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箕面市では、3.11東日本大震災の教訓を市の防災体制に活かすため、平成23年10月に「箕面市防災改革の基本方針」を策定しました。
「箕面市防災改革の基本方針」(平成23年10月策定)(PDF:558KB)
以下は、この基本方針の概要です。
箕面市は、北部に山を抱く内陸の都市です。
市域の約3分の2が山地であり、北から南に向けてだんだん高度が下がっていく地形で、津波の心配はありませんが、土砂災害への警戒が特に必要であり、一部の地域では大雨等による浸水被害も想定されています。なお、市域には有馬高槻断層という活断層があり、上町断層の影響もあると言われています。
箕面市では、このような地理的条件をもとに、地震や豪雨等によってどのような被害が発生するかを想定して、消火・救助・避難支援活動の準備や避難所の整備などを行ってきました。
そして、これらの準備は、行政が中心になって進めており、実際に災害が発生した場合にも、ほとんどの役割を行政が受け持つ想定をしていました。
平成23年3月11日に東日本大震災が発生しました。
この地震は、東北から関東にかけた広い範囲に甚大な被害をもたらし、半年以上が経過した今でも、復旧・復興にはほど遠い状況です。
阪神・淡路大震災から17年、市民の防災意識も徐々に薄れつつあることに危機感を持っていたこの時期に、東日本大震災の状況を目の当たりにし、もし、同じように、近畿地方全体に被害をもたらすような大災害が発生したら、現在の箕面市の防災体制で十分な対応ができるのか、改めて振り返る大きなきっかけになりました。
阪神・淡路大震災の当日、神戸市では、職員の4割しか出務することができませんでした。これを箕面市に当てはめると、震災当日に出務できるのは、わずか600人弱(市立病院の医療職も含めて)です。これでは、13万人の市民の安全を確保し、避難を支援し、さらには物資の調達から避難所の運営までをやりきることは、とても不可能です。
また、消火や救助、負傷者の病院への搬送、断水地域への給水活動など、どの分野を見ても、全市域に十分な手当てを行うことはできません。
東日本大震災や阪神・淡路大震災のような大災害が発生し、市域全体が被災地となるような事態を想定して、職員数、消防車・救急車台数を増やすことで、消火、救助・救出、搬送、安否確認、避難誘導、避難所の開設・運営を十分に行えるかを改めて検討しました。
しかし、仮に、職員を増員し、緊急車両を増やしたとしても、地震直後の道路や通信が遮断された状況の中で、すぐに全市域の被害状況を把握して、消火や救助活動を行うことは、自衛隊などの外部からの支援を含めても困難です。
行政だけでできることは、残念ながら有限です。この事実を直視し、真に災害に強いまちを作っていく必要があるのです。
東日本大震災では、地震に津波の被害が続いたことから、地震そのものによる被害状況がまだ明らかになっていませんが、阪神・淡路大震災では、犠牲者の8割以上が「建物の倒壊などによる圧死」でした。
大震災では、一瞬にして多くの建物が倒壊し、多くの人がその下敷きになる危険があります。
東日本大震災では、発生直後、近隣の住民による消火活動や、高齢者の安否確認と避難誘導などが行われました。これら地域住民による災害発生直後の活動が、多くの命を救ったのです。
阪神・淡路大震災でも、倒壊家屋の下敷きになったなどで救助を必要とした人の8割近くが、近隣の住民によって救助されました。
行政だけでは不可能でも、行政と市民一人ひとりが力を合わせて災害に対処することで、「災害に強い箕面」を実現することができます。
そのため箕面市では、行政を中心とした防災体制を見直し、行政と市民が一体となった防災体制を構築します。
まずは、行政にしかできないことは、行政が率先しておこなっていきます。
そして、市民の皆さん一人ひとりは、「自分の身は自分で守る」という意識を持って災害に備え、近所の皆さんと協力し合いながら防災活動に取り組むことを、ぜひともお願いします。
今回、箕面市では、過去の震災の事例や、他の市町村の取り組みを参考に、山が多い箕面市独特の事情などをも考えながら、災害対策のためのあらゆる取り組みを洗い出しました。
リストに挙げているのは、現時点で思いつくすべての災害対策で、この中から地勢、地域特性、災害特性に合った対策を実行していきます。
また、今後見直しを進めていく中で新たな課題が発生したら、その対策を追加するとともに、対策が完了した項目を消し込んでいき、防災改革の進捗管理にも利用します。
リストに挙げた対策を、すべて一気にやりきることはできません。財政バランスを考慮しながら徐々に進めていくものもありますし、施策の進捗状況に応じて、段階を踏まなければ実行できない対策もあります。
しかし、ひょっとすれば明日起きてしまうかもしれない大災害から命を守るために、すぐにでも実行しなければならない優先度の高い対策をリストから選び出し、早急に取り組んでいきます。
「明日起きるかもしれない災害」から命を守るため、優先して、重点的に取り組む施策を次の3つの方向性に沿って選びました。
行政主体の防災体制から、市民と行政が一緒に体制を作り上げる方向に転換することは、行政の責任を放棄することではありません。市民の命を守ることは、これまでもこれからも、行政の重大な使命です。
避難所の物理的な機能強化や、道路・水道などの耐震化など、「行政がすべきこと」で、かつ「行政だけでできること」を何よりも優先して取り組みます。
「行政からの助けを待つ」のではなく、自分の身は自分で守り、地域の力で地域を守る、つまり「自分たちの身は自分たちで守る」という市民の意識と取り組みが「災害に強い箕面」を実現します。
今回の防災改革における一番大きな転換ポイントである「自分たちの身は自分たちで守る」ための市民の取り組みを、市が重点的に支援します。
災害で最も多くの被害が出るのは、発生直後です。阪神・淡路大震災でも、犠牲者の8割近くが災害の発生した当日に亡くなっています。
また、災害発生直後には命が助かったとしても、交通・通信・ライフラインが断絶している状態では、支援物資が届くまでの間、何日も耐えることはできません。
現在の日本では、外部からの支援が入って、生命維持にかかわるような食糧が極端に欠乏した状態から回復するまでには、3日間かかると想定されています。
災害発生直後に命を落とさないこと、そして3日間、家族や地域と助け合いながら持ちこたえることが、被害を最小限に抑えるためにとても重要です。
箕面市では、数ある防災対策の中から3つの方向性に沿って選んだ次の施策を優先し、重点的に取り組んでいきます。
1)防災に関する情報の提供
2)防災教育の推進
1)防災訓練の強化
2)地域の防災コミュニティづくり
3)地域の防災活動へのサポート
4)地域防災ステーションの設置
5)「(仮称)避難所運営委員会」の立ち上げ
1)避難所の再編成
2)避難所の機能強化
3)避難所の運営体制の確立
1)市の体制の強化
2)緊急時の情報発信体制の強化
3)災害時の渉外拠点の整備
1)土砂災害や水害への対処
2)道路、橋梁、河川などの安全対策
3)災害時の水の確保
1)住宅の耐震化の促進
2)内装の耐震化の促進
1)自治体との防災協定の拡充
2)企業との防災協定の拡充
よくあるご質問
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