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更新日:2024年6月3日

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再編統合・指定管理者制度導入の経緯

現市立病院は、竣工から40年以上が経過し、老朽化が進行しています。また、施設構造上の制約により、最新医療への対応も困難になっています。このような状況を受け、平成29年12月の市議会において、船場東地区への移転建替えが決定しました。

令和3年2月には「箕面市新市立病院整備審議会」において新病院のあり方についての議論を開始しました。地域の中核病院としてより良い病院を整備するため、医療需要の将来見通し等の諸課題を踏まえ、現状にとらわれることなく“ゼロベース”で議論いただき、令和4年8月に出された答申では、「持続可能で質の高い医療を提供するためには、指定管理者制度の導入、再編統合による病床数の増床が必要である」と結論づけられました。

その後、令和5年3月の市議会において指定管理者制度導入についての条例改正が可決されました。令和5年4月には指定管理者の公募を開始し「箕面市立病院指定管理者評価委員会」における厳正な審査と、令和6年3月の市議会の議決を経て、医療法人協和会を指定管理者に指定しました。

このページでは、再編統合・指定管理者制度導入の経緯について、改めてご説明いたします。

市単独での病院整備の課題

現市立病院には急性期病床が267床ありますが、急性期267床のままの病院では、現状の医療提供水準の維持すらできず、持続可能な病院運営は望めません。
急性期267床の市立病院の課題

  • 高齢化による患者数増加に対応できません。
  • 診療科の新設や、救急医療の強化、がん診療の充実など医療ニーズへの対応ができません。
  • 300床未満の病院では十分な症例が集まらないため、優秀な医師や看護師等にとって魅力ある病院とはいえず、人材確保ができません。
  • 医師の働き方改革が進む中、より大きな規模の病院に医師が集約されていき、300床未満の病院では医師の確保が非常に難しくなります。そうなれば、救急の受け入れを止めたり、極端な場合は閉院に追い込まれる可能性が出てきます。

再編統合による病床の確保

医療提供体制を強化し、持続可能で質の高い医療を提供できる公立病院とするには、病床数を増やさなければなりません。そのためには、国が推し進める「病院の再編統合」の制度を活用する以外に方法がありません

再編統合の実現に向けて

豊能二次医療圏内で再編統合の可能性について調査したところ、市に病床とともに経営権を委ねてもよい(市直営)と考える病院は確認できませんでした。一方で、指定管理者制度により自ら市立病院を運営することを希望する病院が複数ありました。このことから、再編統合を実現し必要な病床を確保するためには、市直営ではなく指定管理者制度による運営が前提となりました。このことから、令和6年3月の市議会の議決を経て、医療法人協和会を指定管理者に指定しました。

再編統合によりめざす姿

新市立病院は、医療法人協和会が運営する協和会病院との再編統合により整備します。

再編統合のイメージ

  • 病床数は現在の急性期267床から390床へと約1.5倍に充実します。
  • 診療体制を充実させ、断らない救急を実現します。
  • 呼吸器・免疫内科や腎臓内科など患者ニーズにあわせた新しい診療科を設置します。
  • ロボット支援下手術の充実、放射線治療の提供、緩和ケアの充実など、がん診療を充実・強化します。
  • 病床数の充実により十分な症例数を確保することで、優秀な医師や看護師等の確保につながります。
  • 分娩を継続するとともに、産後ケアの実施に向け、調整を進めています。
  • 災害や感染症への対応を見据えた施設整備を進めます。
  • 大阪府内の公立病院として初めてすべての病室を個室化し、7割は無料の個室とします。

なお、新病院では回復期リハビリテーション病床は持ちませんが、各病棟にリハビリエリアを設置するとともに、全室個室の利点を生かし病室(個室)内のベッドサイドでのリハビリテーションに対応します。さらに長期間のリハビリが必要になる場合は、回復期リハビリテーションができる病院へスムーズに転院できるようしっかりと調整します。

財政負担について

通常、新病院を整備する場合、その経費の25%は国が負担(交付税措置)することになります。残りの75%は、市が、市民の皆さまの税金等から負担しなければなりません。

一方、再編統合であれば、国の負担(交付税措置)が40%にアップします。また、医療法人協和会が、原則として整備費の42.5%を負担することから、市の負担は17.5%にまで軽減されます。

財政負担の比較

その他のメリット

指定管理者制度を導入することで、指定管理者の裁量で迅速な意思決定が可能になるとともに、人材確保や医療機器の調達、独自の人事給与制度の導入など民間経営ノウハウを幅広く活用した効率的な病院運営が期待できます。

市直営の場合は、脱・公務員的な斬新な改革が行いにくいデメリットがあります。例えば、現市立病院の医業収益に対する人件費比率は過去10年の平均で60%を超える状況ですが、指定管理者制度であれば、診療報酬で適切な収入を確保しつつ、その中でコストの最適化を図るため、人件費も適正な範囲に収束されます。

病院の運営と病院開設者としての市の責務

指定管理者制度を導入しても、公立病院であることに変わりはありません。市立病院の診療体制や大阪大学医学部との連携体制はなんら変わることなく、これまで以上に医療の充実・強化を図っていきます。

また、指定管理者がしっかりと市立病院を運営していくよう、次のとおり病院開設者としての責任を果たしていきます。

協定書の締結

市と指定管理者とで、市立病院の指定管理に関する協定書を締結しています(協定書の詳細は市立病院の指定管理者制度の導入に関するページでご覧ください)。この中で、政策的医療の実施や、必要な診療科構成等、市が求める医療を確実に実施するよう規定しています。

政策的医療に係る市の財政負担

一般に不採算といわれる救急や小児医療等の政策的医療について、市が一定の財政負担をすることで、その実施を担保します。

指定管理者評価委員会

市長の附属機関として「箕面市立病院指定管理者評価委員会」を設置しました。当評価委員会は、学識経験者や公募市民等で構成される第三者機関で、指定管理者による病院の運営状況を多角的・専門的な見地から点検・評価します。評価結果を指定管理者にフィードバックし、必要な改善を求めるとともに、そのプロセスを市民の皆さまに公表していきます。

よくある質問

指定管理者制度を導入したら、公立病院ではなくなるの?

指定管理になっても公立病院であることは変わりません。大阪大学医学部との強力な連携のもと、今以上に診療体制を充実させ、持続可能で質の高い医療提供体制を確保していきます。

いつから指定管理者が始まるの?

令和7年4月から開始します。指定管理期間は、新病院開設後20年間とします。

指定管理者制度で民間が市立病院を運営すると、医療の質が落ちるのでは?

前述のとおり、指定管理者がしっかりと市立病院を運営していくよう、市としても支援とチェックを行います。また、全国で約80の公立病院が指定管理者制度を導入しており、一般医療に加え、救急や小児医療など、なんら問題なく運営されています。

指定管理者制度で民間が市立病院を運営すると、利益追求のため、儲けにならない患者を断るのでは?

医療機関の責務として、「医療機関は、患者からの診療の求めに応じて、必要にして十分な治療を与えることが求められ、正当な理由なく診療を拒んではならないこと」とされており、儲けにならないからという理由で患者の受診を断ることはありません。

指定管理になると、営利重視になり、患者の負担が増えるのでは?

診療報酬は、民間であっても公立であっても変わらない公定価格であり、提供される医療の内容が同じであれば、どの病院であっても患者負担は変わりません。

個室料金や初診料加算金などの診療報酬以外の料金についても、指定管理者が自由に設定できるものではなく、市民の円滑な利用を阻害するおそれのない金額の範囲で、市長が承認した額となります。


よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:市立病院事務局

電話番号:072-728-2171

ファックス番号:072-728-8232

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