更新日:2011年3月31日

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平成22年第11回箕面市教育委員会定例会会議録

日時:平成22年11月9日(火曜日)午後2時30分

場所:箕面市役所本館3階委員会室

出席委員

  • 委員長 小川修一君
  • 委員長職務代理者 白石裕君
  • 委員 坂口一美君
  • 委員 福井聖子君
  • 委員(教育長) 森田雅彦君

付議案件説明者

  • 教育次長兼子ども部長 中井勝次君
  • 教育推進部長兼彩都地区小中一貫校開校準備室長 森井國央君
  • 生涯学習部長 浅井晃夫君
  • 教育推進部副部長兼次長(教育政策・学校管理担当)兼専任副理事(学校等大規模改修事業担当) 稲野公一君
  • 教育推進部次長(人権教育担当) 小西敏広君
  • 教育推進部専任副理事(小中一貫教育担当)兼彩都地区小中一貫校開校準備室課長 樋口弘造君
  • 子ども部副部長 藤迫稔君
  • 子ども部次長(子ども政策・幼児育成担当)兼子ども政策課長 千葉亜紀子君
  • 子ども家庭総合支援室長兼子ども支援課長 中井正美君
  • 生涯学習部次長 谷口あや子君
  • 教育政策課長 菅原かおり君
  • 学校管理課長兼教育推進部参事(学校等大規模改修事業担当) 岩永幸博君
  • 学校管理課参事兼幼児育成課参事 西川欣輝君
  • 学校教育課長 南山晃生君
  • 教育センター所長 松山尚文君
  • 人権教育課長 吉田功君
  • 教育推進部専任参事(学校等大規模改修事業担当) 山田省治君
  • 幼児育成課長兼教育推進部参事(学校等大規模改修事業担当) 水谷晃君
  • 子ども部専任参事(子育て応援担当) 津田善寿君
  • 子ども部専任参事(青少年育成担当) 高橋正信君
  • 子ども家庭相談課長 前田佳則君
  • 文化スポーツ課長 前田一成君
  • 生涯学習部専任参事(生涯学習センター・公民館担当) 大浜訓子君
  • 生涯学習部専任参事(文化財保護担当) 河原弘明君
  • 中央図書館長 江口寛君

出席事務局職員

  • 教育政策課担当主査 髙橋勝代君
  • 教育政策課 森貴美君

 議事日程

日程第1:会議録署名委員の指定
日程第2:箕面市日本語指導支援事業実施要綱改正の件
日程第3:箕面市立公民館運営審議会委員及び箕面市立生涯学習センター運営審議会委員解職及び委嘱の件
日程第4:箕面市教育委員会会議録の承認を求める件
日程第5:教育長報告


(午後2時30分開会)

 

◯委員長(小川修一君):ただ今から、平成22年第11回箕面市教育委員会定例会を開催します。議事に先立ちまして、事務局に「諸般の報告」を求めます。
(事務局報告)
◯委員長(小川修一君):ただ今の報告のとおり、本日の出席委員は4名で、本委員会は成立しました。なお、森田教育長は遅れて出席します。
◯委員長(小川修一君):それでは、日程第1、「会議録署名委員の指定」を行います。本日の会議録署名委員は、箕面市教育委員会会議規則第4条第2項の規定に基づき、委員長において森田委員を指定します。
◯委員長(小川修一君):次に日程第2、議案第65号「箕面市日本語指導支援事業実施要綱改正の件」を議題とします。議案の朗読を省略し、提案理由を教育推進部人権教育課長に求めます。
◯人権教育課長(吉田功君):
本件は、渡日の児童・生徒を持つ日本語通訳の必要な保護者と学校との意思疎通を円滑に図るため、本要綱の一部改正を提案するものです。
◯委員長(小川修一君):
この件に関して、何か質問、意見はありませんか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、議案第65号を採決します。本件を原案どおり可決することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯委員長(小川修一君):異議なしと認めます。よって、本件は原案どおり可決されました。
◯委員長(小川修一君):次に日程第3、議案第66号「箕面市立公民館運営審議委員及び箕面市立生涯学習センター運営審議会委員解職及び委嘱の件」を議題とします。議案の朗読を省略し、提案理由を生涯学習部生涯学習センター・公民館担当専任参事に求めます。
◯生涯学習センター・公民館担当専任参事(大浜訓子君):本件は、箕面市立公民館運営審議会委員及び箕面市立生涯学習センター運営審議会委員において、第4号委員、施設の利用者の代表者として、西南公民館グループ協議会より委員の推薦をいただき、委嘱しているところですが、この度、委員より辞職の申し出がありましたので、これを承認のうえ解職し、その後任として新たな委員を委嘱する必要が生じましたので、社会教育法第30条、箕面市立公民館条例第5条、箕面市立生涯学習センター条例第5条、箕面市立公民館運営審議会規則第2条、及び箕面市立生涯学習センター運営審議会規則第2条の規定に基づき提案するものです。
◯委員長(小川修一君):この件に関して、何か質問、意見はありませんか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、議案第66号を採決いたします。本件を原案どおり可決することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯委員長(小川修一君):異議なしと認めます。よって本件は、原案どおり可決されました。
◯委員長(小川修一君):次に、日程第4、報告第49号「箕面市教育委員会会議録の承認を求める件」を議題とします。議案の朗読を省略し、提案理由を教育推進部教育政策課長に求めます。
◯教育政策課長(菅原かおり君):本件は、去る10月19日に開催された平成22年第10回箕面市教育委員会定例会の会議録を作成したので、箕面市教育委員会会議規則第4条の規定により提案するものです。
◯委員長(小川修一君):この件に関して、質問、意見はありませんか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、報告第49号を採決します。本件を報告どおり承認することに異議はありませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯委員長(小川修一君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。
◯委員長(小川修一君):続いて、「教育長報告」ですが、後で教育長にお願いしたいと思います。
◯委員長(小川修一君):
各委員から教育行政にかかることで何かありませんか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、私から、一点、事務局に質問します。大阪府教育委員会は、本年度も含めた、これまでの3年間、小学校4年生から中学校3年生までの全児童・生徒を対象に「大阪府学力テスト(到達度調査)」を実施してきました。しかし、次年度の平成23年度は、対象を小学校6年生、中学校3年生に限定し、実施日も6月14日の1日とした「大阪府学力・学習状況調査」を実施することを決定しました。私どもとしては、箕面市の子どもたちの学力・学習状況を把握する一つの方策として、第7回の定例会で「平成23年度大阪府学力・学習状況調査」への参加の意向を表明したところです。しかし、その際、国の「平成23年度全国学力・学習状況調査」の動向を踏まえるという前提条件を付して決定しました。ということで、「平成23年度全国学力・学習状況調査」の動向について、その後の具体的なことがわかっていれば教えてください。
◯学校教育課長(南山晃生君):国の概算要求では、「平成23年度全国学力・学習状況調査」は、今年度と同様、抽出調査及び希望利用方式を用いて調査を行う内容となっています。しかし、正式な実施要領がまだ確定していませんので、詳細については、現時点では未定です。
◯委員長(小川修一君):実施要領が決まりましたら、定例会で、希望利用方式について協議したいと考えていますので、事務局は準備を進めてください。
◯委員長(小川修一君):事務局から「その他、教育行政に係る報告」があれば、申出を受けますが、いかがですか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、ここで、日程第5「教育長報告」を議題とします。教育長に報告を求めます。
◯教育長(森田雅彦君):(議案書31頁から報告)
◎第3回豊能地区教育長協議会について
10月14日に豊中市教育センターで開催されました。教員の人事権移譲について、まず、9月30日に開催された第4回プロジェクト会議の審議内容についての報告があり、中間まとめ案が示されました。その後、中間報告の案について、意見交換をしました。そのなかで、豊能地区独自で行う教員採用選考等について論議しました。中間報告については、次のプロジェクト会議を経て、各首長に報告する場を持つことを確認しました。
◎近畿市町村教育委員研修会について
10月15日に貝塚市民文化会館、コスモシアターで開催されました。基調講演として、小中一貫教育について、箸尾谷大阪府教育委員会小中学校課参事から、国の動向や大阪府の取組について話があり、その後、シンポジウム形式で、京都府宇治市、和歌山県有田市、兵庫県姫路市、大阪府箕面市の教育長や教育委員長からそれぞれの市の取組について報告し、会場からの意見を交えて意見交換をしました。箕面市の取組は、私から、まだ取り組んでいる市や学校が少ないなか、平成15年度から取り組んだ経過や、平成19年度から一体型、連携型を進め、小・中学校の先生が顔をつき合わせながら作業をするなか、先生方の意識が変わってきたことと、生徒指導主事の配置などとともに、小・中学校が絶えず連携して取り組み、不登校生徒が半減した取組の効果などについて報告しました。現在は、一体型、連携型合わせて全国で50パーセントの市町村や学校で小中一貫教育の取組が進められており、報告のあった他府県の取組も参考にさせていただく点がたくさんありました。なお、本市からは、私の他に小川委員長、白石委員長職務代理者、樋口専任副理事が参加しました。
◎近畿都市教育長秋期研究協議会について
10月20日、21日に奈良ロイヤルホテルで開催されました。奈良の街は、平城宮遷都1300年祭でたくさんの観光客の訪問があり活気づいていました。今回の秋期研究協議会は、「過去に学び、未来につなげる教育」のテーマのもと、新学習指導要領の完全実施に向けて講演や事例発表が行われました。まず、明石市教育長の公家会長より「いよいよ来年度から小学校において新しい学習指導要領による教育活動が始まる。また、国の教職員定数改善(案)が示され、長く続いた40人学級から35人学級に8年間かけて移行されることが示された。学校は、世代交代の時期を迎えているが、このようななかで今まで積み上げてきたものをいかに次代に繋げていくかが大きな課題である。」との開会挨拶に始まりました。講演は、「万葉人に学ぶ」の演題で、上野誠奈良大学教授より万葉集にある遣唐使の母の歌などから、歴史を紐解きながらのお話でした。当時、僧侶の資格を与えるための高僧が日本にはいなかったので遣唐使を送り、唐の国から20年かかって、鑑真和尚を東大寺にお招きした。5年後に、鑑真和尚は、唐招提寺を建立された。遣唐使が唐にわたって、鑑真和尚をお連れするまでの苦労などを詳しく話されました。当時の僧侶は、医学から建築学、天文学など、いろいろな専門的知識を身につけなければ、資格は得られなかったとのことです。情報交換会では、滋賀県栗東市の森本教育長から「くりちゃん検定」を通じて漢字と計算力を身につけている取組を、和歌山県橋本市の松田教育長からは、保幼小中一貫教育の取組について、幼保統一カリキュラムや9年間を見通したカリキュラム編成と「橋本教育フォーラム」の取組について、兵庫県篠山市の河南教育長からは、「篠山きらめきプラン」(篠山市教育振興基本計画)をベースにした様々な特色ある取組について報告がありました。
◎大阪府教育委員会文化の日表彰受賞について
11月8日に小川委員長がこれまでの教育現場での功績、並びに長年の教育委員としての功績について受賞されましたので、ご報告させていただきます。
◎教育推進部について
10月26日に(仮称)彩都地区小中一貫校愛称選定委員会が開催されました。148点の応募があり、萱野東小学校1年の六島弘典君と外院在住の原雅史さんの「彩都の丘学園」が採用されました。
10月26日午後5時より、臨時校長会を開催し、新聞報道された「いじめ事象の指導のあり方」はじめ、各学校で起こっているいろいろな事象について、対応の状況について報告いただき、情報や課題の共有を図るとともに、すべての学校での点検を指示しました。いじめの指導については、毅然とした姿勢で、被害者側に立って指導することが大切であり、また加害者にも丁寧に指導することが必要です。しかしながら、今回の指導において、担任教諭の指導における発言や学級通信に不適切な記述があったことは、時間をかけてきちんと指導していく必要があると考えています。
◎子ども部について
10月28日に、とよかわみなみ幼稚園において「からだで遊ぼう」をテーマに、公開保育研究発表会が開催されました。朝からの雨で芝生の園庭での活動は残念ながらできませんでしたが、遊戯室や保育室を使って、いろいろな運動あそびにどの子も夢中になって取り組んでいました。毎朝登園時に、保護者の方と一緒に行う「めざましちょこっとタイム」も素晴らしい取組でした。指導にあたっていただきました、日本幼児体育学会会長、米谷西南大学教授から「運動遊びを通して心や体の育ちを探る」というテーマで講演いただきました。
◎生涯学習部について
「文化の秋」「スポーツの秋」で様々なイベントが行われました。10月9日から11日までの3日間、第43回市民スポーツカーニバルふれあいフェスティバルが第二総合運動場やスカイアリーナで開催され、幼児から小・中学生、大人から高齢者の方々まで、それぞれ自分にあった運動やスポーツを楽しんでおられました。
11日はスカイアリーナでシンクロの立花選手など、5人のトップアスリートを招いての「私とスポーツ」というテーマで対談をいただきました。また、午後からは、小学生低学年11チーム、高学年26チーム、約300人の子どもたちが参加して、第7回長縄とび大会が開催され、日頃の練習の成果を十二分に発揮し「8の字とび」「みんなでジャンプ」のどちらの種目も新記録が続出しました。
10月23日、24日は、中央生涯学習センター、メイプルホールで、まなび・つどい・ふれあいまつりが開催され、学習センターや公民館で活動されているみなさんの作品展示や舞台発表が行われました。
10月29日から31日までの3日間、メイプルホールを会場に、第1回箕面国際シニア演劇フェスティバルが開催され、箕面市の劇団すずしろをはじめ、全国各地から5団体のシニア劇団が7公演を上演され、たくさんの観客で大変盛会でした。
◯委員長(小川修一君):以上で、本日の会議日程はすべて終了し、付議された案件、議案2件、報告1件はすべて議了しました。

【以下の意見交換部分については、箇条書きとする。】

◯委員長(小川修一君):
(1)
11月が児童虐待防止推進月間であり、私としては、大阪市の西区で発生した幼い姉弟が、マンションの中で放置され餓死した事件が今もなお胸の底に重くのしかかっています。
(2)事件が発生すると行政機関に対する批判が殺到するところですが、箕面市は権限がなく、子ども家庭センターとの連携による対応が進められているところではありますが、それですべてが処置できるのかは危惧されます。
(3)本市の子ども家庭相談窓口と府の子ども家庭センターとの役割や機能的な課題などについて、共有したいと考えました。
◯委員(坂口一美君):本市の子ども家庭相談窓口は、子ども家庭相談課でいいですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):そのとおりです。
◯委員(坂口一美君):その子ども家庭相談課の業務概要と通告件数についてお尋ねします。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
子ども家庭相談課は、児童家庭相談を担当し、虐待問題等の養護相談を中心に、福祉・教育・医療・保健などの関係機関とのネットワークを構築し、児童家庭への支援を行っています。
(2)平成21年度実績では、児童虐待通告は67件で、相談受付件数では193件です。
◯委員(坂口一美君):大阪市や堺市と箕面市は権限が違う部分があるので、箕面市では一時保護をしていないのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):府内では、政令指定都市の大阪市と堺市が大阪府子ども家庭センターと同様の権限がありますが、他の自治体については、一時保護、強制権や立入り権などはありません。
◯委員(坂口一美君):普段、通報するといえば、110番ですが、近所で虐待などの事象があると思われた際は、箕面市ではどこに通報したらよいのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):即時、命にかかわる場合は、110番が望ましいと思います。それ以外の場合は、大阪府子ども家庭センター、全国虐待通告共通ダイヤル、市役所の子ども家庭相談課に連絡してください。ただ、夜間祝日については、大阪府内共通の夜間休日虐待専用電話で受付します。
◯委員(福井聖子君):夜間に職員に来てほしい場合、箕面市ではどうしたらよいのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):チラシ等でお知らせしている夜間休日虐待専用電話に連絡をお願いします。わからない場合は、110番でも結構です。
◯委員(福井聖子君):警察と子ども家庭相談課は普段から連携が取れているのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
子ども家庭相談課が主催の個別ケース会議には、1件を除いて、ほとんど警察は参加されていません。
(2)警察が関わる部分では、警察の役割や今後の対応などについて、直接伺って相談しています。
◯委員(白石裕君):箕面市は、大阪府子ども家庭センターとの連携による対応とのことですが、役割の違いや連携はどのようになっていますか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
子ども家庭センターは、専門的な機能や権限を使いながら、重度層(リスクが高いところ)を中心に対応をしています。市は、中度層までを中心に教育・福祉・医療・保健等の社会資源の活用や関係機関との連携により、児童家庭相談に応じるとともに、虐待の未然防止や早期発見、早期対応に取り組んでいます。
(2)地域の関係機関によるネットワーク、要保護児童対策協議会を活用した支援を展開しています。相互の連携については、ケースを中心とした日常的な関わりを行っています。昨年の9月から毎月協議を開催し、ケース管理や見立て、対応方針など、幅広い意見交換を行っています。
(3)毎月の協議には、心配なケースについて協議しています。養育者の精神状態が悪化し、関係機関などにいろいろな要求をされ、要求が通らないと子どもに対する暴力や外への放り出しを行ったケースもありました。このようなケースについても、事前に子ども家庭センターと協議で対応を確認していたので、非常に速やかに対応できました。
(4)このケースと同様に、親子分離後に、子どもを戻していくことが非常にむずかしく、子ども家庭相談センターとは、非常に関係性が悪化するので、市がとりもちながら、子どもさんを戻していくことで進めてきています。なお、今のところ、この家庭についても、大きな暴力はここ1年は収まっています。
◯委員(坂口一美君):要保護児童対策協議会の具体的な役割を教えてください。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
児童福祉法の改正に伴い、平成18年4月に要保護児童等の早期発見及び適切な保護や支援を図るため、保健・福祉・医療・教育機関等が連携し、要保護児童等に関する情報を共有し、支援の内容を協議することを目的として、箕面市要保護児童対策協議会の設置を行いました。
(2)組織は、20機関の代表と2名の専門家、弁護士と大学教授による代表者会議と3部会による実務者会議の構成となっています。
(3)児童虐待等に発展する家庭環境には様々な要因として、経済的理由や、養育者自身の被虐歴や養育を受けていない、親戚や地域からの孤立、更には病気等、様々な要因が複合的に絡み合った家庭が多くあるため、様々な機関による情報の共有や、家庭・養育環境の見立てが必要となります。それぞれの期間の役割を決めて、総合的に支援することで改善を図っていきます。
(4)乳幼児家庭や子どもを連れての再婚家庭であるステップファミリーで虐待が起こっている場合は、特に注意を払っています。乳幼児にあっては、命に関わる重大事象へのリスクが高いこと。ステップファミリーでの虐待は、構造的にエスカレートする可能性が高いからです。
(5)国や子ども家庭センターでは、発見、通告、分離、抑止の方法で、親を強制的に気づかせる考え方が強いと思います。市では、未然防止や再発防止に向けた保護者への寄り添いや支援により、虐待を防止する考え方で役割を分担しています。
◯委員(坂口一美君):
(1)
市の施策として、ネットワークによる支援が有効とのことですが、具体の取組について教えてください。
(2)虐待通告数など他の市町村と比較してはどうなのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
平成21年度のネットワーク機関との協議・情報交換は4,296回で、関係機関が情報共有や機関の役割分担などを行う個別事例検討会は、112回実施しています。
(2)子ども家庭相談課が直接訪問や電話などで、保護者に寄り添い、支援した回数は、1,247回となっています。関係機関全体での支援数は数えていませんが、相当数になると思います。
(3)ほか市との比較については、件数のカウントが市によって違います。箕面市は極力、子ども家庭センターと共有のカウントをしています。そのようなことを勘案しても、全体的には、箕面市は同じ人口規模の市と比較すると少ないほうだと思っています。
(4)経年経過については、平成19年度以降、通告はだいたい60台半ばの数、受付件数は200件ほどで、今のところ横ばいです。平成22年度では、通告件数が増えてきています。
◯委員(福井聖子君):箕面市の特徴はありますか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):個人的な意見ですが、住環境が良いのではないか。また、横のつながりがある地域では、虐待件数が比較的少ないのではないかと思っており、府内では、南の方では、件数が多かったりします。また、池田子ども家庭センターと中央子ども家庭センターなど、大阪府内でもかなり違いが出ているようです。
◯委員(福井聖子君):箕面市でも一時保護をするケースがあるのですか。あるならば件数は何件ですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):年間3,4件です。身体的虐待や夜間放置により、保護の後、施設に入っているケースもあります。
◯委員(福井聖子君):児童虐待以外の児童・青少年の非行や問題行動、更には不登校への対応もされているのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
非行や問題行動の背景には、学説によると、幼少期の養育等において、愛着が育たなかった養育状況があるといわれています。
(2)非行や問題行動にあっては、状況に応じた対処療法的な対応も大事ですが、子どもの自尊感情の向上、親子関係や家庭養育環境の改善といった総合的な取組が必要であると考えています。
(3)市要保護児童対策協議会の非行・問題行動部会の活用や関係機関を含めたサポート会議の活用、青少年指導センターなどとの連携による支援等を行っています。
(4)不登校については、主に学校を中心としたスクールカウンセラー、生徒指導、スクールソーシャルワーカーといった校内カンファレンスによる取組が進められていますが、要保護児童家庭では、相互連携のもと対応しています。
◯委員(福井聖子君):
(1)
学校において、不登校や問題行動は、どのような状況ですか。
(2)それらを解決する一つとして、スクールソーシャルワーカーの活用が進んでいるようですが、実際はどのような活動をされているのですか。
◯学校教育課長(南山晃生君):
(1)
不登校児童・生徒数は、平成20年度までは、減少傾向でした。平成21年度については、前年度と同数です。平成22年度1学期末現在ですが、中学校において、昨年の同時期よりやや増加傾向です。
(2)個々のケースに対しては、各学校で解決に向け、様々なサポートを受けながら、取組を進めています。
(3)スクールソーシャルワーカーの役割は、様々な問題の未然防止や早期発見のために学校の体制を構築することです。ケースが起きた場合には、関係者や関係機関などネットワークを活用して、問題の早期解決を図ることとして取組を進めています。
◯委員(白石裕君):
(1)
国連の児童の権利条約の中でも日本の虐待は大きな問題になっています。日本政府は解決をするように言われていますが、むしろ増えている状況です。国際的にも日本の問題は、ある意味、異常な問題になっていると思います。
(2)虐待かどうかを見極めることはむずかしい。その対応がうまくできなかったために、後で、大きな問題になっていることが多々あろうかと思います。問題の解決のためにはスキルアップだと思います。効果のあるスキルアップは、国が取り組むべき問題だと思うのですが、箕面市ではどのように取り組もうとしているのですか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
日本は児童虐待の発展途上国ともいわれており、欧米に比べて相当遅れています。裁判所との関係など制度的にも機能的にも難しい状況で、このような取組をしていかなければなりません。
(2)家庭支援や対人援助においては、対応者の資質やスキルが大変重要です。平成20年度には、要保護児童対策協議会において、「基礎研修」として専門家に来ていただき、実際に窓口で携わっている職員に10回連続講座を受講してもらいました。平成21年度にも、関係機関向け研修の開催、11月は児童虐待防止キャンペーン期間として、市民向けも含めた啓発講演会を実施しました。また、スーパーバイザーによる具体的な個別事例研修等を開催しました。平成22年度も前年度と同様な研修をしていますが、部会の機能強化を図るために、部会員に対して、スーパーバイザーによる研修を特徴的な取組として行っています。子ども家庭相談課の職員については、別途の専門研修を計画的に受講しています。また、当課が開催するケース会議で考え方を伝えることなども通じて、全体のスキルアップに貢献していると考えています。
◯委員(福井聖子君):ケースワーカーなどのマンパワーを増やすことを考えていかなければならないと思うのですが、子ども家庭相談課には、何人のケースワーカーがいて、今後どれぐらいまで必要かと考えていますか。
◯子ども部長(中井勝次君):
(1)
現在、子ども家庭相談課は5名、その上の室長で対応しています。
(2)生活保護などでは、ケースワーカーの対数は法的に決まっていますが、虐待に対するケースワーカーは、法的にも対数が決まっていません。また、単純に数で何人いるというものでもなかろうかと思っています。
(3)現在、かなり困難なケースも抱えながら、5人の体制で取り組んでいますが、今のところは、増員は考えていません。
(4)それよりも、ネットワークをきちんと組み、それぞれの機関がそれぞれの役割を果たしてもらうために、子ども家庭相談課は市の一番大きな窓口として開いておくべきだと思います。
(5)個々の職員のスキルアップに関しては、かなりの研修を5人には組んでいます。対人折衝や非常に危険な場面にさらされることもありますので、危機管理的なところも含めたノウハウ、医療的に心理的にそのような勉強までしています。
(6)将来、必要がありましたら考えていきたいと思っていますが、今は、増員よりもスキルアップとネットワークをきちんと動かす。そのキーとして、子ども家庭相談課が取り組んでいくつもりです。
◯委員(福井聖子君):ネットワークを組むのはすごくいいことだと思いますが、コーディネーターやネットワークのマネージメントが非常に大事になってくると思うのですが、それも子ども家庭相談課がやっていくことでよろしいですね。そのための研修もやっているのですか。
◯子ども部長(中井勝次君):
(1)
組織のマネージメント研修まではできていませんが、組織を動かすルールを作ることも大切です。組織が動くのは、組織に関わっている人が動いてくれるためのこちらの対応が何よりも大切かと思っています。
(2)箕面の子どもたちが虐待の事象にあったときにどう立ち向かっていくのかをこちらが真剣に取り組んでいくことが、関係機関にも伝わり、それぞれの担当者にも伝わることだと思っています。それだけ、きちんとした意識を持って取り組むことは、ネットワークのマネージメントにもつながるのではないかと思っています。
◯委員(福井聖子君):
(1)
学校のスクールソーシャルワーカーの人数について興味があります。
(2)核家族が三世代目に入ってきて、今、無縁社会と言われており、人と人とのつながりが全体的にかなり薄くなってきているので、その核家族を支えるための体制が全体に求められていると思います。だから、今の日本の社会と、この先の世代を考えていったときに、起こってくる問題のひとつが、虐待や不登校、暴力的なことだと思うのです。これから先を見越したときに、どれくらいの人数が必要なのかという見通しを常に考えていかなければならないと思うのです。
(3)現在のスクールソーシャルワーカーで十分と思っているのか、今後どの程度まで増やしたいと思っているのかを教えてください。
◯学校教育課長(南山晃生君):
(1)
昨年度までは、1名のスクールソーシャルワーカーを配置していました。今年度途中から、現在1名増員し、2名体制で活動いただいています。来年度は、もう1名増員して、3名体制の活動を考えています。
(2)それぞれの家庭の状況がありますので、何名いればいいのかについては、現時点では明確にお答えできません。
◯委員(福井聖子君):
(1)
一般的な児童家庭の孤立を防ぐには、孤立している数を減らしていくことが大事だと思います。その観点からすると、地域在住の民生委員児童委員、主任児童委員の関わりは大変重要と思いますが、現在どのような関わりをされていますか。
(2)NPO団体や子育て支援を行っている市民グループとの連携が大切だと思いますが、その方々との連携についてどのように考えていますか。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
地域のかかわりは非常に重要です。地域でのコミュニティーが活発であるところとそうでない新たなマンション群との件数は違います。
(2)児童虐待の予防や対応・支援において、地域の方々の関わりは大変重要と考えています。地域コミュニティーが希薄となり、地域からの孤立が養育不安や虐待へと発展する大きな要因でもあります。
(3)民生委員児童委員及び主任児童委員は、要保護児童対策協議会の構成員として、個別ケース検討会議への参加や地域での見守り等を行っていただいています。
(4)地域コミュニティーの醸成や地域での支え合いに向けて、地域子育て支援ネットワークや住民との連携、協働の取組が、今後、さらに有効かつ不可欠なものに発展していくと思っていますし、行政として、発展させなければならないと思っています。
(5)要保護・要支援児童を対象とした要保護児童対策協議会によるネットワークと子育て支援ネットワークが、より有効に連携することで、本市における子育てネットワークの強化・充実が図れるものと考えています。
(6)こうしたことからも、それぞれの施策やネットワークに深く関わっておられる地域の核となる民生委員児童委員、主任児童委員との連携強化に向けて、種々の事業等に取り組んでいます。他市は職員だけで行っていますが、このような考え方から地域の方と一緒に行っています。
◯委員(福井聖子君):地域との連携については、子どもプランの構想の中に何かありますか。
◯子ども政策課長(千葉亜紀子君):
(1)
児童虐待防止の核になる部分については、密なネットワークを組んでいきますが、子どもプランの子育てコーディネーターは、どちらかというと、未然防止、特に、乳幼児期の子育て支援に関わる、広い意味での子育てのネットワークを作っていこうとしています。
(2)名称としては、仮称ですが、「チャイルド・ケア・コーディネーター構想」、「CCC構想」と呼んでいますが、子ども育成推進協議会次世代部会で、市民の方々にも入っていただきながら、議論しているところです。関係機関の職員や民生委員児童委員、主任児童委員や様々な活動をしている市民や団体とも、ネットワークを作りながら、そのときどきの子育て支援の課題を共有して、広い範囲でのつながりを作っていくことで、児童虐待の防止をしていこうと考えているところです。
◯委員長(小川修一君):昨年度の4月から実施されている養育支援訪問事業の現状と課題、成果について教えてください。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
実際に養育等で不安や課題を抱えている家庭に入って、具体の支援を図りながら、家事や育児を進めていく事業です。
(2)大阪府のサポート研修終了者及び主任児童委員の中から、希望者を対象に養育支援訪問員事前研修を行い、16名の訪問員を選任しました。研修内容は、平成21年4月の教育委員会定例会で、守秘義務や保護者対応として、上から目線ではなく友達感覚で、とのご指摘や研修が大事であるとの意見も踏まえ、特に個人情報の取扱いや対象者への接し方等に重点を置き、実施しました。家庭訪問にあたっては、家庭状況と対応について、訪問員と職員で具体の検討を行い、実施しています。
(3)平成22年4月には、1年間の訪問事業を検証すべく、訪問員全員との忌憚のない意見交換を行い、本年度事業に生かしています。また、訪問員は要保護児童対策協議会の各種研修へ参加して、さらなるスキルアップに努めています。
(4)事業状況は、平成21年度は、7家庭に52回訪問を実施し、うち訪問員との同行は22回です。本年度は、10月末現在で、10家庭に60回訪問実施し、うち訪問員との同行は39回です。
(5)本事業は、有効性が期待できても、対象家庭の同意がなければ実施できないことから、同意の取り付けと養育者の意欲向上に向けた調整が大変難しいところです。また、訪問事業で入らせていただいた家庭でも、訪問の日時や約束が守れない方も多くあります。一方で、養育や家事における成果はもとより、保護者自身の安定・自信や子どもとの関係のとり方、子どもにも待っていたと喜んでいただいている家庭も数多くあり、成果が出ているご家庭もあります。自分の仕事などの日程調整を無理にしていただいたにもかかわらず、行ったら留守だったことも飲み込んでいただいていることは、訪問員の前向きな姿勢、思いで助けていただいていることを申し上げます。
◯教育長(森田雅彦君):私は、上着にスモールオレンジリボンバッジを付けています。子ども部職員は、中井教育次長が作られたビッグオレンジリボンを付けて啓発に努めていただいています。啓発はすごく大事なことだと思います。先日、タッキーのラジオ放送で、アナウンサーの方にオレンジリボンについて、尋ねたところ、ご存じなかったので、説明しました。今月は推進月間として、いろいろな事業を予定していますが、紹介してください。
◯子ども家庭相談課長(前田佳則君):
(1)
従前からもチラシの配布など行っていますが、今年度は、オレンジリボンストラップを着用しています。
(2)児童虐待防止街頭行動として、6月に初めて行いました。11月6日に阪急桜井駅とヴィソラの2箇所で、民生委員児童委員、主任児童委員を中心として街頭行動をしました。
(3)管理人からの通告をいただいたケースがありましたので、今回、集合住宅であるマンションやアパートの管理人へ担当の民生委員児童委員、主任児童委員がチラシやポスターの配布と通告の周知、担当委員の紹介をお願いしたところ、気持ちよく了承いただきました。
◯委員長(小川修一君):相談業務は、表向きに大変目に見えにくい事業で、地道な取組を継続していかなければならないと思います。虐待や適切でない養育環境にいる子どもの命や成長を守ることに取り組んでいかなければならない。この問題は、ないがしろに決してできない問題であります。実際に現場で、家庭で何が起こっているかと大きな目を見開いて、見ていかなければならないと思っています。

【以上で意見交換終了】

◯委員長(小川修一君):
以上をもちまして、平成22年第11回箕面市教育委員会定例会を閉会とします。

(午後4時閉会)

以上のとおり会議の次第を記し、相違ないことをみとめたので、ここに署名する。

箕面市教育委員会
委員長 小川修一(自署)
委員 森田雅彦(自署)

 

 

 

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