令和2(2020)年度 新年度の箕面市の台所事情と予算の使いみち 令和2(2020)年度予算は、2月19日から3月27日まで開かれた市議会定例会で審議の上、可決されました。 (写真)市議会定例会 問い合わせ 政策推進室 電話番号724・6718ファクス724・6971、財政経営室 電話番号724・6708ファクス723・2096 予算全体の規模 〈 〉の数値は、前年度との比較を表しています。 一般会計の予算額 639億7000万円〈マイナス88億9000万円、マイナス12.2パーセント〉 北大阪急行線延伸整備の進展により事業費のピークが過ぎたことなどから、予算額は減少しました。 全会計の予算額(特別会計・企業会計を含む) 1594億9600万円〈マイナス217億4000万円、マイナス12.0パーセント〉 競艇事業会計において、SG競走(グランプリ)の非開催年に当たるため、予算規模が縮小しました。 予算編成概要 令和2年度当初予算は、北大阪急行線延伸整備の進展により事業費のピークが過ぎたことなどから、前年度と比べて12.2パーセントの減となりました。 一方、財政の健全性を示す経常収支比率は98.0パーセントとなり、12年連続で経常黒字(経常収支比率100パーセント以下)を達成しています。 「安心・支えあい最優先」、「緑・住みやすさ最先端」、「子育てしやすさ日本一」の実現に向けて、子どもから高齢者まで、あらゆる市民のニーズに気を配り、未来に向けた投資を行うメリハリのある予算となっています。 防災体制のさらなる充実や、幼稚園・保育園周辺の危険箇所対策、特殊詐欺防止や健康長寿への取り組みなどを進めます。 次代を担う子どもたちに健全な財政を引き継ぎ、将来にわたって箕面市が発展していけるよう、今後も財政規律の堅持と未来への投資の両立をはかっていきます。 健全化判断比率の状況 市の財政が健全かどうかを表す指標です。 令和2年度予算は、4指標全てにおいて良好な水準にあり、健全で余力のある状態を維持しています。 H:平成 R:令和 実質赤字比率(折れ線グラフ) 黒字  平成22年度 マイナス4.25パーセント 健全  平成23年度 マイナス4.14パーセント 健全  平成24年度 マイナス3.36パーセント 健全  平成25年度 マイナス6.07パーセント 健全  平成26年度 マイナス7.06パーセント 健全  平成27年度 マイナス8.26パーセント 健全  平成28年度 マイナス8.56パーセント 健全  平成29年度 マイナス7.31パーセント 健全  平成30年度 マイナス7.35パーセント 健全  令和元年度 マイナス6.90パーセント 健全  令和2年度 マイナス7.23パーセント 健全  破たん寸前 早期健全化基準 12.00パーセント  破たん状態 財政再生基準 20パーセント 家計に例えると、「年収に対する赤字の割合」を示しています。 連結実質赤字比率(折れ線グラフ) 黒字  平成22年度 マイナス24.23パーセント 健全  平成23年度 マイナス23.55パーセント 健全  平成24年度 マイナス30.81パーセント 健全  平成25年度 マイナス41.60パーセント 健全  平成26年度 マイナス43.51パーセント 健全  平成27年度 マイナス45.43パーセント 健全  平成28年度 マイナス50.33パーセント 健全  平成29年度 マイナス55.25パーセント 健全  平成30年度 マイナス56.92パーセント 健全  令和元年度 マイナス65.30パーセント 健全  令和2年度 マイナス63.33パーセント 健全  破たん寸前 早期健全化基準 17.00パーセント  破たん状態 財政再生基準 30パーセント 家計に例えると、「同居している家族全員の年収総額に対する赤字総額の割合」を示しています。 実質公債費比率(折れ線グラフ) 堅調  平成22年度 5.8パーセント 健全  平成23年度 4.9パーセント 健全  平成24年度 4.5パーセント 健全  平成25年度 3.1パーセント 健全  平成26年度 2.2パーセント 健全  平成27年度 1.2パーセント 健全  平成28年度 0.5パーセント 健全  平成29年度 0.3パーセント 健全  平成30年度 0.5パーセント 健全  令和元年度 0.7パーセント 健全  令和2年度 1.4パーセント 健全  破たん寸前 早期健全化基準 25パーセント  破たん状態 財政再生基準 35パーセント 家計に例えると、「年収に対するその年のローン返済額の割合」を示しています。 将来負担比率(折れ線グラフ) 低負担 ※直近2カ年が下降傾向となっていますが、中長期試算では令和2年度が“底”の見通しであり、以降は上昇に転じる見込みです。  平成22年度 マイナス33.6パーセント 健全  平成23年度 マイナス53.3パーセント 健全  平成24年度 マイナス58.5パーセント 健全  平成25年度 マイナス60.3パーセント 健全  平成26年度 マイナス64.7パーセント 健全  平成27年度 マイナス55.4パーセント 健全  平成28年度 マイナス31.9パーセント 健全  平成29年度 マイナス26.3パーセント 健全  平成30年度 マイナス30.7パーセント 健全  令和元年度 25.9パーセント 健全  令和2年度 67.1パーセント 健全  破たん寸前 早期健全化基準 350パーセント 家計に例えると、「年収に対するローン残高など将来支払わなければならない額の割合」を示しています。 一般会計予算の市民1人当たりの主な使いみち 教育 ●小・中学校、幼稚園の管理運営 ●児童・生徒の放課後活動支援 など 3万5769円 保育所・認定こども園 ●保育所施設の管理運営 ●民間保育園・認定こども園への運営補助 など 4万467円 高齢者福祉・生涯学習 ●高齢者医療、介護保険制度への助成 ●生涯学習施設の管理運営 など 3万4409円 健康 ●各種がん検診 ●インフルエンザ、肺炎球菌など予防接種 ●子どもの医療費助成 など 2万4187円 公園や道路などの維持管理 ●公園施設の管理や修繕 ●道路の維持補修など 1万8317円 ごみ処理・リサイクル ●ごみ収集、清掃工場の管理運営 など 3万1467円 令和2(2020)年度 新年度の箕面市の台所事情と予算の使いみち 市の重点施策 1 安心・支えあい最優先 市民の安全・安心の確保と、地域の支えあいを醸成していく取り組みを進めます (写真)新興住宅街を歩く家族 1.防災体制のさらなる充実 予算額:5億1288万1000円 ●大規模化する風水害に備え、「市水防整備指針」により進めている全市の水路機能の増強を一気に加速し、未着手の32カ所全ての対策を実施します。「レッドゾーン内人口ゼロ」をめざす市の急傾斜対策においては、残り5カ所中、準避難路や通学路に被害が及ぶ3カ所の対策を実施します。 ●市内にある駅の地下通路や道路アンダーパス4カ所と、市街地とは異なる気象現象が起きやすい止々呂美地域などの要監視ポイント4カ所、計8カ所にネットワークカメラを増設し、局地的な降雨状況をピンポイントかつリアルタイムに把握します。 ●災害に不慣れな外国人市民に対して、災害時に正確でタイムリーな情報が提供できるよう、外国語版市民安全メールの配信を開始するとともに、SNSなど外国人コミュニティの中で正確な情報を発信できる「外国人防災リーダー」を養成します。 2.オリンピック・パラリンピックへの機運醸成とスポーツ人口の増加 予算額:862万5000円 ●オリンピック・パラリンピックの機運を市民一人ひとりのスポーツの実践行動につなげることをめざして、30代から50代をターゲットに、オリンピックで人気の4競技(卓球、バドミントン、バレーボール、バスケットボール)の教室と競技大会を開催します。 (写真)市民卓球大会のようす 3.健康長寿をめざす多角的な取り組み 予算額:5億5957万5000円 ●30代から50代の忙しい世代でも参加しやすいスポーツプログラムを探る「大人のスポーツ・トライアル事業」を継続します。 ●健康維持に効果が期待される温水プールを備えた総合水泳・水遊場の整備において、PFI事業者の選定を進めます。 ●高齢者に人気のシニア塾のコースや、体力測定・アンチエイジングセミナーなど、健康への“きっかけづくり”の場を充実させます。 (写真)第一総合運動場(スカイアリーナ)のトレーニングルーム 4.将来の消防需要に基づく消防力の保全 予算額:3億3346万1000円 ●新たな消防拠点「(仮称)豊川分署」の令和3年春の開署をめざし、整備工事を加速します。 ●5トン級車両の運転に準中型免許が必要となったことから、消防団の車両更新に当たり普通免許で運転ができる3.5トン級車両の導入を開始し、準中型免許取得費用の助成と併せて、消防団への新規入団者への負担軽減をはかります。 5.きめ細かな安心と暮らしやすさへの取り組み 予算額:4億9741万8000円 ●特殊詐欺被害の防止対策として、高齢者世帯を中心に自動通話録音装置を1万個配布します。 ●市の指定ごみ袋(燃えるごみ専用袋)について、現在の20リットル・30リットルに加えて、要望の多い40リットル袋を新設します。 ●厚生労働省令の改正により平成31年4月から障害者手帳のカード化が可能になったことを受け、全国で初めてカード化を実施します。 2 緑・住みやすさ最先端 豊かな緑を守り、便利で住みやすく、元気で活力ある箕面をめざして、まちづくりを進めます (写真)まちなみ 1.進むまちづくり 予算額:143億6122万1000円 ●北大阪急行線の延伸工事において、国道171号をまたぐ橋桁の架橋や、地下区間におけるシールドマシンの掘削など、着実に工事を進展します。 (写真)橋桁の架橋工事のようす ●箕面船場阪大前駅の駅前地区において、令和3年春のオープンに向けて市立文化芸能劇場、市立船場図書館、市立船場生涯学習センターの建設工事を進めます。 ●北大阪急行線の新駅へのアクセス道路の整備を加速するとともに、桜井駅前ロータリーの令和3年度オープンに向けて整備工事を進めます。 2.安全な道路環境の整備と保全 予算額:2億8056万7000円 ●通学路などの歩道改良や安全対策、青い路面標示の自転車レーンの整備などにより着実に通行の安全を守るとともに、道路施設の老朽化対策に万全を期すため、全175本の市管理の橋梁の計画的な点検を実施します。 3.山麓保全の取り組み 予算額:1700万円 ●これまで公益信託で運用してきた「みのお山麓保全ファンド」を、NPO法人みのお山麓保全委員会を通じた直接助成に切り替え、国から交付されている森林環境譲与税を財源に、持続可能なしくみで着実な山麓保全をはかります。 (写真)山麓に広がる箕面の街並み 3 子育てしやすさ日本一 子育てがしやすく、子どもたちが健やかにのびのびと育つ環境を整えます (写真)すべり台で遊ぶ親子 1.きめ細かな教育・子育て環境の整備 予算額:6億8541万3000円 ●学童保育における長期休業中のランチ提供、市立保育所の1・2歳児トイレへのエアコン整備、東図書館の親子交流スペース整備など、きめ細かな教育・子育て環境の整備を進めます。 ●大津市の園児交通事故を受け、幼稚園・保育園周辺の危険箇所対策を進めるとともに、キッズゾーンを設定し、通行車両に減速と注意を促す路面標示を行います。 ●民間保育園等のお散歩など、園外活動時に保育士とともに園児を見守るスタッフの雇用を支援します。 ●保護者や地域の住民が学校活動を支援する「学校ボランティアコーディネーター制度」のモデル校を拡大し、計3校で実施します。 2.一歩先を行く箕面市の教育 予算額:5億1272万5000円、令和元年度補正予算額:10億4326万円 ●全小・中学校の全児童生徒(約1万2300人)に1人1台のタブレットPCを配置します(現在導入済みの小学4年から6年生全員〈約4300人〉に加え、新たに約8000台を追加導入し、1人1台体制を実現します)。 ●外国人英語指導助手(ALT)を2人増員し、全76人の体制を完成させます。中学校は各学年1人、小学校は2学年に1から2人の体制とし、全小・中学校、全学年で毎日英語に触れる取り組みを進めます。 (写真)外国人英語指導助手(ALT)による授業のようす 3.教育分野における各種トライアル事業の継続 予算額:1億218万3000円 ●放課後学習における6種類のタブレット学習、塾講師による学習指導や、塾・習い事の費用を助成するなど、さまざまな手法の比較検証を継続し、確実に効果が出せる学習支援策を確立します。 ●生徒指導部長や教務部長などの専任教員を加配して学校の組織体制を改変する「パイロット校」「ミニパイロット校」、教員の定型的な事務を他の職種が担うことで教員の負担を軽減する「事務支援員配置校」の取り組みを継続し、効果検証と効果を生み出す要因の分析を深化します。