更新日:2010年3月1日

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平成15年度施政及び予算編成方針

平成15年(2003年)2月

箕面市長  梶田功

市政運営の基本姿勢

本日ここに、平成15年度(2003年度)予算案及びこれに関連します諸議案を提案し、ご審議をお願いするにあたり、当面する市政の運営方針と予算案の概要を述べ、議員各位をはじめ市民の皆さまの温かいご理解とご協力をいただきたいと思います。

変革期における市政運営のあり方について

最初に、変革期における市政運営のあり方をめぐり、私が昨今考えていることについて申し上げます。

私は、昨年夏に任期半ばを過ぎ、市政運営を担うことの重責につき思いを新たにしているところであり、現在、長期的な景気低迷が続く不安定な社会経済状況下においても、市民の皆さまに安心して暮らしていただけるよう、新しい自治体システムの確立をめざし、「箕面市経営再生プログラム」の推進に取り組んでいます。

明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革ともいわれる「地方分権改革」の流れが、平成12年(2000年)4月の地方分権一括法施行に伴い、名実ともに決定的となりましたが、同時に、日本の自治体は財政危機の克服という課題を突きつけられながら、文字どおり、「自己決定・自己責任」を問われる時代を生きることとなりました。

右肩上がりの経済成長が終焉した現在においては、課題を解決するための指針となるべきモデルはなく、それぞれの自治体が創意工夫を重ねて独自の解決策を模索していかなければなりません。私もこれまでの行政経験と市長就任以来の熟慮に基づき、本市が再生する道筋をプログラムに提案しているところです。

地方分権時代に、まずは安定した自治体経営基盤を確立することは、自治体の首長として当然の責務であり、本市が将来都市像及び基本目標等のビジョンを実現するためにも、当面は、経営再生プログラムに基づく取り組みを着実に推進することに全力を尽くしたいと考えています。

しかしながら、分権型社会において自治体に求められることは、単にその経営を安定させることのみではありません。地域住民の自治への参画が促され、行政サービスは地域住民の自主的な選択に基づく個性的なものとなるよう、率先して知恵を絞り、汗をかくことが必要です。

そのため、本市は、全国の自治体に先駆けて市民と行政との協働によるまちづくりを掲げた「まちづくり理念条例」と、その理念に基づく「非営利公益市民活動促進条例」をはじめとする条例体系を整備し、さらに、協働の考え方や手法を制度化することを目的として「市民参加条例」を定めていることは周知のとおりですが、残念ながら、このような地方分権の理想が本市において順調に現実のものとなりつつあるかを問うとき、前途遼遠の感を抱かざるを得ないのが現状です。

そもそも、個人の自然権を確保するため、社会契約に基づき市民社会が成立するという考え方を思想的背景として近代は進展しました。そして、市民社会がはらむ内部的矛盾や分裂を克服した国家こそが、人間の自由が実現する最良のシステムとみなす考え方すら示されたのです。たしかに19世紀から20世紀にかけては、国民国家の全盛期であり、そのような国家観もある面では妥当性があったのかもしれません。

ところが、あらゆる秩序は絶えず矛盾にぶつかり、なかなか安定しがたいものです。21世紀に突入した現代、グローバル化の進展、NGOやNPO活動の活発化、さらにはIT革命の進行等により、既存の中央集権型国家は、これまでの地位を相対的に低下させつつあります。

地方分権への流れも、中央集権的システムの制度疲労から必然的に導き出されたものであり、究極的には、それぞれの地域における住民が自治の担い手として主体的に活動し、互いに支え合う社会をめざしているものと考えられます。そのための制度的枠組み作りが国において急速に進んでおり、本市のこれまでの取り組みもそのような枠組み作りという面では、一定の成果があったものと評価できます。

しかし、制度という器を生かすも殺すも、その中において、実際にそれを運用する人にかかっており、仮に、人間の本性を利己的・衝動的なものとして想定するならば、私たちのめざす分権型社会は到底実現するものではありません。むしろ、個人がそれぞれの権利をやみくもに主張し合うことにより、ある種の摩擦や衝突が生じることすら考えられます。地方分権や市民参加の方向性は、断じて、バラバラの個人がぶつかり合う混乱状態を導くものであってはなりません。

先の大戦終了直後、占領軍による外からの民主的制度改革が急ピッチで進められている最中、「近代的人間類型の創出」の必要性が強く訴えられました。日本が、真に民主主義的社会秩序を作り上げるためには、これを支えていく人間的主体としての個人が、それにふさわしい内面的価値を作り上げることが必須の要請ではないかという問いかけです。

地方分権を実現しようとする私たちにとっても、このことが最大の課題ではないでしょうか。自己の人間的価値を認識し、かつ他者のそれを尊重する人々が協働して地域社会を支え合っていく、そのためには、行政、そして市民の皆さまがそれぞれに自己変革を達成し、新たな市民像・行政職員像を創出する必要があると思います。

分権型社会の創造に向けて市民参加を積極的に進めていく中では、今後、市民と行政、もしくは市民間でさまざまな軋轢が生じるでしょうし、また、現に生じつつあります。既成の価値観が揺らぎ、新たな価値観を模索している時代には避けられない宿命だと思います。その過程で、少しずつ私たち自身が地方分権を担う主体として成長していくほかに道は無いはずです。

私は市議会及び市民の皆さまの負託にこたえるため、率先して行政の変革を推進するとともに、できるかぎり多くの場面で、さまざまな立場の市民の皆さまとの対話を重ね、地方分権時代における地域社会のあるべき姿をともに描き、かつともに成長したいと考えています。

リーディングプランは種まきから育ての時期へ

次に、リーディングプランを中心とする主要施策の推進について申し上げます。

厳しい変革の時代においても、市政運営にあたっては限られた資源を最大限に活用しながら、住民福祉の増進に努力することが求められています。そこで本市は、「まちづくり理念条例」におけるまちづくりの理念をふまえ、自然豊かな箕面の地で未来へ向けて活力あるまちづくりを進めていけるよう、三つのリーディングプランを設定し重点的に関連事業を推進しているところです。

第四次総合計画は、平成15年度(2003年度)末で第1期実施計画期間を終了し、16年度(2004年度)からは第2期実施計画期間に移行しますが、これに伴いリーディングプランも種まきの時期から、いよいよ育ての時期へと展開することになります。

具体的には、以下のような取り組みを行っていきます。

第1に、「山間・山麓部の保全と活用」についてです。

本市の豊かな山間・山麓部を維持するには、山林所有者や行政の努力だけでは限界があり、山麓部の管理等に必要な資金や労力の負担を、山林所有者から市民全体に移行させるとともに、何世代にもわたって持続する息の長い取り組みが必要です。山林所有者、市民、行政の三者による協働が実現し、山麓保全アクションプログラムにそったさまざまな活動が順調に行われることが、地方分権時代に魅力ある地域社会を形成できるかどうかの試金石になるといえます。

本年度は、これまで箕面・山麓保全検討委員会において議論を積み重ねていただいた成果をもとに、山間・山麓部の保全と活用を本格化させるため、二つの施策を具体化します。

一つは、公益信託「(仮称)みのお山麓保全ファンド」の創設であり、市民や開発事業者からの寄附によって積み立てた自然緑地等保全基金から出資して設立します。この公益信託からの助成により、市民グループ等が行う山麓部の保全活動に対して支援が行われることになります。当面は、市から定期的に追加出資しファンドの育成を図っていきますが、協働の時代にふさわしい資金調達のあり方として、山間・山麓部の保全を望まれる市民の皆さまからの自主的な寄附によりファンドが維持されることを期待しています。

もう一つは、山麓保全推進組織である「仲人組織」に対する活動支援です。仲人組織は、山林所有者と市民グループ等の連携を促進し、市民意識の向上を図ることで、山麓保全アクションプログラムを推進しておられます。本年度中のNPO法人化をめざして活動をさらに本格化させ、公益信託による助成事業のPRや山麓保全交流会での情報交流の促進に取り組まれることになっていますが、協働の仕掛け役としての機能を十分に発揮していただくため、本市も必要な支援を行っていきます。

また、山間・山麓部だけではなく、家庭や身近な場所に四季折々の草花が咲きほこる潤いと安らぎをもったコミュニティの育成をめざし、平成14年度(2002年度)から「花とみどりあふれるまちづくり」を推進していますが、本年度も、「花とみどりの街角」表彰制度やコミュニティガーデニングなど、工夫をこらした施策を展開します。もちろん、市民一人ひとりのわがまちを愛する思いがあってこそ、百花繚乱の美しい景観が実現するものであり、あくまでも行政はコーディネート役に徹して市民の皆さまの自主的活動を支援していきます。 

第2に、「箕面新都心の整備」についてです。

本市が、21世紀にも活気と魅力ある自治体として持続的に発展するためには、広域的な交通体系の中心となり、商業機能や情報が集積し、多様な文化交流が生まれる都市拠点が是非とも必要になります。その意味で、萱野中央地区における箕面新都心の整備は、本市まちづくり百年の大計に基づく重要なプロジェクトであり、バブル経済の崩壊など社会状況の急激な変化にもかかわらず、幸いにも、先人の築き上げた資産を活用しながら、市民、事業者、行政の適切な役割分担と協働を行うことで事業を推進することができました。

そして、いよいよ本年度は、秋に一部まち開きを迎えることになります。現在、予定地において急ピッチで工事が進められており、民間活力による多機能型商業機能を備えた中核施設がその姿を現しつつあります。また、東西の地区を結ぶペデストリアンデッキや周辺地域の不法駐車対策としての公共駐車場などの整備も平成14年度(2002年度)に引き続き、着実に工事を進め、まち開きに向けて万全を期していきます。

本年度のまち開きをもって、本市が実施主体である箕面新都心の整備に関する大規模な投資は概ね終了します。

「まち開き」の後には、いよいよ本格的な「まち育て」がスタートしますが、これまで以上に長い年月をかけ、根気よく取り組むことが必要となります。そのために、本年度は、市民の皆さまの自主的なまち育て活動に向けての気運づくりとして、市民、事業者、関係団体などで構成された実行委員会方式によるまち開きイベントを開催します。

また、新都心を流れる千里川に沿って桜並木の遊歩道が人々を散策に誘い、親水空間がまちに潤いを与えます。その空間を生かしながら、緑の木々に囲まれた開放感のある芝生の上で、大人も子どもも自由に遊べる「市民広場」を整備し、さまざまなイベント活動に利用していただこうと考えています。加えて、NPO活動をはじめとする市民活動を総合的に推進する「市民活動センター」もハード・ソフト両面の機能を一層拡充して、箕面新都心に移設します。市民広場や市民活動センターに皆さまが集い、多様な活動を行うことで、まち育てを推進する活力が生み出されることを期待しています。

なお、以上のような、まち育ての取り組みとあわせ、人々の交流結節点としての新都心の役割を充実させるため、北大阪急行線延伸の早期実現に向けた活動を引き続き粘り強く行います。 

第3に、「子育て環境の整備と教育の充実」についてです。

日本の少子化は確実に進んでおり、本市も例外ではありません。長期的な経済不況が続くことで子育ての負担感がさらに強まり、この傾向に拍車がかかることが懸念されます。次代を担う子どもたちが元気に育つ姿が街中のあちらこちらで見られ、私たちが未来に希望を託すことができるようでなければ、地域社会の活力は衰えていくばかりです。不透明な社会状況下においても、子育てに夢と希望を感じることができる環境を整えることは行政として最優先の課題と認識しており、市民ニーズの高い施策については着実に推進します。

主な施策としては、中央病後児保育室を萱野保育所へ移設します。東部、中部、西部の三か所の公立保育所に病後児保育室を設置することで利用者にとっての利便性がさらに向上します。また、子育てに関わる相談や援助を行うことで成果をあげてきた「地域子育て支援センター」を萱野保育所からライトピア21へ移設しますが、これを機会に市域全体の子育て支援機能をさらに拡充します。あわせて、ファミリーサポートセンター事業の運営を社会福祉協議会にお願いし、育児に関する会員制の相互援助を促進します。さらに、民間保育所一所の増改築にかかる施設整備費の補助を要件が整い次第行います。これにより当該保育所の定員増が図られるとともに、新たにゼロ歳児保育が実施されることになります。

教育の充実については、平成14年度(2002年度)の施政及び予算編成方針で申し上げたとおり、全小中学校にブロードバンド・インターネット等、ITによる最先端の教育環境を整備しました。これは国際的に見ても有数のIT環境であり、本市の第二中学校が、宇宙開発事業団等で実施した宇宙授業の実験校として選ばれ、宇宙ステーションとの間でインターネットを介して交流する画期的な授業を行ったことは記憶に新しいところです。

本年度は、総務省の「EduMart(エデュマート)構想」の実証フィールドとして選ばれた全国8自治体の一つとして、NHKが保有する膨大なビデオクリップをはじめ、優良なデジタルコンテンツを教材として活用することで、子どもたちの興味や関心を高めながら、より分かりやすい授業を展開する取り組みを行います。本市の場合は、単にIT環境を整備するにとどまらず、全国に先駆けてその有効活用による新たな授業手法の開発を行う段階に入っており、緑豊かな美しい自然に囲まれながら、同時にITによる質の高い授業を受け、かつ自由にITを利用できるという恵まれた環境で育つことは、グローバル時代を生きる本市の子どもたちにとって、将来必ずプラスに働くと信じています。

箕面市経営再生プログラムの推進

次に、本市行政システムの抜本的再構築をめざす「箕面市経営再生プログラム」の推進について申し上げます。

経営再生プログラムでは、改革の方向性を三つ掲げています。第1に、これまでのナショナルミニマム底上げ型の「大きな政府」を低成長時代に適合した「小さな政府」に変革し、顧客志向・成果志向のシステムに再構築するための構造改革を進めます。第2に、現在の本市の歳出規模を歳入に見合った適正な規模にまでスリム化するための歳出改革を進めます。改革の達成度合を測るおおよその目安として、平成19年度(2007年度)の経常収支比率105%、一般会計の財政規模360億円、同年度末の基金残高110億円の確保という数値を具体的に設定します。第3に、職員一人ひとりが箕面版NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)をはじめとする改革の趣旨を理解して積極的に行動するよう、人事・給与・研修制度の見直し等を行い、職員の意識改革を進めます。

こうした改革の方向性を具体化するものとして、「箕面市アウトソーシング計画(MOS計画)」や「第2次箕面市職員定員適正化計画」をはじめとする十一の改革処方箋を提示し、平成14年度(2002年度)から18年度(2006年度)にかけて五年間の改革期間内に、その着実な推進をめざします。

本年度は、主に以下のような取り組みを行っていきます。 

第1に、行政評価制度に関する取り組みです。

行政評価制度は、本市が推進する箕面版NPMの基幹的ツールであり、この制度を根付かせることにより、直接に市民の皆さまと接し日々協働を実践するそれぞれの職場において、全ての職員が常にバリューフォーマネーの視点から業務改善に努め、市政運営の絶えざる革新に主体的に貢献できるようにします。

行政評価の結果を予算査定に連動させることについては、本年度の予算編成において、ほぼ完全に実行できたものと認識しており、さらに、人件費を含むフルコストの把握と、「有効性」「経済性」「緊急性」「公共性」の四つの視点からの評価を行うなど、行政評価制度自体の機能強化も図ることができました。

本年度は総合計画第2期実施計画を策定するため、これまでの行政評価結果をふまえながら、市民満足度調査を実施します。これにより、第1期実施計画に基づく取り組みの成果を検証するとともに、市民の皆さまの多様なニーズを的確に把握し、厳しい財政状況にあっても行政が着実に推進すべき施策を見定め、第2期実施計画に反映させたいと考えています。あわせて、第1期実施計画における施策目標を精査し、顧客志向・成果志向につながる目標への見直しを行うことにします。

また、行政評価制度は、本来、行政内部の取り組みにとどまるものではなく、議会並びに市民の皆さまが行政とともに、今後のまちづくりについて議論や判断をする際、共通の材料として活用すべきものです。施策レベルの評価については、すでに、本市ホームページ上に公開していますが、事業レベルの評価についても、市民との協働を促進するための情報提供の一環として、その調書の公開に向けて準備を進めます。

さらに、第2期実施計画以降の進行管理については、行政評価制度の客観性を一層高める手法の導入を考えており、平成14年度(2002年度)に引き続き、学識経験者によって構成された行政評価アドバイザーの助言をいただきながら検討します。 

第2に、箕面市アウトソーシング計画の推進等による「小さな政府」の構築です。

これまでの利益調整型行政システムは「大きな政府」の形態を採らざるを得ませんでしたが、これを低成長時代に見合った協働型の行政システムに変革するためには、現行の行政組織をスリム化し少数精鋭の身軽な組織を実現することが不可欠となっています。そのために、職員定員適正化計画に基づき段階的に人員体制の縮小を図るとともに、平成14年度(2002年度)においては、特に、新たな「退職手当特別措置」を実施することにより組織の新陳代謝の促進を図り、一定の成果をあげたところです。

また、定員適正化の取り組みと並行してMOS計画により行政の守備範囲を見直し、執行部分の軽量化を計画的に進めていますが、本年度については、環境クリーンセンターにおけるごみ処理業務の一部と、青少年教学の森野外活動センターの管理・運営を委託します。これにより、民間企業等の専門性を生かすことで、安全性などにも配慮しながら、効率的かつ効果的な業務運営が可能になるものと考えています。なお、今後、MOS計画を推進するにあたっては、あわせて、サービスの質や費用対効果等の観点から成果の検証を行い、アウトソーシングを適切に活用するために行政として必要なノウハウを蓄積していきます。

さらに、アウトソーシングによって生み出された貴重な人員は、退職者の補充要員にするとともに、新たに行政ニーズが高まり、強化が必要となった部門などへシフトすることにします。その一例として、本年度から、土木施設グループと市有建築物グループで構成する公共施設管理チームを新設し、これまで各部局縦割りで対応していた業務をとりまとめ、道路・公園・河川や、学校・幼稚園等の一体的な維持・補修を行います。職員の創意工夫によってチームが十分に機能すれば、行政として効率化を図りながら、市民の皆さまの多様な要望に、より迅速できめ細やかな対応ができるものと考えています。

なお、行政の守備範囲の見直し、補完性の原則の徹底という観点からは、いわゆる外郭団体についても、社会情勢の変化により設置目的が薄れていないか、厳しい経済状況の中で自立をめざした経営努力がなされているかなどについて検証を行い、場合によっては統廃合も視野に入れることが必要です。本市と密接な関係をもつ各団体等におかれては、このような問題意識をふまえ、本年度中に経営改革計画を策定し、本市と同様、分権型社会にふさわしい組織への改革に取り組むこととなっています。 

第3に、人材育成基本計画の策定等により職員一人ひとりの能力を最大限に発揮し、組織を活性化させるための取り組みです。

スリム化された少数の組織で分権型社会を主導する新しい自治体としての役割を果たそうとすれば、必然的に職員一人ひとりの能力向上が求められます。そのためには、それぞれの職場において全力を尽くす職員がその労を報われる加点主義人事への転換と、それを支える給与や研修システムの整備が必要であると痛感しています。

平成14年度(2002年度)においては、目標管理制度の導入、昇任試験制度の見直し、任用制度の弾力化等を実施しましたが、本年度は、長期的視点からの人材育成を推進するマスタープランとして、「(仮称)箕面市人材育成基本計画」を策定することにしています。策定にあたっては、現行の諸制度の課題をふまえた上で、特に、計画的・教育的人事配置であるジョブローテーションや複線型人事制度の確立、高度な専門的知識や民間的感覚を持った人材の活用、女性職員の活性化などの観点を重視したいと考えています。

また、人材交流として、平成14年度(2002年度)に新設した政策総括監のポストに引き続き総務省職員を受け入れ、本市経営改革の推進や政策課題の解決等に、若い力と外からの視点をもって積極的に貢献していただくことを期待しています。本年度は、本市からも若手職員を派遣し、総務省及びその所管法人において二年間の長期研修を行いますので、基礎自治体である本市と国の相互交流が実現することになります。

さらに、管理職の人材の有効活用や、上下間のコミュニケーション活性化のためには、資格制度の積極的運用等によるフラットで効率的な組織のあり方も検討しなければなりません。加えて、若手職員の柔軟で斬新な発想を生かすために、緊急性には乏しいものの、法定外目的税や電子自治体、コミュニティビジネスなど、将来に可能性のある取り組みについて部局横断的な政策課題研究会を設置し、課長補佐クラス以下を中心として検討させたいと考えています。

先にも申し上げましたが、分権型社会への移行期においては、行政が率先して変化の苦しみに耐えなければならないと覚悟しています。私をはじめ本市職員が自己変革を遂げ、新たな時代にふさわしい自治体像を創出することをめざし、経営再生プログラムに基づく諸改革に邁進します。

予算編成概要

次に、予算編成の概要について申し上げます。

予算の編成にあたっては、経営再生プログラム及び平成11年度(1999年度)に策定した財政健全化計画(案)に基づきながら、財政健全化への取り組みを加速させ、効率的で持続可能な財政への転換を図ることを基本としています。特に、平成15年度(2003年度)は財政健全化計画(案)の最終年度であることから、目標の達成に向けた取り組みを強力に推進し、経費削減と財源の確保に努めていきます。

本年度の財政見通しにつきましては、本市歳入の根幹である市税において、長引く厳しい雇用情勢や景気低迷のため、平成14年度(2002年度)を大きく下回り、約5億8千万円の減収になると推計しています。

また、競艇事業につきましては、議員各位のご支援・ご協力のもと、本年度は、平成14年度(2002年度)に引き続きSG競走の一つである「第18回賞金王決定戦競走」を開催する運びとなりました。さらに、箕面市営競艇事業収支適正化計画に基づき、一層の経営努力を図ることで、一般会計への繰出金として 10億円を確保していきたいと考えています。なお、今後とも貴重な自主財源を確保するため、競艇事業に対する議員各位のご理解とご支援をお願いします。

歳出においては、現下の厳しい財政状況にあっては、限られた財源を有効かつ効率的に配分する必要があるため、行政評価制度との連携をさらに強化し、優先事業の選択と財政体力に応じた事業展開を図ることを基本方針としました。

その結果、経営再生プログラムに示した平成15年度(2003年度)の経常収支比率103%の目標に対し99.2%、また、臨時的経費等に充当する基金につきましては、約30億円以内という目標に対し20億円の取り崩しにとどめることができました。

しかしながら、経常経費において、人件費の抑制は図られたものの、扶助費や公債費は増加しており、ますます厳しい経済見通しのなか、今後とも各部局室が日常的に事業の必要性、緊急性を十分検証し、再構築と見直しに努めるなど主体性と責任を持った予算編成を行いたいと考えています。

以上の考え方に基づき予算を編成した結果、

会計区分

予算額

対前年比

一般会計

446億6,000万円

0.5%減

競艇事業会計

820億1,921万1千円

5.7%減

国民健康保険事業会計

93億2,266万2千円

9.8%増

公共下水道事業会計

--千円

皆減

牧落住宅団地事業会計

2,254万6千円

0.8%増

老人保健医療事業会計

90億2,516万5千円

2.4%減

財産区事業会計

22億1,034万3千円

6.4%減

萱野中央土地区画整理事業会計

7億988万7千円

51.3%減

介護保険事業会計

42億7,493万6千円

2.8%増

小野原西土地区画整理事業会計

16億4,822万3千円

47.8%増

公共用地先行取得事業会計

20億5,540万8千円

66.3%増

病院事業会計

81億4,564万9千円

0.4%増

水道事業会計

38億8,662万8千円

1.2%増

公共下水道事業会計

33億 215万円

皆増

1,712億8,280万8千円

2.0%減

となりました。

主要施策の概要

次に、本年度の予算編成にあたり、意を注ぎました主要な施策について申し上げます。

安心して暮らせるまちづくり

保健・医療・福祉施策の総合的推進

保健・医療・福祉の連携再構築につきましては、庁内の横断的プロジェクト会議において重点テーマを絞り、「退院・転院時の連携について」など、より具体的な方策について引き続き検討を進めていきます。

次に、健康増進につきましては、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現に向け、具体的な目標を示す計画「健康みのお21」を策定し市民の健康づくりを支援していきます。

予防歯科センターは、総合保健福祉センター内にある医療保健センターに移転することにより、子どもだけでなく成人期、高齢期それぞれのライフステージに応じた予防活動の推進を図っていきます。

また、国民健康保険料につきましては、7年ぶりの見直しを行い、国民健康保険事業を安定的に運営するため、財政基盤の強化を図りたいと考えています。

乳幼児医療費助成制度の見直しにつきましては、本年度に予想されます大阪府の公費医療費助成事業の見直し内容等を見極めたうえ、引き続き検討していきます。

市立病院につきましては、設備の老朽化や市民ニーズの変化に応じたアメニティやプライバシー保護向上のため、設備診断と改修手法の検討を行いましたが、経営的な視点からの検討が必要なことから、経営計画をふまえた施設改修となるよう基本設計の策定を行います。

今後の保育施策につきましては、保育行政における公民の役割に関する保健医療福祉総合審議会の答申を尊重しながら、公立保育所・民間保育所の再編のあり方について検討します。

また、保育所の待機児対策の一環として昨年10月より公立保育所の定員弾力化運用を開始していますが、その結果、51人の待機児解消が図られており、今年度も引き続き弾力化運用を行います。

高齢者福祉施策につきましては、地区福祉会による小地域ネットワーク活動などの福祉活動がさらに効果的に展開されるよう、高齢者が気軽に集える地域活動拠点を箕面及び東小学校の余裕教室等に整備するとともに、地域の青少年健全育成活動を促進するための拠点としても有効活用を図ります。

また、介護保険料は第2期「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づく介護サービス見込み量に応じた適正な見直しを行い、介護保険事業に伴う保険給付の円滑な実施を図ります。

障害者福祉施策につきましては、障害者市民の自己選択、自己決定の尊重、利用者本位のサービスの提供などを目的として、本年4月からの「支援費制度」への移行を円滑に進めていきます。

また、次期「障害者市民の長期計画」については、支援費制度下において障害福祉サービスを安定的かつ効果的に供給するため、障害者の実態調査の実施結果や現行計画の進捗状況をふまえ策定します。

障害者福祉センターささゆり園については、重度重複障害者市民の日中活動の場を確保するとともに、医療的ケアが必要な障害者市民にも利用可能な福祉サービスを実現するため、身体障害者デイサービス(介護型)機能を備えた施設として再整備を行います。

身近な生活環境の整備と保全

良好な住環境の整備と保全につきましては、一定の地域の中で極端な高さの違いのある建築物が混在することを抑制するため高度地区の見直しを行っていますが、本年度中の都市計画決定に向け手続きを進めていきます。

身近な道路・公園施設については、箕面版アドプトプログラムに基づき市民、地元企業、市などが役割分担をしながら適正な維持管理を行い、施設への愛護意識や地域コミュニティの醸成、連帯感の向上を図っていきます。

循環型社会への取り組みとしましては、昨年8月の廃棄物減量等推進審議会の答申に基づき、「廃棄物の処理及び清掃に関する条例」の全部改正を予定しています。具体的には、ごみ発生抑制と資源化をめざし、指定ごみ袋による収集の徹底をはじめとして、指定ごみ袋制度の見直しと燃えないごみ・大型ごみの有料制の導入を考えています。

また、一部公共施設から発生する生ごみや剪定枝による特殊肥料等の生成については、生成技術の習得及び農家等での利用検証を目的に実証実験を行っていますが、今年度は、特殊肥料等の生成量の拡大とともに、循環システムの仕組みを整えていきます。

安全の確保

防災対策につきましては、経年変化に伴う老朽化や部品調達が不可能となっている防災行政無線を更新するため、市民、関係機関と行政が平常時はもとより災害時においても、互いに情報の提供・収集が円滑にできる通信設備のあり方について検討します。

また、止々呂美地区の前川については、狭小な河川断面を拡幅、改修するため、本年度は用地の買収を行います。

消防・救急体制につきましては、災害時及び緊急時において円滑な消防・救急活動を行うため、救助工作車、高規格救急車等を更新整備するとともに、石丸、粟生両分団の消防ポンプ自動車を更新します。

交通安全対策につきましては、市道才ヶ原線及び市道箕面今宮線の歩道整備を行っていますが、このうち才ヶ原線については、国道171号から中小学校までの全区間が完了します。

いきいきと暮らせるまちづくり

文化の振興と教育・学習環境の充実

人権施策の推進につきましては、昨年末に(仮称)箕面市人権条例検討委員会から提案されました大綱及び報告書に基づき、条例化を図っていきたいと考えています。

また、「人権施策基本方針」及び「男女協働参画推進計画」に基づく事業を進めていくとともに、これらの方針、計画の改定にあたり必要な基礎資料とする市民意識調査を行います。

学校教育につきましては、学校の自主性・自律性の確立を図り、各学校においてより特色ある教育活動を行うため、学校予算に関する校長の関与のあり方について検討します。

また、平成13年度(2001年度)から実施している本市の学力実態調査結果についての分析・検討をふまえ、学習指導要領に基づく教育活動によって確かな学力の向上が図れるよう、教材・教具の開発、指導方法の工夫改善を進めます。

経済的理由による修学困難者に対し教育の機会均等を確保するため、奨学金の給与と貸与の両制度を運用してきましたが、対象者の拡大を図るとともに、新高校一年生に対する奨学金を給与から貸与に変更し資源の有効活用を図っていきます。

小中学校の施設整備につきましては、引き続き豊川北小学校の大規模改修を実施するとともに、第三中学校の防球ネット改修工事及び第四中学校のプール補修工事を実施します。

生涯学習につきましては、図書館の広域利用により利便性を更に高めるため、本市の萱野南図書館と豊中市の蛍池図書館を本年5月から両市民双方が利用できるようにしますが、今後さらに広域利用の拡充に向け努力します。

また、第一総合運動場市民野球場の安全性を向上させるとともに、硬式野球ができるようにするため、防球ネット整備に向け設計を行います。

自然環境と地球環境の保全

自然環境の保全につきましては、民有地を含んだ市内全域の緑に関する総合的な指針となる「みどりの基本計画」の策定を市民主体で行うため、「みどりの基本計画策定委員会」を設置し、市民間で意見や情報を交換する機会をできる限り多く設けながら進めていきます。

また、歴史、文化、植生などにおいて貴重な区域である中央公園予定地の一部を先行買収しましたが、国の低利融資制度を活用して買い戻しを行います。

本年4月にオープン予定の瀬川のわき水を利用した親水空間につきましては、完成後も引き続き、その維持管理を住民との協働で行い、地域コミュニティの活性化と身近な潤いのある場として活用を図ります。

市有建築物の改修にあたっては、省エネ対策を行うことで、経費削減と環境対策に同時に効果を発揮できる工法を導入しており、本庁舎に引き続き、今年度は市民会館への導入を予定しています。

雇用創出と産業の活性化

雇用創出につきましては、ふれあい就労支援センターの全面オープンにあわせ、障害者雇用支援センターの機能を拡大するとともに、労働相談コーナーにおいてハローワークの就職情報等の提供を行います。

商工業の振興につきましては、既成市街地活性化施策の一環として、多様な課題を抱える箕面サンプラザ及び周辺の活性化について、採算見通しや経営手法、ビジネスの可能性など幅広く検討・調査を行っていますが、今年度は調査結果をふまえ諸問題解決のための方策を取りまとめていきたいと考えています。

また、商業活性化ビジョン、アクションプログラムに基づき消費者、商業者等で構成する団体が実施する事業に対し、商工会議所を通じて補助を行います。

箕面マルチメディア・ラボについては、多くのご利用をいただいていますが、国の支援制度を活用し、インターネット上の地域の情報窓口として「箕面ポータルサイト」のホームページを設置する予定です。これにより、商業をはじめとするさまざまなコミュニティ情報の交流の場を提供します。

身近な地域での新しいビジネスチャンスの創造は、まちの活性化や就業機会の拡大に結びつくとの観点から、SOHO事業者育成のためのサービスについて実験的に取り組み、IT環境などの資源や民間活力を効果的に活用する方策を検討していきます。

観光の振興につきましては、豊能地区の観光資源を活用した広域観光事業を推進するなど、年間を通じて観光客を誘致するための事業を行います。また、かねてから要望を行ってきた国定公園内大日駐車場のトイレ改修について、関係各位のご理解により大阪府が整備する予定となっています。

農林業の振興につきましては、平成4年(1992年)策定の農業基本指針に基づく事業を実施してきましたが、その後の農業を取りまく環境等の変化をふまえ、都市化された中での農業経営基盤の強化をめざし、農業者と市民との相互理解を深め、市民の農業への参加や循環型社会に適応した農業の構築などを進めていくため、現指針を全面的に見直します。

暮らしを支えるまちづくり

秩序ある市街地の形成

市街地の整備・再編につきましては、桜井駅周辺地区について、市街地再開発事業を進めるための合意形成の進展をふまえながら、準備組合への支援を引き続き行っていきます。

小野原西地区につきましては、特定土地区画整理手法による面的な都市基盤整備を目的に、引き続き防災工事等を実施します。

また、長年の地域課題である止々呂美地区既存集落周辺部の整備については、水と緑の健康都市をはじめ余野川ダムなどの関連事業の進捗を見据えながら、地元住民の皆さまが作成した「止々呂美地域まちづくり基本構想」を受け、地域整備の具体化を検討します。

都市基盤整備公団を実施主体とする彩都(国際文化公園都市)及び大阪府を実施主体とする水と緑の健康都市につきましては、基本理念に基づくまちづくりに向け、関係機関との協議・調整を行いながら本市財政体力の範囲内で計画的に取り組んでいきます。

道路整備につきましては、桜井石橋線について用地の先行買収を行うほか、小野原豊中線第2工区については、橋梁の下部工事を実施するとともに、用地の買い戻し及び先行買収を行います。

また、大阪府が事業主体の府道豊中亀岡線のシンボルロード化につきましては、本市も協力・分担しながら、歩道の拡幅・美装化、架空線の地中化などを行ってきましたが、市道箕面今宮線から市役所前までの区間について、本年度中の完了をめざし整備を進めます。

安全で快適な都市環境の整備・保全につきましては、いわゆる「交通バリアフリー法」に基づく取り組みを促進するため、鉄道駅周辺を中心に、高齢者、身体障害者及び関係機関などの参画を得て「交通バリアフリー基本構想」を策定します。

また、平成4年度(1992年度)から市が委託する交通指導員の啓発により実施してきました迷惑駐車防止活動は、沿道自治会等を中心とする地域に根ざした啓発活動に転換し、市民、警察、市が協働・連携して迷惑駐車の追放を図っていきます。

なお、市内の公共交通としては、路線バスの充実を働きかけるとともに、本市の直接的関与は公共施設へのアクセス確保とし、引き続き福祉巡回バスの運行により、利便性の向上を図っていきます。

上水道につきましては、「猪名川総合開発事業(余野川ダム)基本計画」が変更される見通しのなか、北部水道事業についての給水コストの軽減を図るため、国及び大阪府と調整のうえ水源の見直しを行います。

また、老朽化が著しい箕面浄水場中央監視制御設備については、その更新に着手し、今後も安全で安定した上水道供給に努めます。

公共下水道事業につきましては、市民共通の財産である施設を適正に維持し、安定したサービスを提供するため、本年4月から地方公営企業法を全部適用します。同時に、水道事業により培われてきたノウハウを生かし、組織の活性化を図るため、上・下水道事業の一体的組織体制を構築します。

また、現在、公共下水道事業運営審議会に事業運営のあり方について調査・審議をお願いしており、その答申をふまえながら効率的な事業運営をめざします。

なお、局地的な集中豪雨に対する市街地の浸水対策として行ってきました西小路地区における雨水管整備は本年度をもって完了します。

多様な市民活動の推進

行政情報につきましては、市民との情報の共有化を図るために、必要とする情報を的確に多様な情報媒体で提供する必要があります。このため、それぞれの情報媒体が担う役割を明確にし、広報紙の発行回数を見直すとともに、速報性の高い情報媒体として市民に浸透しつつある市ホームページの充実を図り、さらなる利用を促進するためリニューアルを行います。

また、本市の「公文書公開条例」については、施行以来15年が経過しており、国の情報公開法等をふまえ、今後の情報公開のあり方について、今年度も引き続き、情報開示審査会専門部会においてご議論いただくことになっています。

改正住民基本台帳法の段階的施行により、本年8月から二次稼働する住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、万全な運用管理のもと円滑な導入をめざし、必要なシステム改修や機器調達等を進めます。さらに、庁内全体の情報セキュリティを確保するため、ネットワークシステムの運営の基本方針、いわゆるセキュリティポリシーを策定します。

また、住民票等の証明発行につきましては、市民サービスコーナーは廃止し、自動交付機の稼働日時を拡大し、効率的なサービスを提供します。

また、産・学・公・民が協働して本市のIT環境の有効活用を図るため設置したIT CITYみのお推進協議会については、四つの部会を設けエデュマート構想やSOHO支援などに関連する具体的な活動を行っており、今後も部会を中心に取り組みを進めていきます。

コミュニティ施策につきましては、「市立コミュニティセンター条例」に基づき、管理運営を各コミュニティセンター管理運営委員会に委託し、利用者の利便性の向上を図っていきます。

さらに、地域の特色を生かした事業を行うことにより自立した地域コミュニティ形成を促進するとともに、地域と行政の協働の新しい仕組みのあり方について検討します。

また、市有建築物の延命、ライフサイクルコストの低減、施設利用者の利便性・安全性の向上を図るため、公共施設保全計画の策定に着手するとともに、平成 11年(1999年)に策定した公共施設配置構想を見直し、具体的に施設機能を確保する必要のない市保有地についての売却を検討していきます。

以上、誠に簡単ですが、本年度の施政及び予算編成についての概要を述べました。

なお、日頃、議員各位並びに各会派から貴重なご意見・ご要望をいただき深く感謝します。予算編成にあたってはそれらをふまえ、厳しい財政環境のなかで最大限努力いたしましたのでご理解願います。

箕面市経営再生プログラムを含め、最近の自治体改革の基調となっているニュー・パブリック・マネジメントの考え方は、競争を重視し弱者を切り捨てる過酷な社会をもたらすのではないかという議論があります。しかし、少なくとも私たちが構築しようとする新たな自治体システムはそのような方向性とは無縁のものです。

現在の低成長時代においては、市民の皆さまをはじめ、NPO、民間企業等、あらゆるセクターが協働して、箕面市という地域を支えていかなければなりません。そのためには、行政のみに限られた資源を集中して、非効率な分野を生み出すよりは、資源投入の効果が最も発揮できるところへ配分されることの方が望ましいと考えています。再構築された自治体システムが有効に機能する中で、市民の皆さま一人ひとりがお互いを思いやりながら、地域の活動に積極的に関わっていただくことで、はじめて豊かなコミュニティが実現するのであり、それは決して過酷な社会ではないと思います。

孟子に「惻隠の心」という言葉があります。幼な子が井戸に落ちかければ、誰もが、義理や打算ではなく、思わずハッとなり駆けだして抱きとめ助けようとする。人として内から自然にあらわれる利他的本性をさした言葉です。人間性への深い信頼に根ざしており、その健全な楽観主義は、私に勇気を与えてくれます。

21 世紀に入り、誰もが「成長という神話」にせかされて生きる時代は明らかに終わりを告げつつあります。ふと気がついて、私たちが暮らす地域を見渡すとき、何かが欠けているという思いにとらわれる方も少なくないかもしれません。こうした思いを出発点として、これから、私たちは本当に幸福な社会の実現を求めて、新たな模索の時代に入ったのだと思います。その際、東洋の先賢が信じたような人間の善き本性の発露が鍵となるはずです。私は究極においてそのことが可能であると信じ、本年度も日々着実な歩みを続けていきます。

最後になりますが、提案いたしました予算案及び関係諸議案につきましては、それぞれご上程のつど、説明いたしますので、ご審議のうえ、ご議決いただきますようお願い申し上げます。

よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:市政統括政策推進室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6718

ファックス番号:072-724-6971

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