検討し、行政が主体となるもの、行政が主体で市民が補完するもの、市民が主体となるもの、市民が主体で行政が補完するものといった多様なあり方の活用と組み合わせによる機能アップを考えつつ、市民サービスの領域と財政負担のあり方について検討する。そのなかで、市の行政サービスに対して、受益者としての市民が直接に関与・介入できることについては「受益者参加」という視点から、市民の自治的管理のエネルギーをくみあげ、これを活性化するために古い規制の改廃、新しいシステムの導入などをいろいろな分野で積極的に検討する。

行政の役割分担は、一義的にその限界が決められるものではないが、本来市民又は団体等が自主的活動として行うべき活動に対する行政の役割分担については、市民サービスにおける行政と市民の役割を市民と共に考え、合意形成を図るべく検討する必要がある。

3 創造的な行政運営システムの構築 

行政においては、事務改善による行政運営の効率化を進めてきたところであるが、地方分権の時代に耐えうる地方自治体として、個性と独自性をいかに発揮し、ますます高度化、多様化する市民ニーズに対し、限られた人材や財源をいかに有効に活用し、自ら考え、自ら行動する経営的視点により、行政組織内部における管理上の硬直化を改め、権限関係の柔軟化、意思決定の下部委譲を検討する等、効果的かつ創造的な行政運営システムを構築しなければならない。

(1)機能的な自治体経営

今日的課題として重要なことは、自治体が地方分権の時代に耐えうるためには、自治体として実力を強め、政策形成能力を身に付け、市民の立場に立って、機能的な行動に移すことである。

具体的には、「市民サービスの水準を上げること」そのためには、市民からみて「お役所的」と思われる硬直化している仕事を全面的に見直すことである。

(2)組織運営の柔軟化

行政と市民との協働システムを確立し、市民の理解と協力の上に立って施策を着実に実施するためには、親しみやすい名称など市民に分かりやすい組織及び組織運営となるように留意することが大切である。

さらに、市民ニーズの多様化の中で市民生活重視の行政を展開するためには、環境の変化すなわち多様性と不確実性に対し、いろいろな事業部門の市民サービス施策をいかに計画的に統合し、組織成果を上げるかが組織管理にとって重要な課題である。

そのためには、今日の情報化時代に求められる“分権・参加・協働”型の組織化すなわちタテ型で硬直化したピラミッド型組織から状況と課題に応じた柔軟にヨコにつながるネットワーク型組織への転換をできるところで検討する必要がある。

(3)自治体職員の意識改革

行政改革により、新たな市民サービスの展開と創造的な行政運営システムを構築するには、行政の担い手である職員の意識改革を行い「お役所」的イメージを脱却しなければならない。

今、必要とされる職員像は、創造性、新しい問題への関心、視野の広さが求められる。時代に変化に対応するには、柔軟な発想力、豊かな感受性、独創的な企画力を備え、実務型から政策型職員へと変革が必要である。 

第2 行政改革推進のための重点事項

1 市民サービス関連事項

(1) 事務事業の見直し

平成8年(1996年)に市制施行40周年を迎える今日の箕面市を取り巻く行財政状況は、ライフプラザ計画建設事業の完成もを間近に控え、国際文化公園都市建設事業、水と緑の健康都市建設事業、箕面新都心整備推進事業のいわゆる3大プロジェクトが本格化の段階を迎えている。

また、火葬場・斎場建設事業等大規模プロジェクトが目白押しに控えており、現下の経済状況・税収状況等から財政運営も相当厳しくなることが予測される中で、これらの諸事業を着実に推進し、加えて新しい行政需要も高まる中で、地方分権の時代に耐えうる自治体として、的確に対応していくためには、事務事業について耐えず見直しを行い、大規模プロジェクト事業については、時代や環境の変化への発言の努力を怠ってはならない。また、その他の事業については、緊急度の高いものを選別し、みのおのまちづくりを育む観点から効率的な事業の実施を図るとともに、市民サービスの向上の観点から事務手続きの簡素化、効率化を進めていかなければならない。このため次の諸点に留意して事務事業についての見直しを進める必要がる。

1)行政と市民の受け持つ役割分担

基本方針にも示したように、様々の問題、施策について行政と市民の受け持つ役割分担を明確にして、事務事業の見直し及び新たな事業の執行に当たる必要がある。その際には、市民に対して十分な情報を伝えながら、審議のプロセスに、あらゆる方法を通じて市民の多様な意見を十分に反映するよう心がけねばならない。

2)行政の効率化

現に行政重要が低下しているもの、投資経費に比べ効果が低下しているもの、ほぼ目的を達成しているもの等最少の経費で最大の効果を挙げることが必要であり、事務事業の評価といったことの問題意識を常に持ち評価方法、評価システムを確立することが重要である。そのためには、市民本位、市民参加という自治原理を基本的視点にした、様々の問題点を十分に市民に伝えるという情報公開の原則に立って、その事業評価の方法、システムにも市民の意見を反映しつつ、政策の形成と推進を図り、一層の行政の効率化を図ることが必要である。

3)外郭団体の活用

今後の課題として効率化の観点から本市と外郭団体との関わり方及び経営健全化への自主的な取り組みを強化しなければならない。

そのためには、行政との役割分担を明確にし、市民に共有された協働的な雰囲気をもつ実践的なまちづくりの拠点となりうる方向へと大胆にリストラクチャリングを行う必要がある。

特に、第3セクターの活用は、公共出資の割合に応じて、市民利益の立場から活用を図る方策が望まれる。

4)民間委託

人件費、物件費等の経常経費のの節減、事務の簡素化等、行政の効率化の促進のために民間委託の多面的効果と効用を活かすことも必要であるが、民間委託の活用については、サービス効果、経済性、効率性、専門的知識・技術の活用及び市民自治の高揚等の視点から業務別に細かく分析し、現場の意見をくみあげつつ専門的に慎重に検討するとともに、市民の意見を聞くことが必要である。

5)広域行政圏の活用

自治体の広域行政手法としては、合併、事務委託、協議会、行政協定、職員派遣、一部事務組合等及び広域連合等の選択肢をもっている。

これまでの近隣諸都市との都市間競争の関係だけではなく都市圏域の市町村が相互に競いあって創造し、さらに相互に協力しあって創造する関係も模索していかなければならない。

6)補助金等の適正化

補助金は、公益上の必要性に基づき、行政の目的達成のために交付されるものであるが、既得権化、固定化に陥りやすい側面を持っている。

これを防止し、多様化する市民ニーズに応えながら最大限に効果を上げるために、従来の制度、施策の見直しを図りながら、アンバランスを是正し、公平性、緊急性、有効性などの原則により、参加主体と負担主体のあり方を改善するものとする。

(2)行政の情報化の推進等による行政サービスの向上

行政の効率化や市民サービスの向上を図る手段として、行政情報のシステム化の推進とともに情報を収集し、その蓄積された情報をいかにして、高度に活用するかが、今日の情報化時代に欠かせない課題である。

創造的で、かつ個性的な行政運営の展開が必要とされる中で、この展開を実現するためには、すべての職員が自ら考え意欲をもって情報に対する正しい理解と判断や活用する能力を養い、情報化を推進していかなければならない。

1)庁内の情報のネットワーク化

変化する都市環境や市民ニーズにかかわる情報を体系的に収集し、加工、蓄積し、検索でき、必要に応じ提供する情報システムを確立し、すべての情報を共有し、政策形成に活用することが自治体経営にとって重要な行政活動である。

コンピュータは行政にとって不可欠な道具である。情報処理と通信網を一元化した情報ネットワークの構築と機能的活用を検討する必要がある。

2)地域に密着した行政サービス

コンピュータ、OA機器を有効に活用し、現在の社会のシステムにあった地域に密着した行政サービスを展開する必要がある。

(3) 会館等公共施設の設置及び管理運営

施設の利用は市民が主役という基本原則にたって、市民が利用したくなる施設を目指すためには、縦割りによるセクショナリズムを排除し、市民から見てもっと融通のきく使い方を行政が市民の意見を聴き共に考えなければならない。

現在の施設の多目的化、複合化を促進し、年齢等により対象者を限定することなく、できるだけ広く市民に開かれた施設にすることが必要である。

さらに、施設の役割、機能、運営方法等について多面的に検討し、行政責任の確保、市民サービスの水準の確保等を考慮しながら、市民に委ねることができるものは、積極的に委ねることを検討する必要がある。

また、公共施設のネットワーク化をさらに進め、市民の利用と余裕教室の活用等の課題に対応していくことが重要である。

2 内部管理関連事項

(1) 時代に即応した組織・機構の見直し 

1)ネットワーク組織への転換

基礎的な行政サービスから多様化、複雑化する地域の課題を機動的に対応することが要請され、一方で多くの部門にまたがる課題を総合的に施策展開を図っていくには、従来のタテ割り組織による分業化という機構であるピラミッド型の構造では環境の変化に的確に対応できなくなってきている。

そのためには、市民対応の組織については、問題に応じ、状況に応じて、様々の部門が機能的に協力できる弾力的なヨコ型のネットワーク形成の活用を検討すべきである。

2)動態的かつ弾力的な組織・機構

今日、市民の多様なニーズに対し、受け身の姿勢から攻めて出る積極的な行政運営を進め、政策形成の推進にふさわしい組織構造を構成し、政策課題に応じて動態的かつ弾力的な組織・機構を構成し、柔軟な対応を図るための横断的な組織、また、各種施策の課題に応じたプロジェクト組織等を検討し、組織をフルに活用し行政運営をそれぞれの課題に応じて機動的に動き成果を生み出す効果を最大限に発揮しなければならない。

3)意思決定の下部委譲

また、階層構造から見ると現在の階層は、市長をトップに管理者、監督者、一般職員を基本としているが、命令系統が複雑化し、意思決定に多くの時間を要し、情報伝達もうまく作用していないのではないか。

したがって、組織のネットワーク化とともに、意思決定を現場に近いところで行われるような仕組みへの努力を検討する必要がある。

4)自治体の行政能力を向上させる組織

自治体間競争と言われている今日、様々な行政課題に対応するためには、政策を法的に根拠づけていく能力をつけていくことが、強く必要な時代であり、「政策法務」の領域を充実する必要がある。

5)外郭団体の効果的な活用

行政の補完的機能を有し、民間としての経営能力を最大限に発揮し、自主的、自立的な事業展開が望まれるところであるが、今一度、設立当時の原点に立ち返って、現在実施している事業そのものの必要性、その事業を外郭団体で実施する必要性について、厳しく問い直す必要がある。又、民間において、同種の事業を実施しているもの、又実施し得るものについては、民間に委ねることができないか。必要に応じ、廃止、縮小、民営化、政策手段の見直し等を図る必要がある。

(2) 定員管理及び給与の適正化の推進

1)適正な定員管理の推進

職員数については、各種大規模プロジェクト事業や新たな市民ニーズに対応して、新しいシステムと呼ばれる環境、女性、文化、情報、国際化といった施策の推進、そして、高齢化社会に対応した各種行政施策を円滑に推進するためには、現状分析、定員適正化目標の策定、適正化手法、手順を明確にして、適正な定員管理の推進が重要である。

2)給与制度の是正

近年、新しい市民ニーズの発生と多様化という課題に対して、広い視野と先見性をもった創造性を備えた幅広い高度な技術や専門的知識をもった職員が必要とされている。今必要なことは、職員の個性、意欲、能力を高める人事方針が大きなポイントであり、人事への新風をおくることも必要である。また、給与待遇についても、これまで年功序列的な人事措置が優先されてきたところである。たとえば、経験と技能を生かした資格職制度を設け給与の等級を適正化して、それぞれの職員の勤務意欲が高まる給与制度に改革することが必要である。

3)特殊勤務手当の適正化の推進

特殊勤務手当については、時代の変遷に伴って勤務の特殊性(危険、不快、困難性等)についての変化が見られるものもあり、その適正化を図る必要がある。

(3) 効果的な行政運営と職員の能力開発等の推進 

1)政策の計画段階からの市民参加の推進

すべての施策について、計画立案から政策決定、事業実施、総合評価といった過程に市民参加を進め市民本位の施策展開を図るための効果的な行政運営システムを確立する必要がある。

2)人事考課と昇任制度

現行制度は年功序列の要素が強く、又資質、能力の判定に客観性が不十分である。

努力したものが報われ、新しいことに挑戦する意欲のある姿勢を高く評価される人事考課と十分な納得性を確保するための人事方針を検討する必要がある。例えば、十分な議論と検討に立った上で、自己評価制度、昇任試験制度、勤労意欲の高い女子職員の積極的登用等客観的な能力判定を行うシステムの導入が必要である。

3)政策形成のための人事ローテーションと人材育成

職員一人ひとりの能力と職務の適合性を適切に掌握し、その適切な結びつきに最大限の努力を払い、長期的な人材育成を図ることが重要な課題といえる。

そのためには、人事データを体系的に一括管理を行い、そのシステムの活用が図れる経歴管理システムを確立し、計画的なローテーションの推進を図ることが必要である。

また、市民のニーズを的確に把握し、機能的な施策を企画・立案・実施するためには、現場第一線で働く現業職員等が持つ情報、経験を活かし、その能力に即した人材登用を検討することが必要である。

さらに、人材育成は、今日まで内部組織で育成するという原則であったが、多様化、高度化する行政需要に的確に対応するためには、民間での企業生活等多種多様な社会経験を活かした人材確保の推進に向けた中途採用等人材多様化への対応も検討する必要がある。

4)政策形成能力の養成と研修

市民本位の個性・魅力あるまちづくりを推進するため、課題発見、分析、計画立案、提案、評価といった政策形成能力の養成を行なうため、長期的な視点に立った研修を検討していく必要がある。

5)職員意識の活性化

職員の個性、能力、意欲を最大限に活性化するためには、常に職員の職場業務における満足度、意欲(モラール)の客観的な診断を実施し、その把握を行い、活性化を図る様々の手法の検討が不可欠である。例えば、職員の知的想像力、問題解決能力を高めるための提案制度の効果的な活用と、やればできるという実感を与える個人表彰制度の拡大、フレックスタイム制やリフレッシュ休暇制度等の検討も行なっていく必要がある。

第3 健全な財政運営の確立

今後、21世紀に向けて、新たな市民サービスの展開と創造的な行政運営システムを確立するためには、財政の効率的運営と財政の健全化による財政基盤の確立を図っていかなければならない。

(1) 財政の効率的運営

財政運営においては、限られた財源を最も有効に市民福祉の向上に役立てるかが重要な課題である。このため、財政の弾力性を維持するためには、事業コストに留意した人件費等の義務的経費の効率的配分に努めるとともに、新規事業を含め施策の選択に当たっては、必要性、緊急性、市民ニーズ等に基づき、真に必要な施策の選択のあり方について、市民が納得できる手法について検討しなければならない。

また予算の執行に当たっては、創意と工夫による行政経費の節減合理化に努め、事務事業見直しマニュアルの策定等による定期的な事務事業の枠組みの検討に取り組むことが必要がある。

また、大規模事業等一時期ではあるが、財政運営に影響を及ぼす事業については、計画から執行に至る過程においては、市民にとって本当に必要なのか、市民に本当にプラスになるのかといったことについて、常に市民に情報を公開・広報しつつ市民と共に真剣に考える市民参加の手法を取り入れる等、さらに財政の効率的運営を図ることが必要である。

(2) 財政の健全化

人件費、扶助費などの義務的経費の増加とともに、減税等による経常一般財源である市税等の自主財源の減収により、年々財政状況も厳しくなり、平成10年度(1998年度)以降は、最も厳しい状況に陥ることが予測されており、公営企業、外郭団体の赤字の解消及び一般会計を中核とする複合化による効率的な経営手法を取り入れ、総合計画と財政とが連動した総合的な管理手法を検討し、事業コストの算定に当たっては、人件費も含めた算定を行い、コスト比較による事務事業の選択に当たる必要がある。

また、市民の高齢化に対するサービスのあり方については、事業の選択と財政負担の適正化について検討しなければならない。

さらに、自主財源の確保の観点から、課税・収納業務を強化、未利用財産の有効活用、施設管理の組織体制・施設利用料金の適正化のあり方を検討し、財政の健全化に努める必要がある。

なお、近時、民間経営においても財政面からする組織改革・リストラクチャリングにあたっては、会長・社長・重役等の給与が社会的水準からみて、それほど高くない場合においても、それら経営幹部の昇給停止、昇給返上、給与カットなどを行ったり、また幹部人事面、幹部関係経費面での簡素化を図るなどして、事態に対処する姿勢を率先して示すことがほとんど一般的である。わが市の行政改革においても今後、あらゆる面において、この姿勢をつらぬくことが肝要であり、そのような角度からの点検が必要であろう。その観点からしても、また、なんらかの行政改革に直面する市民感情からしても、少なくとも最近において検討されている市理事者職の給与の改定の実施については、その実施を凍結するなどの方向でのきわめて慎重な対応を図ることが必要であると考えられるので、早急に応分の対策が検討されることが望ましい。

(3) 財政運営の改善合理化

都市政策における財政危機は、総合計画と施策の事業実施を連結する要であり、財政資金の裏付けある単年度計画として、行政運営全般を制御する機能を有しており、企画と財政の連携による事務事業の政策的な重要度、施策選択、優先順位に応じた重点的予算配分による政策主導型予算編成方式を検討する必要がある。

また、総合計画の行財政面での裏づけ、すなわち企画、財政、人事の三機能を中長期的な財政計画と中長期的な定員計画を連結しなければならない。

第4 行政改革大綱の進行管理

行政改革を進めるに当たって、本答申が尊重されることは、いうまでもないが、今、行政改革が効果的に進められるためには、市議会、庁内組織等による実施状況の把握はもとより、市民の理解と協力のもとに行政改革を推進していくという観点から、次の諸点に留意するものとする。

  • (1)現在実施されている給与の公表、財政状況の公表等に加え今後は行政改革大綱の推進状況についても公表を推進し、公表結果に対する市民の意見等を将来の行財政運営等に反映させるシステムを確立する必要がある。
  • (2)行政改革推進委員会は、市長からの行政改革大綱の推進状況について定期的に報告を受けるとともに、その推進について当委員会が市長に対し必要なチェックができるシステム(例えば行政改革オンブズマン等)作りを期待する。 

第5 早急に実施すべき重点項目

前記までに述べた市民参加の原則に則りつつ平成8年度において早急に措置し、行政改革に着手すべき重点項目を次に示すものとする。

(1)事務事業の見直し

  • ア.創意と工夫による行政経費の節減合理化に努め、事務事業見直しマニュアルの策定等による定期的な事務事業の枠組みの検討に取り組むこと。
  • イ.行政と市民の役割分担による行政サービスの領域と財政負担についての基準を明確にし、事務事業の見直し手法を確立すること。
  • ウ.施策の計画から評価に至るプロセスについて市民参加手法を検討すること。

その場合において、多方面における市民参加手法の実例を眺めつつ、積極的なアイデアを出していきながら、市民に自主的な参加能力を促すための情報提供、生涯学習、市民協力を行うとともに、市民の自主活動への支援についても様々な具体策を創り出して行くことを考慮すること。

  • エ.いくつかの領域については、市民サービスのための自治体経営という視点から業務の問題別に民間委託のあり方について十分に市民のニーズを反映することを主眼とし、現場の意見をくみあげつつ専門的に、慎重に検討すること。

(2)行政の情報化の推進等による行政サービスの向上

  • ア.庁内のネットワーク化による権限の下部委譲を考慮した事務処理システムを検討すること。
  • イ.市民への情報の提供及び市民からの意見の収集、集約について、図書館の利用その他有効、適切に処理するシステムを検討すること。

(3)会館等公共施設の設置及び管理運営

  • ア.縦割り的な利用から横断的に市民が自由に利用できるよう施設の利用形態を検討すること。
  • イ.施設の運営、維持管理の効率化を図る手法について、既存の第三セクター等の活用などを検討すること。

(4)時代に即応した組織・機構の見直し 

  • ア.職務権限の下部委譲を図り、事務処理の迅速化及び窓口処理による市民の利便性を向上すること。
  • イ.組織の階層構造について、ピラミッド型からネットワーク型への転換を検討すること。
  • ウ.多様化、複雑化する課題に対して、親しみやすい名称など市民に分かりやすく、しかも機動的で横断的な対応が図れる組織・機構を検討すること。

(5)定員管理及び給与の適正化の推進

  • ア.事務量の変動及び財政状況に応じた中・長期的な定員管理計画を策定すること。
  • イ.非常勤職員等の弾力的配置と計画的な活用を検討すること。
  • ウ.専門職制度の検討と合わせ給与の体系の適正化を検討すること。
  • エ.特殊勤務手当について、現状の実態にあった見直しをすること。

(6)効果的な行財政運営と職員の能力開発等の推進

  • ア.市民参加による行政運営のプロセスを検討すること。
  • イ.人件費を含めた事業トータルコストの算定が可能となる事務事業別予算による財務情報から政策情報として活用できる手法を検討すること。
  • ウ.創造的な人材育成を図り、政策形成能力の向上、法務行政のあり方について検討すること。
  • エ.人事開発と同時に民間又は他自治体との交流を検討すること。

おわりに

この第1次答申は、行政改革の基本方針、行政改革推進のための重点事項、財政の効率的運営、行政改革大綱の進行管理及び早急に実施すべき重点項目について、それぞれの基本理念及び改革の方向を示している。本行政改革推進委員会は、今後さらに、具体的な改革方策と中・長期的に改革すべき個別項目について、平成8年度中に答申すべく審議を進めていくこととする。

なお、行政改革の推進は、地方自治体として、不断に取り組むべき課題でありますので、簡素で効率的な市政の実現とともに、市民福祉の向上、市民参加による市民の立場に立って、十分に配慮して、実施してください。

なお、行政改革を着実かつ円滑に実施するためには、市議会及び市民の理解と協力並びに職員労働組合との協議を行ない、理解と協調を得ながら推進してください。

 

【箕面市行政改革推進委員会】

委員長 飯尾要

委員長職務代理者 夏堀照美

委員 新井せい子

委員 遠藤剛生

委員 笹川義一

委員 白金久雄

委員 布谷弘光

委員 野村亘代

委員 萩尾千里

委員 本井文夫

(委員長及び委員長職務代理者以外は五十音順)

 

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