地域ヒアリングについて
地域ヒアリングとは?
市では、景観法に基づく景観計画の策定にあたり、「美しさ」という曖昧な概念で私権を制限する恐れがあることを踏まえ、市民が議論を行う機会を積極的に提供し、十分に合意形成の図られた「私たちの基準」づくりを目指しています。
そのため、公募市民による暮らしの景観研究会をつくったり、取り組み状況についてもみじだよりやホームページへの掲載、また景観フォーラムの開催などを通じて、広く市民のみなさんにお知らせし、意見を聞くように努めていますが、より多くのかたから景観についての思いや日頃感じていることをお聞きするために、地域で行われている会合などに参加させていただき、お話を聞いています。 ここでは、今までに行われたヒアリングの内容についてお知らせします。
何とかしたいところ
- 皆をまとめあげて、うまく引っ張っていく商業者のリーダーがいない。市のかたでも、複数の課が取り組んで混乱が生じた例があったので、キーマンがいるのではないか。
- 沿道に切り分けられた土地がたくさんあり、使いかたの対策が必要だと考えている。
- 箕面駅前の景観も美しくしていきたい。
シンボルロードの景観について
- 自らリードしてセットバックなど取り組んできたつもりであるが、後が続かない。
- 古くからの事業者には、セットバックなど含めたお願いを聞いてもらいやすいが、新しい事業者はそうもいかない。新しい事業者とどうつき合っていくのか、が課題。
- 色彩については基準化していないので、曖昧な状態にある。今、きちんと「こうすべきだ」と表明しなければ、まちなみはどんどん崩れていってしまうのでは、と思う。
- 用途地域は近隣商業地域なので、制約が大きい。セットバックするかわりに、税を優遇するといったボーナス制度のようなものがあれば促進されるのではないか。
- 以前は、シンボルロード沿いに建築する際には、協議会に一報入れてもらうような形を採っていた。この協議会を上手く活用してもらえればと思っている。
- まちなみを創っていくには、プロの人材が要る。カラーコーディネーターやアドバイザーといったかたに、具体的なまちなみづくりについて助言してもらえれば良い。
- 昔はシンボルロードの将来像(イメージパース)があった。まずはめざすべき姿を作ってほしい。
- 「グッドデザイン賞」のようなものを創って、いいまちなみ事例を紹介する取り組みを行ってはどうか。
基本計画について
- 商業が活性化しないとまちは良くならない。つぶれてしまう前に手を打たなければならない。そういう面では、今回新しく方針3、4が入ったことは評価できる。
- 住民だけではなく、商業者なども含めたいろんな立場のかたの意見を聴いてほしい。
- 計画が決まってから意見を聴くのではなくて、途中段階でも意見交換したい。会員の意見なども聴いていきたい。
好きなところ
- 四番通りの桜は美しい。ただ、道路に散った花びらの掃除が大変で、ゴミ袋の負担だけでも大きい。そういった支援もしてほしい。桜自体かなり老木で、またトラックがよく枝を引っかけて行くのでだいぶ減ってきた。
- 中央線のいちょうも美しい。
- 箕面川には大きなコイがいる。また、蛍もいる。
- クリスマスの時期のイルミネーションが年々盛んになってきている。
何とかしたいところ
- 大きい家が続くまちなみなど、あたたかみのあるまちの雰囲気が壊れてきている。
- 昔は桜井の駅から桜ヶ丘に向かってあるいていると心地よい風や匂いを感じたが、最近はそれがなくなってきている。外を歩くときに心地よさを感じることが大切で、それがないとまちの美しさも感じられない。
- 紅葉橋から見た箕面川は草が生い茂っているし、粗大ゴミも投棄されているところもあり、地域の課題となっている。
- 田村橋のデザインは昔のかたが良かったと思う。
- カラスが多く、地域の課題となっている。
そのほか
- このあたりでは大きな家の跡地が細分化され、手頃な戸建て住宅が建てられることが多く、そこに子育て世代の入居が増えている。このため子どもの数は増えているのではないか。敷地の細分化が必ずしも悪いとは言えない。
- 桜ヶ丘で最近大きな家が数軒に建て変わったが、生け垣が残されており、非常に良いと感じた。
- 大正住宅博当時の建物だけを保存するのではなく、周辺の建物もあわせてまちなみをつくっていく必要がある。周辺にどうやって取り組みを広げていくかが課題であろう。
好きなところ
- さくら橋からの南北の眺望は好きな風景である。特にエル通りから見るヴィソラのイルミネーションはとても美しい。
- 人工物であっても、人との関わりが見える風景は愛着がわく。千里川も親水空間が整備され、アドプトの活動を継続していくことで、ゴミも減ってきたし、美しい流れになってきたと思う。
- まちの中に人の手が入っていることを少しでも見せていく方が、犯罪も起きにくくなるのではないか。
- 人との接点が見えない景観は意味がない。まんどろのお祭りなど生活の風景とセットとなった、人がからんだ景観、人の体温を感じられるような景観を大事にしていきたい。
- 一律のルールでしばっていくのはどうかと思う。自然と気持ちが「周辺の景観に配慮しよう」というかた向に向くように啓蒙が必要。「みんなが得するまちづくり作法集」も「ゆるすぎるのではないか」という意見もあるが、決めつけすぎず、選択できるところがいいところだと思っている。ルールづくりのためのルールではない。
- 景観に入るかどうかは別として、イルミネーションはつくる景観、飾る景観である。隣でやっているのを見て、いいなと感じた人が真似をすることで自然と広がっている。そういった地道な景観づくりにも着目してほしい。
- 事業者も良い景観づくりに協力してもらいたい。(例えば、工事中のフェンスをキャンパスに見立てて、地域の子どもに絵を描いてもらうなど)
- 人それぞれの思いがあり、無理から規制させるのは良くない。しかし、良くしようという気持ちにさせる仕掛けをしていくことは非常に大切である。銘板を設置したり、表彰するなど、心をくすぐるようなほめかたをして、良い例を増やしていくべきだ。
景観形成方針(案)について
- 新しく創られるまちなみには抵抗が大きいかもしれないが、歴史や伝統のある古いまちなみも創られた当時は新しかった。にぎわいと自然のバランスをうまく取っていくことが大切であり、方針3の考えかたは必要だと思う。
そのほか、活動の課題など
- 活動も少人数で頑張っているだけに、しんどい部分も出てきている。頑張らなくても活動が回っていけばと思う。どうやって輪を広げていくのか、新しい担い手を育てていくのかが課題。
- 頑張っているまちづくり団体、地域団体の横のつながりをつくり交流する場がいる。良い景観づくりには、地域のことについて本音で言い合える場が必要だと思う。
都市景観のトップページへ戻る