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更新日:2013年5月20日
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写
平成24年(2012年)2月9日
箕面市長 倉田 哲郎 様
箕面市保健医療福祉総合審議会
会長 黒田 研二
地域保健及び地域福祉の施策について(答申)
標記のことについて、平成21年10月27日付け箕健政第135号をもって箕面市長から諮問のありました「地域保健及び地域福祉の施策について」のうち、「1 第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の現状分析及び進捗評価に関すること」、「2 第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に関すること」、「4 第2次障害者市民の長期計画(みのお‘N’プラン)二訂版の現状分析、進捗評価及び見直しに関すること」及び「5 地域福祉計画に関すること」に関し、本審議会において慎重に調査・審議いたしました結果、別添「第5期箕面市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(案)、「第3期障害福祉計画」(案)、「箕面市地域福祉計画・地域福祉活動計画」(案)としてとりまとめましたので、下記の意見を附して報告いたします。
記
国においては、少子高齢化の進展など社会経済状況が大きく変化する中で、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で生活できるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び生活支援サービスが包括的に切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の構築に向けた介護保険法の改正が行われました。また、障害者自立支援法は既に廃止が決定され、平成25年8月の(仮称)障害者総合福祉法の施行に向けて、制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等についての議論が行われるなど、高齢者や障害者を取り巻く社会環境はめまぐるしく変化しており、地方自治体の施策実施にも重大な影響を及ぼすことが考えられます。
箕面市においても、5人に1人が高齢者という超高齢社会となり、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯、認知症高齢者が増加することが予測されます。また、3世帯に1世帯が単独世帯となっており、家族間の支えの弱まりやライフスタイルの多様化などによって、地域でのつながりが希薄になり、地域で見守り、支えあう地域コミュニティの力や機能が弱まっています。
市の地域保健及び地域福祉施策の安定的な運営のためには、社会環境や市民ニーズの変化に応じて、適切に制度の改革を進める必要があります。制度改革を進めるにあたっては、各施策の目的や効果の検証はもちろん、市のさまざまな計画と整合を図りつつ、関係団体等とも十分に議論を尽くすことが重要です。
要介護認定者数の増加とともに、介護保険サービス費用が年々増加し、保険料の上昇が見込まれる中、高齢者が要介護状態になることを防ぐためには、健康づくり・介護予防の取り組みが今後さらに重要になると考えられます。
今後は、高齢者一人ひとりが健康づくり・介護予防に対する意識を高め、主体的かつ継続的に取り組むことができるよう、関係機関と連携し、啓発や自主的活動の支援などに努め、健康で生きがいのある暮らしの推進を図る必要があります。
高齢者の住まいについては、住み慣れた自宅で生活したいという在宅志向が強まる一方、要介護度が高くなるにつれて施設入所を希望するかたも多くなっています。また、特別養護老人ホーム等の待機者数は年々増加しており、家族の介護負担が大きくなっている状況もうかがえます。
こうした状況をふまえ、居宅サービスの基盤整備を進めるとともに、施設待機者の解消に向けて、一定の介護保険施設等の整備を図るべきです。ただし、施設の整備にあたっては、保険料や居宅サービスなどとの関係性も考慮し、適切な整備を行う必要があります。
第3期障害福祉計画の根拠法である障害者自立支援法については、平成25年8月までに廃止されることが既に決定され、(仮称)障害者総合福祉法の施行に向け、新制度についての議論が国において行われているところです。障害者自立支援法において指摘された制度上の課題が、今回の抜本的な見直しによって、障害者市民が安心して充実した生活を送ることができる制度となるよう、さまざまな機会を捉え、国及び大阪府に対して繰り返し制度見直しの要望を行うとともに、市として、これまでの重点課題について、引き続き取り組んでいく必要があります。
特に、地域生活支援の充実については、障害者市民が地域でその人らしく生活するために、あらゆる生活場面において切れ目のない支援、質の高いサービスが安定的に提供されることが重要です。また、入所施設や社会的入院からの地域移行や安定した社会参加を実現するためにも、障害者市民の地域における相談支援体制をはじめ、ケアマネジメントの強化とサービス提供基盤の拡充に、力を入れて取り組んでいく必要があります。
さらに、就労の場、日中活動の場を着実に確保するため、箕面市独自の制度である障害者事業所については、持続可能な制度となるよう国制度化に取り組むとともに、制度構築にあたって、引き続き各事業所と十分な協議を行うべきです。
また、障害者自立支援法に基づく事業体系等へ移行した障害者福祉作業所、小規模通所授産施設等についても、今後の事業運営の継続、安定に十分配慮が必要です。
本計画の着実な推進に努めるとともに、本計画の進捗状況の把握・点検・評価を行い、必要に応じ見直しを行うことが重要です。なお、本計画に基づく施策・事業の推進及び見直しにあたっては、これまで箕面市において実践された取り組みの理念を尊重しつつ、障害者市民等の実態やニーズを把握する必要があります。
特に、本計画は、障害者自立支援法の廃止を前提に、第2期障害福祉計画をベースに現時点での制度改正内容を反映させる等、所要の調整を行い策定されるものであり、計画内容の全面的な見直しを行ったものではありません。このため、平成25年度に計画年度を終える「基本計画」の次期計画策定にあたっては、本審議会の障害者長期計画部会を開催し、内容を十分に審議すべきです。
地域福祉計画・地域福祉活動計画では、生活課題を抱えた本人・家族の早期発見、専門職による総合相談の仕組み、対応内容の検証と新たな施策化への検討、という「地域福祉のセーフティネットの構築」を計画実現に向けた基盤の1つとして掲げていますが、このセーフティネットが効果的に機能するために、以下の点に留意する必要があります。
本計画の着実な推進に努めるとともに、進捗状況の把握、取り組みの評価・検証については、行政と社会福祉協議会が協働で行うことによって、地域のニーズや課題を集約し、市民、事業者などの実施主体が、より地域福祉活動への関わりを深められるような仕組みにする必要があります。
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