箕面市の水道事業 パート2. 今後の水道事業経営の見通しと桜ヶ丘浄水場の廃止について 問い合わせ 上下水道局経営企画室 電話番号724・6755ファクス722・7413 市の水道事業は、給水収益の減少、物価高騰に伴うコスト増に加えて、安全・安心の水道水を届けるための施設整備費用が今後増大し、現在の料金水準では経営が困難になる見込みです。 この先、水道料金の値上げが避けられないことをご理解いただくため、今回は水道事業経営の見通しについてお知らせします。 また、平成26年度に廃止を方針化した桜ヶ丘浄水場について、その経緯などについても併せてお知らせします。 今後の水道事業経営の見通しについて 現在の料金水準では、今後必要となる施設の整備費用を賄うことができません 市の水道事業は、平成26年度策定の「市上下水道施設整備基本・実施計画」(以下、基本・実施計画)に沿って進めていますが、現在これを見直し、「市水道事業経営戦略」の策定を進めています。 最新の推計結果では、避難所や病院などの重要施設への供給ルートを優先して耐震化するなど、災害に強い施設整備を進めた場合、最大限精査しても、年平均15.8億円(これまでの約2倍)の整備費用が必要になります。 現在の経営状況は黒字であるものの、このままの料金水準で事業を続けた場合、今後見込まれる給水収益の減少も相まって、令和11年度に赤字になる見込みです(右図参照)。 ■収益的収支の見通し(折れ線グラフ) 収益的収入 平成27年度 28億7131万9000円 平成28年度 29億1978万7000円 平成29年度 29億2744万6000円 平成30年度 28億4188万9000円 令和元年度 28億5366万9000円 令和2年度 28億9478万3000円 令和3年度 28億6135万2000円 令和4年度 29億5667万4000円 令和5年度 28億6070万4000円 令和6年度 28億6856万9000円 令和7年度 28億2605万4000円 令和8年度 27億7355万3000円 令和9年度 27億4227万8000円 令和10年度 27億2495万3000円 令和11年度 27億1237万5000円 令和11年度から赤字に転じます 令和12年度 27億76万3000円 令和13年度 26億8881万1000円 令和14年度 26億4442万4000円 令和15年度 26億3271万6000円 令和16年度 26億1989万8000円 令和17年度 26億1422万2000円 収益的支出 平成27年度 24億8998万7000円 平成28年度 24億4168万2000円 平成29年度 24億7255万5000円 平成30年度 24億5860万8000円 令和元年度 25億409万3000円 令和2年度 24億9480万4000円 令和3年度 25億2316万9000円 令和4年度 25億8806万9000円 令和5年度 25億1618万7000円 令和6年度 25億7782万9000円 令和7年度 27億5820万4000円 令和8年度 26億2005万8000円 令和9年度 25億4885万8000円 令和10年度 26億5735万2000円 令和11年度 27億2162万8000円 令和11年度から赤字に転じます 令和12年度 27億7991万9000円 令和13年度 27億9987万円 令和14年度 28億4983万9000円 令和15年度 31億8063万3000円 令和16年度 32億1105万8000円 令和17年度 29億371万4000円 災害に強い施設整備を進めながら、安定的に経営を継続するためには、段階的な水道料金の値上げが必要です 安定的な経営(黒字)を維持し、水道施設の整備に必要な資金を確保するためには、令和11年度に22パーセント、令和22年度に18パーセントの改定率で水道料金の値上げが必要となる見通しです。 ※改定率とは、給水収益全体の値上げ幅の現段階での見通しであって、個々の利用者の料金値上げ幅を示すものではありません。 このような状況を考慮し、市では大阪広域水道企業団との統合を検討しています。 統合しても水道料金の値上げは避けられませんが、値上げ幅を抑制したり、値上げ時期を遅らせたりすることは可能です(もみじだより12月号参照)。 また、市では「市水道事業経営戦略」に関するパブリックコメントを1月19日(月曜日)まで実施しており、その資料(QRコード)において、上記について詳しく説明しています。 (イラスト)QRコード 桜ヶ丘浄水場について 施設の老朽化・非耐震構造などの問題から、既に平成26年度に廃止を方針化しています 同浄水場は市が使用を開始して73年が経過しており、施設全体が老朽化し、耐震化も行われていません。 現在の施設を使い続けたとしても、近い将来に更新・耐震化が必要になります。 これを考慮し、平成26年度に基本・実施計画を策定した際、「更新は行わず、将来的には廃止」とし、その時期は浄水コストが企業団から購入(受水)するコストを上回る時期(令和14〈2032〉年頃)と位置付けました。 今回、改めて各コストを推計した結果は右図のとおりです。 (折れ線グラフ)大阪広域水道企業団からの受水コストと桜ヶ丘浄水場での浄水コスト ※水道水1立法メートル当たりのコスト 桜ヶ丘浄水場での浄水コスト 令和8年度  56円 令和9年度  60円 令和10年度  63円 令和11年度  68円 令和12年度  72円 令和13年度  74円 令和13年度に浄水コストが受水コストを上回ります 令和14年度  75円 大阪広域水道企業団からの受水コスト 令和8年度  72円 令和9年度  72円 令和10年度  72円 令和11年度  72円 令和12年度  72円 令和13年度  72円 令和13年度に浄水コストが受水コストを上回ります 令和14年度  72円 桜ヶ丘浄水場の3つのポイント 1.更新・耐震化の費用と料金負担について 同浄水場の更新・耐震化の費用を試算したところ、約35億円になることが分かりました。 同浄水場の配水区域は桜ヶ丘を中心とする約3900世帯(市内全世帯数の約6パーセント)ですが、更新・耐震化する場合、その費用は市内の全世帯で賄うことになります。 2.同浄水場の水質や評価について この区域にお住まいのかたから「井戸水でおいしい」という声をいただく一方、「少し癖を感じる」「乾くと白い跡が付着するので困る」といった声も寄せられており、評価が分かれています。 なお、同浄水場廃止後に切り替えるのは、現在も市内9割以上の世帯に配水している企業団水の「高度浄水処理水」であり、国が過去に提言した“おいしい水の要件”を満たすものです。 3.災害時の水源確保について 同浄水場を廃止した場合、市における自己水源の浄水場は、箕面浄水場のみとなります。 しかし、箕面浄水場の最大浄水能力は1日約2400立方メートルあり、災害時に必要とされる人口14万人分の飲料水を十分に確保できます。 ※1人当たり1日3リットルの水が必要とした場合、「3リットル掛ける人口14万人イコール約420立方メートル」となり、箕面浄水場だけでも災害時に必要な飲料水を供給できると考えています。 上記のポイントも考慮し、桜ヶ丘浄水場は令和14年度の廃止を予定しています。