更新日:2020年9月28日

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令和2年第8回箕面市教育委員会定例会会議録

日時:令和2年8月6日(木曜日)午後1時
場所:箕面市役所本館3階 委員会室

出席委員

  • 教育長 藤迫稔君
  • 代表教育委員 教育長職務代理者 山元行博君
  • 委員 髙野敦子君
  • 委員 大橋亜由美君
  • 委員 中享子君

付議案件説明者

  • 副教育長兼子ども未来創造局長 尾川正洋君
  • 子ども未来創造局担当部長 木村均君
  • 子ども未来創造局副部長兼教育政策室長 藪本正博君
  • 子ども未来創造局担当副部長 岡裕美君
  • 子ども未来創造局学校教育監 石橋充久君
  • 子ども未来創造局担当副部長 今中美穂君
  • 子ども未来創造局副理事 野澤昌弘君
  • 学校教育室長 高取貞光君
  • 学校教育担当室長 中西太加夫君
  • 保健スポーツ室長 遠近高明君

出席事務局職員

  • 教育政策室参事 乾敬一朗君

議事日程

1.議事日程

日程第1:会議録署名委員の指定
日程第2:教育長報告
日程第3:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第4:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第5:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第6:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第7:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第8:中学校用教科用図書採択についての請願等の件
日程第9:令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択に関する答申の件
日程第10:令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択の件
日程第11:令和元年度箕面市教育委員会活動の点検及び評価に関する報告の件
日程第12:市民プールの休館日変更の件
日程第13:箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員解職及び同調査補助員任命の件
日程第14:箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員及び同調査補助員任命の件
日程第15:箕面市教育委員会人事発令の件
日程第16:箕面市教育委員会会議録の承認を求める件


(午後1時開会)

◯教育長(藤迫稔君):ただ今から、令和2年第8回箕面市教育委員会定例会を開催いたします。議事に先立ちまして事務局に「諸般の報告」を求めます。
(事務局報告)
◯教育長(藤迫稔君):ただ今の報告どおり、本委員会は成立いたしました。
◯教育長(藤迫稔君):それでは、日程第1「会議録署名委員の指定」を行います。本日の会議録署名委員は、箕面市教育委員会会議規則第5条第2項の規定に基づき、中委員を指定いたします。
◯教育長(藤迫稔君):次に、日程第2「教育長報告」を行います。まず、教育委員会委員関係ですが、7月9日に教育委員会活動の評価に伴う懇談会を行いました。3人の評価委員さんには、多岐にわたっていろいろなご意見、ご示唆をいただきましたので、今後それを基に活かしていきたいと思っています。27日、28日の2日間、教科書採択に関わる教育委員学習会を行いました。今般は新型コロナウイルス対策として、一同に介するのはこの2日だけでしたが、初めての試みですがリモートという形式で、使用教科書についての検討を深めていきました。後ほどご説明いたします。次に教育長報告ですが、7月3日に大阪府都市教育長協議会の定例会がホテルアウィーナ大阪で開催されました。これも毎年、年度当初の4月に第1回目が開催されていましたが、新型コロナウイルスの関係で7月3日が今年度の第1回定例会となりました。令和2年度教育費等実態調査、その他今年度のスケジュールについて共有したところです。7月31日には大阪府都市教育長協議会夏季研修会がありました。この研修のテーマは、オンライン授業について、更にはGIGAスクール構想を踏まえての教職員の研修のあり方についてというテーマで、各教育長間で情報共有したところです。合わせまして、国に対する予算要望について議論をいたしました。学校教育・子育て関係につきましては、議案書のとおりです。ここで、少し新型コロナウイルス関係の状況についてもふれておきたいと思います。今般、夏季休業は短縮して行っておりまして、7月21日から7月31日までの間は午前中が授業、午後は補充学習ということで、この3カ月の間に学習への理解が少し追いついていない子どもたちを対象に補充学習を行っております。8月3日から8月6日は、午前中に全学年を対象にオンライン授業を行い、6日は午前にオンライン終業式、午後にオンラインでの個人懇談を行っているところです。この2学期の予定ですが、2学期の始業式は8月24日になっております。その直前の夏季休業期間中の18日から21日につきましては、希望する子どもたちがオンライン補習を受けられることになっております。以上をもちまして教育長報告とさせていただきます。
◯教育長(藤迫稔君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯教育長(藤迫稔君):それでは、箕面市教育委員会会議規則第4条の規定に基づき、山元代表教育委員を指名し、ここからの議事進行をお願いいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):ただいまご指名いただきましたので、ここからの議事を進行いたします。まず、日程第3、請願第1号「中学校教科用図書採択についての請願等の件」から日程第8、請願第6号「中学校教科用図書採択についての請願等の件」までは、関連案件ですので、一括して審議することといたしてよろしいか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、一括して審議することといたします。請願の説明を、子ども未来創造局学校教育室長に求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:本件は要望書、申し入れ書等の請願に係る書類が、2020年5月10日、6月17日及び7月9日付けで「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」から、6月17日付けで恩地氏から、7月3日付けで「新日本婦人の会箕面支部」「平和と革新をめざす箕面の会(箕面革新懇)」の連名から、7月17日付けで「子どもと教科書大阪ネット21」から、7月21日付けで「自由法曹団大阪支部」「民主法律協会」の連名から、8月3日付けで「豊中総合法律事務所」から要望書、申入れ書等の提出がありましたので、お諮りするものです。いずれも特定の会社の教科書を採択しないことを求めることが主な内容となっております。なお、本市における教科書採択につきまして申し上げますと、本市では教員代表や保護者代表を含む箕面市立学校用教科用図書選定委員会を設置し、教科用図書採択に関する調査・研究を行っています。また、各種目、種目代表1名、選定調査員3名、総勢52名の教職員による選定調査員を置き、本市の生徒の実態に即した教科用図書採択に向け、調査研究を進めています。他にも見本本展示として、中学校の巡回や市民展示により、教職員や市民の意見を求めているものです。選定委員からの答申を受け、市民の皆様から意見も参考に教育委員会において、公正かつ適正な教科書を採択されることとなります。また、調査対象となる教科書は、学習指導要領に基づいて作成されたもので、かつ、文部科学大臣の検定を合格したものが対象となっております。なお、令和2年3月27日付け元文科初第1807号「教科書採択における公正確保の徹底等について(通知)」において「教科書採択については、外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく、静ひつな環境を確保し、採択権者の判断と責任において公正かつ適正に行われるよう努めること」と通知されております。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(大橋亜由美君):この通知の趣旨から考えると、これらの請願を採択することは適切ではないと思います。教育委員会として、教科書検定を通った教科書をきちんとしたプロセスを経て採択することとなっておりますので、本請願を採択する必然性はないと考えております。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):事務局からも説明がありましたように、まさに文部科学省通知にありますように外部からの働きかけに左右されることなく採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を行うこと、これが全てであります。よって本件の請願書については採択すべきものではないと認識しております。なお教育長と教育委員会委員につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、「従事する業務に直接の利害関係がある事件についてはその議事に参与することができない」という規定があり、今回の教科書採択にあたりましても、私たちの中には教科書発行者等と関わりを持つ者はいないことを相互に確認した上で進めてきたところですが、改めて議事録に残りますこの場で確認しておきたいと思いますのでよろしくお願いします。教科書発行者等と関わりを持つ者はいないということで再確認をいたしたいと思いますが大丈夫ですか。
◯教育長(藤迫稔君):再確認できましたので、この点におきましても、これらの請願を採択する必然性はないものと考えております。以上です。
◯代表教育委員(山元行博君):他にございませんか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、請願第1号から請願第6号までを裁決いたします。これらの請願を採択すべきと思われる方の挙手をお願い致します。
◯代表教育委員(山元行博君):挙手なしですので、裁決の結果、これらの請願を不採択といたします。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第9、報告第53号「令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択に関する答申の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局学校教育室長に求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:ただ今、議題となりました「報告第53号令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択に関する教科書図書に関する答申の件」につきまして、提案理由とその内容をご説明いたします。本件は、令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書の採択に関する教科用図書の調査及び研究について、箕面市立学校用教科用図書選定委員会から答申を受けたので、報告するものであります。令和2年5月28日の第5回箕面市教育委員会定例会において、箕面市教育委員会が行う令和3年度使用の箕面市立中学校用教科用図書の選定に関して、選定委員会に中学校用教科用図書の調査及び研究を行い、答申するよう諮問する議決がありました。選定委員会は、校長、教頭、教員、教育委員会事務局及び保護者の代表者など、8名で構成されています。5月29日の第1回選定委員会で、選定委員会委員長に対して諮問を行い、6月1日から実施した第1回調査員分散会以降、調査研究を進めてきました。調査員会議は、教科書見本本の種目ごとに校長推薦の教員3名と、種目代表としての校長等管理職1名の計4名で構成され、各種目の教科書見本本について、「目標・内容の取り扱い」「人権の取り扱い」「内容の程度」「組織・配列」「創意工夫」「補充的な学習・発展的な学習」「独自項目」の調査研究項目に基づき、専門的見地から調査研究を行い、全ての見本本について調査研究項目別にそれぞれの特長を文章で表記し、6月25日の選定委員会に調査報告書として提出されました。選定委員会は、調査報告書を基に6月30日に種目代表へのヒアリングを実施し、各種目の全ての見本本についての説明、報告を受けております。また、その際、見本本を各学校に巡回した際の学校からの意見についても参考意見として聴取し、7月21日に報告第53号の別記のとおり教育委員会教育長あてに答申がなされたところです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、報告第53号を採決いたします。本件を報告どおり承認することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。本答申の調査及び研究内容を踏まえ、令和3年度に使用する教科書の採択を審議することといたします。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第10、議案第55号「令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局学校教育室長に求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:ただ今、議題となりました議案第55号「令和3年度(2021年度)使用箕面市立中学校用教科用図書採択の件」につきまして、提案理由とその内容をご説明いたします。本件は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号並びに義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第14条及び同法施行令第14条第1項の規定により、提案するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):では、教科書採択に向けての法定展示等の取組等について、続けて説明を求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:市民・保護者への教科書展示については、まず、市ホームページで法定展示の日時・場所をお知らせしました。法定外展示については、日時・場所を市ホームページにおいて、お知らせしたところです。まず、法定展示ですが、教育センターにおいて6月12日から6月27日まで実施しております。また、法定外展示ですが、教育センターにおいて法定展示に先駆け6月1日から6月11日まで実施するとともに、市役所本館ロビー、市民活動センター、中央図書館、西南図書館、東図書館、桜ヶ丘図書館、小野原図書館において、6月1日から7月31日までの間で、それぞれ期間を定めて展示を行ってきました。展示した場所には意見箱を設置し、市民・保護者のかたがたからは19件のご意見をいただいております。
◯代表教育委員(山元行博君):続いて、今回の採択について、文部科学省の通知及び大阪府教育委員会の通知などの内容を簡潔に説明してください。
◯子ども未来創造局学校教育室長:採択にあたりましては、一つは地域や児童の実態に応じて、最も適切な教科用図書を採択すること、もう一つは大阪府教育委員会の提示する中学校用教科用図書選定資料を活用することとされています。なお、文部科学省から、教科書採択の公正確保については、静ひつな採択環境を確保していくため、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択がなされるよう、適切に対応すること、また円滑な採択事務に支障をきたすような事態が生じた場合には、毅然とした対応をすることとされております。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):続いて、中学校用教科用図書の採択に向けての教育委員会の学習会の開催状況等を振り返っておきたいと思います。教育長から説明をお願いいたします。
◯教育長(藤迫稔君):まず、教育委員会の学習会に先駆け、各委員が事前に教科書の見本本に目を通していただくため、6月1日から各委員宅に見本本をお届けさせていただきました。その後、大阪府教育委員会から示された選定資料も参考に、6月18日から教科ごとに教科書の内容や特長、子どもたちが学びやすいかなどの観点から、時間をかけて意見交換を行いました。その後、7月21日の選定委員長からの答申を受け、答申及び調査報告書、市民や保護者からのご意見等を参考に、2日間にわたり学習会を開催しました。なお先ほども申し上げましたが、新型コロナウイルス対策ということで、リモート会議により各教科の調査を初めて行いました。非常に効率的に時間を使うことができ、ぜひ数年後にある次回の採択でもこういう手法を使っていけたらと考えております。学習会では教科ごとに検討を深めていただき、本市の生徒が使うのにより適切だと思われる教科書が見えてきたと考えますが、本日、最終決定に向け、議論はもう少し必要かと思います。なお箕面市では組織的に「箕面の授業の基本」をもとに授業づくりを行っており、「課題をつかむ」「自力解決」「学び合い」「まとめ・ふりかえり」という4つの学習活動を重視した課題解決型の学習を授業に取り組んでいます。子どもたちの思考力、判断力、表現力を育成できるものになっているか、子ども同士が対話的に学習に取り組めるようなものかどうか、子どもが主体的に学習に取り組むために深く考えてみたい、取り組んでみたいと思えるものになっているかどうか、などを各調査員においては意識してもらい、教科書の選定を行ってもらったものです。
◯代表教育委員(山元行博君):選定委員会は4回、調査員の調査員会議は見本本の種目によって異なりますが3回から5回開催されました。選定委員会からの答申等を読ませていただき、調査研究等の作業を丁寧に行っていただいたことに、教育委員を代表して改めて感謝を申し上げたいと思います。また、委員の皆様にも7月以降、学習会やリモート会議等で延べ8日間にわたってご議論いただきましたこと感謝いたします。今回選定委員会からの答申は絞り込みや順位付けは行わず、各者にわたって意見をいただきました。学習会では選定委員会の答申の内容を尊重しつつ、再度、採択の基準など、さまざまな観点から検討を加え、本市の生徒が使う教科書として適切であると考えられる発行者2、3者についてさらに検討いたしました。それでは提案されている令和3年度(2021年度))使用中学校用教科用図書案について、どのように審議を進めていけばよいでしょうか。皆さんにお諮りします。
◯教育長(藤迫稔君):教育委員会学習会で、時間をかけて審査いたしましたが、慎重を期して再度、一種目ごとに確認をしたいと思いますがいかがでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):再度、一種目ごとに確認することに異議はありませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。では一種目ごとに学習会で検討したことを踏まえて審議を進めたいと思います。それでは、国語からはじめていきます。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、国語について事務局から説明を求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:国語は、「東京書籍」「三省堂」「教育出版」「光村図書」の4者を学習会で検討しました。各者の特長について説明させていただきます。まず、「東京書籍」は、目次の後に観点別の単元が分けられていることによって、単元ごとに学ぶことが表になっています。また、古典や漢詩では、古文や漢詩の部分と説明文の部分が同ページにある場合、古文の背景に色付けをし、区別しやすいようにしている点が特長です。つぎに、「三省堂」は、読み物の単元の最後にある「学びの道しるべ」で目標や単元の流れが明確に示されており、生徒が学習の見通しを立てやすく、順序立てて考えやすいという特長があります。説明文では、題名が疑問形で生徒が主題を考えたくなる内容を取り扱っており、「読み方」「書き方」などについてしっかりと説明されており、生徒が自力学習しやすいことが特長です。つぎに、「教育出版」は単元のまとまりが自然科学、伝統・文化・歴史などの項目ごとになっていて、教科横断的に学びやすい内容になっています。「持続可能な未来を創るために」という国際連合のSDGsをテーマに3年間通して考える教材を取り上げているので、社会科や他教科と関連付けて学習が進められます。つぎに、「光村図書」は、新しい書籍からの積極的な採用が多く見られます。討論の内容として、スマートフォンについて取り上げるなど、生徒にとって関心の高い題材が使われているのが特長です。
◯代表教育委員(山元行博君):事務局からの説明では、「『光村図書』が新しい書籍からの積極的な採用が多く見られる」との話がありましたが、「羊と鋼の森」という最近の作品を取り上げ、ピアノ調律師をめざす主人公の物語を題材として取り上げていることは、とても評価できます。私も続きが気になりまして映画のDVDを借りて観て感動し、こういった作品が取り上げられるのは良いと思いました。しかし、「比べて読もう」という単元では、文化、自然などのテーマについて様々な文を比べて読もうという指導要領の趣旨からは少し離れている気がします。「三省堂」は、目標や単元の流れが明確に示されており、生徒が学習の見通しを立てやすく、順序立てて考えやすいとありました。たとえば、最初の説明文「じゃんけんは、なぜグー・チョキ・パーの三種類なのか」では生徒が文に色付けをしたり、図を使ったりすることで論の展開を理解しやすくなっています。学習会での意見を踏まえ、私は、「三省堂」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「三省堂」は、巻末資料が充実しています。最後の部分にしっかりと整理されたまとめがあることで、生徒も調べたり、復習したりするときに使いやすいと思います。「読書の広場」も授業や授業以外の時間にも生徒が目を通しやすくなる工夫がされていると思います。中学で本格的に学ぶ文法についても、わかりやすくまとめてあると感じます。私は、「三省堂」が良いのではないかと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):「三省堂」は、小説の学び方についても、登場人物について視覚的にまとめて整理してあり、生徒が主体的に学ぼうという意欲を引き出す工夫が見られました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「三省堂」と「光村図書」を比べると、古典の教材を取り扱っている部分では、「三省堂」は、字も大きく、現代文を青い字にするなどの工夫が見られ、生徒にとってもわかりやすいと感じました。
◯教育長(藤迫稔君):今、中委員がおっしゃった観点と私も一緒なのですが、古文の平家物語のページを見ると、各者比較しやすいのではないかと思いました。「三省堂」は古文と現代文が二段構成になっており、古文は黒、現代文は青となっておりすっきりとしていて非常に読みやすいです。全文現代文で書かれておりますので、非常に読みやすい、理解しやすいと思いました。他者を見ると、全文現代文があるものも3段になっていまして、色合いも見ますと何か読みにくい感じ、そもそも全文の現代文がついてないところもありました。それに比べまして「三省堂」は非常に見やすいと思ってますので、私も「三省堂」が良いのではないかと感じております。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、国語については「三省堂」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、書写について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:書写についてですが、「東京書籍」「三省堂」「教育出版」「光村図書」の全4者でした。学習会での論議を踏まえ、この4者について、特長を説明します。「東京書籍」は、小学校の復習として、はじめに姿勢、筆の持ち方、道具の配置などが明示されています。また字形の整え方や字の大きさや配列に気を付けて書くことなどがわかりやすく示されています。各学年扉のページに学習内容が記されていて、生徒も見通しがもちやすい構成です。「三省堂」は、楷書そして行書と練習する材料が豊富である。1、2年生で楷書と行書の書き方を学習し、3年生では二年間の学習内容を生かして「書く」ことに取り組むという流れになっています。行書をしっかりと練習できるようになっており、全体的に毛筆の教材が多くなっています。「教育出版」は、毛筆を学習したことを受けて、硬筆でその学習内容を活用する流れになっており、全体的に教材が多く、「書写テスト」があり、三年間の学習をしっかりと確認できるようになっています。「光村図書」は、1、2年生で楷書と行書の書き方を学習し、3年生では2年間の学習内容を生かして「書く」ことに取り組むという流れになっています。毛筆で学習したことを「書写ブック」に実際に書き込めるようになっており、硬筆の練習に活かす練習につながるようになっています。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(大橋亜由美君):お手本の墨の濃淡が示されていますが、筆の運び方が明確に示されている「光村図書」がとてもわかりやすいと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「光村図書」は、授業での目標が明確に示され、それを達成するための学習内容がしっかりと設定されています。日常生活に生かせるような「手紙の書き方」「はがきの書き方」が適切であり、「送り状の書き方」「原稿用紙の書き方」などもわかりやすく、活用できると考えます。指導する現場の先生たちも使いやすいと思います。この点からも、私は、「光村図書」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):私は個人的に、書写はスポーツと同様で、良いお手本だけでなく、悪いお手本を見ることも大事だと思っています。悪い見本を見る方が、スポーツ同様わかりやすいと思います。いくらいいものを見せられてもできない子にはできないが、悪い見本を見せられると、できない子も、ああそこが悪いのかと気付くことになります。そういう観点も含めて見させていただきますと、「光村図書」は何カ所かにそういった箇所が出てきますし、全般的に「書く」という活動に特にこだわっている姿勢が見られて、全体的にシンプルでわかりやすい教科書だと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、書写については「光村図書」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、地理について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:地理の教科書は「東京書籍」、「教育出版」、「帝国書院」、「日本文教出版」の全4者を学習会で検討しました。「東京書籍」は、資料・写真が量・質とも充実しており、世界および日本の諸地域の理解を深めやすい構成となっています。「教育出版」は、さまざまな言語・宗教と人々の暮らしの単元で、多くの資料を活用し、多様な文化を尊重する内容となっています。「帝国書院」は、教科書の最初の部分で、学習の仕方、地理的な見方・考え方、学習の全体像の見通し等が明確に示されております。「日本文教出版」は、世界の諸地域、日本の諸地域では、地形や気候などの自然環境や歴史などで州や地方を大観した後に、特色ある内容を学ぶ構成となっています。
◯代表教育委員(山元行博君):私は、生徒に大阪のことをもっと好きになって欲しいという思いがあり、4者の中で、大阪万博や古墳の世界遺産登録など、大阪に関する最新の情報が記載されているのが「日本文教出版」です。災害についても、ハザードマップについて詳しく掲載してくれていますが、全体を見た時に「東京書籍」は、写真・資料が豊富で、子どもたちにとっては使いやすいかと思いました。地理の授業は、いかに場面を見せるが重要ですので、生徒の興味・関心を高め、学習内容への理解を深めるための工夫が見られる「東京書籍」が適していると考えます。
◯委員(大橋亜由美君):「東京書籍」は、「地理にアクセス」のコーナーが設置され、世界の諸地域の課題や文化が取り上げられ、多文化理解への学びの深まりが期待できます。「東京書籍」が適していると考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「東京書籍」は、写真・資料が豊富で、比較的新しいものが多く、学習内容への理解を深めるための工夫が見られます。単元の導入のページに掲載されている地図もサイズが大きく、生徒の興味関心を高めることにつながると思います。「東京書籍」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):地理の学習では、写真・資料が豊富であることも大切ですが、その配置も大切だと思います。採用されている資料と本文の内容がうまくマッチしており、授業で生徒の興味関心や理解を深められるものが多いというように思いましたので、私も「東京書籍」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、地理については「東京書籍」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、地図について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:教科用図書「地図」を活用することについては、新学習指導要領において、基礎的な地理的知識、地理的な空間認識や地理に関する情報を活用する力である「地理空間情報リテラシー」の向上、グローバル化への対応などが求められるようになりました。たとえば、地図の読図や作図、景観写真の読み取り、地域に関する情報の収集や処理などの地理的技能を身に付けるにあたっては、教科用図書「地図」を十分に活用しなければなりません。「東京書籍」、「帝国書院」の全2者について検討、比較しました。「東京書籍」は、世界の各州および日本の各地方の特徴的な事象をグラフや写真を用いて生徒がそれぞれの地域の学習を深めるために工夫されています。大震災や津波に関する資料など、多くの資料が掲載され、活用できるよう設定されています。世界の諸地域および日本の諸地域に「テーマ資料」が掲載され、資料をもとに多面的・多角的な思考が可能な内容となっていますが、単に地図としてではなく地図プラス資料集、としての使い方が考えられるものの、地図としては少し見にくいという意見も見受けました。「帝国書院」は、サイズが大きいので見やすいということ、地図活用という項目があり自主学習に生かすことができること、「高い低い」が色の「濃い薄い」で表現されているなど非常に見やすい配色となっている点が優れているという意見が多かったです。高地と低地など地形が分かりやすく配色され、見やすく活用しやすいという点については、東京書籍の113ページと帝国書院の109ページを比較すると、日本アルプスのより高い箇所が配色によってつかみやすいことがわかります。また、全体的な地図の配色も見やすいようになっております。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(中享子君):「帝国書院」は、まずサイズが大きいので見やすいということ、そして、地図活用という項目があり自主学習に生かすことができる点、「高い低い」が色の「濃い薄い」で表現されていて非常に見やすい配色となっている点が優れていると思いますので、「帝国書院」が良いのではと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):「帝国書院」は、地図上にある「地図活用」の問いを活用することで、生徒の興味・関心を高めるよう工夫されています。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):都道府県の地図上に、産業、交通、環境、文化・歴史等の情報が豊富に取り上げられ、地図や資料上、特に難解なものはなく、中学生の使用に適していると思います。以上のことから、「帝国書院」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):地図は、内容も大事ですが、配色もよく、わかりやすくて子どもたちにとって見やすいものであることが大事だと思います。「帝国書院」は、国名・都道府県名の文字が大きく、フォントのデザインも明瞭であり、統計資料上で地域ごとに配色を変えるなどの工夫が見られ、幅広く活用できると考えます。学習会での論議も踏まえ、私は「帝国書院」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、地図については「帝国書院」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、歴史について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:歴史の教科書は「東京書籍」「教育出版」「帝国書院」「山川出版社」「日本文教出版」「育鵬社」「学び舎」の全7者を学習会で検討しました。7者の特長を説明します。「東京書籍」は、図や資料等と文中の番号とがリンクしており、見やすくなっています。また、資料や写真が大きく掲載されており、見やすく配置されています。「教育出版」は、「歴史の窓」や「歴史を探ろう」などで、その単元の学習で得た知識を生かして、さまざまな視点から歴史をとらえられるようになっており、生徒が興味をもって取り組める内容になっています。「帝国書院」は、タイムトラベルで書いてあるイラストから時代を俯瞰することができ、前後の時代と比較し特色を考えることができるようになっています。「山川出版社」は、資料や図、写真等などが精選されているため、内容を深められるものになっており、生徒が興味を持って取り組めるようになっています。「日本文教出版」は、巻末の年表が大きく、生徒にとって見やすいものとなっています。世界の動きも詳しく載っているとともに外国のつながりの項目もあり、日本と世界のかかわりが見やすい構成となっています。「育鵬社」は、史料が大きく配置されており、本文の内容を読み解く上での参考になり、生徒が歴史学習への関心を高められるものになっています。「学び舎」は、全ての章を「章の扉」、「本文」、「章をふりかえる」という流れとし、最後に学習のまとめを配置するという形で構成することによって、対話的で深い学びへの手立てとなっております。
◯代表教育委員(山元行博君):どの教科書も資料を多用するだけでなく、資料活用能力を高めるために、それぞれ工夫したコーナーを作っています。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):今、代表が言われましたように、たとえば「育鵬社」の「歴史にビュ~」「虫の目」、「教育出版」の「歴史の技」、「山川出版社」の「歴史を考えよう」、帝国書院の「歴史にプラス」、「日本文教出版」の「チャレンジ歴史」、「東京書籍」の「もっと歴史」など、ほんの一例ではありますが、各出版社とも非常に工夫をされておりまして、それぞれ資料を段階的に取り組むことによって対話的で深い学びへの手立てになっているというのが私の全般の感想です。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):資料の活用という観点では、QRコードから資料へとアクセスできるかということも箕面の中学生にとって大切だと考えます。「東京書籍」「教育出版」「帝国書院」「山川出版社」「日本文教出版」にはQRコードからの資料活用に工夫が見られ、生徒が歴史をもっと詳しく学ぼうという意欲につながると思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):私も見ていた中で、コラムの中で特に女性について扱ったコラムが特徴的だったと思っています。「育鵬社」が女性について扱ったコラムが多かったのですが、「なでしこ日本史」というコラムでは、女性史という名目で特別のコラムを多数扱っておられます。「日本文教出版」の女性史コラムでは、女性にまつわる人権といったものを取り上げていこうという意欲が見られましたし、「山川出版社」では津田梅子が6歳でアメリカに渡った時代に活躍した日本の女性を調べてみようというコラムがあり、なかなか面白いと感じました。いろいろ女性について扱っているところが良いと思っていたら、他の委員さんから特別に女性だけ取り上げているのではなく、全般的に見て、女性のことが歴史に載っているだけのことではないかと言われ、そういう見方もあるのだと少し反省したところでございます。私は「育鵬社」は戦争中の出来事に特化してお手紙などを載せておられて、私は読んだら涙が出ます。私が幼い頃は戦争中の出来事についての資料を見ながら育ってきた感じがしますが、今の子どもたちにそういった気持ちが伝わるのかどうか、伝え方がちょっと違うのではないかという印象を持っています。社会の教科書というのは国民のおよその意思統一を図っていくもので、およそ教科書の通り国民は生きていくので、その部分については少しバランス的な配慮がいるのではと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「東京書籍」は、各ページに地歴公民に関する部分や、他教科に関することなど、一目見てわかるようになっていると感じました。他教科との関連も重視し、教科を越えた横断的な学びに結びつけられるようになっていると感じました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):「東京書籍」は、年表が効果的に表示されていて、歴史の学習に苦手意識を持つ生徒も取り組みやすいと思います。写真や資料、文献の紹介など、効果的に配置されていて、生徒の興味・関心を高め、学習内容への理解を深めるための工夫がよく見られます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):今、大橋委員が言われたことと関連するのですが、歴史は一つひとつの題材を深く掘り下げるということも大切だと思うのですが、一定の時間軸で流れをしっかりつかむことが非常に大切ですし、歴史の苦手な生徒は、一つのことはわかっても、全体の中のどこに位置するのか、それによってどうなったのか、それは何によってそうなるのか等、一定軸を示してあげないとなかなか入りにくいのではないか思っております。「東京書籍」は章ごとに一定の年表が出てきますので、その都度確認しながら、今学んでいることが非常にわかりやすいですし、歴史が苦手な生徒にとっても全体像がわかるという意味で非常に良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「東京書籍」は、歴史学習が苦手な生徒でも、学習のまとめができるような工夫が見られました。たとえば、96ページのXチャートとYチャートなどは、このように分類して学習を進めるとわかりやすという良い例だと思います。時代の特色などを具体的に捉えるための技法を紹介されている「東京書籍」が良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):総合的に見て、ご意見の中で「東京書籍」が良いかと思われますが、他にご意見、ご質問はありますか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、歴史については「東京書籍」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、公民について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:公民の教科書は「東京書籍」「教育出版」「帝国書院」「日本文教出版」「自由社」「育鵬社」の全6者を学習会で検討しました。6者の特長を説明します。「東京書籍」は、各章の最初に「導入の活動」と単元を貫く「探求課題」が設定されており、楽しみながら見通しをもって学習できるようになっています。「教育出版」は、各章の最初の見開きページに「学習の初めに」が設けられており、漫画・イラスト・資料を読み解く活動などを通して、学習内容、学習のねらいを捉える工夫がされています。「帝国書院」は、各見開きは、「導入→学習課題→本文→確認しよう・説明しよう」という展開で統一し、構造化することで、学習内容の定着が図れる工夫がされています。「日本文教出版」は、「アクティビティ」のコーナーを随所に設けて、思考力・判断力・表現力の育成を図るように工夫されています。「自由社」は、論理的に分かりやすい文章で構成されており、難しい用語の説明も丁寧にされており、自宅学習などでも活用しやすくなっています。「育鵬社」は、各章の初めの見開きに「~の入り口」があり、関連資料、学習内容に関する疑問点・推察の提示から学習する内容への導入となり、各章末に「~のこれから」という項目が設けられており、資料活用やロールプレイを通して学習内容の振り返りができるよう工夫されています。
◯代表教育委員(山元行博君):私が見た中で、特に「自由社」は「アクティブに深めよう」や「学習のまとめと発展」では関連する資料を活用したり、調べた内容をまとめたりする活動ができるよう工夫されています。特に経済のところで  教育行政の説明が一番わかりやすかったかと思いました。「育鵬社」はイラストや図など多く使用し、新聞記事を活用することによって、生徒が興味・関心を持てるよう工夫されていると思います。他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):「東京書籍」は、欄外の写真やイラストが見やすく、本文中の難しい用語に関しては、欄外に解説を設けるなど、生徒が理解しやすいよう工夫されています。「教育出版」は、各ページの下に小学校での学習内容との関連、地理分野・歴史分野とのつながりやSDGsの視点が示されていて評価できると思います。
◯代表教育委員(山元行博君):あと、特に地方自治の単元が気になりました。大阪が頑張っているまちだということについて、ちゃんと取り上げられているのかという点で見ていきました。特にこの11月に予定されていると言われている大阪都構想などは子どもたちもテレビで見聞きしているので、それが載っているのかということが気になりました。「大阪都構想」という文言の記述があるのは、「日本文教出版」と「帝国書院」だけでした。あとはその言葉自体載っていないのが残念でした。住民投票や直近の事例も含めて、細かく載せているのは「日本文教出版」だけでした。大阪都構想の解説と沖縄の住民投票を資料に載せていましたが、他者はそこまで扱っていなかったと思います。改正民法により来年4月から成年年齢が18歳に引き下げられますが、その問題についても新聞記事を資料として載せて、わかりやすく記述している点も「日本文教出版」の評価できるところです。院内学級についての記述は「日本文教出版」と「東京書籍」が載せていて、夜間学級についての記述は「日本文教出版」が載せているといった配慮も含めて「日本文教出版」が良いのではと思います。資料を載せている中で印象的であったのは、大阪府八尾市などの中核市の説明がわかりやすかったです。中核市は保健所が単独で設置されていること、教職員の研修権を独自で持っていることなどと説明がありましたが、これは、ちょうど箕面市を説明するときにすごくいい資料だと思いました。箕面市では北摂三市二町で教員採用試験を実施しており、八尾市よりも大きな権限を持っているということを子どもたちに説明できるので、中核市の説明資料を載せてくれていることがありがたいと思いました。特に教員採用試験というところまで中学校の先生方が取り上げてくれたらいいと思います。大阪府・大阪市・堺市と三市二町で戦っているので、そんなところも見取っていただけたら非常にありがたいと思い「日本文教出版」が良いと私は思います。 
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):今、地方自治の話がありましたので、私も地方自治の観点で各者の教科書を見させていただきました。選挙権が18歳に引き下げられ、中学生にとっては政治に参加するということがそれほど遠い将来でなく、手の届くところにあるので、ぜひ政治に関心を持ってもらいたいと思ってます。余談になりますが、選挙権が18歳に引き下げられた時に、日本で一番最初に投票した女子高校生が箕面市の女子高校生なのに、残念ながらどこの本にもその写真が載っていないのは非常に残念でした。政治に関心を持って欲しいと言いながら、国政についてはメディアで取り上げられているので、わりと子どもたちは、国ってこういう風に動いているんだと理解できるのですが、一番身近な地方自治はなかなかメディアに露出してこないので、どんな仕組みになっているのか子どもたちにはわかりにくいと思います。身近にあるまちづくりに参加できるにも関わらず、それがメディアではわからないとなると、学校でしっかりと教えていかなければいけないという観点で教科書を見ました。子どもたち自身がまちづくりに参加するという活動がまず組み込まれているのか、それが結果としてどのような形で政治参加に到達させようとしているのかという観点で見たところ、「帝国書院」の場合は「自分が住むまちの予算案を考えよう」というのは面白いと思いましたし、「東京書籍」の「市長になって条例を作ろう」というのも、「条例」という非常になじみにくい言葉が出てくるので、出口としては非常に面白いと思いました。一方で「日本文教出版」がいいと思ったのは、千葉県船橋市のこども未来会議室を具体的に取り上げ、自分たちが市長に提言すれば実現する政策があるという、まずそこで感心を引いてますね。何か動いたら形になることがあるということに気付かせて、かつ、その上で私たちが市長になったらという切り口で市長公約を考えたり、市長の公約を分析するという取り組みをさらにそこに重ねた上で最終的には「自分たちのまちの首長を選ぼう」という国民の義務である選挙という政治参加手法にしっかり繋げている点がとても素晴らしいと思いました。さらに言えば、ここに至るまでのページ、学びの中で、「15歳は子どもなの、それとも大人なの」とか、「あなたのまちの財政を調べてみよう」というのが段階的に取り組まれた中で、最終的に「自分たちのまちの首長を選ぼう」というところの活動に繋げているということで、何度も言いますが、中学生にとって政治参加は遠い将来のことではないということを気付かせるなど、将来の社会を担う中学生のために、地方自治についての内容が工夫されているのを強く感じましたので、私も「日本文教出版」が優れていると思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):私は「帝国書院」は生徒が識別しやすい色や模様を使用しているカラーユニバーサルデザインの配慮の点、「日本文教出版」は随所にイラストや漫画を使うことで親しみが持て、学習意欲が向上するよう工夫されている点が良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):私は人権に関する内容、写真や資料をもとにした記述は、他者よりも「日本文教出版」がすぐれていると感じました。中学生が公民を学ぶにあたり、人権的な視点は非常に大切だと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):ないようですので、公民については「日本文教出版」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、数学について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:数学は、「東京書籍」「大日本図書」「学校図書」「教育出版」「啓林館」「数研出版」「日本文教出版」の全7者を学習会で検討しました。学習会で特に検討を深めていったのが、「東京書籍」「啓林館」「教育出版」の3者です。「東京書籍」については、数学的な見方・考え方を示すことで、事象を論理的に考察し、数量や図形等の性質を見いだし総合的・発展的に思考・判断・表現することができる内容となっています。挿絵、図、表などの資料が発達段階を考慮したものになっており、具体的な活動から抽象的な思考へと、段階的に適切な資料が取り扱われています。「学習したことを日常生活に活用する場面について取り上げている」箇所が64箇所と多く、箕面市の子どもの学力の課題である、「学習したことを生活で活用する力」をつけるのに適すると考えます。「啓林館」は、基礎的な概念や原理・法則等を理解し、数学的に解釈したり表現・処理する技能が身に付くよう、適切な課題が設定されています。また、生徒が数学的な表現力を養い、問題解決の過程を振り返ることができるように、吹き出しでの問いかけやアドバイスが書かれています。「自分から学ぼう編」の「学びをいかそう」では、課題提示から自分や周りの考えをまとめ問題解決できるように工夫されています。「数研出版」は、文章の記述や量について、生徒の発達段階を考慮した内容となっているのが特長です。数学的な表現力を養い、問題解決の過程を振り返ることができるように、吹き出しでの問いかけなど、工夫がみられました。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(大橋亜由美君):「東京書籍」は全体的に問題数が少ないという点が気になります。ワークの問題演習もすぐに終わってしまうのでないかと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「啓林館」は、適切な問題数であると感じました。さまざまな難易度の問題が含まれており、繰り返し演習を重ねていけるように工夫も感じられました。より幅広い生徒に対応していると考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):私が「啓林館」の教科書を見て気になったのは、巻末の問題のページが最終ページから始まっていることによって逆開きになっています。これは、使いにくいのではないでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):私は逆に、巻末の問題のページが、逆開きになっていることで、メリットもあると感じました。具体的に言うと、授業で本編の学習、練習問題などが終わってから演習の早い生徒などが先に終わってしまい、巻末の「自分から学ぼう編」の「力をつけよう」の演習に取り組むなどをすると、逆開きにしかも縦に開くことによって机間巡視する教員から見ても、生徒のたちの教科書の開き方が違うので、問題演習をどれくらい先に取り組んでいるかが、見てとれるので、視覚的に生徒の状況について把握できるという利点があると感じました。
◯代表教育委員(山元行博君):私も最初、いろいろな学習会で教科書を縦にして見なければいけないのはどうかと言ったのですが、髙野委員は高校で数学を教えているので、教科書を縦にしたらこの子は次の演習に進んでいることが分かるというのが理解できました。なるほど、そういう利点があったのかと気付きました。もう1つは数学の今回の指導要領の改訂が気になっています。これまで高校で数学で学習していたことを中学校で学習することとなってしまったので、例えば「箱ひげ図」などといった用語が出てきて驚きました。この中で「箱ひげ図」を実際に高校で教えているのは髙野委員だけですが、これまでの高校数学の分野を中学校で学習することについてはいかがですか。
◯委員(髙野敦子君):今回の指導要領の改訂で、高校数学の内容が順次中学校に移っていくものもあるかと感じました。これは「啓林館」だけではなく、例えば「数研出版」や「東京書籍」でも該当しますが、高校数学の内容が特に中学三年生の教科書にいくつか登場してるということがありました。「啓林館」の中学三年生を例にあげて意見を言わせていただくと、「自分から学ぼう編」には「√2は無理数なのか」という内容が取り上げられてます。これは実際に高校一年生の授業で学習する「背理法」について述べられたものなのですが、非常にわかりやすく、中学校で習ったことを高校の学習で学んでいくのだと感じ取っていけるのではと思いました。高校数学の内容を扱うというのは難易度の高いことをしているというイメージで捉えられやすいのですが、コラムなどで扱うことによって中学の教科書で習ってはいないけれど、こんなことを書いてあるなと目にしておくと、実際に高校に進んで例えば「√2は無理数なのか」という問題に出会ったときに、どっかで見たなという風に感じるとそれだけでも興味関心がわくかなと私は思いますので、いい仕掛けだなと感じました。また、学習指導要領が変わった中学一年生について、「啓林館」では最初の学習単元では、正負の数、自然数、素数など数の概念を学んでから素因数分解の学習へと進んでいくという組み立てになっているところも良いと感じました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「啓林館」は、QRコードのあるページが多数用意されていて、そこから、学習の役に立つ情報、デジタルコンテンツ、資料などをすぐに見ることができるのが良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、数学については「啓林館」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、理科について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:理科の教科書は5者から発行されておりますが、学習会での意見をふまえて、「啓林館」、「学校図書」、「大日本図書」の3者に絞って、説明いたします。「啓林館」は、章の最初に内容に関係した自然事象を掲載し、生徒の関心をひくと同時にその章でどのような事を学習するのか説明しています。課題提示、観察実験、考察、まとめ等が生徒にとって、読みやすく配列されています。試薬の反応など細かなところまでわかりやすく書かれています。「ためしてみよう」ではやや発展的な実験を中心に取り扱っています。「学校図書」は、冒頭で各単元の目標から科学的な思考が身に付くことを生徒でも分かるように説明しております。授業の1時間ごとの課題が示されており、課題を解決するための「見方」「考え方」から生徒が自ら答えを導けるような工夫がされています。実験ページでは、文字のフォントをあえて小さくすることで、全体が見やすくなっています。「大日本図書」は、各単元において実験も含め、興味を持たせるような課題でそれに対する補足説明も充実しています。「くらしの中の理科」では、身近な現象から学習を深めたり、各国の気象データから外国の自然や文化に触れられる工夫がされています。
◯代表教育委員(山元行博君):教科書をパッと見た時に「東京書籍」のサイズが大きいことに驚きました。理科は教室を移動する科目なので持ち運びがちょっとしんどいなという印象を受けました。「大日本図書」は、理科室のきまりについて、詳しく丁寧に載せておられて、実験でガスバーナーからガスコンロへの移行が進む中、ガスコンロの使い方についても触れられています。毎年理科の実験で大きな事故が起きていますので、そういった実験ミスや事故を予防する視点からも、「大日本図書」がいいのではと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「啓林館」はQRコードからの発展学習にも力を入れているし、学習のまとめのコーナーは楽しく読むことができます。理科が苦手な生徒にとっても使いやすいのではないかと思います。「大日本図書」は、「くらしの中の理科」のコーナーでは、自分たちの身の周りの現象に興味や関心をもって学習を深めることができるように思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「大日本図書」は、全体的に見ても非常に見やすく、内容も工夫していると感じました。単元末には、探究活動とまとめ、発展学習を取り入れているところも良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):とりあえず、ずっと見てきた中で、理科は事故等が気になったので、安全に行われることが第一だと思います。一年生の最初に理科室のきまりということがきちんと載っていて、各学年でもきまりがきちんと載っている「大日本図書」が良いと思いますが、他にご意見はございますか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、理科については「大日本図書」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、音楽について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:音楽(一般・器楽)の教科書は、「教育芸術社」と「教育出版」の2者から発行されています。この2者の特長を説明します。「教育芸術社」は、「君をのせて」「やさしさに包まれたなら」「レットイットビー」など、テレビや映画などで聴いたことがある、生徒にとって馴染みのある曲が多く記載されており、「学習の動機づけ」としては、有効であると思われます。「教育出版」は、見開きページの左側に「学習のねらい」とより具体的な学習のポイントが明記され、学びの連続性や学びを深めていくことができるような工夫がされています。また、どちらの教科書も単元や毎時間の目標を明確に提示され、補足の説明・解説なども分かりやすく示されています。教育出版では「学びのユニット」という円形での提示がされています。学習する曲や活動が中心に明記されていて、学びのねらい、学びを生かして比べる曲、学びの手がかりとなるヒント、学びを深めるための曲や活動が書かれています。歌唱や鑑賞において、学習のねらいや他の曲との関連を確認しやすくしていることで、学びの連続性や学びを深める有効な手立てとなっています。一方で、「教育芸術社」では、小学校でも取扱いのある曲には、同じ曲でも学年によっては学習のねらいや課題設定を変えることで違った気づきがあり、技能や表現力を高め、自分たちで自分たちの成長を感じられるような利点があります。先ほどの「教育出版」の《内容の取扱い》は階段をのぼるような学びのイメージに対し、「教育芸術社」はらせん状に学びを積み上げていくというイメージです。どちらも、生徒の「学びに向かう姿・人間性等」を育むという点で十分優れていますが、生徒にとって学びやすい・指導者にとって扱いやすい教科書という点では、「教育出版」の「学びのユニット」は、簡潔に提示されていて視覚的に捉えやすく、指導する上でも有効な手立てと思われます。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯教育長(藤迫稔君):今、事務局から説明がありましたけれど、新学習指導要領に明記されている「音楽科の目標」や、「育成すべき資質・能力(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「学びに向かう力、人間性等」)」を学年ごとの発達の段階に応じてどう育んでいくのかを、議論・検討してきました。それらを総合的に勘案しても「教育出版」が良いと考えています。
◯代表教育委員(山元行博君):私も、国歌「君が代」を扱っている箇所では、国歌に関する解説や、写真を工夫するなど、生徒が学びやすいと思いました。また、最近注目されている音楽療法やアウトリーチについても触れられており、いろいろな方面で最近のものを取り扱っているということで、「教育出版」が良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「教育出版」の教科書は、楽典のまとめについても、専門的な内容をわかりやすく表示されており、子どもたちの理解につながるので、私も、「教育出版」が良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「教育出版」の教科書は、楽器の写真が多いことや、リコーダーの演奏方法に関しても、わかりやすい資料として一覧表が表示されていました。伝統舞台芸能と音楽の関わりを学べるページもあり、私も、「教育出版」が良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、音楽(一般・器楽)については「教育出版」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、美術について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:美術の教科書は「光村図書出版」と「日本文教出版」と「開隆堂」の3者になります。【目標・内容の取り扱い】の観点について、「光村図書出版」は、一つの題材で表現と鑑賞を一体的に学べるような構成になっています。「日本文教出版社」は、各題材ごとに「作者の言葉」で主題を生み出すための発想や構想の方法を示し、美術に対する見方、考え方を深められるようになっています。「開隆堂」は2,3年の「暮らしに生きる美術」では、美術が社会で実際に活用されている事例を紹介するなど創意工夫が見られます。「光村図書出版」は、美術家やデザイナーなどの社会で活躍する作り手の活動や言葉が示されており、生徒の職業意識、勤労を重んずる態度が養われるよう配慮されている。「日本文教出版」では、2020東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムがシンボルマークの作品例として取り上げ、美術科の学習が身近な話題と結びついていることを意識できるよう工夫がなされています。
◯代表教育委員(山元行博君):北斎、ゴッホ、ピカソなどの作品が掲載されているが、教科書によって大きさ、濃淡などが違うように感じました。北斎の描いている波、ゴッホの盛り上がってくるようなタッチなど、非常に印象深い写真は、子どもたちへのインパクトが強いと思います。私は、「日本文教出版」が良いと考えます。他いかがでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):私も「日本文教出版」の写真がとても良いと思いました。立体感も伝わってきます。鑑賞の活動内容で1年「屏風、美のしつけ」では、実際にページを折り曲げて鑑賞できるようになっており、奥行きなどの見え方の違いを認識することで、屏風ならではの美しさや工夫について考えられるよう配慮されています。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。   
◯委員(中享子君):「光村図書出版」は、絵を描いたりものを作ったりする時に制作過程がわかる資料があり、美術が苦手が生徒にはわかりやすく参考になると思いました。「日本文教出版」は1年生の最初にアニメーションの制作過程が載っていて、コンピュータを使って絵を描くことが身近に感じて良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。 
◯委員(髙野敦子君):「日本文教出版」は、各題材ごとにおいて、「作者の言葉」で主題を生み出すための発想や構想の方法などを示し、美術に対する見方や感じ方を深められるよう扱われていると感じました。単元名も生徒にとって親しまれやすいキャッチコピーのような工夫がなされていると感じました。
◯教育長(藤迫稔君):各者のものをパッと比較した時に、「日本文教出版」で紹介されている作品は全般的にダイナミックでインパクトが強いと思いました。写真も絵も非常に綺麗な感じがしますし、太陽の塔を含めて大阪の事例も多く、子どもたちが身近なものとして捉えられ、興味関心を引いていいのではと感じました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、美術については「日本文教出版」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、保健体育について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:保健体育の教科書は4者から発行されていますが、「東京書籍」、「学研」の2者に絞らせて説明をさせていただきます。まず1点目として、内容の取り扱いや配列において、子どもにとって分かりやすく、学習意欲を高める工夫があるかについてご説明します。はじめに、「東京書籍」ですが、見開き2ページを1単元時間とし「1.見つける」「2.学習課題」「3.課題解決」「4.広げる」の4ステップを学習の流れに沿って配置されています。学習の流れのラインが明確にされており、生徒が見通しをもって学習に取り組めるよう構成されています。「学研」では、章の初めに、その章で何を学ぶのかが明確に示してあります。学習の見通しが持ちやすい工夫になっております。課題をつかみ、その解決に向けて知識や情報を基に考えたり話し合ったりしながら学習を進められるよう配慮されています。次に、人権的な配慮がなされていることについて、ご説明します。まず「東京書籍」ですが、章末資料に「性の多様性」が掲載されており、個人を尊重するよう配慮されています。共生の視点を重視し、スポーツを通した多様なかかわり方を紹介しているものが多く、理解しやすいように「口絵」が多く掲載されています。発育・発達には「個人差」があることを本文の随所に記し、「自分らしさ」「その人らしさ」を尊重できる資質・能力の育成に努められるよう配慮されていることがうかがえます。「学研」は、「性とどう向き合うか」という単元では、性的マイノリティの生徒にも配慮された文章表記がされています。また、異性に重点を置くのではなく、一人ひとりの体と心が違うこと、多様な考え方があることを理解させ、お互いを尊重した関係を築けるよう配慮されています。オリンピック、パラリンピックの意義や価値等については、充実した内容で、工夫されているだけでなく、パラスポーツ等の扱いもあり、スポーツの多様性や多様な関わり方が示されています。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(中享子君):資料についてですが、「東京書籍」のイラストの中には、個人差がある身体について一般化されていて、中学生にとって少し抵抗感、嫌悪感を感じるようなものであるように感じました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):「学研」は、子どもの成長過程での身体の成長と心の成長をわかりやすく説明してあると思いました。おとなへの過渡期である時期にストレスとどのようにつきあっていくのか、向き合っていくのかという具体的な方法も、教科書の前半に詳しく書いてあるので良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):保健体育の教科書は、授業時間以外にもページをめくって読んでみたくなるような、実生活において身近な話題の部分があると、中学生にとって学びがある1冊になるのではと思います。また、生徒が学びやすく、教員が教えやすい教科書としての観点からも、「学研」の教科書が良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):「学研」はデジタル教材が充実していて、QRコードによって発展的な学習を進められるようになっているように思いました。また、すべての単元で、「学習の目標」が、見開きの内容で示してあり、学習内容がわかりやすく、学習の見通しを立てて本文と資料を関連させながら学習を進めることができるよう配慮されています。生徒にとっても、はじめに目標が分かり、学習の見通しが持てることは大切なことだと感じています。実生活に生かせる内容や身近な情報や健康課題など、とりわけ私が注目したのは、多様性の観点で言うと、LGBTの当事者を登場させてかつ丁寧に説明されているところ、あるいは、「性とどう向き合うか」からこころの発達のあたり、中学生の子どもたちが非常に自分ごととして捉えられるような内容になっていまして、多くのページを使って丁寧に書かれておりますので、これらを総合的に勘案して、「学研」の教科書が良いのではと考えております。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、保健体育については「学研」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、技術について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:技術の教科書は3者から発行されております。「東京書籍」、「教育図書」、「開隆堂」についてご説明いたします。「東京書籍」は、授業の目標が、「知る」「理解する」「まとめることができる」など内容に合わせて表示され、具体的活動目標は、「やってみよう」「調べてみよう」で掲載されています。単元ごとに、作業手順や、履修内容の順番が適切に組まれており、学びと復習が行いやすい形に工夫されています。飼育や生産の単元では、テクノロジーの進歩と現代社会の関係について、スマート農業をとりあげ、子どもたちに考えさせるように内容が構成されています。「教育図書」は、本冊とハンドブックの2冊で構成されています。他教科や小学校での学習と関連している箇所を、学習項目の冒頭にマークで示しています。ハンドブックは本冊の題材に合わせて基礎的な技能を参照できるようになっています。「開隆堂」は、見開きで実習の流れが確認できるよう工夫されています。各内容の扉のページで他教科や小学校での学習との関連を示すとともに、ページ下部の「豆知識」では、用語解説や技術の工夫が紹介されています。
◯代表教育委員(山元行博君):情報モラルに関しては、「東京書籍」は、6ページにわたって取り上げています。子どもたちにとって身近な具体例、注意すべき点として、わかりやすく書かれているように思います。他者では、取り扱いは少ないので、大きな特徴だと思います。また、木工の一覧表についても、優れていると思います。木の断面に絵ではなく写真を使用し、材料の特性や利用例など具体例が紹介されています。東京書籍は非常にわかりやすかったと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):「東京書籍」は、写真やイラストもわかりやすくて、学習資料としては、新しい写真を掲載していることが多く、適切だと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「東京書籍」は、作業手順が完成に至るまで、写真や図を豊富に使ってわかりやすく掲載されていて、生徒が見通しを持って作業ができ、実習では参考になると思います。私も「東京書籍」が良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、技術については「東京書籍」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、家庭科について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:家庭科の教科書は、「東京書籍」、「教育図書」、「開隆堂」の3者から出版されています。「東京書籍」は、小学校で学んだことと、中学校で学んでいくことが示されており、小学校での学びと中学校での学びがどのようにつながっているのかがわかりやすく明記されています。また、ページ毎に「キーワードチェック」があり復習時に便利であるという意見もありました。実習ページに「私のオリジナル」を設けており、生徒一人ひとりの工夫を促すことができるようにされています。デジタルコンテンツが大変充実しており、QRコードを読み取ると、動画が開始されます。「教育図書」は、「めあて」に対応した「ふり返る」があり、毎回の授業での評価を確認することができるようになっています。地域や社会で活躍している人や、専門学校へ進学した先輩など、学習内容に関わりのある人たちからのメッセージ「センパイに聞こう!」を掲載し、家庭分野の学習内容への生徒の興味関心を引き出す工夫がされています。「開隆堂」は、「小学校での学び」が示されており、小学校からの学習のつながりがわかりやすく書かれています。学習の内容に合わせた問いかけが毎回用意されており、学習の動機付けとして活用できます。ただ、文字や写真が小さいこと、そして被服実習等で重要なデジタルコンテンツがないことが2者との大きな差です。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯委員(大橋亜由美君):「東京書籍」は、目標と「生活に生かそう」が対応していて、生徒が学習で達成したい目標が明確になっています。各節ごとに「キーワードチェック」があり復習時に便利だと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):着物の着付け、裁縫についての内容が「東京書籍」は詳しく書いてあり、子どもたちが主体的に学べる工夫が感じられます。学習会の意見を踏まえて、「東京書籍」が良いと考えます。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「教育図書」と「開隆堂」は、使われている写真が少し現代風ではないものが多かったように思います。「東京書籍」は資料として新しい写真や男女のイラストをバランスよく取り入れていて良いと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):私は災害の分野のところに注目して見比べてみたのですが、災害への備えや避難だけでなく、救済者の立場ということが取り入れられているところに注目しました。平成25か26年あたりの豪雨で箕面市も大きな被害を受けました。その時に箕面市立第二中学校の体育館がいっぱいになるほどの、今までにない人数の避難者が来られて、NHKなどでも大々的にニュースとして取り上げられるということがありました。そのニュースを見て第二中学校の子どもたちが何人も学校に来て「自分たちに手伝えること、できることはないですか」と申し出たことに、われわれ教育関係者は、うちの学校の生徒たちはまんざらじゃないなと大変喜びました。そういう意味で教科書をざっと読んでいった時に注目する動機となったのですが、「開隆堂」の中でも生活に生かそうということで体育館を避難所として地域の人々が1週間生活することになった時に、避難者がが居心地良く過ごせるために、中学生としてできることをまとめようと、実際にこうすればいいのかということを1ページ使って書かれています。これは良いと思ったのですが、もう少し踏み込んで丁寧に書かれていたのが「東京書籍」で、中学生が被災地にできたことというところで、実際に福島県や宮城県で災害が起こった時に中学生がどんなことをしたのか、どんな役割を果たしたのか、やろうと思った理由は何なのか、やってどう思ったのかということなどを示したうえで、実際に避難所や仮設住宅で暮らす人々について、一体私たちはどんなことをしたら問題が解決できるのかということを考えさせる工夫が、2ページにわたり丁寧に書かれています。子どもたちが救済者になるということは非常に難しく、まだ中学生なのでまず自分の安全を守るべきだという観点はありますが、いざとなった時に地域のかたやいろいろな人の力になれるんだということを教科書で学ぶことができるのかなと思っていますので、「東京書籍」が優れているのでは思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、家庭科については「東京書籍」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、英語について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:中学校外国語科(英語科)の教科書について、「東京書籍」のNEW HORIZON、「開隆堂出版」のSUNSHINE、「三省堂」のNEW CROWN、「教育出版」のONE WORLD、「光村図書出版」のHere We Go!、「啓林館」のBLUE SKYの6者となります。各者のどの教科書も、新学習指導要領にある「主体的・対話的で深い学び」をめざしたつくりになっていて、申し分のない教科書であるというのが調査員の意見でした。また、どの教科書も、今年度教科となった小学校外国語科との連携、小中接続を意識したつくりとなっています。それぞれ優れている点があり、甲乙つけがたいのですが、3年間の学習の見通しが明記されている点、1年生から人権の取り扱いがあるという点を含めて、調査員会議で特に評価の高かった「東京書籍」、「開隆堂」、「光村図書」の3者の教科書について、ご説明いたします。評価のポイントは、「主体的・対話的で深い学び」です。具体的には、「小中の接続」「3年間の見通しと段階的な学び」「自主学習」で、「学習者にとって学びやすいつくりか」「主体的に学び、取り組みやすいか」という観点でご説明いたします。まず、「東京書籍」のNEW HORIZONです。A4版で見やすく、巻末にはこのようにCan doリストが載せてあり、ゴールがはっきりと記されています。Can doリストは「~できる」という形で表記されており、このリストを見て子どもたちは目標を確認したり、学習の到達状況を振り返ったりすることができます。この教科書には、3学年分のCan doリストがあり、卒業時までの姿を共有することができます。小学校のCan doリストも掲載されています。次に、「開隆堂」のSUNSHINEについてですが、Can doリストが、巻末資料に3年間分掲載されていているだけでなく、関連する単元についても3年間分があり、それぞれの領域について、詳しく書かれています。特徴的なのは、即興会話、即興活動への手立てです。学習者は今までは、事前に用意した英語を話したり、紙に書いたものを読んだりするという、スピーチであることが多かったのですが、この教科書では、伝えたい内容をマッピングを使って整理し、友だちとの会話の中で思いついた追加のアイデアを組み込んで、スピーチ原稿を書き、最後にスピーチするという流れになっています。また、対話や発話の場面が漫画になっていて、場面の状況でどういうことを話しているのかを想像することできます。これは小学校の英語と同様の構成で、文法から始まる・文法シラバス(授業計画・授業要項)ではなく、場面・状況から始まる・場面シラバスになっていて、小中接続がスムーズになります。「光村図書」のHere We Go!についてですが、Can doリストは巻末付録に各学年分の詳しいものが掲載されています。他の教科書と同様に、Can doリストにある目標をめざして、段階的に学習を進めていく構成になっています。各Unitの話がひと続きのストーリーになっており、1年の入学から3年の卒業まで、登場人物たちがお互いの人間関係がわかる中でストーリーが展開していきます。
◯代表教育委員(山元行博君):3者とも各ページにQRコードがあり、音声と映像により、発音練習やリスニングの練習を休み時間や家庭において、自分のペースで学習することができるようになっていました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):「開隆堂」は、各単元後のまとめに単元内の各ユニットにあった写真や絵、語句が用意されており、生徒はそれらをもとに話すことによって、理解力と表現力を高めることができ、日常でも英語を使ってみようという意欲が高まると思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(大橋亜由美君):今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防のために登校できない期間がありました。また病気など他の理由で登校しづらい子どもも徐々に増えています。今回は登校しなくても対面授業でなくても自分で教科書を見て外国語を学ぶという、学びやすい教科書はどれかという視点を私は考慮しました。文法等についても、会話だけでなくわかりやすく示されている「開隆堂」良いと思われました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):英語に関しましては、箕面市の場合はみなさんでいろいろ議論していただき、学習指導要領に先駆けて小学生から英語に慣れ親しむという活動を先んじてやりましたので、小学校の子どもたちも英語については馴染んでおりますし、70名を超えるALTも配置しているということで、一歩前に出ている特殊な環境と思っています。その中でどの教科書も子どもたちが興味関心を持つような題材を扱い、主体的に学べるような工夫がされていますが、就学前から英語に慣れ親しみ、小学校で段階的に英語を学習している箕面市の子どもたちには、先ほど説明がありましたように、「場面シラバスであること」と、「即興会話へのステップの細やかさ」を重視し、「開隆堂」のSUNSHINEが最も適していると思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、英語については「開隆堂」のSUNSHINEを採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。続いて、道徳について審議します。まずは事務局から説明をお願いします。
◯子ども未来創造局学校教育室長:道徳の教科書は7者から発行されております。学習会において、特にすぐれていると評価された「光村図書」、「学研教育みらい」、「廣済堂あかつき」の3者について詳しくご説明させていただきます。なお、道徳の教科書を検討するにあたっては、3つの観点を重視し、7者の内から3者に絞り詳しくご説明させていただきます。3つの観点とは、「教員にとって指導しやすいか」、「生徒にとって学びやすいか」、「ICT機器の活用」の3つの観点です。「光村図書」は、教材の冒頭でめあてが示され、生徒自身が考えられるようになっており、教材の末尾では、「考えよう」「広げよう」「深めたいむ」等、考えを深められるような取り扱いになっています。「いじめ」を扱った教材は全学年で複数取り上げられ、実話をおりまぜており、いじめ問題に取り組む意欲や態度を育むよう配慮されています。「学研教育みらい」は、巻頭の「よりよく生きるための22の鍵」で、教材を4つの視点ごとに分類した一覧を、内容項目とともに中学生にわかりやすい表現で示しています。「つなげよう」「見方をかえて」を資料の最後につけていることもあり、自分自身の今後の生き方を少しずつ変化させるよう取り扱われています。「廣済堂あかつき」は、各教材に「考える・話し合う」が掲載されており、生徒が学習の手がかりやめあてに気づき、主体的に学びに取り組むよう工夫がされています。心が揺さぶられる読み物教材が多く、主人公の心情を深く考えることができるよう取り扱われています
◯代表教育委員(山元行博君):前回は道徳の教科書のみ採択をしたこともあって、私は主張したのは、箕面に関わる題材はこれだということで、いくつかあったので「東京書籍」が「左手のピアニスト」等を含めて載せていたので良いと思ったのですが、いざ教員が教材として扱うとなった時に、工夫が難しいという意見をもらいました。慣れている教材を教えていくということが教員にとっても大切なのだと思いましたので、そういった観点からも道徳の教科書の採択を見直していった方がいいのかと思いました。他、どうでしょうか。
◯委員(髙野敦子君):私は「光村図書」が良いと考えます。学習のまとめの部分が非常にシンプルなので、生徒もいろいろな角度から見方を変えて、考えさせらる仕掛けになっていると感じました。教員も授業の組み立てがしやすいのではないかと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯委員(中享子君):道徳の教材は読みやすいかどうかというところも大切だと思います。「光村図書」の題材は読みやすいものが多く、ほとんどにQRコードがあって、物語によっては朗読の再生に繋がったりして生徒にとっても学習しやすいと思いました。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯教育長(藤迫稔君):私も「光村図書」が良いと思います。どの教科書も共通して読み物教材をもとに道徳的価値について考えを深められる工夫がありますが、「光村図書」の場合は「見方を考えて」では多様な意見を引き出す効果が期待できます。子どもたちにフィットするのではないかと思ったのは、シーズンに分けて、実際の子どもたちの学校生活の進行に合わせて意図的に配列している、例えば、1年生の後半では「2年生に向けてともに学びあうことを大切にしよう」という中で色々なそれに関わる、考えさせられる題材を入れる。2年生になれば「部活で先輩と言われたこと」を念頭にしたり、3年生の最後になれば「いよいよ卒業に向けて」など、シーズンごとに1年生から、2年生、3年生へと組み立てておりますので、子どもたちはその時々に自分はこんな思いに変わってきたと道徳の学習が子どもたちに身近なこととして入っていくのではないかという意味で良いと思います。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他にないようですので、道徳については「光村図書」を採択するということでよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。
◯代表教育委員(山元行博君):以上をもちまして全教科の検討を終えたことになりますので、確認したいと思います。令和3年度(2021年度)使用中学校用教科用図書について、国語は「三省堂」、書写は「光村図書」、地理は「東京書籍」、地図は「帝国書院」、歴史は「東京書籍」、公民は「日本文教出版」、数学は「啓林館」、理科は「大日本図書」、音楽は「教育出版」、美術は「日本文教出版」、保健体育は「学研」、技術は「東京書籍」、家庭は「東京書籍」、英語は「開隆堂」、道徳は「光村図書」、このように決定いたしてよろしいですか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、中学校用教科用図書については、ただいま申し上げましたとおり採択することに可決されました。事務局は、ただいま決定した各教科・種目を、会議終了までに一覧表にし、委員に配布するとともに、会議終了後、傍聴の皆様にもお渡しできるよう準備してください。
◯代表教育委員(山元行博君):これをもって、中学校用教科用図書の全ての採択を行いました。箕面市では、子どもたちが生きる力、つながる力、これらをはぐくむために、学力向上、体力向上に向けた様々な取組を進めてきたところです。今後とも、英語教育やICTを活用した新時代にふさわしい教育を今後とも進め、子どもたちの学力・体力・豊かな心、いわゆる「生きる力」の総合力の向上に向けた取組を更に進めていくことを委員の皆さんとともに改めて確認させていただきます。子どもたちが学ぶために、教える教員側が大きな力として働きかけるためのものが教科書だと思っています。今回、採択をしましたが、ここに至るまでに、私どもも事務局もずいぶん時間をかけ、力をかけ、このような結論に至りました。そのような経過やその間、ご苦労いただいた審議会のメンバーのかたがた、教科の担当の先生がたにも入っていただいています。そのような過程と、今回の結論をぜひ現場の先生がたに十分に伝えることが必要だと思っています。
◯教育長(藤迫稔君):代表委員からもありましたが、新学習指導要領の改訂を踏まえて、多くの時間を採択に費やしてきました。委員の皆様、審議会のメンバー、教科の担当の教諭には大変ご苦労いただきました。今回の教科書の採択に当たっては、5月から時間をかけ、調査員が調査・研究したことを基に、私たち教育委員会委員も全ての見本本に目を通し、学習会も時間をかけ、様々な視点、観点から協議、検討を行い、次年度から中学校で使用する教科書が決まりました。本当にありがとうございました。子どもたちが、興味・意欲・関心を持つとともに、主体的に「学ぶ」あるいは「学ぶことができる」授業、そして対話ができる授業を、教科書を効果的に使用することによって達成できるのだと思います。まさに、よりきめ細かい、丁寧な授業研究が求められます。今後とも、箕面の子どもたち一人ひとりに「豊かな育ち」と「確かな学び」を一層、はぐくむために、各学校において、授業方法、授業内容などを含めた指導方法の工夫・改善に努めるとともに、学校現場の様々なニーズに迅速に対応、指導・助言していきます。事務局一丸となって、子どもたち、学校を支援するとともに、教育環境の整備に努めていきたいと思いますので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):長時間になりましたが、この後、まだいくつか議案も残っておりますので、ここで一旦、10分間の休憩を取りたいと思います。事務局は、先ほどの採択結果の資料を、休憩時間中に配布してください。

(休憩)

◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第11、議案第56号「令和元年度箕面市教育委員会活動の点検及び評価に関する報告の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局教育政策室長に求めます。
◯子ども未来創造局教育政策室長:本件は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条第1項において、教育委員会は、その権限に属する事務の管理及び執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、議会に提出するとともに公表することと規定されていることから、令和元年度箕面市教育委員会活動の総括を箕面市教育委員会活動評価委員3名にお示しし、教育委員会委員との意見交換を経て、教育委員会活動の点検及び評価に関する報告書にまとめていただきましたので、これらを市議会に報告するため、提案するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯教育長(藤迫稔君):先ほど、教育長報告でもお話しましたけれど、3名の評価委員からは色々なお褒めの言葉もいただきましたし、こうすればよいのではというご示唆もいただきましたので、ぜひそれらのご意見を踏まえて、今後に向けてしっかりとやっていきたいと思いますので宜しくお願いいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、議案第56号を採決いたします。本件を、教育委員会活動評価委員の意見書に係る部分を除き、原案どおり可決することとし、同意見書に係る部分については事務局に一任することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は教育委員会活動評価委員の意見書に係る部分を除き、原案どおり可決されました。同意見書に係る部分については事務局に一任されたので、よろしくお願いいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第12、報告第54号「市民プールの休館日変更の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局保健スポーツ室長に求めます。
◯子ども未来創造局保健スポーツ室長:本件は、新型コロナウイルス感染症対策のため指定管理者が行う令和2年の市民プールの休館日の変更の承認につきまして、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第25条第1項及び箕面市教育委員会教育長に対する事務委任規則第3条第1項の規定により、教育長が臨時に代理しましたので、同規則第3条第2項の規定に基づきご報告するものです。変更前は、令和2年度は7月1日から7月下旬、教育委員会が認める日までを休館日とする、としていましたが、令和2年度は7月1日から7月30日までを休館とする、と変更するものです。変更理由としましては、大阪府営プールは新型コロナウイルス感染症対策のため7月23日まで開館日を延長したことを踏まえ、府営プールの感染症対策に準じて本市市民プールにおいても感染症対策が整ったと認められる日まで休館したものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯教育長(藤迫稔君):簡単でいいので、新型コロナウイルス感染症対策、どういう対策を講じたのかということと、開館後、今までの利用状況、何か新たな課題が浮上しているかどうかの有無を共有しておきたいので、説明をお願いします。
◯子ども未来創造局保健スポーツ室長:今回、市民プールをオープンするにあたりまして、運用を変更させていただきます。午前・午後の2部制で行うということ、午前・午後の間に1時間の時間を取りまして、消毒作業を徹底して行うということで運用しております。また、入場にあたって人数制限を設けまして、第一市民プールで午前・午後で150人ずつ、第二の方で午前・午後で75人ずつと人数制限を実施しました。さらに、更衣室の中での密が一番問題視されるということで、そこも一定人員を配置しまして密にならないような対策を講じております。現状としまして、まだ始まったばかりですが、平日は混雑なくいけてますが、先だって日曜日の午前中に少し定員をオーバーするような利用者のかたが来られたということがあって、整理券を渡す中で整理券に漏れたかたを第二の市民プールに誘導したり、午後の利用を促したりということで、対応させていただいております。課題としましては、大阪府営プールのコロナ対策の基準にも準じる形でしっかり行っておりますし、それ以上に利用制限という形で徹底してやっておりますので、現在のところ課題ということは特にないと考えております。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、報告第54号を採決いたします。本件を報告どおり承認することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第13、報告第55号「箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員解職及び同調査補助員任命の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局学校教育室長に求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:本件は、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員から辞職願いが提出されましたので、これを承認のうえ解職するとともに、箕面市いじめ問題対策連絡協議会等条例第12条において準用する同条例第8条の規定に基づき、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会調査補助員を任命いたしましたのでご報告するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、報告第55号を採決いたします。本件を報告どおり承認することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第14、議案第57号「箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員及び同調査補助員任命の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局学校教育室長に求めます。
◯子ども未来創造局学校教育室長:本件は、箕面市いじめ問題対策連絡協議会等条例第11条第2項の規定に基づき、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会委員を任命するとともに、同条例第12条において準用する同条例第8条の規定に基づき、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会調査補助員を任命するため、提案するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯教育長(藤迫稔君):案件と直接関係ありませんが、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会の現状や今後の予定、言える範囲で結構ですので説明してください。
◯子ども未来創造局学校教育室長:現在、箕面市いじめ重大事態第三者調査委員会は8回行っており、この8月の3週目に9回目を、4週目に10回目の第三者調査委員会を行う予定となっております。
◯代表教育委員(山元行博君):他、どうでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、議案第57号を採決いたします。本件を現案どおり可決することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は現案どおり可決されました。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第15、報告第56号「箕面市教育委員会人事発令の件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局教育政策室長に求めます。
◯子ども未来創造局教育政策室長:本件は、人事発令を行う必要が生じましたため、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第25条第1項並びに箕面市教育委員会教育長に対する事務委任規則第3条第1項の規定により、教育長が臨時に代理しましたので、同規則第3条第2項の規定により、報告するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、報告第56号を採決いたします。本件を報告どおり承認することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。
◯代表教育委員(山元行博君):次に、日程第16、報告第57号「箕面市教育委員会会議録の承認を求める件」を議題といたします。議案の朗読を省略し、提案理由を子ども未来創造局教育政策室長に求めます。
○子ども未来創造局教育政策室長:本件は、去る7月16日に開催された令和2年第7回箕面市教育委員会定例会会議録を作成しましたので、箕面市教育委員会会議規則第5条の規定により、報告するものです。
◯代表教育委員(山元行博君):ご質問、ご意見をお受けいたします。
◯代表教育委員(山元行博君):それでは、報告第57号を採決いたします。本件を報告どおり承認することにご異議ございませんか。
(“異議なし”の声あり)
◯代表教育委員(山元行博君):異議なしと認めます。よって、本件は報告どおり承認されました。
◯代表教育委員(山元行博君):各委員から教育行政に係ることで、何かご意見等ありますでしょうか。
◯代表教育委員(山元行博君):他に事務局から「その他、教育行政に係る報告」があれば、申出を受けますが、いかがですか。
◯代表教育委員(山元行博君):以上をもちまして、本日の会議は全て終了し、付議された案件、請願6件、議案3件、報告5件は、全て議了いたしました。教育長にお返しします。
◯教育長(藤迫稔君):ありがとうございました。これをもちまして、令和2年第8回箕面市教育委員会定例会を閉会いたします。


(午後3時14分閉会)


以上のとおり会議の次第を記し、相違ないことを認めたので、ここに署名する。


箕面市教育委員会


教育長(本人自署)

委員(本人自署)

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所属課室:子ども未来創造局教育政策室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6762

ファックス番号:072-724-6010

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