更新日:2010年3月1日

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第3編 地域別計画

目次

第1章 地域別計画の意義

第2章 地域別計画

西部地域

概況特性・課題将来像計画

中部地域

概況特性・課題将来像計画

東部地域

概況特性・課題将来像計画

北部地域

概況特性・課題将来像計画

中央山間地域

概況特性・課題将来像計画

第1章 地域別計画の意義

第1節 地域別計画の目的

地方分権の本旨は、国と地方自治体の権限委譲・役割分担ということだけでなく、自分たちの住む地域のことは住民自らが考え、決定し、責任を持って行動することにより住民自治を実現することにあります。

そうした時代の流れの中で、少子高齢化の進行、情報化の進展、ノーマライゼーションの考え方の普及といった社会の変化に対応しながらまちづくりを進めるには、広域的な視点とともに、身近な生活圏を単位としたコミュニティからの視点が、より重要になってきます。

この地域別計画は、市全体のまちづくりとの整合を図りながら、地域の歴史や特性を生かしたまちづくりを推進することにより、市として魅力的で個性あるまちづくりをめざすことを目的とするものです。

第2節 地域別計画の視点

地域に密着したまちづくりを推進するためには、身近なまちの特性・魅力・課題を知ることが大切です。この地域別計画は策定作業の初期の段階から市民参加を行い、生活実感に即した計画策定を進めてきました。

まちづくりにおいて、市としての一体感を高めていくことも大切ですが、多元性・選択性を生かしていくことも欠かせない視点です。市全体としての生活基盤の整備と最低限のサービスは均等化したうえで、各地域を同質化するのではなく、地域の個性を伸ばしていくことにより、地域住民のまちづくりに対する関心が高まり、地域への愛着が生まれ、身近なまちづくり活動への参加が進むと考えられます。さらに、他の地域に視線を向ける機会が増え、地域間の市民交流が活発化するなど、まち全体の活性化につながっていくことも期待されます。

この地域別計画は、こうした視点に立って、地域に根ざしたまちづくりを進めるにあたっての基本方向を示すものです。

第3節 地域別計画の構成

地域別計画は、地域があゆんできた歴史や成り立ち、文化および土地利用の特性をふまえ、本市を西部地域、中部地域、東部地域、北部地域、中央山間地域の5つの地域に分けて構成しています。

第4節 地域別計画の推進手法

地域別計画は、それぞれの地域が有する歴史・文化・自然・人材・社会資本等の資源を生かしながら、地域の個性・特性を伸ばすことで、市全体としての魅力を高めようとするものです。

地域のあるべき将来像について市民が共通のイメージを持ち、生活に身近な小学校区を基礎単位とした主体的なまちづくりを推進するため、地域住民と行政職員・専門家等が協働して体制や機能を整備していきます。

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第2章 地域別計画

西部地域

第1節 地域の概況

1.人口

(1)現況人口

1999年度(平成11年度)末の人口は、58,032人で、市民の約2分の1(47.8%)が居住し、1994年度(平成6年度)末との人口比較では、微減となっています。

(2)将来人口【1998年度(平成10年度)時点での推計】

2010年度(平成22年度)当初の人口予測は約59,800人で、微増の見込みです。

高齢化率は23.4%に達し、他の地域と比較して最も高齢化率の高い地域になる予測となっています。

2.地域特性指標*

(1)土地利用

宅地としての利用が多く、西部地域の面積の約72%が宅地利用されており、市全体の約50%が集積しています 。

(2)建物利用

専用住宅としての利用が多く、市全体の住宅の約56%が西部地域に集積しています。

(3)生活満足度

現在の生活に満足している方が8割を超えており、他の地域と比較して高い満足度となっています。

3.歴史

  • 西部地域は、1889年(明治22年)4月1日に、平尾(ひらお)(箕面)・西小路(にししょうじ)・桜(さくら)・牧落(まきおち)・新稲(にいな)・半町(はんじょ)・瀬川(せがわ)の7カ村が合併して誕生した箕面村の後身です。
  • 平尾・西小路・桜・牧落の地域は、「延喜式(えんぎしき)」にみえる「豊嶋牧(てしまのまき)」の地にあたり、諸国から朝廷に献上された馬牛が放牧されたところで、牧落の「牧」は、その歴史の名残(なごり)です。
  • 西部地域の南部を東西に走る旧道は旧西国街道(山崎街道)の一部で、この街道に沿って発展した瀬川と半町は、早くから交通の拠点として栄えました。
  • 近世になると街道が整備され箕面山は景勝地として遠来の人々が訪れるようになり、1871年(明治4年)にはわが国で最初の公園地に指定され、大都市近郊の自然公園として保護されるようになりました。
  • 1910年(明治43年)に箕面有馬電気軌道(阪急電車)が開通し、箕面・桜ヶ丘・百楽荘をはじめとして、地区内の各所に住宅街が誕生しました。なかでも、桜ヶ丘地区には1922年(大正11年)に「住宅改造博覧会」が開催された時に建てられた洋館群が受け継がれ、良好な住環境のなかで美しいまちなみ景観を形づくっています。
  • 1965年(昭和40年)頃までに阪急箕面線の沿線等に比較的宅地規模の大きい緑豊かな戸建住宅地が形成されました。

施設等概況図(PDF:229KB)

第2節 地域の特性・課題

1.特性

  • 大阪都心部へは主要な交通機関として阪急箕面線があり、箕面駅周辺や桜井駅周辺にはスーパーや小売市場等からなる商業集積がみられます。
  • 箕面駅から観光スポットである箕面の滝へ向かう道沿いには、土産店や旅館等が立地しています。
  • 芦原公園付近には、中央生涯学習センターをはじめとした文化施設や警察署、消防署等の行政施設が集積しており、箕面駅周辺は市の代表的な生活文化拠点となっています。
  • 阪急箕面線沿線や山麓部には1965年(昭和40年)頃までに形成された比較的宅地規模の大きい良好な戸建住宅があり、本市の良好な住宅環境イメージの原型となっています。
  • 桜ヶ丘地区では地区住民による快適で美しいまちづくりが行われており、1997年(平成9年)には大阪まちなみ賞を受賞しています。

2.課題

保健・医療・福祉の充実

  • 古くから開発された住宅地が多いことから他の地域と比較して人の移動が少なく、高齢者人口に対する在宅福祉サービスの拠点となる施設が不足しています。

生活環境の整備と保全

  • 良好な住宅環境を維持するための取り組みとともに、身近な緑や広場、生活道路の整備が必要とされます。

安全の確保

  • 幅の狭い生活道路は歩行者にとって車の通行が少なく安全ですが、反面、消防車両の進入が困難など、防災面で改善を要する地区があります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 少子化・高齢化が進行する一方で若年世代の転入が少なく、学校・家庭・地域の連携による世代間交流などの促進を図る必要があります。

自然環境の保全

  • 箕面の山を背景としていることに加え、街路樹の美しい道もありますが、市内の他の地域と比べて自然環境はそれほど多くなく、緑を中心とした自然環境の維持と創出を図る必要があります。

産業の振興

  • 地域生活拠点として桜井駅周辺の商業機能の再編や駅前広場の整備等が必要です。
  • 箕面駅周辺については、地域の個性と魅力を生かしながら観光箕面の玄関口として再編が望まれています。

秩序ある市街地の形成

  • 古くから住宅開発が進んだこともあり、都市計画上、地域の南北を結ぶ幹線道路の整備が課題となっています。

第3節 地域の将来像(まちづくりの基本方向)

  • 都市計画法等に基づく地区計画や建築協定、本市条例による景観形成等にかかる市民の自主的な活動を支援し、西部地域が大きく寄与している本市の良好な住環境イメージの維持に努めます。
  • 高齢化率が高いことは言い換えれば長寿のまちといえます。健康づくりをテーマに、歩行者(観光客を含む)が楽しめるような歩道の整備を進めるなど、行き来する人が絶えないまちをめざすとともに、各種福祉サービスの充実を図ります。
  • 箕面の観光資源のシンボルである箕面の滝をはじめ、豊かな自然とその景観など、自然環境の保全に努めることにより、観光箕面の魅力づくりを進めます。
  • 桜井駅周辺は商業機能の更新と駅前広場の整備等により、にぎわいのある地域生活拠点の形成をめざします。

第4節 計画(主要施策)

保健・医療・福祉の充実

  • 高齢社会に対応した在宅福祉サービスの拠点施設の整備を進めます。

生活環境の整備と保全

  • 市民の自主的な活動による地区計画や建築協定等のルールづくりを支援します。
  • 市民の協力を得ながら子どもや高齢者にやさしい段差がなく幅の広い生活道路や歩道の整備に努めます。
  • 街路樹は道路幅・交通量・四季の変化を考え樹種を選びます。そして冬に淋しいまちなみとならないよう常緑樹なども選定します。

安全の確保

  • 防災面から市民の協力を得ながら、幅の狭い生活道路の改善を図ります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 歴史的・文化的遺産(旧西国街道、街道の宿駅村ほか)や民家を活用したまちかど美術館等、子どもから大人まで楽しめるよう工夫するとともに、回遊できるような散策道路の整備をめざします。

自然環境の保全

  • 箕面川を水辺空間のシンボルとして位置づけ、貴重な自然とのふれあいの場や市民の憩いの場となるような取り組みを進めます。

産業の振興

  • 箕面の貴重な観光資源である滝と紅葉に代表される豊かな自然とその景観などの保全に努め、観光箕面の魅力づくりを進めます。
  • 箕面駅・桜井駅周辺は重要な商業核であり、特に桜井駅前は再開発手法により商業機能を再編するとともに、文化的雰囲気が漂い、人が集う、にぎわいのある地区をめざします。

秩序ある市街地の形成

  • 地域内の南北幹線道路の整備をめざします。また、生活道路については車優先から歩行者・自転車優先となるような取り組みを工夫します。
  • 府道豊中亀岡線沿いが、本市のシンボルロードにふさわしい地区となるようまちなみ景観の形成を誘導します。
  • 西部地域の市街地再編を考慮し、阪急箕面線の立体交差などの交通問題について、長期的な視点から検討を進めます。

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中部地域

第1節 地域の概況

1.人口

(1)現況人口

1999年度(平成11年度)末の人口は31,362人で、市民の約4分の1(25.8%)が居住し、1994年度(平成6年度)末との人口比較では、ほぼ同数となっています。

(2)将来人口【1998年度(平成10年度)時点での推計

2010年度(平成22年度)当初の人口予測は、箕面新都心整備による人口流入等により約35,000人の見込みです。

高齢化率は18.3%で全市平均とほぼ同じ率になると予測されます。

2.地域特性指標

(1)土地利用

業務地としての利用をみると市全体の約56%、南部市街地の約61%が中部地域に集積しています。

農地については市全体の約31%、南部市街地の約44%が中部地域にあります。

(2)建物利用

商業施設としての利用は、市全体の約68%が中部地域に集積し、特に、運輸流通等の利用が多く市全体の約85%が中部地域に集積しています。

3.歴史

  • 中部地域の北部は山地で南側斜面は広々とした山麓台地になっています。歴史的には、稲(いな)や如意谷(にょいだに)の遺跡と遺物等から縄文時代には人々の生活が始まっており、また、北側の山中にある巨岩や巨石は、古代人の信仰の対象であり、当時の精神のありようを物語っています。
  • 12世紀頃には、住民から「殿(との)」の名称で呼ばれた郷内きっての有力者「萱野(かやの)氏」が登場しています。赤穂浪士の一人である萱野三平はその子孫であり、その頃は山地に依存した林業による経済が発達していました。
  • 江戸時代の当地域は、北摂地方でも有名な酒造米の産地として発達しています。「萱野米」と呼ばれ、粟生(あお)米と並んで質の良さが酒造家から評価され、伊丹や灘(なだ)が全国屈指の「酒どころ」に発展したこともあり、その地に近い箕面が酒造米の生産供給地のひとつとなっていました。
  • 1889年(明治22年)に、地区の10ヶ村(東坊島(ひがしぼうしま)、西坊島(にしぼうしま)、如意谷、外院(げいん)、石丸(いしまる)、白島(はくしま)、今宮(いまみや)、西宿(にしじゅく)、芝(しば)、稲)が合併して古代以来の郷(ごう)・名(みょう)を継承した「萱野村」が誕生しました。その後も農地と既存集落から構成されていましたが1948年(昭和23年)に箕面町に編入合併され、1956年(昭和31年)には箕面市となっています。
  • 近年では国道171号と交差する南北交通軸の新御堂筋線の整備による交通利便性の向上により市街化が急速に進行し、既存集落・農地等の田園的な地区・計画的な市街地・個別開発による市街地が混在する地域となっています。

施設概況図(PDF:221KB)

第2節 地域の特性・課題

1.特性

  • 中部地域は国道423号と国道171号の結節点として交通の要所であり、地理的には本市の中心となります。また、コムアートヒルの商業群や箕面新都心の整備、北大阪急行線の延伸構想、国道423 号バイパス整備等、本市の中でも都市的に発展する潜在能力が高い地域です。
  • 2つの大きな市街化調整区域を中心に農地がまとまって存在しており、商業的要素と田園都市的要素が混在しています。
  • みのおライフプラザや市立病院など全市的な保健・医療・福祉に関する拠点施設が集積していることも中部地域の特徴といえます。

2. 課題

保健・医療・福祉の充実

  • 地域に位置する各種施設を有効に活用し、多様な市民ニーズに対応できるまちづくりが望まれます。

生活環境の整備と保全

  • 貴重な空間地の保全と計画的な利用のため、住宅地のミニ開発を抑制し、既存集落における幅の狭い生活道路を改善する必要があります。

自然環境の保全

  • 目の前に広がる美しい山なみ景観や都市部に残る農地の保全を図るとともに、河川・公園等の維持管理を充実させる必要があります。

産業の振興

  • コムアートヒルが有する商業機能や箕面新都心における新たな産業を生かした元気づくり・魅力づくりが望まれます。

秩序ある市街地の形成

  • 箕面新都心の整備には、将来的な変化に対応した持続可能なまちづくりと、本市の都市拠点にふさわしい魅力づくりが求められます。
  • 箕面新都心の整備や国道423号バイパス整備に伴う交通量の増加への対応や、2ヶ所ある市街化調整区域の保全と活用方策の検討とともに、北大阪急行線の早期延伸をめざす必要があります。
  • 市道箕面今宮線等は道路幅員に対して人や車の通行が多いため、交通の安全を確保する必要があります。

市民参加の充実

  • 保健・医療・福祉に関する拠点施設は整っており、それらの施設機能を生かしたソフト施策の充実や市民活動の場として使いやすい施設運営の工夫が必要です。

第3節 地域の将来像(まちづくりの基本方向)

  • 萱野中央地区には、コムアートヒルの商業施設と連携のとれた多機能型の商業集積を誘導し、新たなにぎわいと広域的な人の交流拠点として千里中央や北千里地区と違った独自性のある箕面新都心の形成をめざします。また、北大阪急行線の延伸構想の熟度や周辺の土地利用をふまえ、段階的・持続的に発展できるまちづくりをめざします。
  • 地域全体としては市街化調整区域内にある農地を生かしながら、田園的風景と調和した良好な市街地形成をめざします。
  • みのおライフプラザを中心に保健・医療・福祉の分野から、情報交流や情報発信を行い、市民福祉の向上を地域から支えていきます。

第4節 計画(主要施策)

保健・医療・福祉の充実

  • みのおライフプラザを拠点に各施設間で各種情報の受発信を可能にします。また民間事業者との協力関係を築き、多様化する市民ニーズに対応できるような仕組みづくりを進めていきます。

生活環境の整備と保全

  • 良好な住環境の維持・形成を図るため市民が自主的に考え、行動できるような環境づくりを進めていきます。
  • 山麓部や市街化調整区域だけではなく、まちなかの身近なところから緑化推進を図ることで、景観や住環境を整えていきます。
  • 市街地部における貴重な緑地・都市空間である農地を保全していくため、所有者への協力を呼びかけるとともに、地域のコミュニティづくりのひとつとして市民と所有者による農地の保全につながる体制づくりをめざします。

自然環境の保全

  • 各種アンケートでは、山間・山麓部の保全に対する市民意識は非常に高くなっています。しかし、その土地の大部分は個人の所有であり、山間・山麓部の保全においては、土地所有者・市民・行政が互いに理解と協力ができるような方策を検討します。
  • 千里川・鍋田川や公園を、貴重な自然とのふれあいの場・憩いの場・集いの場として活用を図ります。

産業の振興

  • コムアートヒルの事業者と協働し、空きビル・倉庫等を利活用したベンチャービジネス*の振興と、若者をひきつける商業誘致による元気づくりや、箕面新都心と連携した新たな産業振興をめざしていきます。

秩序ある市街地の形成

  • 箕面新都心を新たなにぎわいや広域的な人の交流拠点として、多機能型の商業施設を中心に、コムアートヒルとの連携や既存の商業地域との役割分担を図りながら、時代の変化に対応できる持続可能なまちづくりを進めます。

市民参加の充実

  • 地域に点在する公共公益施設を市民の様々な活動やまちづくりに生かされるよう、市民参加による多様な運営方法のモデルを検討します。

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東部地域

第1節 地域の概況

1.人口

(1)現況人口

1999年度(平成11年度)末の人口は、31,546人で、市民の約4分の1(26.0%)が居住し、1994年度(平成6年度)末と人口比較では約3%増となっており、全市域の中では一番の人口増加率を示しています。

(2)将来人口【1998年度(平成10年度)時点での推計】

2010年度(平成22年度)当初の人口は、彩都:国際文化公園都市や小野原西土地区画整理等の大規模な市街地整備による人口流入に伴い、約38,000人の見込みです。

高齢化率は15.6%と西部地域や中部地域と比べると低い率になると予測されます。

2.地域特性指標

(1)土地利用

東部地域は山林が比較的多く、南部市街地にある山林の約56%を有しています。

(2)居住年数

東部地域は新しく開発された住宅地が多いこともあり、居住年数が10年未満の人口比率が51%を占めており、他の地域との比較において高い数値を示しています。

3.歴史

  • 東部地域の集落は北摂山系の粟生山の南麓台地や千里丘陵の北端部等、高台に位置しており、北側の山中には箕面地区の瀧安寺と並んで北摂地方きっての有名な古寺である勝尾寺が創建されています。
  • 平安時代から鎌倉時代には炭の生産を中心とした林業が発達しています。
  • 集落の多くが高台にあり水利面などの自然条件では恵まれない土地柄でしたが、自然との調和を図りながら発展してきた結果、江戸時代以降では、「粟生米」の名で高く評価される良質の酒米の産地になっていました。
  • 1889年(明治22年)に地区の5ヶ村(粟生(あお)、小野原(おのはら)、宿久庄(しゅくのしょう)、清水、道祖本(さいのもと))が合併し、「豊川(とよかわ)村」が誕生しています。村名は勝尾寺川に豊かな実りと村の繁栄を託して命名されたといわれ、人々が古くから求め続けた水への願望がうかがえます。
  • 1970年(昭和45年)頃からは、主に民間企業や都市基盤整備公団による計画的な大規模な市街地整備が進められている地域です。

施設概況図(PDF:218KB)

第2節 地域の特性・課題

1.特性

  • 東部地域は、昭和40年代半ばから計画的な市街地整備による低層・中高層の住宅地を中心とした土地利用が図られ、まちとしては新しく、人口の伸びも高くなっています。
  • 茨木市との境界をはさんだ丘陵部では、彩都:国際文化公園都市の整備をはじめ、土地区画整理手法による市街地整備が進行しています。
  • 既成住宅地では建築協定の締結や地区計画が決定されるなど、地区レベルでのまちづくりルールによる住環境の保全が図られている地区が多くあります。
  • 地域内に大阪外国語大学や千里国際学園等が立地しており、外国からの留学生・教師が多く居住する国際性豊かな地域となっています。

2.課題

生活環境の整備と保全

  • 地区のまちづくりルール等による良好な住環境の保全とともに、既存集落内の狭隘道路の改善を図る必要があります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 旧西国街道や勝尾寺参道など歴史遺産の保全とともに、新しい社会資源を生かした国際性豊かなまちづくりが求められます。

自然環境の保全

  • 生活に身近な美しい山麓景観の保全や河川・公園等の適切な維持管理など、地域が有する自然環境の保全が課題となっています。

産業の振興

  • 地域生活拠点である小野原地区や粟生地区の商業機能の充実や特色づくり、彩都:国際文化公園都市の整備と連動した新たな産業振興が求められます。

秩序ある市街地の形成

  • 彩都:国際文化公園都市の整備における自然と共生するまちづくりとともに、モノレール整備に伴う駅の誘致や、自動車交通の増加による渋滞への対応など、新市街地と既成市街地の交流ができるようなしかけが望まれています。
  • 急速な市街化の進展と整合のとれた生活基盤施設の整備が求められています。また、幹線道路やバス路線網の整備による市内東西交通の充実を図る必要があります。
  • 他の地域と比較して公共公益施設が不足しており、特に国道171号以南での整備が求められています。

市民参加の充実

  • 地域特性を生かした市民主体の国際色豊かなまちづくりが望まれます。

第3節 地域の将来像(まちづくりの基本方向)

  • 地域の持つ豊かな国際性を生かしたまちづくりを進めるため、大阪外国語大学や千里国際学園等との交流を深めながら、協力・貢献が可能な環境づくりを進めます。
  • 公共施設については、市域だけを視点にするのではなく、近隣市との協力、施設の共同利用を検討するなど広域的なまちづくりを進めます。
  • 彩都:国際文化公園都市建設に伴う学術研究施設、新産業施設や大阪モノレール彩都線を生かしたまちづくりを進めます。

第4節 計画(主要施策)

生活環境の整備と保全

  • 建築協定や地区計画等の制度を活用しながら良好な住宅地としての保全・形成を図ります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 留学生をはじめとする外国人の受け入れ体制や交流拠点の充実を図ります。また、多文化共生社会の実現に向けた市民主体の地域活動等を支援します。

自然環境の保全

  • 河川を親水性の高い水辺空間にしたり、公園を地域の実情に合ったものに整備するなど、河川・公園を市民の憩いの場として保全・活用していきます。

産業の振興

  • 地域生活拠点である小野原地区や粟生地区の商業核を中心に特色ある商業機能への再編や、彩都: 国際文化公園都市が有する都市機能を生かしながら情報産業など新たな産業の振興をめざします。

秩序ある市街地の形成

  • 市民との協働による生活道路への車の乗り入れを制限するなど、ゆったりと歩いたり、自転車で移動できるような 環境づくりをめざします。
  • 生活の利便性の向上を図るため、新市街地やモノレールの整備と合わせた公共交通網の整備のあり方を検討します。
  • 新市街地の整備動向や地域ニーズの把握に努めながら、地域に必要とされる公共公益施設の検討・整備を進めます。

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北部地域

第1節 地域の概況

1.人口

(1)現況人口

1999年度(平成11年度)末の人口は547人で市民の約0.5%が居住し、1994年度(平成6年度)末との人口比較では微減となっています。

(2)将来人口【1998年度(平成10年度)時点での推計】

2010年度(平成22年度)当初の人口予測は約9,500人で、激増する見込みとなっています。これは新市街地として水と緑の健康都市が形成されるためで、これにより高齢化率は全市平均を大きく下回る5.7%になると予測されます。

2.地域特性指標

(1)居住年数

北部地域(止々呂美(とどろみ)地区)は全般的に居住年数の長い市民が多く、居住年数20年以上の人口は約62%と全市平均の約26%を大きく上回っています。

(2)土地利用

用途別の土地面積では山林が約59%と最も多く、農地の約25%、その他の約12%と続き、宅地面積は約2%となっています。

3.歴史

  • 止々呂美の地名が初めて文書に出てくるのは、室町時代の1349年(貞和5年)の勝尾寺文書「大鳥居造立条々注文」に見える「止々呂美上下」です。この年、勝尾寺参道の大鳥居が坂本(粟生新家地区)の地に再建され、上・下止々呂美からも「米1斗6升7合、銭250文」が寄付されたと記されています。
  • 止々呂美地区の主要産業は、農業もさることながら江戸時代から大規模な製炭等の商品的林業や梅・栗・柿・ビワ等の生産が盛んで1938年(昭和13年)には、これら園芸産物が米の生産高を上回っています。このことは止々呂美地区が北摂地方きっての果樹生産地に発展したことを物語っています。
  • 1948年(昭和23年)に止々呂美村は箕面町と合併し、さらに1956年(昭和31年)には箕面市となっています。
  • 山間部によって南部市街地と分断されていたこともあり、生活の利便性をもたらす都市化の波は押し寄せず、昔ながらの里の風情とともに豊かな自然に恵まれています。一方で、過疎化の進行や野生動物による農林業への被害が深刻化しています。

施設等概況図(PDF:350KB)

第2節 地域の特性・課題

1.特性

  • 市北部の山間地域に位置し、地域の大部分は樹林地で豊かな緑の環境を有しています。集落の中央部を流れる余野川は自然の河床が大部分を占め水量も豊富で自然性・親水性の高い環境になっています。また、旧摂丹街道(国道423号)付近には、貴重な文化財と史跡が今なお多く残されています。
  • 産業は主に稲作と伝統である果樹の栽培など農林業が中心となっています。
  • 地域住民の定住意向は高いものの、生活満足度調査では不満を感じている市民が9割(箕面市全体での不満足は2割) を占めています。また、少子化と若年層の転出の影響を受け、本市の中では高齢化率が非常に高くなっています。
  • 第二名神高速道路箕面インターチェンジの整備計画をはじめ、国道423号バイパストンネルの開通や水と緑の健康都市のまちびらきによる、生活利便性の向上が期待されています。

2.課題

保健・医療・福祉の充実

  • 新市街地の整備に伴う人口増をふまえた保健・福祉サービスの供給体制を整える必要があります。

安全の確保

  • 防災対策など安全性の確保や消防・救急の問題等、地域が長年抱えていた課題解決を図る必要があります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 脈々と受け継がれてきた伝統や文化財など北部地域固有の文化を次世代に継承できるような取り組みが課題となっています。
  • 水と緑の健康都市がまちびらきした際には、既存集落と新しいまちとの交流を促進するしくみが求められます。

自然環境の保全

  • 貴重な自然をできるだけ保全する取り組みとともに、自然環境を損なう山林への大型ごみ等の不法投棄の防止策を講じる必要があります。

産業の振興

  • 地域特性を生かした観光農業等の振興や、雇用機会の創出が図れる新たな産業振興が課題となっています。

秩序ある市街地の形成

  • 新市街地と既存集落を有機的につなぎ、文化や生活などを通した交流が図られるような、工夫が必要です。
  • 地域課題については、水と緑の健康都市や国道423号バイパストンネルの整備等と一体的に解決する必要があります。
  • まちとしての利便性の向上と活性化を図るため、新市街地と既存集落との整合がとれた公共公益施設の整備が求められます。

第3節 地域の将来像(まちづくりの基本方向)

  • 新市街地の整備と併せて地域課題を解決するため、公共公益施設の整備など生活基盤が整った利便性の高いまちをめざします。
  • 第二名神高速道路箕面インターチェンジ整備計画および国道423号バイパストンネル開通に対応した土地利用の検討と地域整備の推進を図ります。
  • 豊かな自然を保全するため、自然を多く生かす工法によるまちづくりを推進します。
  • 地域特性を生かした観光農業や高度情報通信技術を生かした新しいソフト産業等の誘致を図り、地域での就業が可能となる職住近接のまちをめざします。

第4節 計画(主要施策)

保健・医療・福祉の充実

  • 少子高齢社会に対応した保健・福祉サービスや健康づくりの拠点施設の整備を図ります。

安全の確保

  • 災害危険個所に対する防災対策と通学路における安全な歩道の確保を図ります。

文化の振興と教育・学習環境の充実

  • 歴史遺産を保全するとともに、地域の特産物や歴史的資料の展示や北部地域の特性を生かした文化・芸術の創造ができる施設整備をめざします。
  • 子どもから高齢者まで、誰もが利用できる生涯学習施設を整備します。

自然環境の保全

  • 余野川の自然を生かした親水性の高い河原や公園づくりを進めます。
  • 既存集落西側の山麓部は、環境形成帯として土地所有者や市民との協働により保全に努めます。また、廃棄物不法投棄対策の強化を図ります。
  • 自然環境に配慮した環境にやさしい工法によるまちづくりを推進します。

産業の振興

  • 自然体験学習などができる観光農園貸農園など市民参加を取り入れた農地の保全や特産物づくりを通じた農業経営の振興を図ります。
  • 新市街地整備に併せて高度情報通信技術を生かした新しいソフト産業等の誘致を図るなど、就業の場の確保をめざします。

秩序ある市街地の形成

  • 既存集落内の幅の狭い道路の拡幅整備を図ります。また、新市街地と既存集落をつなぐ止々呂美東西線等の整備による利便性の向上と人・もの・情報の活発な交流を図ります。
  • 国道423号バイパストンネルを通る直通バス等、公共交通を整備することにより南部市街地との一体性を確保し、通勤や通学など日常生活上の利便性の向上を図ります。
  • 水と緑の健康都市のまちびらきに併せて、既存集落も含めた上水道施設の整備を進めていきます。
  • 第二名神高速道路箕面インターチェンジ整備計画および国道423号バイパストンネル開通に対応した土地利用計画の検討や、地区計画制度の積極的活用を図りながら、住民との協働作業によるまちづくりを推進します。
  • 地域住民・ボランティア・市との協働による適切な河川・公園の管理体制を整えていきます。

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中央山間地域

第1節 地域の概況

1.歴史

  • 滝と紅葉で知られる名勝箕面山の歴史は古く、山間部にある瀧安寺・勝尾寺は古代末から修験の道場として、また多くの修行者や高僧の集まる霊場として全国的にも有名でした。
  • 中世以降も多くの人々の信仰を集め、江戸時代には紅葉が有名となって参拝来遊の地として親しまれ、明治以降は大阪府営公園として現在に至っています。
  • 名勝箕面山の豊かな自然と、滝や渓谷の創りだす見事な景観は文化財としても大変貴重なもので、永く後世に伝えるべきものとして、1956年(昭和31年)には文化財保護法に基づいて国により「名勝」の指定を受けています。
  • また、東京都八王子市にある明治の森高尾国定公園まで(全長1,697km)続く東海自然歩道は、明治の森箕面国定公園の「政の茶屋」を起点としており、四季を通じて自然と史跡に親しめるハイキング路として広く愛されています。

施設等概況図(PDF:193KB)

第2節 地域の特性・課題

1.特性

  • 本市の約60%を占める広大な山間・山麓地であり、大部分が近郊緑地保全区域に指定されています。
  • 府営箕面公園を含む明治の森箕面国定公園は、箕面の滝をはじめとした観光資源、レクリエーション資源に恵まれ人々の憩いの場として利用され、新緑の頃や秋の紅葉シーズンを中心に年間100万人を超える観光客が訪れています。
  • 自然の宝庫である当地域には、天然記念物に指定された箕面山のニホンザルをはじめ貴重な動植物が棲息しています。

2.課題

産業の振興

  • 自然環境とのバランスを保ちながら、恵まれた自然を生かした観光の活性化が課題となっています。

自然環境の保全

  • 法律等の規制による保全から、土地所有者・市民・行政の協働による具体的な保全策を図ることが必要となっています。
  • ごみや車両等の不法投棄対策の強化や、自然環境の保全意識の高揚が求められます。

秩序ある山間地域の形成

  • 観光シーズンの車の渋滞に対し、抜本的な対策を講じる必要があります。

第3節 地域の将来像(まちづくりの基本方向)

  • 土地所有者・市民・行政が互いの立場を理解し、役割を分担しながら協力していく形で自然環境の保全をめざします。
  • 箕面市を訪れる観光客の様々な目的に合うような、観光と自然環境のバランスのとれたまちづくりをめざします。

第4節 計画(主要施策)

自然環境の保全

  • 山間部は保全が基本ですが将来の世代にわたって環境保全の重要性を伝えるため、場所を限定して体験学習等を通じて自然環境の保全意識の高揚に努めます。
  • 山間・山麓部の自然と親しみ、保全するための組織・指導者などの育成・支援を図ります。

産業の振興

  • 豊かな自然や貴重な文化財等の社会資源を生かした新たな観光ルートの開発など、観光の振興を事業者とともに進めていきます。

秩序ある山間地域の形成

  • 現状を把握し、その特性に応じたゾーンごとの保全・活用方向を整理します。特に才ヶ原池周辺の自然を守ると同時に、失われた自然の回復を図り、人間を含めた全ての動植物の憩いの場とし、自然の大切さを学習する拠点とします。
  • 観光シーズン中における箕面公園のドライブウェイや市街地の幹線道路等の交通渋滞の解消を図るため、様々な対策を実施し、環境への配慮を高めるとともに、来訪者の利便性の向上を図ります。

 

よくあるご質問

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所属課室:総務部財政経営室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6708

ファックス番号:072-723-2096

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