箕面市新改革プラン 令和3年2月 (1ページ) 1 これまでの行財政改革の取り組み 箕面市では、平成7年度(1995年度)の行政改革推進本部発足から、平成15年(2003年)2月に策定した箕面市経営再生プログラム、平成18年(2006年)に策定した箕面市集中改革プラン、および平成20年(2008年)から作成した緊急プラン(素案)・ゼロ試案などに基づき、各種、行政改革の取り組みを進めてきたことにより、財源不足や基金の枯渇といった危機を乗り越え、一時的に健全な財政を取り戻しました。 これまでの主な行財政改革の取り組み ・箕面市行政改革大綱(平成8〜12年度) 限られた人材や財源を有効に活用しながら、行政サービスを通して市民福祉の最大化を実現し、柔軟性・弾力性に富んだ行財政運営システムの確立を図るため、施策の再構築の視点で事務事業の見直しなどに取り組みました。 ・箕面市経営再生プログラム(平成14〜18年度) 経済の長期的低迷による税収減などにより箕面市の経営が厳しい中、少子高齢化、高度情報化、国際化などの社会情勢の変化に的確に対応するため、抜本的な自治体改革として、すべての施策や制度、仕組みをゼロベースで見直しました。 ◇ 箕面市アウトソーシング計画(MOS計画)(平成14年〜18年度) アウトソーシングにより構造改革と歳出改革を実現 ◇ 第2次箕面市職員適正化計画(平成15年〜19年度)人件費を抑制し、少数精鋭の行政組織を実現 ・箕面市集中改革プラン(平成17〜22年度) 三位一体改革による税収減収で、「箕面市経営再生プログラム」策定時の予想をはるかに超えた厳しい状況の中、「箕面市集中改革プラン」を策定し、一層の改革を進めました。 ・緊急プラン(素案)・ゼロ試案(平成20〜25年度) 危機的な財政状況を打破するため、「改革特命チーム"ゼロ"」(副市長をリーダーとした職員13名で構成)が、5年間で検討していく行財政改革内容「緊急プラン(素案)」を作成しました。 また、「緊急プラン(素案)」の目標を達成するために、「ゼロ試案」も示しながら、すべての事業をゼロベースで見直しました。 ・箕面市財政運営基本条例(平成26年3月制定) 箕面市が社会経済情勢の変化や市の実情に応じた必要な施策を自主的かつ総合的に実施するため、市の財政運営に関し基本的な事項を定めています。 (2ページ) 2 さらなる行財政改革の必要性 一方で、「緊急プラン(素案)・ゼロ試案」の作成から約10年が経過し、この間、少子高齢社会による社会保障関連経費の増加など、本市を取り巻く社会情勢は大きく変化しています。 特に、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きく、本市においても市税収入の減少により、財源不足に陥る可能性があります。 また、経常収支比率についても、令和3年度当初予算では100%を超え、今後極めて厳しい行財政運営が強いられる見通しとなっています。 経常収支比率が100%を超えることは、家計に例えると、預貯金や借金に頼らなければならない赤字の状況です。 ●経常収支比率の推移(折れ線グラフ)※経常収支比率とは、財政構造の柔軟性を測る指標のこと。 令和2年度 予算ベース・・・ 98.0% 決算ベース・・・94.1% 令和3年度 予算ベース・・・100.0% 決算ベース・・・96.5% 令和4年度 予算ベース・・・101.4% 決算ベース・・・97.9% 令和5年度 予算ベース・・・102.6% 決算ベース・・・99.1%  令和6年度 予算ベース・・・103.5% 決算ベース・・・100.0%  予算ベースでは令和3年度に100%、決算ベースでも令和6年度には100%を超える可能性があります。 (3ページ) 2 さらなる行財政改革の必要性 この状況を打開するためには、障害者や高齢者、生活困窮者への影響を配慮しつつ、これまでの行財政改革の取り組みを一層加速化させる必要があります。 併せて、社会環境の変化によって、多様化・複雑化する市民ニーズに対して的確に対応し、持続的かつ安定的に、質の高いサービスを提供していくため、効率的かつ健全な行財政運営を図っていく必要があります。 そこで、箕面市新改革プラン(以下、「新改革プラン」という。)を策定し、愛すべきまち「箕面」の次世代への継承、および持続可能な魅力あるまち「箕面」の実現をめざします。 なお、新改革プランは、改革の方向性を示したものになります。 令和3年度以降 新型コロナウイルス感染拡大による市税収入の減少、社会保障関連経費(扶助費)の増加→経常収支比率100%超 ※扶助費とは、社会保障制度の一環として、障害者・高齢者・児童などに対してその生活を維持するために支出する経費のこと。 ↓行財政改革をさらに加速 行財政改革 新改革プランの策定 改革の柱1 新アウトソーシング計画 改革の柱2 施設の再配置構想 改革の柱3 市有財産の活用 改革の柱4 全事業の点検 改革の柱5 各種団体の見直し ↓新改革プランに沿って実行 質の高いサービスの提供や健全な行財政運営をめざす。 目標 子どもたちの未来に負担を先送りしない ・愛すべきまち「箕面」の次世代への継承 ・持続可能な魅力あるまち「箕面」の実現 (4ページ) 3 新改革プランについて 新改革プランでは、5つの柱をもとに改革を進め、効率的かつ健全な行財政運営を確立し、多様化・複雑化する市民ニーズに的確に対応し、行政サービスの向上を図っていきます。 ・改革の柱1 新アウトソーシング計画・・・民間活力を活かして、業務の委託化 ・改革の柱2 施設の再配置構想・・・公共施設の適正配置 ・改革の柱3 市有財産の活用・・・売却可能資産の計画的な売却、その他の土地の有効活用 ・改革の柱4 全事業の点検・・・不要不急な事業・経費の精査 ・改革の柱5 各種団体の見直し・・・ 各種出資・補助団体の統廃合 これらの新改革プランを実行することで ・愛すべきまち「箕面」の次世代への継承・・・より一層、効率的かつ健全な行財政運営をめざします。まちづくりへ効果的な投資を行い、より豊かで快適なまちの実現をめざします。 ・持続可能な魅力あるまち「箕面」の実現・・・多様化・複雑化する市民ニーズに的確に対応し、行政サービスの向上に努めます。 (5ページ) 4 取組項目 改革の柱1 新アウトソーシング計画 ※アウトソーシングとは、行政サービスの一部業務を外部へ委託すること。 箕面市では、平成15年(2003年)に策定した箕面市アウトソーシング計画等にもとづき、各種事業の民間委託を進めてきましたが、近年、国による規制緩和、法整備等が進み、民間活力の導入が一層進んでいます。 民間活力を導入することで、専門的な技術やノウハウを活かしたサービスを提供することができ、より高い効果が期待できるだけではなく、行財政運営の効率化や簡素化にもつながり、大幅なコストダウンも期待されます。 このようなことから、「民間ができることは民間で」の発想のもと、より質の高いサービスを市民に提供できるよう、再度、事業の見直しを図るため、令和3年3月末に「箕面市新アウトソーシング計画」の策定をめざします。 なお、新アウトソーシング計画の策定にあたっては、今後の定員管理のあり方をはじめ、長期的な組織運営に必要な人材の計画的な確保や人材育成のあり方を併せて検討していきます。 (1)新アウトソーシング計画の考え方 ・アウトソーシング検討の対象は、「公権力の行使に関すること」「政策形成に関すること」以外の業務で、効果・効率性が向上し、検討対象となる可能性があるものは、すべて検証を行います。 ・業務を@事務事業とA施設等の管理運営事業の2つに分類し、各事業でアウトソーシングの可能性を検討します。  @事務事業・・・各種受付・案内業務、資料作成・入力業務など  A施設等の管理運営事業・・・公共施設の施設管理・補修・運営業務 ・類型を@業務委託とA施設運営の民営化の2つとし、業務ごとに可能性を検討します。  @業務委託・・・清掃、保守、受付など各種業務を民間等に委託すること  A施設運営の民営化・・・市が設置した公共施設の運営を民間に委託すること  ※業務によっては廃止の検討も含んでいます。 (6ページ) (2)新アウトソーシング計画のメニュー @事務事業(効果額約1.5億円) 各種受付・案内業務、資料作成・入力などの委託化の活用により業務の効率化をめざす ・ごみ収集委託の拡大 ・し尿収集業務 ・就学関連事務、学童保育関連事務 ・学校事務センターでの受付・入力業務 ・学校校務員 ・その他 A施設等の管理運営事業(効果額約1.5億円) 公共施設の施設管理・補修・運営業務の委託化・民営化によりサービスの向上およびコストダウンをめざす ・環境クリーンセンター(搬入ごみ受入、計量業務) ・公立保育所民営化の拡大 ・公立幼稚園の段階的廃止 ・その他 新アウトソーシング計画効果額 (現状) @事務事業約6.5億円+A施設の管理運営事業約4.5億円=約11億円 (計画実行後) @事務事業約5億円+A施設の管理運営事業約3億円=約8億円 (効果額) 経常経費約3億円の圧縮 ※@Aに例示した事業を単にアウトソーシングした場合の効果額の試算 (3)これまでのアウトソーシングの成果例 ・窓口では、より高い接客スキルで対応することができ、窓口サービスにおけるアンケート結果でも、総じて高い評価を得ることができています。 ・豊富な実績とノウハウを持つスポーツ関連事業者が総合運動場などを管理・運営することで、より専門的なサービスを提供することができ、利用者の満足度向上につながっています。 (7ページ) (4)各種メニューの考え方 《公立幼稚園の段階的廃止》 箕面市内には、現在、公立幼稚園は4園あり、令和2年度の児童数の合計は161人、充足率は約2割と低く、対して私立幼稚園は8園(認定こども園を含む)あり、充足率は約9割と高水準で推移している状況です。 また、日本社会全体の少子化の影響により、さらに充足率は低下していくと考えられます。 @市内の公立/私立幼稚園の園児数・充足率の推移 公立幼稚園4園(定員700人) 平成28年度…255人(充足率36.4%) 平成29年度…219人(充足率31.3%) 平成30年度…214人(充足率30.6%) 令和元年度…197人(充足率28.1%) 令和2年度…161人(充足率23.0%) 私立幼稚園8園(定員1,765人) 平成28年度…1,623人(充足率92.0%) 平成29年度…1,632人(充足率92.5%) 平成30年度…1,595人(充足率90.4%) 令和元年度…1,585人(充足率89.8%) 令和2年度…1,546人(充足率87.6%) ※園児数・・・令和2年度版市勢年鑑(各年度5月1日現在「学校基本調査」)より) 公立幼稚園の子ども1人当たりにかかる市の負担額は、私立幼稚園の約4倍となっています。 A子ども1人当たりにかかる市の負担額 ・年間経費 公立幼稚園…207,870千円、私立幼稚園…359,129千円 ・園児数 公立幼稚園…197人、私立幼稚園…1,585人 ・経費/人 公立幼稚園…1,055千円、私立幼稚園…227千円 ※年間経費(令和元年度決算額。公立幼稚園は、4園の合計、私立幼稚園は、認定こども園6園と幼稚園2園の合計) ※園児数(令和2年度版市勢年鑑(令和元年5月1日現在「学校基本調査」)より) (8ページ) 3歳児保育や預かり保育など、市民を取り巻く環境の変化などから求められるサービスも変わってきており、現在の公立幼稚園のサービス内容は求められるサービスと合致しにくくなっています。 B公立幼稚園・私立幼稚園のサービス実施内容の比較 【表】 ●公立幼稚園 ・支援教育○ ・3歳児保育× ・預かり保育× ・給食提供× ・園バス送迎× ●私立幼稚園 ・支援教育○ ・3歳児保育○ ・預かり保育○ ・給食提供○ ・園バス送迎○ ●公立幼稚園設置の経緯 箕面市では、第2次ベビーブームなどにより、就学前児童の急増に伴い幼稚園への就園ニーズが増加したことから、私立幼稚園を補完する形で公立幼稚園の設置を進めてきました。 公立幼稚園設置の経緯により、3歳児保育については、私立幼稚園の衰退、存続問題に直接繋がるとの意見があり、実施していません。 預かり保育については、保護者の就労支援として、保育所や一時保育事業として実施しています。 また、園バス送迎についても、公立幼稚園の園児受け入れが概ね小中学校区域内であることから実施していません。 ・市の公立幼稚園の設置経緯(就園ニーズの増加)=補完の役割 ・共働き世帯の増加や生活スタイルの変化により、幼稚園に求められるニーズの変化 ・私立幼稚園数の増加や私立幼稚園によるニーズに対応したサービスの提供 ・公立幼稚園の充足率の低下 ・日本社会全体の少子化による影響(充足率のさらなる低下) 以上のことから、公立幼稚園の役割は一定完了したと考えられます。 公立幼稚園を段階的に廃止し、幼稚園については民間が担い、箕面市は私立幼稚園を支援することにより幼児教育の質を高めていきます。 どの幼稚園をいつ廃止するかについては、職員の定員管理を踏まえて、決定していきます。 (9ページ) Cこれからの取組支援策 ・支援や配慮の必要な子どもが安心して就学前の教育が受けられるよう、私立幼稚園での支援教育の充実を図るため、私立幼稚園への補助金の交付などを検討していきます。 ・私立幼稚園の入園時にかかる諸費用については、家庭の所得や多子家庭に応じた負担軽減策を検討していきます。 ・民間幼稚園の質の向上などをサポートする「(仮称)箕面市幼児教育センター」の立ち上げを検討していきます。 ・保育士を含め、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの優れた人材を効果的に活用し、児童発達支援事業所あいあい園の機能強化を図りながら、市全体で支援教育のあり方について検討していきます。 《公立保育所民営化の拡大》 箕面市内には、令和元年度(2019年度)時点で、公立保育所は4所あり、民間保育園は32園あります。民間保育園の数は、平成18年度(2006年度)から約6倍と顕著に増加しています。 また、公立保育所と民間保育園に通っている子どもの割合が、平成18年度(2006年度)には公立7対民間3でしたが、令和元年度(2019年度)には公立2対民間8と逆転しており、民間保育園に通っている子どもが圧倒的に多くなっています。 @公立保育所と民間保育園の園児数(※各年度3月1日現在) 平成18年度 公立保育所…872人、民間保育園…459人 令和元年度 公立保育所…505人、民間保育園…1,913人 A公立保育所と民間保育園の園数(※各年度3月1日現在) 平成18年度 公立保育所…7園、民間保育園…5園 令和元年度 公立保育所…4園、民間保育園…32園 (10ページ) 子ども1人当たりにかかる市の負担額も、公立保育所は民間保育園の約4倍となっています。 B子ども1人当たりにかかる市の負担額 ・年間経費 公立保育所…708,334千円、私立保育園…734,574千円 ・園児数 公立保育所…505人、私立保育園…1,913人 ・経費/人 公立保育所…1,403千円、私立保育園…384千円 ※年間経費(令和元年度決算額。公立保育所は4所、民間保育園は32園の合計) ※園児数(令和2年度版市勢年鑑(各年度3月1日現在)) また、これまでも、平成19年(2007年)に瀬川保育所、平成20年(2008年)に桜保育所、平成26年(2014年)に箕面保育所をそれぞれ民営化してきましたが、延長保育などのサービスメニューの拡充を図り、施設や子どもたちの活動など、保育サービス充実が図られています。 Cこれまでの民営化の効果 ・定員の拡大をはじめ、一時保育、延長保育、休日保育などのサービスの充実が図られています。 ・施設も改修され、使いやすくなっています。 ・工夫を凝らしたイベントや行事を実施し、子どもたちに様々な経験ができる機会を提供しています。 一方で、共働き世帯の増加に伴い、今後ますます保育ニーズは増加し、また生活スタイルの多様化などから、保育に対して求められるサービスはさらに多岐にわたり、かつ複雑化していきます。 限りある財源の中で、公立保育所がこれらのニーズにすべて対応することは難しく、民間活力を活用することは不可避です。 したがって、保護者のニーズに沿った、より質の高いサービスを提供するため、すべての公立保育所を段階的に民営化していきます。 民営化の方針が決定している稲保育所は令和5年度(2023年度)以降に、それ以外のすべての公立保育所についても、職員の定員管理を踏まえて、実施時期を決定していきます。 (11ページ) Dこれからの取組支援策 ・支援や配慮の必要な子どもが安心して就学前の保育・教育が受けられるよう、民間保育園での支援教育の充実を図るため、民間保育園への補助金の交付などを検討していきます。 ・民間保育園の質の向上などをサポートする「(仮称)箕面市幼児教育センター」の立ち上げを検討していきます。 ・保育士を含め、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの優れた人材を効果的に活用し、児童発達支援事業所あいあい園の機能強化を図りながら、市全体で支援教育のあり方について検討していきます。 公立幼稚園の段階的な廃止、公立保育所民営化の拡大に当たり、現在通園中の子どもたちや入園手続きが完了している子どもたちは、卒園まで通えるよう調整します。 ※稲保育所については、令和5年度(2023年度)以降に民営化を予定しています。 《環境クリーンセンター/ごみ収集委託の拡大》 令和3年度(2021年度)からごみ収集委託の拡大を実施します。また、職員の定員管理を踏まえ、環境クリーンセンターやし尿収集などの委託を実施していきます。 《就学関連事務、学童保育関連事務》 令和3年度(2021年度)より定型的業務の委託化を段階的に実施します。 業務委託により、教育委員会事務局業務の改善を図り、市職員が政策課題や専門的な相談業務などのコア業務により注力できる体制を構築します。 (12ページ) 改革の柱2 施設の再配置構想 業務の効率化をはじめサービスレベルや利便性の向上を図るため、公共施設等の再編・再配置について検討を進めていきます。 また、再配置によって生まれた土地については、貸付や売却などにより財源確保に努めていきます。 施設の再配置メニュー @教育センターを市役所別館へ移転 教育に関する調査・研究、教職員の研修などを実施している教育センターを令和3年(2021年)4月に市役所別館へ移転します。 教育の拠点機能を市役所に集中させることで、利便性の向上を図ります。 A箕面市立病院をCOM1号館跡地へ移転 COM1号館跡地への移転・建替を予定している新病院の整備、運営については、現在の整備、運営手法だけではなく、あらゆる手法を念頭に置きながらゼロベースで検討していきます。 B健康福祉部等をグリーンホール跡地へ移転 行政機能を1カ所に集約することで、市民のさらなる利便性の向上や業務の効率化を図るため、グリーンホール跡地に健康福祉部や人権文化部事務所、箕面商工会議所を移転する検討を進めていきます。 これら機能の移転に伴い、必要となる市役所駐車場の再配置・集約化と併せて、駐車場の有料化の実施に向けて、検討を重ねていきます。 (図)施設の再配置位置図 今後、各メニューの実施時期などについても、検討していきます。 (13ページ) 改革の柱3 市有財産の活用 「改革の柱2 施設の再配置構想」で生まれた土地やその他の市が所有する土地については、具体的な活用方針を定めたうえで、有効活用できるものは、貸付などを積極的に行い、地域の活性化やにぎわいの創出を図っていきます。施設機能等を確保できないものについては、計画的に売却していきます。 なお、既存施設の余裕スペースについても、地域交流や多世代交流など新たな交流の場となるよう、民間への貸付等を行っていきます。 (1)市有財産の活用の考え方 ・すぐに売却・貸付が可能なもの ・北大阪急行線延伸以降売却・貸付するもの ・貸付などの現契約終了までに活用方法を検討するもの ・公共または公益目的で活用するもの ↓これらを有効活用することで ・新たなにぎわいの創出、地域の活性化 ・貸付による経常的収入の増加、臨時的収入(売却益) を図ることができる (2)今後の活用メニュー @令和3年度に売却予定のもの…トータル約1.3億円の売却益 ・代替地(箕面3丁目) ・代替地(桜井1丁目) ・間谷配水地跡地 A大阪大学箕面キャンパス跡地 東部地域の活性化だけではなく、箕面市のまちづくり全体にも大きく貢献するため、商業施設や教育機関、スポーツ施設など、あらゆる可能性と選択肢をもって幅広く検討していきます。 B箕面市立病院跡地 新病院の方針が決まり次第、新設予定の小学校については、よりまちの魅力が高まるよう、施設一体型の小中一貫校建設の可能性も含めて検討します。 Cその他(市役所駐車場の有料化) 健康福祉部等行政機能の移転に伴い、必要となる市役所駐車場の再配置・集約化と併せて、駐車場の有料化の実施に向けて、検討を重ねていきます。 (14ページ) 改革の柱4 全事業の点検 効率的かつ健全な行財政運営を図るため、すべての事業については、社会経済情勢や市民ニーズの変化等を踏まえながら、公益性、必要性、費用対効果等の幅広い観点から検証を行い、そのあり方や方向性について見直しを行います。 併せて、事業の進め方についても、検証・分析を行い、業務プロセスの見直しによる事務の簡素化や、AI、RPAなどICTの活用による事務の効率化を図っていきます。 (1)全事業の点検の考え方 事業目的・プロセスと対象者、財源に着目し、以下の5つの視点で、事業の統廃合や中止、実施方法の変更を検討していきます。 ・事業の必要性や費用対効果は低くないか ・事業開始当初に比べ事業意義が薄れていないか ・事業開始当初に比べサービス水準が低下していないか ・事業手法を変更することにより大幅なコストダウン・効率化・簡素化を図ることができないか ・事業を休止しても市民の生活に影響がないか (2)見直しメニュー ●新規事業の見直し ・総合水泳・水遊場整備の休止 ・新病院の整備・運営形態の再検討 ・(仮称)船場小学校整備の再検討 これにより、臨時経費約45億円+αの効果が見込まれる ● 既存事業の見直し ・野外活動センターの運営手法の変更 ・消防指令センターの共同化 ・移動図書館「みどり号」の廃止(電子図書館の整備) ・定例的・反復性の高い庶務事務のRPA・AI化 など  ※RPAとは、Robotic Process Automationの略で、定型的なパソコン操作をソフトウェア型ロボットに代行させる仕組みのこと。 これにより、経常経費約1〜2億円の効果が見込まれる (15ページ) (3)各種メニューの考え方 《新病院の整備・運営形態の再検討》 @市立病院の経営状況(純利益) 【折れ線グラフ】 平成27年度・・・−413百万円 平成28年度・・・−1,059百万円 平成29年度・・・−888百万円 平成30年度・・・−885百万円 令和元年度・・・−1,205百万円 ・平成30年度(2018年度)には約9億円、令和元年度(2019年度)には約12億円の単年度赤字となっています。 ・平成30年度(2018年度)から資金不足に対応するため、13億円を競艇事業会計から長期借入れています。 ・令和2年度(2020年度)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、さらに経営状況が悪化する見通しです。 A整備費用の想定と市の負担 ・箕面市立病院リニューアル調査検討報告書(平成29年度(2017年度))において、新病院の整備費用は約234億円と試算しています。  ※新病院の整備費用(建物設計費、工事費、医療機器購入費等)は、現病院と同規模の病院を整備した場合の試算。移転用地の取得費用は含まない。 ・通常、整備費用のうち、50%は病院事業収益でまかないます。残り50%のうち、25%が市の実質的な負担額で、25%が国の交付税により措置されます。しかし、現在の経営状況のままでは、新病院が整備費用を捻出することは困難で、市の負担額が増加する可能性があります。 (16ページ) B新病院の整備・運営形態の見直しについて ・新病院については、船場一丁目(COM1号館跡地)への移転建替えを予定していますが、現在の整備、運営手法だけではなく、あらゆる手法を念頭に置きながらゼロベースで検討していきます。 ・現在の経営状況を鑑み、新病院の整備に向けては、地域医療の核として新病院が担うべき役割や機能を検討するとともに、新病院を効果的かつ効率的に整備・運営するため、あらゆる可能性を視野に入れながら検討を進めていきます。 《(仮称)船場小学校整備の再検討》 市立病院跡地に新設予定の小学校については、新病院の方針が決まり次第、よりまちの魅力が高まるよう、施設一体型の小中一貫校建設の可能性も含めて検討します。 《総合水泳・水遊場整備の休止》 総合水泳・水遊場の整備費に相当な額の負担が見込まれることから休止します。 今後、市の財政状況や市民ニーズ、社会情勢などを踏まえながら、整備可否の判断を行っていきます。 (4)今後の進め方 全事業の点検の考え方に基づき、すべての事業をゼロベースで見直し、休止や廃止、規模縮小などの措置をとった事業については、令和3年度(2021年度)当初予算に反映させます。 また、令和4年度(2022年度)以降についても、引き続き、事業の点検を実施していきます。 (17ページ) 各種団体が安定的に持続可能な事業展開を行えるよう、より健全な経営基盤を構築するため、市が組織のスリム化や効率化に向けた支援を行います。 (1)各種団体の考え方 各種団体とは、箕面市が設立に主体的に関与し、資本金およびこれらに準ずるものを出資または出捐しているものに加え、補助金の交付など財政的関与を行っている任意団体、法人および株式会社とします。 (2)各種団体見直しメニュー @公益財団法人箕面市メイプル文化財団と公益財団法人箕面市国際交流協会の統合 メイプル文化財団と国際交流協会は、箕面市における文化振興、国際化において非常に重要な役割を担っており、また、時代とともに変化する市民ニーズや社会情勢にも柔軟に対応でき、箕面市にとってなくてはならない組織です。 今後、箕面市の文化振興と国際交流の相乗効果を高め、また、より多くの市民のかたが「文化国際交流」を気軽に行えるような事業を展開していくために両財団の統合を進めていきます。 なお、箕面市としては、両財団が統合されることで、両財団の事業の縮小やcomm cafeの閉鎖の考えはありません。 両財団が統合することで、両財団のこれまでのノウハウや特性をうまく組み合わせながら、新たな取り組みを生み出すことはもちろん、財政基盤の強化、自主的・自立的な組織運営の構築を図っていきます。 A箕面FMまちそだて株式会社と箕面市観光協会の協業 箕面市のまちづくりを進める箕面FMまちそだて株式会社と箕面市の観光振興を目的に設置された箕面市観光協会が、それぞれの良い部分を最大限活かしながら協働して事業を実施し、箕面市のさらなる魅力向上とまちの活性化を図っていきます。 令和3年度(2021年度)には、箕面駅前の観光案内所のスペースに、新たに箕面FMまちそだて株式会社の事務所を設置するなど、協業の取り組みを進めていきます。 (18ページ) 5 めざすべき未来に向けて (1)新改革プラン実行による効果 ・アウトソーシングの実行や全事業の点検により、必要な事業を見極め、効率的かつ集中的に実施することができ、サービスの向上を図ることができます。 ・市有財産の貸付により経常的な収入増が期待されるとともに、アウトソーシングの着実な実行により経常経費が圧縮され、経常収支比率の改善につながります。  具体的には、新改革プランの取組項目をすべて実施することで、約5億円の経常経費の削減効果と経常収支比率の約2ポイントの改善が見込まれます。 ・新改革プランの実施によって創出された財源で、新たな投資を行うことができます。 行財政改革(新改革プラン) ・新アウトソーシング計画 ・施設の再配置構想 ・市有財産の活用 ・全事業の点検 ・各種団体の見直し ↓ 新たな施策の実施 ・中心市街地における都市基盤の整備と商業の活性化 ・ICT環境整備や施設改修による教育環境の充実    など 市民サービスの向上、経常収支比率の改善につながる ↓ 将来像 ・愛すべきまち「箕面」の次世代への継承 ・持続可能な魅力あるまち「箕面」の実現 (19ページ) (2)推進体制 新改革プランを実行するにあたっては、PDCAサイクルの観点のもと、最大限の成果が得られるように、関係部局間で連携を図りながら、全庁的に取り組んでいきます。 ※PDCAサイクルとは、業務改善の手法の1つ。Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Action(対応) (3)今後のスケジュール (図)スケジュール表 ●新改革プラン  素案の公表・・・12月1日  パブリックコメント実施・・・12月1日〜1月8日  説明会開催・・・12月16日  新改革プラン策定、パブリックコメント結果公表・・・2月 ●新アウトソーシング計画  計画の方向性の決定/素案の作成・・・3月上旬まで  素案の策定・・・3月 ●施設の再配置構想  公共施設等の再編・再配置の検討・・・令和3年6月以降も継続 ●市有財産の活用  売却可能資産の売却/その他有効活用・・・令和3年6月以降も継続 ●全事業の点検  全事業の点検・・・12月〜1月下旬  令和3年度予算に反映(一部)…1月下旬から  その他は令和3年4月以降も継続的に点検 ●各種団体の見直し  各種団体見直しの検討・調整・・・令和3年6月以降も継続 (20ページ) 参考 箕面市では、新改革プランを策定するにあたり、新改革プラン(素案)を公表し、令和2年(2020年)12月1日から令和3年(2021年)1月8日までの39日間、パブリックコメントを実施し、612人のかた(個人・団体を含む)から、1,056件のご意見をいただきました。 【表】寄せられたご意見の内訳といただいたご意見(例) ●プラン全体に関すること(113件) ・次世代のために迅速な改革の実行に取り組んでほしい ・改革が拙速・性急すぎる  など ●【改革の柱1】 新アウトソーシング計画(493件) ・民営化して、コストを抑えつつ、質の高い保育環境に移行してほしい ・支援や医療的ケアを必要とする子どもが安心して通えるよう公立を存続させるべき  など ●【改革の柱2】施設の再配置構想(46件) ・コンパクト化を前提とした市の施設の統合・再配置が望ましい ・再配置による建築費等、具体的な数値を示すべき  ●【改革の柱3】市有財産の活用(33件) ・利益を生む形で活用してほしい ・本庁駐車場の有料化を早急に進めるべき  など ●【改革の柱4】全事業の点検(102件) ・全事業の棚卸と費用対効果の検証が必要 ・箕面市立病院は公立病院として存続させるべき など ●【改革の柱5】各種団体の見直し(243件) ・各種団体の定期的な見直しは必要 ・(公財)箕面市メイプル文化財団と(公財)箕面市国際交流協会の統合に反対  など ●その他(26件) ・地域振興・観光振興への提案 ・財源確保の提案  など