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更新日:2013年2月21日

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平成25年度(2013年度)施政及び予算編成方針

平成25年(2013年)2月

 箕面市長  倉田  哲郎

 本日、ここに、平成25年度(2013年度)における予算案及び関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げ、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
 早いもので、昨年8月に2期目の市政運営をスタートして6か月を過ぎようとしています。 
 初めて市長に就任させていただいて以来、「安心・支えあい最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」を市政運営の3本柱に据え、市議会議員並びに市民の皆さまのお力添えをいただきながら全力で取り組んでまいりました。この間、種をまき大切に育んできた各種施策は少しずつ根を張り、実を結びつつあると感じております。その証の一つとして、市長初就任時に12万7千人余だった本市の人口は、この4年半で着実に増え続け、まもなく13万3千人に達しようとしています。これからもスピードと実行力を旨とし、この3本柱を基軸とする変わらぬスタンスで市政運営を進めてまいります。
 こうしたなかでも特に、昨年の所信表明において、2期目の4年間で短期的にこだわり確実に変化をもたらしたい事項として、「教育改革」「北大阪急行線の延伸と関連のまちづくり」「公務員制度改革」の3つの個別テーマをお示ししました。その実現に向けては、早々に着手するとともに、今予算にも意を込めております。したがいまして、この場では、これら3つの個別テーマを中心に新年度における市政の重点運営方針を申し述べ、「安心・支えあい最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」の3本柱を、議会提出資料の「予算概要」に主要施策としてお示しさせていただきます。
 新年度におきましても、わかりやすく方向を示し、箕面市を確実に前進させていくメリハリのある市政運営を推し進めますことを、改めてここにお誓い申し上げます。

 

市政の重点運営方針

 

3つのテーマの第一は「教育改革」です。

 この4年間で多くの市民の皆さまと接し、ご意見を多々頂きましたが、なかでも多かったのは「箕面の教育は大丈夫か?」との声でした。「箕面の教育がマズイと確信しているわけではないが、大丈夫と確信できる情報もない。よくわからないが心配だ。」というのが率直なところと感じています。これは、まだまだ箕面市及び教育委員会の発信力の足りなさと、その一方で世間で溢れかえる他地域からの不安なニュース報道の両方が強く影響していると思われます。

授業

 

 

 まったく問題がないなどと申し上げるつもりは一切ありませんが、それでも、本市の教育委員会が、常に問題意識を持ち、時々刻々と変化する様々な課題について常に議論され、また、保護者はもとより、子育てや青少年の健全育成など地域で活躍されている団体の方々との意見交換を行われるなど、活発で精力的な活動をされている稀有な教育委員会であることはまず申し上げておきます。
 その証の一つが、すべての小中学校の全9学年の全児童・生徒を対象に、毎年、独自の学力・体力・生活状況総合調査を実施する「箕面子どもステップアップ調査」です。今年度からスタートしたこの調査は、その規模と頻度と対象分野の広さにおいて、全国でも例を見ない取組みですが、正確な現状調査を繰り返しながら毎年の教育施策を改善していくというPDCAサイクルは、本来、普通にあるべき姿であり、本当は大阪府全域や全国規模で当たり前に行われて然るべきものです。現時点において先進的なこの取組みを率先して開始した箕面市教育委員会が、今後、全国に波及する新たなモデルを構築することになると確信しております。
 これまでの全国学力・学習状況調査や大阪府調査では、対象学年が固定されており(小学校6年生・中学校3年生)、毎年、調査対象となる子どもたちが異なるため、一人ひとりの成長に伴う変化を把握できませんでしたが、「箕面子どもステップアップ調査」はすべての子どもたちの成長を個別かつ継続的に把握します。新年度は2年度目の調査となり、いよいよ子どもたち一人ひとり、クラス単位など、さまざまな角度で前年度からの変化を分析できるようになります。一人ひとりの成長にきめ細かく対応するとともに、教員の指導力、授業力を高め、翌年度の各学年の授業に反映する改善サイクルをまわし、9年間を通して、子どもたちの学力・体力の向上と豊かな心の醸成に取り組んでまいります。
 また、本年2学期(8月末)から、すべての中学校において、自校調理方式により、完全給食かつ全員給食による中学校給食を実施します。これも、保護者をはじめとする地域の声や、大阪府の動向を汲み取り、子どもたちの育ちへの重要性に鑑みて実施決定に至ったものであり、メニューは米飯を中心とし、子どもたちの望ましい食習慣の形成や、社会性を身につける人間関係の育成、食のあり方などを考える食育の中心的役割を担うものとしてスタートします。

 

給食

 

 

 このように教育委員会が強い問題意識と精力的な議論を重ねて施策を進める一方で、“多くの学校・教職員を抱える教育委員会という巨大なシステム”全体が、本当に一つの有機体として一体となって物事を進められているかどうか、端的に申し上げれば、合議体である教育委員会と学校現場に乖離がないかという懸念は、これまでも拭いきれずに存在し続けてきました。
 仮に教育委員会の方針が現場で実践されない事態が起こった場合、その原因は、「教育委員会の現場への理解不足による方針そのものの誤り」の可能性と、「市の教育方針への理解不足による個別の学校・教職員の判断の誤り」の可能性と、どちらもありえます。こうした齟齬を起こさない対策は、教育委員会と学校現場が相互に意思疎通を深めるしか方法はなく、そのために、学校現場と教育委員会事務局の人事交流を進めます。
 教育委員会という巨大なシステム全体が、学校教育の諸課題に対する共通理解のもと、一丸となって実情に即した教育施策を展開・実行するため、また、今後10年間で教員の約3分の1が定年となる大量退職時期を控え、教員のみでは校長・教頭職が人員不足となる事態に備えた管理職の登用体制を整備する意味も含め、昨年11月からの実地研修を経て、新年度からは行政職員を校長・副校長へ登用するとともに、学校事務職へも起用します。
 さらに、多くの学校・教職員と教育委員会が一丸となって動く体制が整っている、または、整っていく、とするならば、なおさらその司令塔にあたる合議体「教育委員会」が、どのような委員により構成され、どのような性格のものであるかは、最も根幹かつ重要なポイントとなります。5人で構成される「教育委員会」は、行政組織であれば「市長」、会社組織であれば「社長」の役割を、合議体として果たすポジションであり、そこには感性・理論・実行力の3つの要素がバランスよく必要です。
 なかでも、「感性」にあたる強い当事者意識や緊迫感・焦燥感が、従来の全国の多くの教育委員会に欠ける傾向があったのではないかと、他市の事件などのニュース報道を見ていて強く感じます。
 そこで、今年1年間のうちに箕面市のすべての教育委員が改選期を迎えるにあたり、教育委員の公募を実施することとしました。これは、教育委員会を「保護者が中心となる委員構成」に改め、保護者や地域の方々と同じ緊迫感や敏感さをもって当事者目線で小学校、中学校、幼稚園、保育所等への助言・指導を行い、高い当事者意識に基づく課題の早期発見や、時代の変化に応じた教育政策の展開など、箕面市全体の教育力をより一層向上させる体制をめざすものです。
 教育委員には34人の応募をいただいており、現在、選考作業を行っているところです。最終的には、“3人の公募委員と2人の学識経験者の計5人”、または、世代・地域性・人材等を考慮し、場合によっては委員定数を現行の5人から増員する条例制定手続きをお願いすることも視野に入れ、“4人の公募委員と2人の学識経験者の計6人”のどちらかの委員構成で、市議会にお諮りをさせていただきたいと考えております。なお、前教育委員のそれぞれの任期満了に伴い、順次の議案提出となる見通しであることも申し添えます。

 

総務省

 

 

 新年度は、これら教育改革の新しい取組みが動き出す1年となります。教育委員会制度が本来あるべき姿でフル回転し、なによりも箕面の子どもたちの健やかな成長、そして輝かしい未来を切り拓く一助となるべく、子どもたちの成長を中心に据えての教育改革に不断の努力を重ねてまいります。 


第二は「北大阪急行線の延伸と関連のまちづくり」の推進です

 阪急箕面線がすでに開通100年を経過しているように、鉄道はひとたび整備されれば1世紀を超えて都市を支え続けるスーパーインフラです。箕面市を将来にわたって支え続けることとなる北大阪急行線の延伸につきましては、全国初の社会資本整備総合交付金を活用した鉄道整備の枠組みにより、事業採算性の確保が可能となり、鉄道延伸を進める目途がつきました。この春には、大阪府・鉄道事業者・本市で基本協定の締結をめざし、国土交通省の支援を受けながら都市計画決定や事業許可手続き等を進めていく予定でおります。

北急イメージ

〈(仮称)新箕面駅イメージ〉

 

 

 このため、今議会におきまして、国の緊急経済対策による大幅な支援措置を受けた平成24年度補正予算として約15億2千万円の事業費を、また、平成25年度当初予算において競艇事業財源から4億5千万円を交通施設整備基金に積み立てることにより、北大阪急行線の延伸関連として合計約19億7千万円を予算化いたします。平成25年度の実施設計や、平成26年度の工事着手に向け、着実に事業を進めてまいります。
 一方、鉄道延伸に伴い重要となるのは、新駅周辺などの関連のまちづくりです。
 (仮称)新箕面駅周辺のまちづくりについては、繰り返し申し上げておりますが、市街地の北側に連なる北摂山系の山なみと両翼に広がる豊かな田園風景との共存をめざします。市街地が延々と続く大阪都心部との明確な差別化をはかり、鉄軌道の利便性、駅周辺の商業集積や円滑で安全な道路交通と、長閑な緑の風景が包む穏やかな住環境との共存。この共存こそが箕面の希少価値を高め、箕面を象徴し、市外からも羨望の的となるものと確信します。
 新駅西側の坊島地区は、生産緑地を中心に約8ヘクタールの農地が広がっており、東側の市街化調整区域である石丸地区とともに、箕面のイメージを左右する非常に重要なエリアです。現在、都市計画道路萱野東西線の整備に向け測量調査等に着手しており、これと並行して「農あるまちづくり」を地権者の方々とともに進めてまいります。
 また、農地は、ただそこにあるだけで維持されるものではありません。農業者の方々の不断の努力と、農業が「業」として成立していく社会の仕組み、すなわち生産・流通・消費・対価のサイクルがあってはじめて、豊かな農地が現出します。
 このため、農業生産支援のみならず、この2学期からスタートする中学校給食や、箕面中央朝市の振興など流通・消費・対価の領域も含めた仕掛けの具体化が急務であり、新年度には、その核となる箕面市版の「農業公社」の設立準備に踏み出します。
 (仮称)箕面船場駅周辺のまちづくりについては、繊維卸商団地として車両を主役として整備されたまちから、鉄道利用の歩行者が流入するまちへと大きく変化することから、特に駅前エリアの再整備が不可欠です。
 現在、大阪船場繊維卸商団地協同組合において具体的な駅前再整備の準備が進められておりますが、その再整備の核として、本市・鉄道事業者とともに「国立循環器病研究センター」の誘致に取り組んでいます。
 船場地区は、昨年6月に公表された同センターの建替整備構想検討委員会の報告書において唯一可能性があると評価されており、現在、同センター理事会において、箕面への移転の実現可能性について検証が進められております。
 なお、先般1月末には、国の新政権の発足後、改めて、船場の持つ高いポテンシャルをアピールするとともに、フェアで納得度の高い最終判断を頂けるよう、国への要望活動も行ってまいりました。今年度内には、同センターの検証作業がまとまる予定と聞き及んでおりますが、引き続き誘致に向けた活動を展開してまいる所存です。
 北大阪急行線の延伸は、新駅周辺だけに便益をもたらすものではなく、市内公共交通のあり方も大きく変えていくこととなります。鉄道延伸に伴うオレンジゆずるバスも含めたバス路線網の再編は、これまでの千里中央や北千里を基点とした南北方向のバスルートを、新駅を基点とした東西方向のルートに大きくシフトさせ、市内移動の利便性と鉄軌道へのアクセス性を飛躍的に高めます。本市の弱点である車依存度を下げ、本市を時代に即した街へと転換させる起爆剤ともなります。

 

ゆずるバス

 

 

 こうした箕面の将来にとっても大きな役割を担う鉄道延伸事業。長期の展望を持って、昭和43年策定の第一次箕面市総合計画に構想を書き起こされた先達や、揺るぎない信念でその後のまちづくりに携わってこられた諸先輩方に応えるためにも、新年度も引き続き力の限りを尽くしてまいりますので、どうぞ市議会の皆さまの力強いご支援をお願い申し上げます。 

 

第三は「公務員制度改革」です

 「頑張る職員には報い、頑張らない職員には“一切”報いない制度」の構築。公務員制度としては新しいかもしれないけれど、いわば世間では当たり前の人事・給与制度を構築し、総人件費の縮減と、成長企業並みの活発な組織運営を実現するため、昨年8月、民間企業で勤務した経験のある20~30代の職員を中心にプロジェクトチームを発足させました。

市庁舎

 

 

 このほど、「人事・給与制度構造改革プラン(たたき台)」を公表いたしましたが、そのなかでは、適正な職員数やピラミッド構造など、基本的な組織のあり方を検証したうえで、あるべき「給与制度の抜本的改革」と「人事評価制度の抜本的改革」が示されております。
 「給与制度の抜本的改革」については、総人件費を約10%削減することを前提として、年功序列を廃し、頑張った職員が相応に報われる制度としております。
 現状の問題点は、年功序列型の給与制度と働きの乖離。極端な事例でいけば、能力を認められて昇進しても仕事が増えるだけで給与はあがらず、年輩の部下のほうが給与が高い。この現状は、意欲のある職員のモチベーションを大きく削ぐ結果をもたらしていました。そこで、各階層の給与の重なりを廃止し、管理職手当においては、部長級や主査級など、その役割と責任に応じた額を増額しつつ、総人件費としては約10%抑制するという、大胆な提案となっております。
 次に「人事評価制度の抜本的改革」については、評価の正確性の担保と昇進・降格への反映、また、本人・周囲の双方にとっての評価の納得性を高めることを主眼として、従来の絶対評価を廃し、相対評価を採用しております。
 現状の問題点は、絶対評価による横並びと、評価者の相場観の違いによる偏り。つまり、ほとんどの職員の評価が横並びで5段階評価の「B」になってしまうことや、評価する上司によって評価が偏ることもあり、納得性が極めて低く、そのまま人事・給与に連動させることはできませんでした。
 そこで、人事・給与への反映に活用することを前提として相対評価を採用し、その序列化が多くの職員の感覚と適合し納得できるものとなるべく、上司・同僚・部下・部署外からの多面評価を導入のうえで、昇格や降格基準に用いる提案となっています。
 現在、これらのプロジェクトチームからの提案を、可能な限りそのまま反映した人事・給与制度を構築すべく、担当セクションによる制度への落とし込み作業を進めております。
 早期に実施できるものは、新年度から導入してまいりたいと考えており、全国の地方公共団体のモデルとなることをめざして、「公務員制度改革」を進めてまいります。

 

 次に、予算編成概要についてご説明申し上げます。 

予算編成概要

一般会計の状況

 新年度の一般会計の予算規模は、391億6千万円と、前年度から微増(対前年度比2.9%増)となりました。
 本市の収入の根幹をなす市税収入は、全体で前年度を約1億1千万円下回る約218億4千万円(対前年度比0.5%減。当初予算ベースでピーク時の平成20年に比べ約7億5千万円の減)と、引き続き厳しい状況であり、収入減の補填として国から9億5千万円の普通交付税が交付されると見込んでおります。
 一方、社会保障関係費は増加の見込みであり、なかでも代表的な扶助費は、生活保護費が約2億9千万円増加するのをはじめとして全体で約9億円の大幅増(対前年度比11.6%増)となる見込みです。
 こうしたなかにあって、厳しく支出を精査しながらも、災害に強いまちづくりを実現するための防災対策への大幅投資。未来を託す子どもたちの健康を守る医療費助成の拡大や、小児インフルエンザ予防接種への支援、子宮頸がん・ヒブ・小児用肺炎球菌の3種ワクチンなど新規予防接種の法定接種化。教育の質を向上させる「箕面子どもステップアップ調査」の実施や、2学期(8月末)からの全中学校での給食スタート。長年の課題であった「小野原図書館」や、箕面の地域国際化の中核となる「多文化交流センター」の開設。松寿荘、子育て支援センター機能を含む「多世代交流センター」と、養護老人ホーム「ゆずの郷」(新・永寿園)などの施設を一体的に整備した「稲ふれあいセンター」のオープン。そしていよいよ現実となる北大阪急行線の延伸など、新年度の予算編成では、市税収入の減少と市民サービスの拡充という二律背反の難題を乗り越え、財政規律を堅持しながらも、未来志向型のメリハリのある予算に仕上げています。 

稲ふれあいセンター

〈「稲ふれあいセンター」〉

 

競艇事業収入とその活用

 本市の貴重な自主財源である競艇事業収入につきましては、昨年度と同額の6億円を計上しております。この財源をもとに、新年度には、北大阪急行線の延伸事業のための「交通施設整備基金」へ4億5千万円の積立てを行ったほか、「未来子ども基金」に5千万円を積立て、その他を中学校給食室の整備や病院事業会計への支援に充てており、将来・未来への投資や市民の暮らしを支える貴重な財源として大切に活用しています。こうした貴重な競艇事業収入に加え、国庫補助金などの特定財源を最大限活用し、市の負担をできるだけ軽減しながら、未来への投資を積極的に行っていきます。

 

競艇

 〈ボートレース住之江〉

財政規律の堅持

 市の「貯金」にあたる基金につきましては、新年度は中学校給食室の新設など施設整備に必要な最小限度の取崩しにとどめる一方で、北大阪急行線の延伸などに備えて積立てを行いました。その結果、基金残高は約164億円と、前年度から約5百万円の微増となり、基金に頼ることのない予算編成を実現することができました。
 平成20年度水準(約147億円)と比べると、この5年間で基金残高は約17億円の増となっており、将来に備えた財政余力も着実に増しております。

基金残高

〈基金の残高〉

 

 市の「ローン」にあたる市債につきましては、新年度は臨時財政対策債の発行を控えて限度額全額は発行しないなど、市債発行額も前年度並みに抑制しています。さらに繰り上げ償還の実施による市債残高のより一層の減少と利子負担の軽減を図りました。その結果、市債残高は約273億円と、前年度から約7億円の減少となり、健全な財政運営を実現しています。
 平成20年度水準(約294億円)と比べると、この5年間で市債残高は約21億円の減となっており、将来負担も着実に軽減させることができております。

市債残高

〈市債の残高〉

 

 収支バランスの指標となる経常収支比率につきましては、これまでの行財政改革の積み重ねにより、新年度は97.1%と、前年度から1.0ポイント改善することができ、3年連続の改善、5年連続の経常黒字(経常収支比率100%以下)達成となりました。
 臨時財政対策債を除いた“素”の経常収支比率は、102.7%となっており、前年度から1.1ポイント改善しているものの、依然として真の意味での収支均衡にまでは至っておりません。これは、市税収入が減少する中、全国的な課題である社会保障関係費の想定を超える増加に起因しています。
 平成20年度以降の5年間で、緊急プランを4億円上回る約29億円の歳出削減を達成しましたが、生活保護費などの社会保障関係費が想定時より約12億円増となっているため、想定の削減効果からは差し引き約8億円足りない状況となっています。
 この部分につきましては、「人事・給与制度構造改革プラン」による総人件費の削減(約6億9千万円)や、さらなる内部改革の断行により、真の意味での収支均衡(“素”の経常収支比率100%以下)を着実に達成し、子どもたちの未来に負担を先送りしない行財政運営を実現してまいります。

緊急プラングラフ

〈当初予算における”素”の経常収支比率想定値と実績値の推移〉

 

政府の緊急経済対策への対応

 さて、昨年12月に執行された衆議院議員総選挙の結果、政権交代が行われました。国は、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の3分野を重点とする緊急経済対策に基づき約13.1兆円の大型補正予算と新年度予算をあわせて切れ目の無い経済対策を進めています。
 本市としても、国の経済対策補正予算に即応し、早期に事業を実施するとともに、可能な限り特定財源を確保するため、過去に財源面から早期実施を躊躇せざるを得なかった事業なども精査し、国の情報収集や交渉なども進めながら、現在進行形で予算編成を行ってきております。
 このため、平成25年度当初予算で予定していた事業のうち、国の補正予算で補助金が確保できた北大阪急行線延伸整備事業や都市計画道路萱野東西線道路改良事業については、平成24年度補正予算第10号として計上しております。
 また、国の支援スキームや事業採択などが確定していない事業については、平成25年度当初予算に計上しつつ、今後、平成24年度補正予算第12号として重ねて計上する形で議会提出を予定しております。これは、国の事業採択が確定すればすぐに平成24年度補正予算によって前倒しで執行できるようにしておき、仮に国の支援措置を活用できなかった場合には、予定どおり平成25年度当初予算で実施しようとするものです。

予算編成全体

 以上、新年度の一般会計・特別会計・企業会計を加えた全会計の予算総額は1,861億1千万円で前年度から約563億3千万円・43.4%の大幅な増額となりました。これは主に特別会計競艇事業費において、「ボートピア梅田」の管理施行が、本市と大阪府都市競艇組合の3年ごとの交代ルールとなっており、新年度からは本市において予算を計上する期間に入るため、この分が予算規模に加わったことによるものです。
 なお、特別会計におきまして、10月から市営住宅の管理に指定管理者制度を導入することに伴い、特別会計牧落住宅団地事業費を一般会計に統合する必要があるため、平成24年度末で当該特別会計を廃止いたします。
 また、企業会計のうち、病院事業会計につきましては、「市立病院改革プラン」に基づき収益の向上に努めた結果、新年度は前年度から1億2千万円の赤字を圧縮。改革プラン策定時に比べ約8億4千万円の赤字圧縮を達成しています。

市立病院

 

 

 水道事業会計及び下水道事業会計につきましては、「上下水道事業経営改革プラン」に基づき着実な経営改革を進めており、水道事業は約1億3千万円の黒字、料金回収率はプランを上回る95.6%を見込み、また、下水道事業は約1億8千万円の黒字、経費回収率はプランを上回る107.4%を見込んでおります。
 さらに、特別会計競艇事業費につきましては、収益事業にふさわしい経営手法として平成26年4月からの地方公営企業化をめざし、新年度に会計変更の準備作業を進めてまいります。
 ここまでで、新年度の市政の重点運営方針及び予算編成の概要を申し上げましたが、冒頭に申し上げましたとおり、議会提出資料の「予算概要」には、「安心・支えあい最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」を3本柱とする主要施策を取りまとめておりますので、ご高覧いただきますようお願い申し上げます。

 

 

  

 さて、私は新年にあたり毎年目標を定めることとしているのですが、昨年を思い起こしますと、11月に開催した「水戸黄門歩こう会in箕面」に、当初予定の1,000名を大きく上回る約1,500名の皆さまにご参加いただき、幅広い年齢層の方々が元気に滝道をウォーキングされるのを目の当たりにして、そのウォーキング熱の高さに驚愕したことが強く印象に残っております。また、先日の箕面森町妙見山麓マラソン大会は、約1,500名の方々が参加するという盛況さをみせました。
 生活習慣病の改善や介護予防には、継続して運動することが重要なのはもちろんのこと、体力の向上や生活習慣病の予防、ストレス解消、競技を通した人とのコミュニケーション、さらには社会的効果として医療費の抑制など、運動習慣がもたらす効用は数え切れません。また、まちづくりの観点からも、自己管理意識や向上心の高い人の多いまちでは、自ずと多くの人がウォーキングやジョギングに勤しむ風景が見られ、それはまちの雰囲気をつくりだす一翼ともなります。

滝道ウォーキング

 〈滝道ウォーキング〉

 ウォーキングやジョギングはもとより、様々なスポーツ・体操について、従来から啓発活動はしてきておりますが、本年は今までにもまして「多くの市民に運動習慣を根付かせること」にチャレンジしてみようと新年の目標に掲げました。
 しかしながら、これこそ一人では絶対に実現できるものではありません。どうか、市議会議員並びに市民の皆さまには、ぜひともご協力をいただき、気がつけば、子どもから高齢者まで市民みんなが当たり前のように体を動かしている、そんな新たな仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えております。

マラソン大会

〈箕面森町妙見山麓マラソン大会〉

 新年度も、みどりに囲まれ、自然に恵まれ、豊かで穏やかで品格ある、この箕面というフィールドを最大限に活かして、市民の誰もが愛し誇れるまちづくりを進めてまいります。
 そのためにも、引き続き『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』を座右の銘とし、「変えるべきは断固として変え、伸ばすべきは思い切って伸ばす」の姿勢を貫き、明るく強力に箕面市政を進めてまいりますので、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、新年度の施政及び予算編成方針とさせていただきます。
 なお、ご提案申し上げました予算案及び関連諸議案につきましては、それぞれご上程の都度、関係職員から説明をさせますのでよろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

  

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