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更新日:2019年10月1日

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連続企画展パート3「駅からはじまる郊外みのおのくらし」の報告

 開催概要

平成22年度企画展ポスター

≪終了しました≫

延べ2,213人のかたにご来場いただきました。
ありがとうございました。

連続企画展タイトル:箕面市行政史料整理保存事業連続企画展「電車が通る。みのおに遊ぶ。みのおに住まう。-記録が語るみのおの百年-」

パート3タイトル:「駅からはじまる郊外みのおのくらし」

主催:箕面市総務部総務課

共催:箕面市立郷土資料館

会期:平成22年(2010年)6月4日(金曜日)から8月2日(月曜日)

会場:箕面市立郷土資料館(みのおサンプラザ1号館地下1階)

入館料:無料

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 展示内容の紹介

1910年(明治43年)3月10日、箕面有馬電気軌道株式会社(現在の阪急電鉄。以下「箕面電車」)が宝塚線と箕面線を開業しました。
電車が通り、箕面は大都市・大阪に近い自然豊かな観光地として、良好な住宅地として脚光を浴びます。くらしの洋風化にともない、切り花産業もさかんになり、箕面は地域産出の切り花をブランドとして確立させました。
電車の開通をきっかけに、明治末から大正・昭和にかけて生み出された箕面のまちなみやイメージは、今の箕面をかたちづくる重要な要素にもなっています。
展示では、近郊地としてあゆみはじめたころの箕面を、住宅地の誕生・形成、産業の変化や周辺地域のとりくみ、こどもたちの文化と学校というテーマ別に紹介しました。
また、パート1・パート2で紹介した、ラケット形線路時代の箕面駅前にあった洋館(カフェーパウリスタ箕面喫店。閉店後は大阪お伽倶楽部事務所)が豊中住宅地の倶楽部として移築され、現存していることがわかったことも紹介しました。

以下に、おもな展示内容を紹介します。なお、紹介順序は、展示内容をわかりやすく説明するために、展示順ではなく再構成しています。

展示で紹介した住宅地と資料

桜井住宅地(明治44年<1911年>、箕面電車分譲開始)

桜井住宅地は、箕面における大規模住宅開発の第一歩となった住宅地です。箕面電車が大阪府に提出した道路・水路の新設願やその図面、宣伝用絵はがきなどを展示しました。また、桜井では住民によるコミュニティ活動が活発に行われており、コミュニティによる雑誌発行や幼稚園設立(現在の若葉幼稚園。大正12年<1923年>設立)の沿革を記した文書などを紹介しました。

市道才ヶ原線周辺(箕面4丁目・5丁目。大正9年<1920年>ごろから箕面土地株式会社が開発)

市道才ヶ原線周辺は、道路沿いの桜並木が春には桜のトンネルになり、大阪みどりの100選にも選ばれています。昭和16年(1941年)ころの開発地の地図や、開発主が誘致した箕面家なき幼稚園(箕面自然幼稚園)と箕面学園(現在の箕面自由学園)の写真などを紹介しました。

ラケット形線路内運動場跡地の住宅地(大正11年<1922年>ごろから箕面電車開発)

箕面電車による道路新設図面を紹介しました。

桜ヶ丘住宅改造博覧会と桜ヶ丘住宅地

大正11年(1922年)、展示住宅を土地付きで販売するという画期的な試みをした桜ヶ丘住宅改造博覧会(日本建築協会主催)については、博覧会配置図の模型や絵はがき、観覧チケットなどを紹介しました。
桜ヶ丘住宅改造博覧会会場跡地やその周辺に広がる桜ヶ丘住宅地については、橋の改築図面やパンフレットなどを紹介しました。戦後の進駐軍による接収に対する住民の動向についても、旧箕面町の公文書から陳情内容を紹介しました。

百楽荘(大正13年<1924年>7月、関西土地株会社分譲開始)

百楽荘は牧落駅前にひろがる住宅地で、小学校につながる広い道路の両側に生け垣が続く美しい街並みが今も維持されています。住宅地の図面や牧落駅の誘致にかかわる図面などを紹介しました。

東箕面田園住宅地(今宮近辺。昭和4年<1929年>、小谷工務店株式会社分譲開始)

戦前の住宅地開発で、唯一箕面電車の路線から離れていました。販売パンフレットを展示しました。

桜井南天荘(現在の桜井三丁目から豊中市宮山町あたり。昭和9年(1934年)ごろ、清光社開発、分譲)

現在の国道171号から箕面自由学園に至るあたりの住宅地です。販売パンフレットを展示しました。

住宅地開発にともなうそのほかの内容

地元住民の動きとして、住宅開発を誘致するために、箕面山麓に開発した道路の寄付について地元住民が箕面村に提出した申込書を紹介しました。
住宅地の都市基盤の整備として、浪速瓦斯株式会社によるガスの供給開始(昭和4年<1929年>)、農業用水の飲料用水道への転換などの文書(昭和6年<1931年>)を紹介しました。
箕面村は昭和8年(1933年)12月28日に都市計画法の適用指定を受けており、翌年4月1日からの施行にあたって住民に注意をよびかけた村報も展示しました。
箕面村が新住民と旧住民の溝を埋めるために実施した、正月の新年拝賀式での交流会の報告書も展示しました。

産業の変化と周辺農村のとりくみ

豊能地域は、古くから園芸がさかんな地域でしたが、箕面電車が開通すると販路も拡大し、生活の洋式化や田園趣味の広がりとともに、切り花がさかんになりました。箕面はその中心地でした。展示では、豊能地域の切り花をブランドとして確立させた、豊能美風園芸組合(大正5年<1916年>に北摂切花園芸組合美風会として発足。昭和5年<1930年>改称)の資料などを紹介しました。
箕面村の隣村である萱野村は切り花や蔬菜栽培など近郊農業化の傾向はありましたが、中心は酒造米づくりでした。昭和にはいり、都市文化の流入や経済の疲弊により農村自治が危機をむかえるなか、萱野村でも新たなとりくみが始まりました。展示では萱野村会議員が村報に掲載した呼びかけ文や社会事業(総合的な社会福祉事業)をいち早く実践した常照寺のとりくみを紹介しました。

こどもをめぐるとりくみ

大阪お伽倶楽部(おおさかおとぎくらぶ)

大阪お伽倶楽部は、こどもを対象に、お伽話の読み聞かせや演劇公演を行った団体です。箕面駅前に事務所がありました。展示では、大阪お伽倶楽部が箕面で開催した、模型飛行機大会や山林こども博覧会の絵はがきなどを紹介しました。

箕面家なき幼稚園(箕面自然幼稚園)

箕面家なき幼稚園は、大正13年(1924年)6月、大阪毎日新聞記者橋詰良一によって設立されました。場所は、現在の北小学校の西側です。その後、昭和5年(1930年)12月1日に箕面自然幼稚園と改称しました。「建物の中ではなく自然のなかでこどもたち自身が育つことを重視し、家なき幼稚園」と名付けていました。展示では、実際にこの幼稚園に通っておられた市民のかたからご提供いただいた写真などを展示しました。

箕面学園(現在の箕面自由学園)

箕面学園(現在の箕面自由学園)は、大正15年(1926年)4月に、現在の北小学校の地で開園しました。とんがり屋根の塔がついた洋風校舎の外観や本物に親しむという方針のもと本格的な道具をそろえ授業を行っているようすを写真で紹介しました。
なお、同学園は戦争の激化による経営難と箕面村の児童増の解決のため、昭和19年(1944年)2月、箕面村が校舎・土地・備品すべてを買取り、昭和20年(1945年)4月に北小学校(当時、北国民学校)を開校しました。その時の買取りに関する決議書も展示しました。
同学園は、その後、宣真高等女学校や中山寺に仮校舎を置き、教育活動を続けました。昭和22年(1947年)に現在地に再建しますが、その時には「箕面学園」の名称が別の学校法人により登録されていたため、「箕面自由学園」として再出発しました。

箕面小学校

箕面小学校は、箕面電車が開業する前年の明治42年(1909年)3月に、西小路から現在地に移転し、校舎を新築しました。この移転・新築の重要な資金となったのが、箕面有馬電気軌道への山の売却金です。売却の決議書や、校舎新築を記念して住民が寄贈した門扉・門柱の図面を展示しました。この時売却した土地に箕面動物園ができました。
箕面小学校は、その後、教育優良校として有名になり、ほかの村からの入学者も増えました。ほかの村からの入学希望を断るのに苦労しているなどとした報告書や、昭和2年(1927年)と昭和8年(1933年)に新築したコンクリート校舎、運動会の写真を展示しました。

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 展示構成

メイン展示

1.郊外住宅地の誕生

2.くらしとまちのデザイン

3.めざめる地域力

4.こどもの文化と学び

サブ展示:宅地開発と学び舎(まなびや)

宅地開発状況と学校の設置状況を、以下の時代別に4つのパネルで示しました。また、企業立の寄宿制学校として独自の実践を行い、当時注目を集めた丸善石油学院(昭和32年<1957年>~昭和39年<1964年>。設立時は丸善石油高など学院。昭和35年<1960年>改称)についても紹介しました。西小学校は、丸善石油学院を買取り、設立した学校です。

明治40年(1907年)ごろの集落と学校

このころ、現箕面市域には、箕面村、萱野村、止々呂美村、豊川村の4つの行政村がありました。それぞれの村にひとつずつ、村立小学校がありました。

市制施行直後(昭和32年<1957年>1月ごろ)の住宅地と学校

昭和22年(1947年)公布、施行した学校教育法により、小学校と中学校の9年間が義務教育となり、新たに中学校が設置されました。昭和31年(1956年)12月1日、箕面市が発足します。このころの宅地化の状況は、戦前の開発状況とくらべて大きな変化はありません。

昭和50年(1975年)ごろの住宅地と学校

萱野地区や豊川地区の山麓部では、昭和40年(1965年)前後から大規模な住宅開発がすすみます。市西部の既成市街地の周辺も箕面川沿いから丘陵地まで宅地化が進みました。

現在の宅地化状況と学校

萱野中央や小野原の大規模な土地区画整理事業が終了し、市南部が全般的に開発されました。現在は、市北部の箕面森町や市街地東北部の彩都のまちづくりがすすんでいます。止々呂美に続き、彩都にも、新しい小・中一貫学校ができます。戦前に開発された駅前の既成市街地については、まちづくりの見直しをすすめているところです。

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 ギャラリートーク「歩き見た郊外みのおのまち」報告

  • 開催日時:平成22年(2010年)7月10日(土曜日)・24日(土曜日)、午後1時30分から午後4時
  • 開催場所:箕面市立郷土資料館
  • 参加人数:7月10日13人、7月24日26人

ギャラリートークは、展示担当者から展示内容について説明した後、自由見学の時間をもうけました。その後、みのお市民まちなみ会議のみなさまにご協力いただき、展示でとりあげた住宅地の歴史と今の姿を解説してもらいました。みのお市民まちなみ会議からは4人のかたが、大きな写真パネルを使い、わかりやすくご報告くださいました。戦前からの住宅地の姿が、大きな開発に巻き込まれることなく、今も住民のみなさまの努力で守られていることなど知ることができました。参加者のみなさまからもまちのなりたちや現状にかかわるいろいろな話題提供があり、にぎやかに語り合うことができました。ご協力いただいたみのお市民まちなみ会議のみなさま、参加者のみなさま、楽しい時間をありがとうございました。

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 ご来場のみなさまの声

(アンケートより。漢字やかなづかいなど、一部訂正しました。)

  • 箕面に住んでいながら、この土地から構成するもの、歴史などまだまだ知らない事が多いのでこの企画展示はとても分かりやすく興味深かったです。
  • 箕面の近代ロマンティズムによるまちづくりの様子が上手く展示されている。こうした歩みを上手く評価し、引き継ぐべき。
  • この間(2010年7月10日~20日ごろ)NHKの番組で放送されていた内容だったので、びっくりしました。代々箕面に住み、私自身、大学の課題などで箕面の歴史について研究した事があったのでとてもたのしく拝見しました。今後もこの様な歴史の展示をお願いします。
  • 動物園・遊園地があったのは知っていたが、どこにあったか、いつ頃まであったかというのは知らなかったです。もっと写真が見たかったです。
  • 今から75年前になりますが常照寺隣保館の園児としてみんなと楽しく遊んでおりました写真を見てとても懐かしく、そのころのことを思い出し涙が出てまいりました。本当にいい記録を見せて頂きました。
  • この展示内容を是非”出版物”にしてほしいと思います。
  • カフェパウリスタであろう建物があったことに驚いた。復元して駅前の”観光協会”や”ゆずるの家”にして欲しい。桜井駅前併用軌道時代の写真が見てみたい。桜ヶ丘住宅が接収されていた事は知らなかったので勉強になった。
  • 戦前に開発された郊外住宅地についてここまで網羅的に展示していることに驚いた。こういった郊外住宅地に居住していたのはどういったひとびとだったのかについて、もっと詳しく知りたいと思った。
  • 自分の住んでる箕面の地が実は古くから開くていたことを出土品などから実感する事が出来てとても感動しました。明治の頃に大きな動物園があったという事を知った驚きと、もう少し知りたいと思っていた時にこの度の展示でしたのでとても幸せだと思います。市内の散歩が楽しみになっています。歴史の跡をたどってみたり・・・。最終回ではなくエンドレスでお願いできたらと思います。
  • 箕面の住宅地の歴史がよく分かりました。もう少し活字より、絵や視覚にうったえる物が多ければさらに良いと思います。
  • 思いがけないほど開発が進み(繰り返し建て替えなど)箕面の昔を知らない私には、箕面の生活の歴史をいくらかでも理解できる機会となりました。これからは何かのイベントに合わせてその事についての歴史を少しずつ展示してもらえたらと思います。
  • 回を追って見てきた事で、点と点を結ぶ事が出来た様に思う。やはり史料を見るだけでなく併せてこの展示を作る苦労話(?)など(さまざまな資料の中でどうやって選んだかなど)聞けるとより楽しくなると思う。

 

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よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:総務部総務室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6706

ファックス番号:072-723-2096

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