(報道資料)箕面市の第3セクター「箕面都市開発(株式会社)」による特定調停の申立て
箕面市の出資法人(第3セクター)「箕面都市開発(株式会社)」が、平成22年9月17日、大阪地方裁判所に特定調停法(※)に基づく調停の申立てを行いました。
同社は、平成7年の土地取得に起因する借入金により、長年にわたる財務構造上の課題を抱え続けていましたが、平成22年4月以降、箕面駅前駐車場の指定管理業務の失注を引き金として、急速に収益状況が悪化していました。
箕面市は、出資者かつ債権者として、これまで同社の健全化への協議を重ねてきましたが、この度、同社の判断として、抜本的な経営再建を図るため特定調停を申し立てたものです。
本市といたしましても、これを機会として、特定調停での裁判所の見解を踏まえながら、積年の課題の抜本解決に臨んでまいります。
(※)特定調停法=特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律
これまでの経緯
箕面都市開発(株式会社)は、箕面駅前再開発事業に伴い、再開発ビル(箕面駅前サンプラザ)の管理会社として昭和53年に発足した箕面市出資(68.38%)の第3セクターです。
土地取得に起因する歪な財務構造
- 平成7年8月、同社は箕面駅近傍の土地(約1,500平方メートル)を12億3,430万円で取得しましたが、この際、取得資金の大半(12億3,000万円)を金融機関からの融資に依存しており、後の地価下落により大幅な債務超過を抱える財務構造となりました。
- 平成16年3月には、金融機関からの借入金の残債(11億1,500万円)を、本市からの低利融資(11億1,000万円)に借換えしましたが、財務構造を変えるものではなく、依然として長年にわたる債務超過状態が継続していました。
駐車場業務の失注による急速な収益悪化
- 平成21年12月、主な収入源であった箕面市立箕面駅前駐車場の次期指定管理者(平成22年度から26年度)の公募に落選したことを引き金として、財務構造上の課題が表面化し、収益予想が急速に悪化したため、箕面市は出資者かつ債権者として、同社の健全化に向けて幾度となく協議を重ねてきました。
- しかしながら、当時の社長体制のもと提案された再建計画は、本市の債務免除や返済猶予を主張するものであり、かつ、同社のスリム化や経営努力が不十分なものであったことから、協議は平行線を辿る結果となりました。
- その後、平成22年5月に新社長が就任し、人件費単価・人員数の削減などの合理化策が進められましたが、なお、数年内での資金ショートが避けられないとの判断のもと、抜本的な経営再建を図るため、今般、特定調停法に基づく調停の申立てが行われたものです。
本市といたしましても、これを機会として、特定調停での裁判所の見解を踏まえながら、長年にわたる課題の抜本解決に臨んでまいります。
経過
- 昭和53年8月
箕面駅前再開発事業に伴い、再開発ビル(箕面駅前サンプラザ)の管理運営会社として、箕面市・金融機関等の出資により箕面都市開発(株式会社)を設立
- 平成7年8月
箕面駅近傍の土地(約1,500平方メートル)を金融機関の融資により12億3,430万円で取得(※当該融資により歪な財務構造となる)
- 平成16年3月
金融機関からの借入金(残債:11億1,500万円)について、箕面市からの低利融資(11億1,000万円)に借換え
- 平成21年12月
箕面駅前駐車場の指定管理業務の公募落選
- 平成22年4月
急速に収益状況が悪化
会社基本情報
- 設立:昭和53年8月
- 株主:箕面市ほか12社
- 発行株式:370,000株
- 箕面市所有株:253,000株(68.38%)
- 箕面市出資金:126,500千円
- 役員:代表取締役1名・取締役3名・監査役1名
- 社員:正職員3名・嘱託職員7名・パート3名
- 貸付金の概要
・貸付金…11億1,000万円
・貸付日…平成16年3月30日
・返済期間…30年
・貸付残額…976,369,142円(平成22年3月末現在)
「特定調停」は経済的再生を目的とした手続であり、箕面都市開発(株式会社)は、抜本的な経営再建を図るため、前向きにこの手段を選択したのだと受け止めています。
同社の財務構造は、長年にわたって箕面市を悩ませ続けてきた課題でもあります。これを抜本的に解決する良い機会と捉えて、特定調停の手続に臨んでいきます。
箕面市長 倉田 哲郎