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更新日:2011年2月20日

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平成23年度(2011年度)施政及び予算編成方針

平成23年(2011年)2月

箕面市長  倉田  哲郎

 

 本日ここに、平成23年度(2011年度)予算案及び関連諸議案を提案し、ご審議いただくにあたり、新年度における市政の運営方針と予算案の概要を申し上げ、市議会議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
 私が市民の皆さまから箕面の施政をご信託いただいてからはや2年半、4年の任期も折り返しを過ぎたところとなりました。「とにかく行動したい」と逸る気持ちをエネルギー源として、スピード感をもって箕面の魅力のブラッシュに努力してまいりました。いくつかの取り組みがすでにカタチになってきていますが、これは市議会議員並びに市民の皆さまが、箕面市のより良い明日という同じ方向を見つめ、ご理解とご協力、さらに各方面においてご尽力いただきました賜物に他なりません。ここに改めて、心からの感謝を申し上げる次第です。
 さて、平成23年度(2011年度)は、第五次箕面市総合計画の始まりの年です。鮮やかな山なみと豊かなみどりに恵まれた良好な住環境を魅力の核に、地域のつながりに包まれた安心な暮らし、充実した子育てサポートと教育環境、北大阪急行の延伸による利便性とポテンシャルの向上。これらすべてを求心力として、若い世代を呼び込み、活気と持続性のあるまちをつくるとともに、すべての市民に愛され、住み続けたいと願うまちであり続ける。これこそが総合計画の描く箕面市の都市イメージです。
 思えば、「安心・支え合い最優先」「子育てしやすさ日本一」「緑・住みやすさ最先端」を政策の3本柱としてきたこの2年半は、第五次総合計画に先んじた、まさに第五次総合計画の都市イメージに向かっての基礎固めであったと感じています。
 これまで2回の予算編成では、極めて厳しい財政状況にありながらも、緊縮一辺倒でなく、未来への投資を積極展開してきました。
 例えば、災害時の避難所でもある小・中学校については、国の緊急経済対策による交付金を他市に例のない規模で最大限活用し、市の支出を極端に抑えながら、全校の耐震化を完了させました。また、消防車両を2年で10台更新するなど、安心・安全の基礎部分を強化しました。
 子育て分野では、保育所待機児童の急増に対抗すべく「待機児童ゼロプラン」を策定し、保育所2所の新設に着手、同時に公立幼稚園の施設で簡易保育を実施するなど、機動的な対応を進めてきました。
 みどりを守る取り組みについても、山すそ部の建物への新たな景観規制や、農業サポーター制度など農地を活かす施策を複合的に展開しました。さらに、積年の課題であった北大阪急行線の延伸については、この2年間で合計3億3千万円の準備基金を積み増しし、財政的な裏付けを充実するとともに、国や鉄道事業者との合意形成を加速させています。
 一方、こうした未来図を描く前提として取り組んだのが財政の健全化でした。就任してすぐに「緊急プラン(素案)・ゼロ試案」を発表し、箕面市の財政状況と今後の見通しを赤裸々にお示ししたのは、まずは現状を共有し、未来のために今、何をどんな手法で行うのか一緒に考えることが大切だと考えたからです。その結果、平成21年度(2009年度)は、予算で6年ぶり、決算では3年ぶりの経常黒字を達成することができました。そして、平成22年度(2010年度)当初予算においても、今回の予算編成においても、緊急プランの目標値にわずかに遅れをとりつつも、これを追いかけるカーブを描き続け、完全な赤字脱却への歩みを進めることができているのは、たくさんの方々のご理解とご協力のおかげです。

 

当初予算における経常収支比率の想定値と実績値の推移

 

 

 さらに、市の一般会計にとどまらず、その周辺に大きな塊として存在する外郭団体や特別会計の「見えない借金」についても、顕在化させ、短期間で切り込み、解決への道筋をつけてきました。
 平成7年の土地取得以来、見えない爆弾を抱え続けてきた箕面都市開発株式会社については、会社への有効な手立てを講じてこれなかった従来の市の姿勢を猛省し、市の組織体制を見直し、取り潰しも辞さずのスタンスで出資法人との関係構築を一からやり直しました。結果として、会社が申し立てた大阪地方裁判所での特定調停という場を通じて、債務超過体質を抜本的に改善する内容の調停が成立しました。時間はかかっても債権の全額回収が可能であることが調停案受け入れ判断の決め手であり、市議会議員の皆さまにおかれましても、市民の血税が会社破綻によって水泡に帰す事態を回避すべきとの苦渋のご決断をいただき、ようやく導くことのできた解決の道でした。
 また、昨年7月には、みのおコミュニティ放送株式会社と箕面わいわい株式会社の合併により、「箕面FMまちそだて株式会社」が設立されました。これは、先行き不透明だった両社の経営体力を強化するとともに、コンセプトを前向きに再整理し、元気な箕面を創り、育て、その魅力を発信するスーパーローカルメディアとして飛躍することを期待しての新展開です。
 また、箕面市社会福祉協議会についても、いくつかの課題がありました。一つはその高コスト体質。市が社協に年間約7千万円の費用をかけて運営を委託していた介護老人保健施設について、初めての指定管理者公募にあたり、社協として徹底的なコスト削減を敢行した結果、委託費ゼロを達成し、見事、競争に打ち勝ってくれました。もう一つは、社協内の人事異動により市の予算額が毎年度大きく変動するという双方に不安定な委託料の算定ルール。この状況を改め、各業務の事務費として一定額を算定することで、より安定的な事業運営を図ることにしました。
 また、箕面市立医療保健センターと豊能広域こども急病センターの指定管理者として、近隣一帯の保健医療を支える(財団法人)箕面市医療保健センターですが、民間なら十分黒字を出せる健診業務で毎年多額の赤字を出し、市が年間4千万円もの収支差補助を予算化している状況でした。そこで、指定管理者の更新期を契機として、本気の経営改革を強く要請し、収支差補助ゼロ、検査機器等の調達も財団独自で行うという収支改善策への道筋をつけることができました。
 市の内部においても、独立した会計である特別会計・企業会計には、税金からの赤字補填という大きな課題がありました。
 市立病院については、公立病院は不採算が前提であるかのように補填を続けてきた状況に待ったをかけ、抜本改革を強く促しました。「市立病院改革プラン」の策定、さらに平成21年(2009年)6月には地方公営企業法の全部適用による体制整備の結果、プラン策定前の平成20年度(2008年度)決算で実質収支の赤字が12億5千万円あったものが、3年を経た新年度予算では7億8千万円に抑えられる見込みであり、約5億円の赤字を縮小できる見通しとなりました。今後も平成28年(2016年)に一般会計負担をゼロにし、独立採算の運営を実現するため、病院一丸となって経営改善を進めていきます。
 国民健康保険事業についても、本来、医療費の伸びに合わせて毎年の保険料を変更すべきところを、本市では平成15年(2003年)を最後に保険料の改定を怠ってきたため、市長就任時には累積赤字が24億円に達し、さらに毎年億単位で積みあがり続けるという状況にありました。将来に野放図にツケを回し続ける状態から脱却すべく、国民健康保険運営協議会において厳しいご議論をいただき、平成21年(2009年)から2カ年かけて保険料率の調整と市独自制度の見直しを進めました。さらに今般、今後3カ年を目標に単年度赤字を解消しつつ、毎年保険料率を調整する本来の制度の姿へ戻すことを方向づけました。
 これらの課題は、一つひとつがとても大きく、軋轢も多いため、解決は困難を極めました。目先の評価に怯んではいけない、過去にも未来にも恥じない今でありたいという気持ちと、同じ想いで一緒に苦しんでくださった方々のおかげで、ようやく、解決の端緒につけたものです。

 

 そもそも、箕面市の最大の財政課題は、経常収支比率の高さにあります。基金はまだある、市債残高も現実的な範囲、それなのに経常収支が赤字であること、これが問題です。このまま税収の落ち込みから目をそらし、基金を取り崩し続ける「赤字体質」に甘んじるのは簡単です。でも、これでは、何も新しいことには手を出せません。刻々と変化する社会情勢に圧され、行政に求められる役割も年々変わる中にあって、先を読み、先手を打って新しい施策を実施しなければならない今この時にこそ、あらゆる改革を断行することが必要でした。
 そして今、ようやく新たな次元に踏み出そうと思います。新年度予算の詳細は後ほど述べさせていただきますが、長年着手できずにきた大きな政策課題の解決に乗り出します。また、いくら懸命に手だてをしても後手に回るしかなかった課題に、長期的な視点で布石を打ち、「こうあってほしい」という姿を政策的に作り出すことに着手します。
 こうして新たな一歩を踏み出せるのも、財政改革にあたり、市議会議員の皆さまの苦渋の決断と、市民の皆さまの、未来の箕面を想う気持ちに支えられた深いご理解をいただいたからこそです。
 4年をワンクールとする地方自治のフレームの中にあって、今回の予算編成は、私が現在の任期中に通年執行できる最後の予算となります。2年半かけて作ってきた素地を足場に、さらに新しく、未来につながる確かな一歩を踏み出したい、そのために、市民並びに市議会議員の皆さまとともに、希望あふれる未来の箕面の姿を描きながら、新年度の市政運営に踏み出していく所存です。

市政運営の基本姿勢と重点施策

 ここで、平成23年度(2011年度)の市政運営にあたっての基本姿勢と重点施策について申し上げます。

1点目は、「安心・支え合い最優先」のさらなる推進です。

 私は、3本の政策の柱を横につなぐ理念として、「地域のつながり」を大切にしています。地域のつながりが我々の生活にもたらすもの、そのひとつには温かくて心強い、いざというときのセーフティネットがあります。都市化に伴い、地域の人と人とのつながりが脆くなる一方、一部の方々の惜しみない努力によってなんとか地域の絆が保たれています。その間に、どう手を打つべきかの一歩として、「地域福祉計画」の策定がもう間近となっています。
 市と社会福祉協議会が小学校区毎に地域活動に携わる皆さまの声をお聞きする中で、各地域で共通して挙げられたことは、見守りの必要性といざというときの助け合いの体制づくりでした。新年度は、災害時に支援を必要とする方への安否確認から避難支援、避難所でのサポートまで、市と地域で実働体制を整えます。また、現在各団体にバラバラに交付している補助金などを地域単位にまとめ、地域の実情とニーズに即した配分を可能にする「地域交付金制度」をモデル校区で実施します。
 高齢者の安心な暮らしのための新たな取り組みも試行します。日々のごみ出しに困っておられる高齢世帯を自治会やこども会で手伝っていただける場合に、市から団体へ報償金をお渡しするもので、新年度は10団体程度にご協力いただいて課題を検証していきます。ごみ出しの際の会話などを通じて地域とのつながりを持ち続け、さらには安心の基盤である自治会の役割を若い世代にも再認識していただき、自治会加入率の向上に繋げていきたいと考えています。
 さて、高齢者の皆さまに安心して元気に暮らしていただけるまちには、活動と活躍の舞台が欠かせません。老人福祉センター「松寿荘」もその舞台の一つですが、老朽化し、かつ過去の増改築により動線が複雑化していることや、オレンジゆずるバスが玄関前まで乗り入れできないなどの状況を打破するため、旧清掃工場跡地に松寿荘を新たに建設することにしました。加えて移築が必要となった養護老人ホーム「永寿園」や子育て支援センターも併設する計画で、平成25年(2013年)春のオープンをめざします。
 健康の分野においては、子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌の3ワクチンについて、本市においても予防接種の一部公費助成を実施します。また、妊婦健康診査の公費助成についても増額します。
 障害があっても地域で安心して生活できることも、安心・安全の大切な要素です。一般就労には至らないが「働きたい」という意欲のある障害者が、自立して生活するための「社会的雇用」制度。今、箕面市独自の優れた取り組みを国の制度とするよう提案するため、国の「障がい者制度改革推進会議」に部会員として参画しています。制度の狭間で困っている障害のある方や関係者の声を国に直接届け、粘り強く全国に広く発信していきます。
 消防力の強化も安心のための大きな力です。市北部の消防体制について豊能町との協議が整い、新年度からは、本市と豊能町との緊密な連携により、より機動的な火災・救急出動等が実現します。また、西分署の訓練塔の改修工事や、芝分団及び如意谷分団のポンプ車の更新、「救急安心センターおおさか」への本格加入など、消防力の向上を図ります。
 そして、医療の安心を背負う市立病院。急性期医療の中軸を担うとともに、地域医療支援病院として地域全体の医療を支えています。実質的な赤字において、3年で約5億円の収支改善を実現している背景には、徹底的な経費削減を実行する一方、医師の給与アップや医療スタッフの人材確保など医療水準の向上には資源を投入し、診療報酬制度に規定されている診療体制を整えるなど、数々の取り組みがあります。新年度におきましては、病院職員定数を現行の419人から475人に増やし、市民にとっての安心・安全な医療の確立を図るとともに、さらなる経営改革を進め、当病院の強みを伸ばし、安心を確実なものとしていきます。


2点目は、「子育てしやすさ日本一」のさらなる推進です。

 新年度は、「子育てしやすいまち」の未来に向けて、大きく、新たな一歩を踏み出します。
 これまで、長引く不況を背景に急増する保育所待機児童に対応するため、「待機児童ゼロプラン」を展開、この2年で保育所3所がオープンします。そのような中、私のもとに届く、今まさに子育てをしておられる方々の声から見えてきたものは、「保育所が足りない」だけではなく、「保育所以外の選択肢が足りない」という事実です。
 現在、本市は4~5歳の私立幼稚園児がいる世帯に対し、収入に応じた補助金を支給しており、園児一人あたりへの支援額はすでに府内トップですが、新年度からは、こうした私立幼稚園等への支援の意味をもっと明確にし、子育て支援策を再構築・強化します。
 すなわち、子どもが小さいうちはなるべく家庭で子育てし、少し子どもから手が離せる幼稚園に入る頃、仕事に就こうという方々もおられます。3歳から5歳の子どもたちの半数以上が通う私立幼稚園。そこで実施されている預かり保育を充実し、また、通いやすくすることで、赤ちゃんの時期を家庭で過ごした後に働き出すという「新しい選択肢」の確立をめざします。
 このため、従来の補助金に加え、対象を3歳児まで拡大し、長時間保育を行う私立幼稚園に通う園児の保護者への補助金を、所得制限を設けずに最大15万6千円上乗せする「子育て応援幼稚園保護者補助金」を創設します。また、保育所並みの長時間保育を行う私立幼稚園に対する補助金も拡大。さらに支援教育の取り組みも、補助金と市からの専門スタッフ派遣という物心両面で積極的にサポートします。
 また、市として幼稚園・保育所施策をトータルに進めるため、本年1月に移譲を受けた保育所の認可権限に加え、私立幼稚園の認可権限の移譲を大阪府に対して強く求めていきます。
 そして、乳幼児期をご家庭で安心して過ごしていただくための支援も強化します。現在2カ所の「子育て支援センター」を全市展開、各中学校区に1カ所の全8カ所をめざします。豊川支所を活用し、「キッズセンター」として東部地域の子育て支援拠点とするとともに、先に述べた松寿荘の移築先にも子育て支援センターを整備し多世代交流を進めます。また、センターの開設に先立って定期的に「出張子育てひろば」を開催し、交流の場や相談の機会を設けると同時に、ボランティア育成研修の実践の場としても活用します。
 これら「子育て支援の新展開」は、一つひとつ単体ではなく、意図をもって組み合わせて動かすことで、大きな“流れ”となって作用します。これらの事業費を合わせると、年間1億円以上の新たな支出となりますが、私立幼稚園の4倍以上の税投入がされている保育所に集中するニーズを幼稚園などに分散し、振り替えることができれば、10年後にはトータルで年間2~3億円のコスト削減になると試算しています。
 次に、新年度の小・中学校における取り組みです。
 教育活動の大前提となる子どもたちの安全。小学校警備員の配置のための大阪府の交付金が今年で終了となるため、その後をどうすべきか検討してきました。これまで、校門の出入りの厳格化や見まもり隊の活動などの取り組みをはじめ、府内で初めて全小・中学校の校門に防犯カメラと子どもの通過を記録・メール発信する「ツイタもん」も整備しました。しかし、なお有人警備の安心感と信頼は他に代え難いものです。このため、市単独の経費負担で全小学校の有人警備を継続することとしました。さらに、制服を着用した校園務員やパンダカラーの青色防犯パトロール車ともあわせて、保育所や幼稚園の巡回も強化し、地域の子どもたちの安全を守ります。
 こうした安全環境の整備を前提として、引き続き力を入れているのが子どもたちの学力と体力の向上です。学力においては、小中一貫教育やその他の学力向上の取り組みをより効果的に実施していくための定点観測として、新年度も学力テストの全校実施を継続します。また、放課後の学習活動として成果を上げてきた「放課後・まなび舎Kids」については、今年度末をもって府の補助金が廃止されますが、新年度からは、各学校の創意工夫に基づき、自学自習や家庭学習のきっかけづくりと勉強に対する自信の回復を通じて、一層の学力の底上げを図ります。
 体力向上においては、体力テストの結果から俊敏性や走る力が前年度に比べて有意に向上しています。これは、これまで取り組んできたなわとびの成果が現れつつあり、楽しみながら体力の向上につながっているものと分析しています。新年度は、さらに弱点であるボール投げや握力などの改善をめざし、フラッグフットボールなどゲーム性が高く子どもたちが楽しめ、かつ各自の体力に合ったレベルから取り組める種目を新たに導入し、総合力の向上を図ります。
 また、中学生の体力向上に大きく貢献しているものの一つに、運動系の部活動がありますが、顧問となる教職員や指導者不足により、すべての中学校ですべての種目の部活動を展開することができない現状があります。新年度には、自校に希望する部活動がない場合には近隣校の部活動に参加できるシステムを創設し、仲間との切磋琢磨の中で心身向上を図れる体制を充実します。
 また、きめ細かい子育て支援の一環として、4年生の長期休業中の学童保育も試行実施します。成長のスピードには個人差があり、休業中の長い時間を一人で過ごすことにまだ不安のある4年生もいることから、その居場所づくりとして、まずは定員に空きのある学童保育室において夏休みなどの長期休業中の利用もできるようにします。
 「彩都の丘学園」も、この4月にいよいよ開校です。「とどろみの森学園」に続き、箕面で、そして府内公立学校で2校目となる施設一体型小中一貫校である当学園は、「関西における学力のフラッグシップ校」とすることを目標に掲げます。彩都が、教育環境を魅力の核として、子育て世代の定住を促し、活気あるまちへと成長していく姿が楽しみです。そしてまた、学園の開校により新しい校区が誕生することから、青少年を守る会や地区福祉会など、校区単位の取り組みも共に育てていきます。
 さらに、学校教育のまさに中心となる教職員の人事権について、大阪府から移譲を受けるべく、豊能地区3市2町で受け皿づくりを進めており、新年度からは豊中市教委内に共同で準備室を設置します。箕面に骨を埋める覚悟の人に、箕面の子どもたちを育んでもらいたい。そういう強い想いから、平成24年度(2012年度)の実現に向けて力強く進めていきます。

3点目は、「緑・住みやすさ最先端」のさらなる推進です。

 美しい緑の山なみを眺め、隣接する農地の緑に心癒される、かけがえのない箕面の魅力を守るため、立ち止まることは許されません。
 まず、止々呂美地域の山林と集落の里山田園景観を保全するため、新たに景観法に基づく重点地区指定をめざし、地域の合意形成を進めていきます。農地を守る取り組みとしては、まちなかの農地を都市にとっても大切な要素と捉え、新たに生産緑地の追加指定を行うことで、農業者が安定的に経営できるよう、営農環境の整備を図ります。農業被害を引き起こしている猪や鹿などの有害鳥獣についても、現在、追い払いを強化しながら出没状況の調査を開始しており、新年度には、この効果や調査結果を検証し、隠れ場所となる放任果樹や雑木の撤去、捕獲檻の設置などの対策を行います。また、農業者を消費の面から支える朝市の一つ、「箕面中央朝市inかやの広場」も継続、常設をめざした準備を進めます。
 住みやすさのもう一つのテーマは、動物との共生と棲み分けです。昨年4月にはサルの餌やり禁止条例(箕面市サル餌やり禁止条例)を施行、12月にはカラス条例(箕面市カラスによる被害の防止及び生活環境を守る条例)を制定し、動物と人間が適切な距離を取りながら、共に暮らしていくために人間が守るべきルールを整えました。さらに、新たな取り組みとして、増え続ける野良猫への対策を試行実施します。飼い主のいない猫に不妊・去勢手術を施して人と猫の共生をめざす市民活動を支援するもので、このたび、獣医師会のご協力を得て、市の手術費用助成をスタートします。
 快適で住みやすいまちの基盤である上下水道についても、新年度から大阪広域水道企業団が本格始動します。広域水道事業の経営に市町村が自ら関与できる機会を活かし、本市にとってより良い用水供給事業となるよう経営に参画していきます。また、現在の箕面市の水道事業は、水道料金単価が給水経費の単価を割り込んでいますので、独立採算による確かな経営基盤を確立するため、新年度早期に経営改革のプランを策定し、実行していきます。
 3本柱の政策を大きく前に進めるため、そのインフラ部分に注力したこともまた、この2年半の特筆すべき成果です。
箕面駅から滝道にかけて、観光地としての価値をあげるとともに、観光客の視線を箕面の地域商業へ向けるべく電線地中化や再整備を進めており、平成24年(2012年)春の全面リニューアルをめざして、新年度も事業が続きます。いかに観光客の賑わいをまちなかに誘導するかが勝負であり、昨年大好評を博した川床の社会実験も継続し、ソフトとハードを融合させた展開を仕掛けていきます。
 桜井駅前においても、駅前ロータリーを兼ねた駐車場を暫定的に整備したところであり、次のステップのまちづくりに向けて、国の支援措置の導入をめざすなど、市としてのサポートを進めていきます。
 北部もまた、新年度からの展開が楽しみな地域です。4月には止々呂美ふるさと自然館本館と野外活動緑地がアウトドアのトップブランド「スノーピーク」を指定管理者としてオープン、地域の交流の拠点として、また、都市近郊のアウトドアフィールドとして集客力を発揮します。
 ハードとソフトは表裏一体。ハード整備を進めつつ、それを作り上げる過程で生まれる人と人とのつながりこそがソフト展開の原動力。このことを旨として、これまで以上に箕面の魅力を発展・発信していきたいと思っています。
 昨年9月に公表した「施設再編プロジェクト」は、先に述べました「新・松寿荘」、東部の子育て支援拠点「キッズセンター」のほか、小野原西と小野原東に公共施設を配置する一大プロジェクトです。長年着手すらできなかった大きな課題の数々を解決するため、複合プロジェクトとして国の交付金を活用し、3つの既存施設と2つの新施設を再編、さらに新たな機能を加える構想となっています。たたき台に対していただいた多くのご意見を踏まえて具体化を進めていきます。
 そして、本市の都市骨格の背骨、北大阪急行線の延伸。第五次箕面市総合計画においても、箕面というまちの完成形を描く鮮やかなひと筆となっています。昨年の施政方針において「この1~2年が正念場」と申し上げたとおり、鉄道延伸費用を実際に負担し合う大阪府、鉄道事業者との「関係者会議」を立ち上げ、収支試算などの検証、国の社会資本整備総合交付金を活用した新事業スキームの導入検討などを具体的に進めてきました。私の就任時には古くて忘れ去られた青写真のようにも思えた「北急延伸」が、俄に色づき、鮮明な未来予想図になりつつあると感じています。新年度は、「都市交通戦略」を策定し総合的な絵姿を描きながら、早期着工の準備資金として交通施設整備基金に1億円を積み増すなど、未来予想図をさらに確かなものにしていきます。


 次に、これらの基本姿勢と重点施策を着実に実行していくための、市と市役所の基礎体力の向上について申し上げます。

まず1点目は、「市役所改革」のさらなる推進です。

 市役所改革の成果は、市民の皆さまへのサービス向上という形でお示ししたい、そのため、市役所の窓口をより便利にし、お客様の手間を減らすことを常にめざし続けていきます。これまでも、転入・転出などに伴う手続きを一カ所で済ませる総合窓口に始まり、税務証明の窓口一元化、子ども支援総合窓口の開設を進めてきましたが、新年度には新たに、国民健康保険・介護保険などの窓口を総合化します。
 市役所においてもっとも来庁者が多い窓口といえば、住民票、印鑑登録証明書などの証明発行窓口です。新年度は、この証明発行拠点を中央、西南、東、萱野南の各図書館などに一挙に拡大、土・日も含めて証明書を受け取れるようにします。新たな人員を置かず効率化を推進し、市民の皆さまの利便性向上と財政支出の抑制を両立させます。
税金の納付についても、身近な場所で、いつでもお支払いいただけるよう、昨年から軽自動車税と国保料のコンビニ納付を導入したところ、約3~4割の方がコンビニ支払いを選択されました。新年度は、市府民税と固定資産税にも対象を拡大し、納税いただく皆さまの利便性向上とともに、早期納付、滞納の未然防止を図ります。
 様々な事業を進めていく中で、「市民の方は本当はどっちがいいのだろう?」と迷うことがあります。その時、すぐに疑問を投げかけ、気軽に答えを返していただける仕組みとして、仮称「e-モニター」制度を試行実施します。登録モニターの方に、パソコンや携帯電話で市からの簡単な質問にお答えいただくもので、機動的に活用したいと考えています。
新年度には、2市2町の広域連携も第2段階に入ります。10月には高齢福祉分野などの事務について共同処理が始まることから、4月に開設準備室を設置し、万全を期して進めていきます。

2点目は、「行財政改革の断行」です。

 冒頭に述べましたとおり、箕面市の財政はまだ油断できない状況ではあるものの、「緊急プラン(素案)・ゼロ試案」は一定の成果を上げています。ゼロ試案Ver.3の改革項目は、新年度予算にほぼすべて反映でき、聖苑への指定管理者制度の導入や外郭団体などへの補助金削減などで、約2億円の財政効果を確保しています。
 ゼロ試案では想定していなかったさらなる内部改革も進めています。新年度には、給与計算の処理など定例的な内部事務の委託化、ごみ収集、学校調理、浄水場中央監視業務のさらなる委託拡大を実施します。また、市立病院・総合保健福祉センター・医療保健センターの3施設の維持管理業務を一本化して総合委託することで、5年間で約2億7千万円の削減効果を出せる見通しとなりました。指定管理者の更新・指定に際して実施した「特別提案」による財政効果も合わせると、3億4千万円もの新たな改革効果の上積みを実現しています。


次に、その予算編成概要についてご説明申し上げます。

 

予算編成概要

予算の全体像

 本市の財政状況は、平成21年度(2009年度)決算において、経常収支比率が96.5%となり、3年ぶりの経常黒字を達成しました。その一方で、平成22年度(2010年度)に、市税収入の減を主な要因として、11年ぶりに普通交付税の交付団体となりました。このことは、現在の市税収入等が、そもそも国が定める標準的な行政経費を賄える水準を下回っていることを示しており、本市の財政状況は、引き続き油断できる状況にはありません。新年度は、5億円の普通交付税を計上するものの、本市歳入の根幹である市税収入が、前々年度水準より6億7千万円の減収となる非常に厳しい見通しです。
 新年度一般会計の予算規模は、381億5千万円で、前年度から3億3千万円・0.9%の微減。一般会計に特別会計・企業会計を加えた全会計の予算総額は1,213億840万円で、前年度から約151億8千万円・11.1%の減となりましたが、これは、主に特別会計競艇事業費においてSG競走の開催がない年であるため予算規模が減少したものです。
 なお、当初予算における経常収支比率は、前年度から0.8ポイント改善の99.1%となり、3年連続して100%以下の経常黒字を達成することができました。また、一般会計への基金の投入額(基金取崩額から積立額を差し引いた額)は、前年度より約7億円少ない約1億4千万円に抑制することができました。

歳入・歳出予算の基本的な考え方

 歳入予算においては、市税の減収に対し、5億円の普通交付税を計上して補填します。また、基金の取り崩しを必要最低限にするとともに、臨時財政対策債の発行を、前年度を2億円下回る13億5千万円にとどめるなど市債の発行も極力抑え、将来負担の軽減に努めます。
 また、本市の貴重な自主財源である競艇事業収入については、前年度と同額の6億円を計上しています。競艇事業においては、売上の減少傾向が続く中、二次にわたる収支適正化計画により収益確保に努めてきたところですが、今後さらに安定的な収入確保をめざします。競艇事業から一般会計に繰り入れている年間6億円という貴重なお金は、毎年、市民の皆さまに安心と安全を提供する施設整備などに活用しています。新年度は、消防車2台、救急車1台の更新、学校のエレベータ設置、彩都の保育所整備、中央生涯学習センターや環境クリーンセンターの施設改修、病院事業会計への支援など、市民生活に直結した事業を支え、加えて、子ども施策の財源となる「未来子ども基金」や北大阪急行線延伸にかかる「交通施設整備基金」への積み立てに活用します。
 次に、歳出予算においては、前年度に引き続き、市立病院改革プランの実行による繰出金の抑制、職員の人件費の削減に加えて、新たなアウトソーシングなどにより歳出経費の圧縮を行います。一方、箕面駅周辺の再整備など国庫補助金をはじめとする特定財源の活用による思い切った予算措置も行っています。

 

行財政改革の考え方

 新年度の予算編成では、3年連続で経常黒字(経常収支比率100%以下)を達成できたこと、基金の投入額を前年度予算より大幅に減少することができたことにより、財政基盤の安定化に向け着実に歩みを進めることができたと考えています。
 また、臨時財政対策債を除く“素”の経常収支比率は105.1%となっています。これは、「ゼロ試案」に掲げている改革項目のみならず、新たな改革項目も加えて、ゼロ試案の改革目標効果は達成したものの、保育所や生活保護など扶助費の想定以上の増加や、子育て応援幼稚園保護者補助金の創設など未来への投資により、プランの目標値104.3%には追従しながらもわずかに及ばなかったものです。しかしながら、ほぼ目標どおりの推移となっており、改革は着実に前進していると認識しています。今後、新たな内部改革を進めることにより、プランの目標年度である平成25年度(2013年)の経常収支の完全均衡という大きな目標達成に向け、行財政運営を行っていきたいと考えています。
以上、新年度の市政運営の基本姿勢と重点施策及び予算編成の概要を申し上げました。
 なお、新年度の予算編成において、特に、意を注いだ施策・事業などについては、議会提出資料巻末の「主要施策」にも取りまとめておりますので、ご高覧いただきますようお願い申し上げます。

<参考>各会計の予算額等  

会計区分

予算額

対前年比

一般会計

38,150,000千円

0.9%減

特別会計

競艇事業費

42,400,000千円

24.3%減

国民健康保険事業費

14,016,513千円

4.1%増

牧落住宅団地事業費

22,328千円

3.0%増

財産区事業費

2,113,642千円

0.2%減

介護保険事業費

6,751,987千円

4.8%増

公共用地先行取得事業費

707,931千円

1.5%減

後期高齢者医療事業費

1,431,678千円

10.6%減

病院事業会計

9,150,587千円

0.2%増

水道事業会計

3,593,817千円

1.5%減

公共下水道事業会計

2,969,916千円

9.4%増

121,308,399千円

11.1%減

 

 一昨年は、歴史的な政権交代の後、国政がどう変わっていくのか、全国民が期待を込めてニュースを見つめた1年でした。様々なテーマが飛び交っては空中分解し、なかなか形にならない様子にもどかしさを感じつつも、我が身と我がまちを振り返り、箕面市だけはしっかりと、地に足を着けてゆるがず前へ進んでいこうと決意を新たにしています。
 昨年9月に走り始めたオレンジゆずるバスが今日も街じゅうを走り回っています。ゆずるバスは2年後の本格営業に向けて、乗客数の多い路線少ない路線、乗降客の多いバス停少ないバス停を見極め、検証と見直しを進めていくことになっています。新年度には初めての見直しが行われ、「乗れば乗るほどサービス充実」のゆずるバスがより便利に箕面市内を駆け回ります。市民参加で作り上げた路線が100にも及ぶバス停を結び、明るいオレンジ色の可愛いバスがくるくるとまちを回る姿は、住みやすく元気なまちの象徴のように目に映ります。
 北大阪急行線の延伸により、オレンジゆずるバスを始めとして、駅を起点に東西南北に路線バス網が整備され、箕面市全域が一体となって息づき始めるその時に、市民の皆さまが元気で、生き生きと箕面市での暮らしを愉しみ、箕面市民であることを誇りに思っていただきたい。そのために、まちの魅力に磨きをかけ、内に外に言葉を尽くしてその魅力を伝えていくこと、若い世代をまちに呼び込み、活気ある持続可能なまちとしていくことが大切です。
 希望に満ちて未来を見つめる気持ちで、今の箕面のまちを歩けば、さらに磨くべき魅力がそこにも、ここにも溢れています。四季を彩る木々、歴史が息づく街道や瀟洒なまちなみ、充実した公共施設、優しく温かく隣人を見守ってくださっている方々、自らのまちの未来を創ろうと知恵を寄せ合う心強い地域の集まり。箕面の魅力アップは、いつも「箕面の再発見」から始まります。
 所信表明から一貫して申し上げておりますが、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」、この言葉は、いつも私の信念として、心に持ち続けています。課題の壁にぶつかることもまたあるでしょう。しかし、あきらめないこと、できない理由を探さないこと、そして、行動すること。その信念を胸に、守るべきものを守りながら、臆さず新しいものをめざしてまいります。
 市議会議員並びに市民の皆さまと、総合計画の描く未来の箕面市の姿を共有し、その実現への道のりを共に歩み、共に悩み、共に喜びながら、一歩一歩着実に歩を進め、その先に、胸を張って子どもたちに引き継げる、明るく豊かな箕面市を築くことをお約束申し上げまして、新年度の施政及び予算編成方針とさせていただきます。


 なお、ご提案申し上げました予算案及び関係諸議案につきましては、それぞれご上程のつど、関係職員からご説明しますので、よろしくご審議のうえ、ご議決くださいますようお願い申し上げます。 

 

よくあるご質問

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お問い合わせ

所属課室:市政統括政策推進室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6718

ファックス番号:072-724-6971

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