更新日:2020年9月18日

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箕面市長所信表明(令和2年9月)

令和2年(2020年)9月

箕面市長  上島  一彦

 

本日、令和2年・第3回・箕面市議会定例会が開催されるにあたり、市長就任後、初の本会議において私の所信の一端を申し述べ、市民の皆さまと議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げる次第です。

 

先の市長・市議会議員同日選挙において、議員各位とともに市民の厳粛な信託を受け、第18代の箕面市長として市政運営の重責を担うことになりました。

 

現在、「みどり豊かで住みやすいまち」と高い評価を受ける箕面市があるのは、これまで市政発展にご尽力を賜りました市民の皆さまをはじめ、議員各位、市役所職員のご尽力の賜物であり、深甚なる敬意を表する次第です。

 

私は、箕面市に生まれ育って62年になります。
大学を卒業後、箕面青年会議所や箕面商工会議所青年部などの活動を通じて地域との交流を深め、42歳の時、政治を志して箕面市議会議員に初当選しました。
その後、箕面市議会議員を7年、大阪府議会議員を13年、あわせて20年間で培った貴重な政治経験を大好きな箕面のために市長として活かしてまいります。
府議会議員時代には、箕面グリーンロードの料金値下げ、箕面川床の復活、公立中学校給食の実施支援、私立高校授業料の実質無償化、桜井踏切拡幅と歩道整備、都市計画道路・止々呂美吉川線の開通、箕面森町・第3区域への企業誘致、彩都の丘学園の増築用地確保など、箕面市に関わる様々な事業の推進に取り組んでまいりました。
究極の取り組みとして、箕面市の半世紀にわたる「夢」であり、「悲願」でもある北大阪急行線の延伸を倉田哲郎前市長とともに実現してまいりました。

 

今回の市長選挙で、上島一彦と投じていただいた41,180票の民意を重く受け止めています。
「ゆるぎない信念と行動力で、箕面の未来をひらく」をキャッチフレーズに倉田市政の優れた政策を継承発展するとともに、さらに磨きをかけて、住民目線を大切に「明るい豊かなまちづくり」を進めてまいります。

 

それでは、私が皆さまにお約束をする箕面のまちづくりに向けた3つの基本政策について、その決意と考えを述べさせていただきます。

 

1点目は、「身を切る改革の実行」です。

 

まずは、市長自ら在任期間中の給料を2割削減するとともに、退職金はいただきません。
トップである市長が、自ら身を切る改革を率先垂範して覚悟を示し、真に住民目線に立った行財政改革を断行してまいります。

 

2点目、「住民目線に寄り添って直ぐ動き、日本一親切な市役所」をめざします。

 

市民の方がお困り事で市役所に相談に来られた場合、担当部局が違っていても、たらい回しにすることなく、ワンストップで迅速に対応する日本一親切な市役所をめざします。
市には多くの市有財産があり、市を活性化する大きなポテンシャルを秘めています。
そこで、全ての市有財産の有効活用を図り、民間の知恵を活かした行財政改革を行ってまいります。
使っていない市有地、稼働率の低い施設、老朽化した施設を更新する時期は、ある意味でチャンスでもあります。
例えば、青少年教学の森野外活動センターは、次期指定管理者の公募時期ですが、家族や仲間と触れ合うさらに利用しやすい魅力的な施設となるよう広く民間に事業提案を募集します。
「民間でできることは民間で」の発想のもと、市が抱えるストックの有効活用を図ってまいります。

 

また、箕面市内には多くの都市公園が存在しますが、大阪城公園や天王寺公園入口の「てんしば」のように、民間ノウハウを活かして公園の魅力アップを行います。
例えば、芦原公園の一角に人気のカフェを誘致するなど、市民の皆さまが使いやすい憩える公園にしてまいります。

 

今年11月1日、大阪都構想の可否を問う2度目の住民投票が可決され、広域行政と基礎自治体の役割分担の議論が広がれば、消防や水道行政などの府域一元化が進み、大阪全体で住民サービスを向上する事ができます。
東京都は、東京消防庁の消防救助機動部隊=ハイパーレスキューがありますが、大阪には同じ規模のものはありません。
大阪府域27消防本部を一本部体制にして、南海トラフ巨大地震のような大規模広域災害にも対応できる大阪消防庁ハイパーレスキューの創設に向け、市として積極的に取り組んでまいります。
東京都内の水道は、62区市町村のうち、約8割の49区市町が東京都によって運営され、その区域の水道料金は中央区の銀座でも奥多摩町でも同じですが、大阪府内の43市町村の水道料金はバラバラです。
水道事業の府域一元化を進める事により、水道施設の耐震化や料金値上げの抑制とともに、安全・安定・安価な水の供給が可能となります。

 

また、新型コロナウイルス感染症対策については、大阪府議会議員時代に休業要請支援金や休業要請外支援金などを箕面市や商工会議所と協力して、対象者に支給してまいりました。
大阪府が策定した独自の「大阪モデル」に基づき、今後も吉村洋文・大阪府知事とがっちりとスクラムを組んで、市民の命を守るための有効な手段を講じてまいります。

 

3点目は、「みどり豊かで住み続けたい、子育て・教育日本一のまちづくり」です。

 

はじめに、都市計画道路の見直しについて、箕面池田線と萱野東西線をつなぐ新設の都市計画道路は、既存の都市計画道路の完成を優先させるため、計画案は取り下げます。

 

次に、平成30年、本市では大阪北部地震や台風などにより、立て続けに災害が発生しました。
毎年のように全国各地で大雨や台風による大規模災害が発生しており、今後も様々な自然災害の発生が想定されます。
これまで行ってきたハザードエリア内の自宅のリスクに応じた避難行動の啓発強化や、水防整備と急傾斜地対策の推進など、市民の皆さまが安全で安心して住み続けられるよう、災害に強いまちづくりをめざしてまいります。

 

次に、市立病院では平成25年、一般会計繰入金を除いた収支差が約1.3億円の赤字となり、市立病院改革プランでの目標収支差である約1.4億円を達成し、一般会計繰入金を含むと黒字を達成したものの、それ以降は、年々赤字が続き、累積赤字が膨らんでいる状況です。
大阪府では大阪府立病院機構、大阪市立病院機構が一体となり、全国一の病院機構を作ろうとしています。
本市でもこれらの動きを注視しつつ、病院経営の最適化と市立病院として担うべき役割をゼロベースで追求し、地域医療の核となる市立病院のあらゆる可能性について検討した将来像を早期に策定してまいります。

 

教育面については、引き続き、学力、体力、生活習慣とバランスのとれた教育環境を実現し、学力だけではなく、体力と生活習慣を伴った総合的な人格の形成、豊かな人間力を育む教育に傾注してまいります。
また、英語教育を強化するため、市立小中学校に多数のAssistant Language Teacherを配置してきましたが、英検3級相当以上の英語力を有する中学3年生の割合が箕面市では約78%で、全国平均の約44%を大きく上回る結果となっています。
さらに、英検準2級相当以上の英語力を有する中学3年生の割合は約34%であり、高校3年生の全国平均や大阪府の平均に迫る結果となっています。
また英語教育だけでなく、外国の文化を知り、多文化理解を図るなど、引き続き、豊かな人間性を育み、国際社会で活躍するグローバル人材の育成を図ってまいります。

 

熱中症対策につきましては、子どもたちの安全確保を最優先に考えるとともに、屋外活動実施の可否基準である現在の暑さ指数のあり方について、PTA連絡協議会、学校施設開放委員会の関係者や教職員など、様々な人の意見を集約させたうえで、教育委員会と「見直し」について協議してまいります。

 

次に、本市は健康長寿のかたが多いことも特長です。
箕面市の女性の平均寿命は、近畿で1番長く、男性も3位です。
平均寿命が長いのは喜ばしいことですが、心身ともに自立して健康的に生活できる健康寿命を延ばすことが大切です。
そのため、健康長寿プロジェクトなどの多角的な取り組みを推進し、高齢者にとって、生きがいのあるまちづくりを実現してまいります。

 

次に、本市は住みよいまちであるとともに、箕面大滝をはじめとした自然豊かな観光名所があります。
大日駐車場を拡大することにより、観光バスの駐車スペースを確保し、そこから片道2.7キロの滝道をワンウェイで下って行き、箕面駅前ロータリーでピックアップするなど、観光バスを活かした滝道観光の活性化を図ってまいります。

 

また、先日建替推進決議がされたみのおサンプラザ1号館の建て替えについて、改めて地域の中心的な集客施設となるよう地権者との合意形成を図りながら整備してまいります。
また、設計、用地買収が進められている桜井駅周辺の再整備につきましては、駅前広場の立体利用を検討するなど、利用者の利便性に配慮した整備を進めて、阪急箕面線沿線の活性化を図り、まちの魅力を高めてまいります。

 

次に、大阪府議会議員時代に実現した北大阪急行線の延伸については、令和5年度の開業をめざしてまいります。
また、東西に広がる市街地の中心に新駅が2つできることにあわせて、東西バス路線網とオレンジゆずるバスの再編・充実を図り、交通利便性を向上させます。


 
次に、新駅が開業する船場団地の50ヘクタールについて、地方税が最大ゼロになる大阪府の成長特区制度や国の地域未来投資促進法に基づく各種支援制度を最大限活用し、医療と健康から成るヘルスケアの拠点を創出するため、核となる研究所と事業者の誘致を検討してまいります。

 

また、令和2年度の税制改正により、税の軽減効果が寄付金額の最大6割から9割まで拡大されるとともに、令和6年度まで期間が延長された「企業版ふるさと納税制度」を船場団地の活性化など、市の新規事業等に活用し、企業からの寄付を積極的に募ってまいります。

 

次に、箕面グリーンロードは止々呂美・箕面森町地域と市街地エリアとの往来など、利便性は認識されているものの料金が高いため、地域住民が日常的に利用できません。
大阪府道路公社管理の箕面グリーンロードをNEXCO西日本株式会社に移管して、シームレスで低廉な料金体系を実現するため、大阪府を通じて、積極的に国に要望してまいります。

 

次に、東部地域においては、本市の市街地に残された最後の貴重な広大空間である大阪大学・箕面キャンパス跡地について、民間のノウハウを活用したあらゆる可能性と選択肢を幅広く検討します。
また、山麓線を東に伸ばし、地元自治会の強い要望に沿い、「川合・山之口地区」の面整備の推進を積極的に支援してまいります。

 

以上、3つの基本政策を述べさせていただきました。

 

箕面市を中心とする北摂地域は、国土軸である新名神高速道路と南北軸である新御堂筋の結節点にあり、戦略的な投資を呼び込むには抜群の立地です。
将来、リニア中央新幹線と北陸新幹線が乗り入れる新大阪は「西日本のハブ」となり、北摂のもつポテンシャルは絶大で、令和5年度の北大阪急行線延伸に合わせて箕面のまちづくりも大きく様変わりします。

 

このような状況下であることから、これからのまちづくりは次世代への大切な投資と捉え、故郷・箕面のさらなる飛躍発展をめざしてまいります。

 

最後になりますが、市長就任後約3週間が経過しました。
その間、吉村洋文・大阪府知事や松井一郎・大阪市長とお会いし、府と市のさらなる連携について語り、また、今後も様々な場面で協力を深める方向性を確認しました。
本市の貴重な自主財源である競艇事業に関しても、競艇関係団体や住之江競艇場にも赴き、関係者と面談のうえ、本市の積極的な姿勢を示しました。
加えて、北大阪急行線の延伸や箕面の教育力の一層の向上のために、関係省庁に赴き、本市の決意を表明するとともに、関係諸団体の皆さまと精力的にお会いして相互理解を深めてまいりました。

 

私の座右の銘は、「艱難辛苦、汝を玉にす」であります。
人は、苦労や困難を乗り越えてこそ、立派な人間に成長するという意味であります。
第18代・箕面市長として、幾多の困難を乗り越え、人として磨き上げ、すべては住民の暮らしを豊かにするために職務職責を果たしてまいる所存であります。
私は、これまで、市議会議員と府議会議員の経験を通じて、「今、目の前にある苦労こそ、最大のチャンス」と捉え、何事も前向きに取り組んでまいりました。
今後も、吉村府政との連携を深め、愛する箕面のさらなる飛躍発展に向け、全力で取り組む覚悟です。

 

市民の皆さまと議員各位の、ご理解・ご協力を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げ、私の所信の一端とさせていただきます。

 

ご清聴、誠にありがとうございました。

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