更新日:2011年3月31日

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平成22年第2回箕面市教育委員会定例会会議録(その2)

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◯教育推進部次長(樋口弘造君):福井市立豊(みのり)小学校の視察に関して、資料に基づき説明します。A3判の資料をご覧ください。
まず、福井市立豊小学校の研究構想、学校教育目標、研究主題と書かれたペーパーを見ていただきますと、目標が『豊かな心をもち、いきいきと学ぶ、たくましい児童の育成』、そして研究主題が『共に学び合い、くらしに生かす子どもたち』、これをテーマに授業研究などにしっかりと取り組む学校づくりを進めておられました。その右側に、週時程、校時表とありますが、週時程のところに、さわやかタイムとして、8時15分から8時30分までパワーアップタイム、いわゆる基礎基本の学習とか、あるいはハローイングリッシュという枠組みで、英語活動の取組等をされています。中段のところ、学校の規模、児童数ですが、この学校は605人で20学級ということです。ちなみに福井市は、人口約27万人で小学校が50校、中学校が23校、公立幼稚園が20園、私立幼稚園が32園、公立保育所が36所、民間保育所が41所となっています。なお、この学校の職員数のところ、合計41人の職員で、うち教諭が24人、非常勤が8人となっていますが、例えば支援教育、障害のある子どもと関わる職員として、いきいきサポーターと言われる方が1人入っています。もちろん介助員もおられ、車椅子の児童には介助員があたっています。特徴的なことでは、小学校カウンセラーが市費で週1回来られています。県費では、子どもと親の相談員として週3回来られています。どちらも相談ということですが、小学校カウンセラーは臨床心理士、子どもと親の相談員は教員免許を持った方で、子ども・保護者の相談にあたられています。福井県全体の特徴ですが、低学年の1年生、2年生のクラスは40人学級ですが、子どもの生活習慣をきちんとつけさせるため、低学年サポートとして3名が入っています。これは、県費負担で週あたり24時間の勤務です。また他にも、図書館支援員ということで、2校掛け持ちで配置されています。このように、教職員だけでなく、非常勤の職員を配置するなど、人的支援も手厚くされている学校であると思いました。
次に、その下の福井市立豊小学校区スクールプランという図を見てください。学校の方針が見やすく示されています。裏のページに、「確かな学力」ということでまとめられています。2番のシートの確かな学力のところ、先ほど説明したさわやかタイムの取組とともに、全学年で週1回朝の時間にテレビを通じてハローイングリッシュなどが行われています。また、24名の教諭それぞれが、授業改革の取組として一人一授業公開するということで、たくさんの授業研究を学校で積み重ねられているのが分かります。家庭へも非常に積極的に呼びかけておられ、家庭学習のてびきというプリントを、高学年5、6年生用、低学年、中学年とそれぞれ内容を変えて出されています。左側にある「見守る・励ます」という点、5、6年生の場合でも見守って伸ばしていこうという点、そして60分を目安に勉強しようという点などの他、学習のポイント的なことやアドバイスを家庭の方へも周知し、家庭との協力を持ちつつ家庭学習の習慣をつけるという取組をされています。「豊かな心」については、3つのことを柱として、1・2年ふれあい交流会や縦割りの遊びの行事を設定するなど、異学年の交流を通じて子どもたちの心を育てていこうという活動もされています。「健やかな体」ということでは、福井市の場合も体力向上に非常に熱心に取り組まれていて、いろいろ参考になるようなことも出てきました。7番のシートに、子どもたちが体育館にある鉄棒で遊んだり、大休みを利用した八幡山マラソンの写真があります。大休みは、箕面市での20分間休憩にあたりますが、曜日によって学年ごとに近くの裏山にあります八幡山にみんなでマラソンをすることで体力向上に努めています。業間を利用したこのような取組も非常に積極的に取り入れられています。8番シートの写真に器械運動発表会と書いていますが、近隣3校器械運動交流会というのを毎年実施されており、6年生全員が参加して自分の得意な技、やりたい技を披露するというもので、それに向け、放課後にしっかりと、もちろん授業においてもですが、練習を重ねて発表するというような取組をしているということでした。次に、中学校区教育の取組です。福井市の場合も小中一貫教育の取組を進めていますが、平成17年度から推進・充実・強化・発展、そして平成21年度は定着プランということで、各校区が集まり、授業の相互交流や児童・生徒の交流をされています。また、校区での推進組織を作り、その中で小学校、中学校、校区内の保育所・幼稚園とのつながりも深めながら進めておられます。
最後に、地域・家庭との連携ですが、教育ウィークというのがあり、約1週間ほど校区の小学校・中学校がいっせいに授業公開をして、それぞれを参観できるとともに、様々なイベントもされているということでした。また、豊(みのり)教育振興会というのを昭和22年から作られています。実は、ここの小学校にはPTA組織がありません。保護者、いわゆるPTAの保護者以外に地域の方々が全て会員となり、地域一体となって学校を支援していくというのが豊教育振興会です。地域の方々が様々なかたちで学校の中に協力的に入られ、授業やビオトープ作り、畑作り等ほとんど毎日のように地域の方が来られているというようなお話もありました。今、申しましたような取組を、学校からの情報発信として週1回程度、豊小学校だより「くすの木」として発行される他に、先ほどの豊教育振興会が年に数回、地域広報誌を発行されており、学校独自の取組を家庭・地域も一緒になって取り組まれているのがよく分かりました。以上です。
◯委員長(小川修一君):教育長報告及び樋口次長からの他校訪問についての詳しい報告でした。ここで、今の報告にもありました、一点目「福井市立豊小学校の視察」と、二点目の「教育委員会委員と保護者等との意見交換会」と、三点目の「全国学力・学習状況調査の希望利用」ということについて、質問や意見を伺いたいと思いますが、まず、一点目「福井市立豊小学校の視察」については、私も参加いたしましたので、感想あるいは気づいたところを少し申し上げたいと思います。
まず、校長先生、教頭先生からのプレゼンテーションで学校の概要やその他詳しい学校の進め方などを伺いました。その中で、学力についての件で気づいたところを申しますと、二つの授業を参観しましたが、少人数のグループ活動をふんだんに取り入れているということです。それによって、子どもたちが考え方の多様性を自ら体験するということ。対話によって、人間関係をより深めることができるということ。自分自身の評価の機会を持つことができるということ。そんな点が少人数グループ活動による利点ではないかと思います。同時に、担当の先生方の教え方については、教材そのものを子どもたちの身近な事例として示し、学習効果を高めているという点、子どもたちを十分理解して指導を進めている、つまり、子どもたちの状況を熟知しており、適切な指名をすることにより答えを引き出すなり、考え方をクラス全体に披露させるというような点が授業の進め方で良かったなと思いました。それから、プレゼンテーションの中で、体力向上について触れられ、一つは、なわとび大会とか連合運動会などの取組が県下の共通のものとして執り行われているということ。もう一つは、家族と一緒にというスローガンの下に、モデルパターンを家庭に示して、それを家族ぐるみで子どもたちが実践しているということを述べられました。実は、視察直前に大雪が降り、運動場は全く使えませんでしたが、条件的にはわれわれよりも極めて窮屈な面があると思いますが、その代わりに体育館は箕面の小学校のほぼ2倍くらいのフロア面積があり、しかもその中に鉄棒や器械体操用具やマットなど、子どもたちが体力を鍛えるための設備が整っていることが目につきました。そして、その他には、学校制度の中で2学期制を取り入れており、第一の目的としては授業時数を確保することだと説明されました。同時に、2学期制についてはデメリットもあり、学期の期間が長いため、夏休みなどが入ると間延びするということもはっきりおっしゃいましたが、もう5年間これを踏襲している。このこと一つにしても、県の教育委員会とか市の教育委員会から学校に対して、これを推奨するというような線が出ているのではと、私の推測かもしれませんが、そのような感じを受けました。もう一つ気づいた大きなこととしては、学校の教育方針とか教育内容に対する家庭からの信頼度が非常に高いのではないか。それは、校長先生、教頭先生の言葉の端々に出てくることです。長年にわたって築かれた家庭と学校との密接な連携というところから生まれてきたものだと思います。ちなみに、参加者の中で、モンスターペアレンツはいないのかという質問をしたら、そんなものはありませんとのことでした。家族の方が家庭学習について十分な手当をしているということ。宿題は家族の協力の下、全て翌日に上がってくるということらしいです。もっと聞くと、お父さんもお母さんもおじいさんもおばあさんも、この豊小学校の卒業生だというような事情があるようです。それは、箕面市にそっくり当てはめるわけにはいかないわけですね。あと、小中一貫教育については、その趣旨とか目的とかについては私どもと全く同じです。ですから、私どもは誇りを持ってこの方針を進めていけばいいわけです。もっともっと深めていくのも自信を持っていいとの思いで帰ってきました。それが、印象を含めて私がこの視察で感じたことです。事務局の視察に加わらなかった方々にも参考にしていただければという気持ちでお話ししました。
◯委員長(小川修一君):この件に関して、ご意見、ご質問はございませんか。
◯委員(福井聖子君):どうもありがとうございました。行けないのはとても残念だったのですが、いろいろとよく分かりました。少し分かりにくいところ、興味のあるところを教えていただきたいのですが、学校現場で見えるものは、木に例えれば、木の葉であり、枝振りであり、実だと思いますが、幹をいかに立てるかというところに興味があります。この場合の学校教育でいくと、教育方針やいろいろなプランだと思いますが、教育方針が県下でという話がありましたが、制度設計自体いろいろな計画の立て方というものは、誰がどのくらいの時間をかけて、どのようにプランを練っているのか、プランは何年計画くらいでやっているのか、その辺りのことが分かれば教えてください。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):プラン等教育の方針、根幹のところですが、もちろん県レベルで、県全体の計画を立てておられます。その際には、様々な施策というものも入れながら、私どもが伺ったときにはちょうどその前年に計画が入れ替わったところでしたが、3年から5年のスパンで計画を考えておられるようでした。市においても、それに準じて様々な施策のプランを立て、例えば中学校区の取組では、現在のところ平成17年度から21年度までというかたちで立てられていますが、引き続き次の計画に継承されていくということで作られていると伺いました。
◯委員(福井聖子君):その小中一貫というところも、県から下りてくるのですか。では、それは市独自なんですね。市としては、県の施策に準じて考えているということですね。あと、とても興味があったのは、家庭環境とか放課後の生活とかいうことなんですが、家庭学習のてびきというのがありましたね。それから、家庭に対して体力向上のモデルパターンを出しているということなんですが、この中身はどんなふうに練られて、これは県か、市か、学校が出しているのか、家庭に何をどう伝えるかは結構難しいのですが、そこのプランニングは誰がどんなふうにされているのですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):まず、家庭学習のてびきはそれぞれの学校で工夫して出されていると聞いています。それから、家庭での体育の取組であるとか、簡単な運動とかというチラシのようなものでしたが、それは県の保健体育課の方で作って刷り、全校に配布されているということです。県と市、それから学校と、PDCAサイクルというかたちで非常に上手く連携を取られており、例えば学力調査の結果は県でリーフレットを作成し、配る、市は市でその成果と課題について今後このような取組をしていこうというリーフレットを作っているというように、家庭に情報はたくさん入ってきているかなと感じています。
◯委員(福井聖子君):PTAがないということでしたが、学校独自で作られる場合は、保護者の意見というのは特に聞かれない、要するに保護者の認識は学校レベルで非常にしっかりしていると考えていいですか。PTAに相談するとかそういうものではなくて、学校側でこのてびきを作られるわけですよね。そのてびきを使ってもらうためには、学校が保護者の状況とかをしっかり把握していないとマッチしたものが出ないと思いますが、そういう理解でいいですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):おっしゃるとおりかと思います。豊教育振興会と先ほど申しましたが、そことの密接なつながりだとか、そこを核としての商工会議所の若い人たちとのつながりであるとか、地域の他の団体ともつながりながらやっておられる、大きくはそう捉えています。今、お話にあった学校の中での学習のてびきだとかは、保護者の方々のご意見をどこまで入れられているのかは伺っていませんが、日常的に保護者とのつながりが非常に強いですから、思いも含めて作成されたものだと思っています。
◯委員(福井聖子君):少し話は違いますが、学校の先生が忙しいというのは、箕面市内であちこちから出てくるんですね。すごく充実した授業をされているということなので、恐らく教材研究であるとか、進め方であるとか、しっかりやっておられると思うのですが、具体的に見た感じとして、学校の先生の忙しさというのは、箕面市の先生方と豊小学校の先生方と印象はどうなのか。また、教材研究に割く時間だとか、教材研究に取り組むための市の方針やバックアップであったり、他の余分なことに時間を使わなくて済むとか、先生方が疲れなくて済む配慮のようなものはどうですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):先ほどの資料の週時程のところにも少し載っていますが、非常に学校の中のシステム的なものが整理されてうまく時間を使われているなと感じました。週時程の会議等のところにあるように、1週目、2週目、3週目、4週目と、各会議なり委員会なり定まったものが入っていること、木曜日の時間帯に市内研があり、市内での研究・研修授業のための時間も確保されていて、そこがうまく回っているのかなと思いました。子どもたちの状況も落ち着いていて、学校内での様々な事象とか、もちろん課題のある子たちもいますが、教材研究とか学校の校務のところでシステマティックに動くような時間帯とかが取られていると感じました。
◯委員(福井聖子君):塾の問題ですが、塾に通う現状とか私学受験などはどうなっていますか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):塾については、子どもたちはほとんど行ってないようです。私学受験についても、福井大学附属の他、私立が2校ほどありますが、ほとんどが公立志向ということです。高校受験においても公立を目指す子どもたちが非常に多いので、その分、中学校も公立に進んでしっかり学習しているという状況でした。
◯委員(福井聖子君):それはもう20年、30年前から同じような流れの中で塾が入ってきていないのか、一時期塾が入ってきていて、それをこういう方針でやったために塾が手を引いたのか、その辺りの流れはどうですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):詳細な流れは確認していませんが、県レベルで昭和26年から学力調査等を進めており、風土的なものもあって、家庭学習の定着というものがずっと積み上げられてきていると感じますので、きっと塾がそれほど必要ではない、家庭の学習で十分であるということと、公立志向が強く、公立高校に行くことがステイタスというようなところがありましたので、そういう意味でも私立に流れることが少なかったのではないかと思います。
◯委員(福井聖子君):県としても、公教育で全部やっていくという流れの中で来ているということですよね。例えば、東京都であるとか、大阪府であるとかは、塾を活用してというのが都、府レベルで挙がっているのですが、福井県は一切そういうことはないということですね。
◯教育長(森田雅彦君):私も12月に視察に行って、いろいろな取組を見せていただきましたが、その中で、長期間にわたって独自の検証サイクルを確立されているということ、学力調査は県で昭和26年から、体力調査についても小学校4年生以上、中学、高校の全生徒を対象に40年以上積み重ねてこられている。どこに課題があるかを県の方でも把握し、それをまたそれぞれの市、あるいはブロックに下ろされて検討会、授業研修会などが行われている。また、そのことが市の方から学校に返される。学校の方ではそれを再度分析して、どこに子どもたちの課題があるか、授業の中で生かしていく。あるいは、業間の取組の中で生かしていく。そういうことが毎年きちんと行われているということが大変大きいと思いました。それから、やはり福井県は独特の大阪とは違った風土があると思います。三世代同居の割合が一番全国でも高い。共稼ぎの家庭の割合がこれも大変高いという中で、子どもたちの家庭学習の部分では、おじいちゃんおばあちゃんが中心となって声掛けをし、一緒に取り組んでおられるということがあります。また、すべての学校で、1時間以上子どもたちに応じた課題を与えており、与えられたところからスタートですが、次は課題を自分で見つけながら、そういう力が徐々に積み重なっていく。塾の力は借りなくても、学校の中、家庭学習の中でそういう学力がついていっているというお話を聞きました。その他でも、教育課程のこと、教員の加配のこと、先生の登用の問題だとかたくさん伺いましたが、大変参考になったと思います。また、そういうところ、風土は違うし、箕面は箕面らしさ、箕面の教育も進めていますが、すばらしいところ、生かせるところは生かせたらと思っています。
◯委員(福井聖子君):もう一点だけ、日本中の社会の流れに対して、福井県はどうしているのかなと興味があるのですが、例えば携帯の保有率であるとか、テレビゲームであるとか、そういったものはどうなのか。それから、教育も非常に流行があると思いますが、うちの子が1年生になったとき、最初、地域に開くといっていたのが、事件が起こった途端に、全部、門を閉じたりとか、国レベルでもゆとり教育に行ったのが一気にまた学力へというかたちに変わっているんですが、そういうものの影響とか、あるいは福井県も当然週休二日になったと思いますが、そういったものは福井県の方針の中でどういうふうに取り入れるかなどの点はどうですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):まず、携帯等のことですが、詳しい数字は聞いていません。学校の教頭先生との話では、やはり福井においても時代の流れの中で、テレビゲーム等様々なゲーム類が非常に普及してきており、生活様式も少し変わってきているのは事実だと伺いました。そういう意味では、二極化しているという表現もされていましたが、県レベルでそこのところを把握し、社会的な要因との関係の中で県自体の方針が大きく変わってきているということはありませんでした。ただ、学力状況調査の中で、子どもたちの生活様式が変わってきただとか、携帯の問題があるとかは、全国と比べて数値的には低いが、増えてきているという現状があるので、そこは気をつけて取り扱っていきたいとか、家庭の方でもお願いしているというお話はありました。
◯委員(福井聖子君):それは、やはり先に県が方針を出してくるんですか。現状把握を誰が一番するのかは、県が真っ先に先頭に立ってするという感じなんですか。
◯教育推進部次長(樋口弘造君):感覚的には、県の方でしっかりと情報を把握し、それを市町村に下ろし、それを学校が受けて取り組んでいくという流れが非常にできていると思いました。例えば、学力調査においても、体力調査においても、学校から県に結果を提出させて、県で一定分析もし、学校に分析結果を返却し、その後、年2回プランを立てさせていくサイクルができています。学力でいうと、全国学力調査、県独自の学力調査と年に2回実施し、その結果が出てから課題等の説明会をし、学校から学力向上プランなどを2回提出させる、そのPDCAサイクルができている県かなと思いました。
◯委員長(小川修一君):私も聞いた中で、体力向上ということに関して言えば、やはりわれわれ都市部の者と同じような悩みは持っておられるようです。スポーツ少年団の活動などというのがあって、そこへ入ってスポーツをやる子どももいれば、家に閉じこもってゲームをやっている子どももいる。そういう状況から、体力向上という観点から見ても二極化しているということをおっしゃっていました。われわれと共通の課題をはっきりお持ちなんですね。われわれもそういうことの上に立って、どう体力をつけていくかということを考えていかなければいけないかなと思っています。
◯委員(福井聖子君):教育の流行というか、例えば総合学習が入って、ゆとり教育が入ったとき、また、それに揺り戻しが来てそこが削減されてきたときというのは、県としてその通りに対応しながら中身的に一貫性を持たせているのか、それともある程度国から言ってきても、県としてはこうなんだというかたちでやってこられたのか、その辺を教えてください。
◯教育長(森田雅彦君):その辺りは、先ほど少し触れましたが、教職員の加配の問題があります。7次定数改善というかたちで少人数指導に対応する加配のあり方については、県で一定、子どもたちに対してどういう加配が有効なのか、本市で考えたときには、生徒指導の加配というかたちで先生方を小・中学校に配置していますが、大阪の場合は1年生、2年生にターゲットを絞って、子どもたちが教育に対していろいろなルールを身につけるためには低学年の間が非常に大切だと35人学級編成にしています。ところが福井はそうじゃないと。1年生、2年生は非常勤の先生を配置して、子どもたちの生活や学習のルールを身につけさせる手助けをしようという考え方です。それでは、一番重点を置いているのはというと、やはり小学校から中学校に上がる接続の部分、ここへ国の加配を充てようということで、6年生あるいは中学1年生を30人学級にしています。その辺のことをきちんと県の方で研究をし、市町村に下ろしているということです。今は、教員配置のことを話しましたが、ゆとり教育とか総合的な学習の時間が下りてきたときには、あらかた県で方針を出して、それを市町村に伝えながら、また福井市であれば福井市で検討して、学校に下ろしていくというシステム化ができているのではないかと感じます。
◯委員(福井聖子君):県の研究機関というのは、例えば大学と連携してとか、あるいは県独自が研究機関として持っているのですか。
◯教育長(森田雅彦君):福井県には福井大学しかないということなので、そことの連携はあると聞きました。大阪でいう教育センター的なそういう研修施設はもちろんお持ちでしょうが、県教委の中で市教委と連携を取りながら、また大阪で言うと豊能地区というような、ブロック会議というのも大事にされているとお聞きしました。
◯委員(福井聖子君):結局、誰が責任を持って現状把握して、誰がプランニングを出すというところまで、どういうチーム、部署がどれくらい時間をかけてやっているか、そこが一番知りたいのですが。
◯教育長(森田雅彦君):それは県教委の方で、県の保健体育課の課長には小学校の校長などがなっておられ、その課長を中心にチームが作られて検討されていると。校長、市教委からの先生、ただそれほど人数は多くないと聞きました。
◯委員長(小川修一君):他にないようですので、この件につきまして、先ほど教育長の言われた、この訪問によって福井県のやっている良いところ、箕面の教育の充実に資することであれば取り入れて実施していくというのは、われわれも同じ意見です。一つのきっかけを得たということで、今後さらにわれわれ独自の対応のあり方、考え方を固めていかなければいけないと思います。
◯委員長(小川修一君):それでは、報告事項の二つめ、教育委員会委員と保護者や地域の方々との意見交換会については、昨年12月8日を事始めとして、本日に至るまで合計8回にわたって実施いたしました。昨年度から始めたその経験を生かしながら今年度実施しましたが、結果としては総体的に見れば、今までなかったそういう機会に参加し、熱心に意見発表し、われわれと意見交換させていただいたという意味では大変意義深かったと思います。ただ、数字的なこと、アンケートとかを参考に、これからの指針として持っておきたいと思いますので、事務局でまとめた数字的なことの報告をしてください。
◯教育政策課長(稲野公一君):今回は、8回実施して、総参加者77名でした。そのうち、47名からアンケートが提出され、4つの項目で評価をいただきました。たいへんよかったという方が22名、率にして46.8%。良かったという方が20名で、42.5%。両者を足すと89.3%。どちらともいえないという方が2名、よくなかったという方が1名で、否定的に考えられた方が合計3名でした。肯定的な意見の方のほとんどが、市の取組を詳しく知ることができてよかった、教育委員さんと話をできたことがよかったということでした。否定的な方は、参加者が少ない、あるいは期待以上のものではなかったということを書かれていました。
◯委員長(小川修一君):事務局で把握したアンケートの結果はそういうことで、肯定的に捉えていただいたのかなと受け取っています。さて、このような意見交換会を以後も続けていくのが筋ではないかなと思っています。テーマはともかくとして、保護者の方、地域の力を貸していただいている方々との意見交換の場というのは大切にしたいなと思います。白石委員に、進行役のようなかたちを取っていただきました。いろいろとお考えだと思いますが、いかがですか。
◯委員(白石裕君):われわれも試行錯誤しながらさせていただきました。事務局のサポートで一生懸命やっているつもりですが、随分いろいろな課題もあったなと思います。ただ、昨年に比べて心掛けたのが、昨年は一方的に説明を聞くだけだったというご意見があったので、できるだけご意見を伺い、われわれの見解も述べながら双方向でできたのが進歩なのかなと思いました。それでも課題があったなと思いますが、今回は事務局としてどういう総括をしていますか。
◯教育政策課長(稲野公一君):去年の問題点であるような部分については、参加された方は意見のやりとりも複数回にわたってできたとか、教育委員さんも直に話しかけていただいたりして、盛り上がったというか、納得いただけた部分が多かったと思います。ただ一方で、少ない人数だから、なおさら、たくさん発言はいただけたというものの、せっかくのこういった機会に大勢の方に参加いただけないと意味がない、もったいないというご意見もありましたので、いかにもう少し幅広い方に参加いただけるようにできるか、その辺りが次の課題であるかなと思っています。
◯委員(福井聖子君):回数を重ねて、今年は各中学校区でというのは画期的な試みだと、中学校まで出向いて行ってすごく期待した割には、参加者がもう少し多くいて欲しかったなという気がしました。今回思ったのは、回数を多くしたからといって、あるいは近い場所に行ったからといって、みんなが来るわけじゃないんだなということだったので、むしろある程度回数を絞るのと、周知徹底すると、逆にここしかないと来ていただけるのではないかという気がしました。もう一つは、来られた方はもったいなかったとか、もっと多かった方がと言われたのですが、最近、厳しい見方をすると費用対効果みたいなことがあるので、やはりこちら側がたくさんの人数で時間をかけると、場所代はいりませんが、給料換算してみるとかなりの予算をかけてその会を催しているということになりますから、それだけの効果があるのかというつっこみが来たときに少ししんどいかなという気がしますので、逆に回数を絞るとともに、同じ曜日の同じ時間帯というのはどうなのという声も聞いたので、その辺の工夫もいるのかなと。それから、タイトルが「学力・学習状況調査について」ということで、その報告をしたのですが、そこについての質問はほとんど出なくて、来られた方はかねてから思っていた自分の身近で起こっている教育に対する疑問や質問を全部投げかけてこられたので、それならそれで内容そのものをタイトルなり、何を説明して、何の意見交換をするのか、何をしたら一番いいのかという辺りをかなり練らないといけない。ちょっと厳しいなと思ったのは、やはりそこに来られた方の個々のご意見なので、質問の中に塾のこととかがありましたが、教育委員会として方針を出せないですよね。さっきもちらっと言いましたが、大阪府教委は塾の力を借りよと言っていますから、塾は全くいりませんとはねつけるわけにもいかないですし、実際中学生の6割が塾を使っているので、塾を使っている人の前でいりませんとは言えないですよね。それとともに、教育委員会の中でのその辺りの話し合いも全然詰めていないので、非常に返答に困るんです。保護者の方からそういう質問が来たときには、その子どもにとっての塾がどういう意味なのか考えようというかたちの返答にさせてもらったのですが、教育委員会として塾をどう考えているのかと本当につっこまれたときには、その場で返答ができないので、やはりちょっと怖いところがあるなと思います。教育委員会としてかなり方針も練ってある、こう言われる場合にはこういうかたちでと方針が出ているものに関してはしゃべりやすいですが、そうでない部分は個人的な意見と言っても、教育委員としてしゃべっているのでしんどいところがあるなと。だから、タイトルを何にするのかも、ある程度幅広いタイトルで、そのタイトルの中でのやりとりにするのか、むしろできるだけ「意見を聞く」会なんだと、答えを返すのではなく、話を聞きながら引いてしまうようなかたちの受け答えにするのか、その辺の会としての方針をもう少し詰めていないとしんどいかなという気がします。
◯委員長(小川修一君):それは、われわれ全体の自省の弁だと思います。次回やるとすれば、テーマを絞るなり、やり方を工夫するなりということがあってしかるべきだと、みんなそう思っていると思います。
◯教育長(森田雅彦君):福井委員がおっしゃったとおりだと思います。塾の問題については、やはりその考え方を教育委員の学習会等の中で論議をしておかなくてはならないと思います。いろいろな教育課題がありますが、われわれがきちんとこういう方針、考え方で臨もうということを今後とも論議していかなくてはならない。周知の仕方についても、今日も知らなかったという声が出ましたが、保護者の方にそのプリントが渡っているかどうかもありますが、呼びかけたのが11月ですので、今日などは2月になっていますから時間差があったということも大きかったと思います。そういう対応だとか、回数の問題、それから魅力のあるテーマを絞るということもあると思いますし、そういうことを受けて次年度どうしていくかということです。スタートして2年ですが、教育委員会委員が学校へ出かけて行って保護者の方と意見交換をすることは継続して進めていくべきではないかなと思います。
◯委員長(小川修一君):福井委員と森田教育長の方から、この会の継続と内容、進め方等での事前の協議が必要であるというお話でした。中には、即座に答えづらいような大きな問題が飛び出してきたこともありましたね。そういうことも踏まえて、次年度内容も含めていかにするか、事前に十分検討した上で臨みたいと思います。
◯委員長(小川修一君):それでは、3つめの、全国学力・学習状況調査の希望利用についてですが、意見等ありませんか。
◯委員(白石裕君):結果として、1月26日の会議で、今回については希望利用するという決定をしたのですが、考えないといけないことも多々あろうかと思います。私自身は、悉皆調査は必要だと思っています。しかし、ある一定の目的を達成すれば抽出調査に切り替えていいんじゃないかと思っていましたし、またこういうところでも発言をしてきました。国が抽出調査をするんだというので、それだったらいいなと思って見ていたのですが、実はそれが県レベルでの抽出調査ということで、必ずしも市町村の状況を把握するような抽出ではなかったんですね。そういう意味では、非常に失望したんです。国はいったい何を考えているんだと個人的には言いたいんですけれども。それで、しばらくは子どもたちの学力を把握する必要があるだろうと、またそれが現場の声でもあると聞いています。中学校3校のみ抽出ということだったのですが、次年度は希望利用ということで全体的にやってはどうかなと思います。今までの結果で、十分に措置がなされているかというとそれはまたいろいろと考えないといけませんが、授業改善の取組であるとか、生徒指導担当者授業支援員の増員であるとか、教育専門員による初任者指導の充実等、私自身が言ってきた教育条件の整備というのが学力テストの目的の一つであって、目的を達しつつあるなということと、市民の方々に十分知っていただいてご協力を得るという目的もあろうかと思うので、重ねてどういうかたちにせよ続けていくということが大事なんだと思います。そういう意味で、26日の希望利用の決定ということについては、そのようにして進めていくべきだと考えます。
◯委員長(小川修一君):学力テストについては、誰しも認めるところは一致するのではないかと思います。つまり、正確なデータを把握することによって、学力や学習状況の結果を分析することによって、教育の検証とか改善のサイクルなどを確立する必要性がある、これは教育である限りどのような分野であっても大切なことではないかと思われます。ですから、22年度においても希望利用の活用について、われわれともども事務局の方でも事務作業を進めていただくということと、3年間の課題を踏まえておかなければいけないという意味で、箕面市として取り組むべき課題、あるいは学校現場を支援する取組等も含めて考えていかなければいけないと思います。
以上3件、教育長からの報告の中で、さらにわれわれの考え方、質問等を出してみたわけです。それぞれの問題についての核心に触れたところであると私は信じています。こういう議論が益するような方向で考えていきたいと事務局ともども肝に銘じておきたいと思います。
◯委員長(小川修一君):以上をもちまして、本日の会議日程は、終了しました。各委員から教育行政にかかることで何かありませんか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、事務局から「その他、教育行政に係る報告」があれば、申出を受けますが、いかがですか。
◯委員長(小川修一君):ないようですので、本日の会議は、全て終了し、付議された案件、議案4件、報告2件はすべて議了しました。これをもちまして、平成22年第2回箕面市教育委員会定例会を閉会とします。


(午後3時40分閉会)


以上のとおり会議の次第を記し、相違ないことをみとめたので、ここに署名する。

箕面市教育委員会
委員長 小川修一(自署)
委員 福井聖子(自署)

 

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所属課室:子ども未来創造局教育政策室 

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