更新日:2010年3月1日

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箕面市非営利公益市民活動促進条例逐条解説

目次

前文

第1条(目的)

第2条(定義)

第3条(基本理念)

第4条(市の責務)

第5条(市民の役割)

第6条(事業者の役割)

第7条(非営利公益市民活動団体の役割)

第8条(助成等環境の整備)

第9条(公共サービスにおける参入機会の提供)

第10条(非営利公益市民活動団体の登録等)

第11条(意見等の提出)

第12条(促進委員会)

第13条(報酬及び費用弁償)

第14条(委任)

前文

私たち箕面のまちづくりは、まちの個性をつくり出し、真に豊かに暮らせるような地域社会を実現することです。それは、多様で多元的な選択肢のある社会であり、市と市民や事業者がその責務と役割に基づいて協働し、連携していくことによって達成されます。多様な価値観をもった人々の複雑かつ多岐にわたる地域のニーズに対して、 これまでの諸制度では、応えきれない状況を生みだしています。

こうした社会状況を切り開くものとして大きな期待を寄せられているものに、市民の自由で柔軟な発想による営利を目的としない社会貢献活動があります。

これまで、専ら市が担ってきた公共の分野において、市民の自発的で自主的な意思による社会貢献活動を行う非営利団体が社会サービスの供給主体として、 確固たる事業を行うことが求められています。また、これらの非営利団体による社会貢献活動は、地域社会でさまざまな思いを持つ人々に生きがいのある魅力的な活動の場を提供することにもなります。

こうした社会を実現するためには、まちづくりの主体である市民が、自らの意思で、さまざまな課題の解決に取り組んでいく社会貢献活動を、市と市民や事業者がそれぞれの役割を尊重しながら協働して支え、促進していくことが大切です。

私たちは、このような市民の社会貢献活動の意義を確認し、その健全な発展を促進することにより、市民一人ひとりが真に豊かに暮らせるような地域社会の実現をめざすことを決意し、この条例を制定します。

趣旨

前文は、条例制定の背景を示し、箕面市がめざすまちづくりにおいて非営利公益市民活動が果たす役割と意義を明らかにするとともに、本条例の制定趣旨を示したものである。

地方分権時代の流れのなか、地域の行政内容を決定する主役が国から地方自治体へと移行される。地方分権は、権限とともに財源の移行も伴ったうえで、生き生きとした行政や自主的な市民の活動によって支えられる個性的で豊かな地域社会の創造をめざすものでなければならない。

しかしながら、財政的条件は、決して豊かな保障があるわけではない。これまで提供されてきた公共サービスの水準を維持することもままならない状況に陥ることも考えられる。これまでのしくみでは、増大する多様化したニーズに、きめ細かく応えてはいけないということにもなりかねない。

ここで、改めて問い直されるのが「公共」という概念と、それを担うしくみである。誰がどのように担うのが適当なのかということを市民も行政も真剣に議論しなければならない時代になってきた。

実践を通じて市民のなかからその役割の大きさについて期待されてきたものが、NPO(非営利民間組織)である。NPOが果たす重要な役割に注目し、それを市民の手で育てようという考え方である。その活動を促進するために整備されたのが、特定非営利活動促進法(=いわゆるNPO法、平成10年12月1日施行)である。その成立に至る議論のなかで、はっきりと認識されてきたのが、これまでの行政セクター、企業セクターに加え、市民セクターというものが顕在し、豊かな社会を形成する大きな存在と役割を持つものがNPOであるということである。地方分権の究極が、いわゆる「市民分権」であるといわれるのは、このためである。

箕面市においては、既にそうしたNPOのさまざまな活動の成果があり、行政との関係をつくってきた歴史がある。生きがいのある生活への志向、ボランティア活動への志向が増しているなかで、地域に密着した市民活動のますますの展開により、お互いに顔の見え合う関係が進み、地域コミュニティの再生へと向かい、元気のある地域社会の形成が期待される。

今回の条例は、特にNPOがまちづくりに関わる公共サービスの分野(生活に直結するサービス)において、共有分野を増やすこと、またそれを担えるNPOが育つ環境づくりをすること、そしてその促進に関する協働のルールづくりを行うことなどの目標をもっている。

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第1条(目的

第1条  この条例は、市民の社会貢献活動のより一層の発展を促進するための基本理念を定め、市の責務並びに市民、事業者及び非営利公益市民活動団体の役割を明らかにするとともに、非営利公益市民活動の促進に関する基本的な事項を定めることにより、地域社会の発展に寄与することを目的とする。

趣旨

  1. この条例のめざす社会像は、ますます増大する多様な市民ニーズに対し、きめ細かで多元的なサービスを提供し、その多様なサービスを選択することができる真に豊かな地域社会であり、その実現には、市・市民・事業者の協働・連携が必要である。
    また、多様な価値観を持った人びとの複雑かつ多岐にわたる地域のニーズに、これまでの諸制度で対応するのは一定の限界がある。このような社会状況を切り開くものとして、市民が行う非営利の社会貢献活動に期待が寄せられている。また、それらの活動の促進が重要とされるのは、公平・平等を行動原理とする行政では対応できない領域で、より地域のニーズに応じた社会サービスの提供を可能にするからである。
  2. 市民が、サービスの担い手として活動するということは、市民自身にとって、まちづくりへの参加の具体的な手だてを得ることにもなる。また、市民が相互に社会サービスの「受け手」や「担い手」になるという関係が構築されていくことは、ボランタリーな意思によって行われる人間味のあるサービスが提供され、豊かな社会を形成することを意味する。さらには地域住民の参加による社会貢献活動によって市民相互の信頼と連携が深められ、地域の活性化並びに信頼と活力あふれる新たな地域コミュニティの形成を促すものとなっていく。
  3. 条例の目的は、そうした社会の実現のために、市と市民が公共領域を共有・分担するための具体的な手だてとして、市民の社会貢献活動を促進するためのしくみづくりにある。まちづくり理念条例第3条においては、「市民は、まちづくりの主体であって、 まちづくりに参加することにおいて平等であり、市民相互に協働するとともに、市と協働してまちづくりの推進に努めるものとする。」と規定している。 市民のまちづくりへの参加のしくみの一つとしての非営利公益市民活動を促進するために基本的な事項を定め、地域社会の発展に寄与するものである。

解釈

《用語解釈》

  1.  「市民」とは、地方自治法第10条に定める住民のことであり、自然人、法人を指すものであるが、本条例においては、法人は事業者のなかに含まれるものである。 よって「市民」とは、自然人である。国籍の如何は問わないものであり、未成年者をも含むものである。
  2.  「促進」とは、行政の恣意的な誘導ではなく、市と市民や事業者がそれぞれの努力による環境の整備の結果、それらの合意に基づくまちづくりの目標に向かい、 自発的で自立的な活動としての事業が起こるよう促すことである。
  3.  「市」とは、地方自治法第1条の2第2項に定める普通地方公共団体としての箕面市である。
  4.  「非営利公益市民活動」、「事業者」、「社会貢献活動」の定義については、第2条の本文及び用語解釈を参照のこと。
  5.  「地域社会」とは、まちづくり理念条例第5条の用語解釈にあるとおり、広義には箕面市全体を指し、狭義には、市民が居住し、日常生活を営む区域である。

運用

  1.  「市民」とは、解釈にあるとおりであるが、これに加えて、広く在職、在学、その他あらゆる意味で本市にさまざまな関係を有する者を対象として考える必要がある。

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第2条(定義

第2条  この条例において「非営利公益市民活動」とは、市民が市の区域内において自発的かつ自立的に行う営利を目的としない社会貢献活動をいう。 ただし、次に掲げる活動を除く。

  • 一  宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
  • 二  政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
  • 三  特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動

2  この条例において「非営利公益市民活動団体」とは、市の区域内に事務所又は活動の拠点を置き、非営利公益市民活動を行うことを主たる目的とする団体をいう。

3  この条例において「事業者」とは、営利を目的とする事業を行う者をいう。

趣旨

  1. 本条は、市民が自発的・自立的に行う、趣味的な活動や社会貢献のための活動などのさまざまな市民活動のなかで、本条例における「非営利公益市民活動」とは何かということ、並びに「非営利公益市民活動団体」及び「事業者」について定義するものである。

解釈

《条文解釈》

  1. 一般的に「市民活動」とは、市民の自主的な参加によって行われる自発的な活動の意味であり、生涯学習や個人の趣味的な活動、共益的・互助的な活動(=構成員相互の利益を目的とした活動)や社会貢献的な活動(=社会・地域の課題解決を目的とした活動)を含むものであるが、本条例における「非営利公益市民活動」とは、まちづくりの主体としての市民が相互に協働して、不特定かつ多数の市民の利益となるような目的を有する社会貢献活動をいうものである。
  2. 本条例において「非営利公益市民活動」から、宗教活動や政治活動等を主な目的とした活動、特定の候補者等を推薦・支持する活動を除外するのは、市が特定の宗教を広める活動や特定の政治主義を広める活動を対象に助成等を行うことが妥当ではないためである。
    • (1)宗教活動を行うこと自体は、憲法に保障されているとおり自由であるが、本条例で市が助成等を行う対象としてはふさわしくないという趣旨である。ただし、例えば、宗教団体等が主導して、広く市民を対象に、社会貢献活動を行う場合は非営利公益市民活動とみなすものである。
    • (2)政治活動の自由は尊重されなければならないが、本条例で市が助成等を行う対象としてはふさわしくないという趣旨である。
    • (3)特定の候補者等を推薦・支持する活動を除外するのは、選挙の後援会などが本条例を活用して、活動することを対象とすることはふさわしくないという趣旨である。

《用語解釈》

  1. 「営利を目的としない」=「非営利」とは、構成員の利益を目的としないこと。結局、団体の利益を構成員に分配しないことである。活動の人件費やその他の経費等に充てるために収益事業等を行うことを否定しているものではない。
  2. 「公益」とは、社会の利益、不特定多数のものの利益を指している。
  3. 「社会貢献活動」とは、自らが社会や地域の課題に気づき、自発的にその解決をめざし、社会一般の利益の増進に寄与する活動。つまり、不特定多数のものの利益の増進に寄与する活動をいう。
  4. 「政治上の主義」とは、政治によって実現しようとする基本的・恒常的・一般的な原理原則をいう。政治によって実現しようとする、具体的な方策(=物価の安定、環境の保全、高齢者対策等)を推進するための活動等を排除するものではない。
  5. 「特定の公職」とは、公職選挙法第3条に規定されている、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の職をいう。
  6. 「市の区域内に事務所又は活動の拠点を置く」ということについての解釈は以下のとおりである。事務所とは団体等の活動(事業)の中心である一定の場所をいい、団体の代表権を有する者等の所在する場所であり、かつその場所で継続的に活動が行われることが必要とされると一般的に考えられている。「活動の拠点」としたのは、広域で展開する非営利公益市民活動団体が箕面市域内において展開する活動をも対象とし、その場合においては、箕面市内にその従たる事務所等を有することによってその条件を満たすものと解釈するものである。
  7. この条例において「事業者」とは、営利を目的とする活動を行う者をいい、事業を行う個人のみならず法人を含む。

運用

  1. 既存の市民の社会貢献活動だけを対象としているのではなく、新たに生まれる社会貢献活動も対象としている。共益的な活動団体や趣味の会等においても公益的な活動を展開する場合は対象となる。例えば自治会などは、本来的に公益性を帯びているが、共益的・互助的な活動の割合がより大きく、その存在自体では直接に本条例との関わりを持つものではない。しかし、これらが高齢者の介護やその他公益的な活動(事業)を主な目的として行う場合には、非営利公益市民活動として本条例の対象となるものである。
  2. 従来、政府などの「官」が定めてきたものが「公益」の概念としてとらえられてきたが、本条における「公益」の概念は、地方分権のもとで、箕面市における「公益」とは何かということを、市民や市が協働で構築していく必要がある。

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第3条(基本理念

第3条  市、市民、事業者及び非営利公益市民活動団体は、非営利公益市民活動が豊かな地域社会の形成に向けて果たす役割を認識し、それぞれの責務と役割のもとに協働し、その発展に努めなければならない。

2  非営利公益市民活動の促進に当たっては、非営利公益市民活動団体の自主性と自律性が尊重されなければならない。

趣旨

  1. 本条は、市、市民、事業者、非営利公益市民活動団体が、非営利公益市民活動を促進するに当たっての基本理念を定めたものである。市・市民・事業者・非営利公益市民活動団体がそれぞれ対等の関係のなか、責務や役割を理解し、パートナーとして非営利公益市民活動の発展に努めなければならない。
  2. 非営利公益市民活動は、市民が自由な意思のもとに自発的・自立的に行われるべきものである。その社会的な意義を強調するあまり、その自由を侵すことのないようにしなければならない。その自主性や自律性が阻害されるような促進を行うことは、活動の存在自体を否定することにもつながる。

解釈

《条文解釈》

  1. 非営利公益市民活動に期待される役割は、行政の肩代わりではなく、主体としてまちづくりを推進することである。その認識のもとに、市と市民や事業者及び非営利公益市民活動団体が協働で豊かな地域社会の形成のために非営利公益市民活動の促進に取り組む必要がある。

《用語解釈》

  1. 「協働」とは、市と市民がそれぞれに果たすべき責任と役割を自覚し、相互に補完し、協力することをいう。(市民参加条例第2条第2項)
  2. 「豊かな地域社会」とは、市民にとって多様で多元的な選択肢のある地域社会をいう。例えば、一つの社会サービスの提供において、市が平等・公平なサービス(画一的な一面を持つ)を実施し、事業者は個別的で付加価値の高いサービスを提供する。また、非営利公益市民活動団体は、個人の個性に合わせた柔軟で個別的なサービスを行う。これらのなかから市民が自ら自由に選択できるような社会である。
  3. 本条において「それぞれの責務と役割」とは、非営利公益市民活動を促進するに当たっては、市や市民等がそれぞれ相応に役割が分担され、その役割に基づき責務等も当然に伴ってくるものである。それぞれの責務等は、以下の条に責務、役割として定めるものである。

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第4条(市の責務

第4条  市は、基本理念に基づき、非営利公益市民活動の促進に関する施策の実施に努めなければならない。

解釈

《条文解釈》

  1. 市は、非営利公益市民活動が独自の社会的価値を持っていることや行政とは異なる社会サービスを供給できることなどを念頭に置きながら、促進するための施策の実施に努めるものである。
  2. 市が行う促進に関する施策は、本来、その促進において市が行うべきものは何かということを明らかにしながら実施されなければならない。 市の責務は、活動の促進に必要な機能を市民主導で推進できるよう環境の整備に努めることである。

運用

  1. 各支援策やその他事業の実施方法、第9条に関わる公共事業への参入機会の提供など、市の施策が、非営利公益市民活動にどのように関わっていくのかということについては、庁内はもとより、促進委員会などでのより一層の論議を深める必要がある。行政の守備範囲もまた、行政が一方的に決めていくものではなく、市民との合意形成により明らかにしていくものである。
  2. 職員の意識改革・醸成については、条例そのものの理解・内容の促進が、究極的には自らの仕事のあり方を問うこととなり、業務の遂行の改革に反映されなければならない。例えば、公共事業の参入の機会の提供は、大規模から小規模にいたるまでの入札方法や業務の委託契約のあり方、市民活動団体との窓口対応の姿勢、補助金のあり方の見直しなど、日常の業務すべてにわたった見直しを伴うものである。
  3. 市民が起こした事業を市の公共的な事業として位置づけることは、市民参加の一形態として評価されてきた。しかしながら、このことは新たな既得権益化が進みかねない状況を内包していることに留意しなければならない。今後ますます市民活動の新しい芽が出、新しい公益的領域が増大することが予測されるので、市民活動との関係は、担当部局のみでの事業調整ではなく、行政内横断会議や促進委員会での会議など広く公開された場で評価と議論を進める必要がある。
  4. 非営利公益市民活動が拡大・充実するための市の役割としては、助成等が考えられる。さらには、その活動が公共サービスを担うことができるような段階に至った場合には、事業の委託等の契約関係を進めていくものである。

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第5条(市民の役割

第5条  市民は、基本理念に基づき、非営利公益市民活動に関する理解を深め、自発的で自主的な協力に努めるものとする。

趣旨

  1. この条例は、市の行政的責務のみを規定するものではなく、市民社会の相互のルールの指標であると考え、市民の役割の条項を設けたものである。

解釈

《条文解釈》

  1. 本条例における市民の役割は、まちづくりの主体であることを確認し、非営利公益市民活動がまちづくりに果たす役割の重要性を含め理解していくことにある。その理解の結果として、非営利公益市民活動にさまざまな形で協力していくことを期待するものである。しかしながら、その協力が強要されたり、義務とされるものではなく、あくまでも個人の自発性・主体性に基づいて行われることが前提である。

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第6条(事業者の役割

第6条  事業者は、基本理念に基づき、非営利公益市民活動に関する理解を深め、その活動の発展と促進に協力するよう努めるものとする。

趣旨

  1. 本条例における事業者の役割は、非営利公益市民活動がまちづくりに果たす役割の重要性を含め理解し、その理解のなかから自発的にさまざまな形で促進に協力するよう努めることである。
  2. 本来の営利活動とは別に、社会貢献活動などを行う事業者(営利事業を行う個人や法人)が注目されている。事業者がボランティア活動を行う市民活動への助成金システムを整備し、 また非営利公益市民活動への場の提供や商品の提供を行うなど間接的なことも考えられる。

解釈

《条文解釈》

  1. 事業者(営利事業を行う個人や法人)における社会貢献は、納税によって十分その責務を果たしているという考え方や、社会貢献活動を通じたイメージアップなどあくまでも本来事業の促進・補完に過ぎないという評価もあるが、社会の構成員としてまちづくりへの貢献性が付加的に問われ、事業者に対する評価軸ともなってきている。
  2. 事業者においても、その行動の原理を経済効率性のみに置くのではなく、現在の社会状況下においては、フィランソロピー(社会貢献活動)も求められている。関わり方は、 場所の提供や寄附、融資等さまざまなものが考えられる。
  3. 阪神・淡路大震災時において、物品や場所などをボランティア活動に提供する、通信販売のネットワークにおいて募金を募るなど、その企業の特性を活かした社会貢献とボランティア団体、非営利活動団体(=NPO)との連携が図られた。今後も、緊急時だけでなく、さまざまな連携のあり方が開発されていくことが重要である。
  4. 非営利公益市民活動団体は、一般的に事業者に対しては協賛や寄附などの行為に依存する傾向が多いが、今後は、事業者から営利活動を通じた組織運営、人材管理や広報といったマネジメントを学び、事業者は、非営利公益市民活動団体から市場が必要とする商品やサービス等の情報の提供を受けるといった双方向性で対等な関係が構築されることが 必要である。

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第7条(非営利公益市民活動団体の役割

第7条  非営利公益市民活動団体は、基本理念に基づき、非営利公益市民活動に努めるとともに、その活動が広く市民に理解されるよう努めるものとする。

趣旨

  1. まちづくりの主体としての市民相互が、協働関係のもとに展開する非営利公益市民活動団体の役割は、まちづくりにおける自身の役割を認識しながらその活動を行うことはもちろんのこと、常に広く市民に理解を求める姿勢が必要である。

解釈

《条文解釈》

  1. 非営利公益市民活動団体の活動(事業)が、公共公益的な分野に関わる限り、その活動(事業)の社会的評価が問われることはいうまでもない。行政の説明責任と共に、助成等を受ける市民活動団体にも自らの情報の公開により説明責任が問われることになる。また、非営利公益市民活動が社会的な認知を受けるためにも、自身で市民の理解を得るように努力することも必要である。

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第8条(助成等環境の整備

第8条  市は、非営利公益市民活動の促進のために、必要な助成その他の環境の整備に努めるものとする。

解釈

《条文解釈》

1  非営利公益市民活動の促進に向けての環境の整備は、地域社会全体の課題であり、行政の思いだけで進めるものではなく、また行政のみの責務でもない。

  1. しかしながら、市は、基本理念に基づく促進を前提として、どのような助成や環境の整備が必要かを検討し、実施していくものである。

《用語解釈》

  1. 「助成」とは、補助金の支出、一時的又は長期的な活動の場の提供、備品等の貸し出し、市職員等の人の応援等を含むものである。
  2. 「環境の整備」として考えられるのは、1.活動の促進に当たっての市の助成制度のあり方(ルール化)2.活動の促進につながる公共サービス(事業)への参入のあり方などである。また、「環境の整備」に関する具体的な展開には、市と非営利公益市民活動団体との1.契約(事業・事務委託、物品購入等)、2.情報の提供、3.補助金の交付、4.人的な派遣などが考えられる。

運用

  1. 環境の整備に当たっては、促進委員会へ諮問し、その結果を見極めたうえで、市が有している資源(資金・施設等)の非営利公益市民活動団体(市民セクター)への還元として必要な環境の整備に努める必要がある。
  2. 現在、市と市民活動との財政的な関係は、大きく分けて補助・助成(市職員等の人的派遣・物の提供等を含む)と事務・事業の委託がある。これらの多くの制度が歴史的経過と新しい課題への個別的対応という形で進められてきたため、関係の長期化により、市の硬直化した財政負担と市への依存による市民活動の硬直化、新旧の団体間のアンバランス、また関係の非公開性などが問題として指摘されている。それらを解決するために、公開されたルールづくりが問われている。
  3. 補助金については、行政の縦割りシステムによる弊害に疑義が呈されている。そのため、市民の合意による公益性に基づき「市民セクターの形成への投資」という認識に基づく新しい市民活動関連の補助システムへの移行を図るなどの検討が必要である。
  4. 法人市民税等、市税の減免については本条例の趣旨や非営利公益市民活動(事業)の特質をふまえ、箕面市税条例において対応されるものであり、特にNPO法人については、 市税条例上に減免の対象として規定されている。
    NPO法人が行う事業はその性格から既存の公益法人等の取扱に準じることも必要であり、大阪府をはじめ多くの自治体においては、法人住民税(府民税・市民税)の均等割課税の減免が制度化されている。
  5. これまで市民活動についての指導育成は市の業務として考えられてきたが、特に非営利公益市民活動については、非営利経営が求められ、それに対しては多くのものが社会的に未経験である。行政においてもそうした経営のノウハウが蓄積されていないため、非営利公益市民活動の育成につながる支援は、行政内部の各課の個別支援としてではなく、全体の施策としてとらえなければならない。さらには、非営利公益市民活動団体をサポートする非営利公益市民活動団体が生まれてくることが望ましく、行政はそれに対し支援するという方法も検討されなければならない。
  6. 市民活動数の増加は期待されるところであるが、財政状況の低迷などの要因を考えると、市の姿勢としては、画一的に市民活動支援を行うよりも、より公益的な活動に対しての税配分ということが必要となる。そうした視点での見直し作業を行政内部で行うとともに、第12条に規定する促進委員会で市民、事業者等と論議するものである。
  7. 市民活動支援のための基金の設置は、環境の整備の一つである。行政内の基金の設置であれば、単独の基金条例を設ける必要があるが、公益信託であれば、条例は関与しない。基金のあり方の具体は促進委員会で議論されなければならない。
  8. 市民が必要と感じる社会サービスが提供されない場合がある。需給関係での対価が合わないため、企業が参入しないからであり、行政は現状以上にサービスを拡大することが難しいということがある。このような社会サービスの事業に一定の助成等のサポートがあれば非営利公益市民活動団体が行う事業として成り立つことが考えられる。「市場原理では採算は合わないが、社会に必要なもの」に資金が循環するしくみを構築する必要がある。
  9. 非営利公益市民活動団体相互の発展と調整機能、ネットワークのために、NPOセンター等のインターミディアリー(中間組織)の設置が考えられるが、その必要性が市民的に合意された際に、市として協力するということは環境の整備の一つとして考えられる。
    非営利公益市民活動間の自主的な調整、ルールづくりは、まちづくり理念条例に基づく市民相互の協働であり、市の介入は避けるべきものである。
  10. 非営利公益市民活動が活発になるための基本的な条件整備として市に求められるのは、情報公開であり、職員の意識改革・醸成である。求められる情報公開とは、公文書公開条例による公文書公開はもとより、市民参加条例第4条に規定される市長の責務として問われている市民参加のための行政情報の積極的な提供を含んでいる。さらには、非営利公益市民活動の参入の機会提供のための前提条件としての情報の公開も進める必要がある。

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第9条(公共サービスにおける参入機会の提供

第9条  市は、公共サービスの実施主体として、その事業の実施に当たっては、非営利公益市民活動団体の参入機会の提供に努めるものとする。

趣旨

  1. 本条において、環境の整備の一つとして考えられる公共サービスにおける参入機会の提供をあえて位置づけるのは、市は、非営利公益市民活動団体を、公共サービスの事業の委託等、契約の対等な相手方として明確に位置づけるものとするためである。
  2. 特定非営利活動促進法による法人格を持つ団体が多く設立されていくことが望ましいことであるが、法人格の有無に関わらず、相応の力さえあれば、契約を結ぶということが一つの目的であり、非営利公益市民活動との関係における事業の実施方法に対して法的根拠を与えるとともに、今後も積極的に促進することを位置づけるものである。

解釈

《条文解釈》

  1. 非営利公益市民活動に求められている大きな役割に「新たな公共サービスの提供者」としての役割がある。行政とは異なる質を持った「公共サービス」の提供が期待されている。
  2. 本条において非営利公益市民活動の「活動」の意味合いは、より事業の意味合いを多く持つことになる。活動・目的・事業の関係性は、団体の「活動」は、「目的」の下にそれを達成する「事業」があり、個々の事業ごとに実際に行う「プロジェクト」がある。「活動」は、個々の事業の総体の意味合いである。例えば、「高齢者が安心して住める社会の創造」という目的の下に、「介護サービス事業」・「配食サービス事業」があり、年度のプロジェクトとして「訪問介護を、○○人に対して実施」・「配食を、△△人に対して実施」といったものである。
  3. 市の公共サービスについて、非営利公益市民活動団体との関係が生じるのは、団体の実施する具体的な事業、あるいは市の実施する事業について、委託関係、物品の購入又は共催等により協働で推進し得る領域が発生したときである。事業に対する評価は、非営利公益市民活動団体が実施することが効果的であるかどうかによって検討される。団体の活動全般については、その事業の提携に当たっての基礎的評価の指標となり、第10条に規定する登録はその最低限の条件を明確にするものであって、登録団体の活動全体に対するさまざまな恩恵を付与するものではない。
  4. 本条は、公共サービス事業のあり方について、市の内部における業務の方法の見直しを働きかけていく根拠ともなる。
    公共サービス事業の参入機会の提供は、行政職員にとって、これまでの仕事の仕方を根本的に問い直すものであり、日常の見直しが必要となる。そうした意味では、単に非営利公益市民活動への認識を深めるだけではなく、自らの業務執行がどのような影響を及ぼすのかといった視点も問われる。そうした意味で、職員に対する意図的な意識醸成が必要となる。

《用語解釈》

  1. 本条において「公共サービス」とは、税金の配分として市が行う住民サービスをいうが、現在においては、多様なニーズに対して非常に幅広いサービスを提供している。
  2. 「参入機会の提供」とは、公共サービスの実施主体としての市が、サービス事業を事業委託等によって行う場合に非営利公益市民活動団体に門戸を開こうとするものである。

運用

  1. 各担当部課においては、単にすべての事業を非営利公益市民活動によって行うのではなく、その所掌する事業の効率性や非営利公益市民活動として行う意義などを考慮したうえで、工夫して取り組むものである。
  2. 市が実施する公共事業・サービスにおいて、非営利公益市民活動団体と契約関係を持つ際には、その団体の実行力などを評価する基準を設ける必要がある。また、契約をする理由と評価についての説明責任は、最低限の行政の責務である。
  3. 市の行う契約は、地方自治法や箕面市契約規則(昭和55年箕面市規則第40号)に基づき行われるものである。契約の方法については、一般競争入札、指名競争入札や随意契約などがある。企業などの事業者と非営利公益市民活動団体の公共サービスは、それぞれ特質があり、それぞれの特質を活かす契約の方法が検討されなければならない。例えば、事業者だけを対象とした業務の契約や非営利公益市民活動団体だけを対象とした業務の契約というようにあらかじめ業務の内容によって区分するものと、それぞれが競合することによって効果があがる公開コンペ方式などが考えられる。
  4. 将来的には、市民による第三者機関がその内実として基準づくりを担い、それに基づく評価が地方公共団体との契約関係を規定していくことが望ましい。なぜなら、市民セクターこそ地域のなかで、暮らしのなかで非営利公益市民活動を評価できるからである。
  5. 参入機会を保障する最大の手だては、情報の積極的な提供である。単なる公文書公開の域にとどまらず、公共サービスがどのような社会状況の認識と予測に基づき事業を展開しており、どのような実績を持っているのか、あるいはどのような予定を持っているのかということについて常にそれらが公表されなければならない。また、必要に応じた情報の加工による提供は、今後さらに求められる。なぜなら、それらを研究したうえで、どのような領域に参入でき得るかということを、主体的に判断し自発的に事業を起こすのが、非営利公益市民活動だからである。

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第10条(非営利公益市民活動団体の登録等

第10条  非営利公益市民活動団体は、前条の参入機会を得ようとする場合は、次に掲げる書類を添付した申請書を市長に提出して、非営利公益市民活動団体の登録を受けなければならない。

  • 一  規約又は会則(以下「規約等」という。)
  • 二  役員名簿
  • 三  会員名簿

2  前項の非営利公益市民活動団体の規約等には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  • 一  目的
  • 二  名称
  • 三  非営利公益市民活動の内容(その活動に係る事業の内容を含む。)
  • 四  事務所又は活動の拠点の所在地
  • 五  役員及び会員に関する事項
  • 六  会計に関する事項
  • 七  前各号に掲げるもののほか、非営利公益市民活動団体の運営に関する事項

3  第1項の非営利公益市民活動団体の役員の定数は、代表者を含め3人以上を置かなければならない。

4  市長は、第1項の申請が非営利公益市民活動団体の要件に適合すると認めるときは、登録し、その申請の内容については公開するものとする。

5  前項の規定により登録された非営利公益市民活動団体は、その登録の申請の内容に変更があったとき、又は解散したときは、速やかに、市長にその旨を届け出なければならない。

6  市長は、第4項の規定により登録された非営利公益市民活動団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すものとする。

  • 一  主として営利を目的とする活動を行うこととなったとき。
  • 二  第2条第1項各号に規定する活動を行ったとき。
  • 三  第1項の申請又は第5項の届出に関し虚偽の事実があったとき。
  • 四  第3項の役員の定数を充足することができなくなったとき。

趣旨

  1. 本条は、第9条に規定する公共サービスの事業の参入機会を得ようとする非営利公益市民活動団体の登録について、関係規定を定めたものである。これは、公共サービスを共有していこうという団体の意思の表明である。また、公共サービスの事業への参入は確固たる事業を行なえる組織としての形式要件を有する団体を対象としている。

解釈

《条文解釈》

  1. 公共サービスの供給者として市と協働しようとする場合は、その団体に供給者足り得るだけの能力や責任が要求されるものである。そのためには、少なくとも法人に類するような組織や内部規定などを有することが求められ、その要件についての必要な事項を規定している。

なお、登録の申請の審査及び登録の取り消し手続きについては、箕面市行政手続条例(平成9年箕面市条例第1号)の適用を受けるものである。

《用語解釈》

  1. 「市長」とは、地方自治法第147条に定める長(箕面市という団体を統轄しこれを代表する者)を示すものであり、本条例において「市」として地方公共団体の法律上の行為をなすので「市長」と表記した。
  2. 「登録」とは、一般的に、一定の法律事実(関係)を行政庁などに備える特定の帳簿に記載することで、その主たる効果が、これらの事実や法律関係の存否を公に表示・証明することである。本条例においては、登録することにより非営利公益市民活動団体として公に表示し証明することで、前条の公共サービスへの参入機会の提供を受けようとする場合の前提条件としている。これは箕面市行政手続条例(平成9年箕面市条例第1号)の適用を受けるものである。ただし、この登録は、市との契約における箕面市契約規則(昭和55年箕面市規則第40号)に規定する入札参加者の資格に代わるものではない。
    登録事項は公開することによって、サービスの受給者、活動に参加しようとする市民、連携をしようとする他の団体への情報提供となり、また公開によって、透明性、事業内容の公共性などが明らかになり、当該非営利公益市民活動団体自身の自律性が確保される。
  3. 本条第2項の規約等の記載事項
    • (1)「目的」とは、団体が活動によってめざす基本的な事項を記載するものである。例えば、「本団体は、高齢者福祉の増進と高齢者にやさしいまちづくり推進のための活動を行い、福祉の増進に寄与することを目的とする。」などである。
    • (2)「非営利公益市民活動の内容(その活動に係る事業の内容を含む)」とは、団体が目的を達成するために実施あるいは実施予定している活動(事業)で、例えば、高齢者への給食サービスを行う団体では、「1高齢者の給食サービス、2高齢者交流イベント、3高齢者福祉に関する調査・研究、4その他、団体の目的を達成するための事業」などである。
    • (3)「役員及び会員に関する事項」とは、例えば、役員については団体を代表する会長、副会長、会計及び会計監査などの構成、選出方法、任期などであり、会員については、入会方法、入会資格、会費の額などである。
    • (4)「会計に関する事項」とは、例えば、会計簿を備えること、予算・決算書の作成や報告方法などである。収支については明確にしておくことが必要である。
    • (5)「前各号に掲げるもののほか、非営利公益市民活動団体の運営に関する事項」とは、例えば、団体として意思の決定を行う総会などの会議の種類、その開催回数や決議方法などで、これは、団体が民主的に運営されているかを確認するためのものである。
  4. 「役員の定数は代表者を含め3人以上」とは、団体の代表者としての会長と副会長や会計など団体の業務の執行、管理する役員を最低3人以上必要としたもので、これは、公共サービスに参入する団体の活動に際し、多数決で決定できる合議体としての最低数の要件を定めたものである。
  5. 「非営利公益市民活動団体の要件に適合」とは、登録申請する団体が非営利公益市民活動団体の要件を満たしていることである。その要件とは、第2条(定義)と本条第1項各号に掲げる書類を添付した申請書により確認する。
  6. 「申請」とは、国又は地方公共団体の機関に対して許可、認可その他一定の行為を求めることであり、本条の場合公共サービスの参入機会を得ようとする非営利公益市民活動団体としての意思の表明である。
  7. 「届け出」とは、一定の事項を国や地方公共団体などの公の機関に知らせることであり、申請と異なり一定の行為を求めるものでなく、一定の事項を知らせるものに過ぎない。 方法は文書によって行うことが一般的である。
  8. 本条第6項各号の意味
    • (1)「主として営利を目的とする活動を行うこととなったとき」とは、登録された非営利公益市民活動団体が、その行う活動(事業)の目的が構成員への利益配分を主とするものとなった場合などをいう。
    • (2)「第2条第1項各号に規定する活動を行ったとき」とは、布教活動などの宗教活動を主たる目的としたとき、政治活動を主たる目的としたとき、また、選挙の後援会や支持母体としての活動を行ったときなどをいう。
    • (3)「第1項の申請又は第5項の届出に関し虚偽の事実があったとき」とは、登録の申請内容や変更の届出内容に偽りが判明したときなどをいう。
    • (4)「第3項の役員の定数を充足することができなくなったとき」とは、登録された非営利公益市民活動団体の役員が欠員となり、代わる者の選任が困難となったときなどをいう。

上記の(1)から(4)の各号に該当する事実が判明し、その事実が確認された場合には、市長は、その理由を明らかにし登録を取り消すものである。

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 第11条意見等の提出

第11条  市長は、非営利公益市民活動の促進について非営利公益市民活動団体その他関係者から意見等の提出があった場合は、必要に応じてその意見等について調査審議するものとする。

趣旨

  1. 非営利公益市民活動団体等からその活動の促進に関する意見等の提出があった場合、調査審議することについての規定である。

解釈

《条文解釈》

  1. 市の政策決定に当たっては、地域社会に潜在化している課題を明らかにする必要がある。その一つの手法として既に広聴制度によって市民の意見や提案、苦情等のなかから課題を抽出している。
    特に非営利公益市民活動団体等からの意見について規定しているのは、非営利公益市民活動が既存の制度やしくみにとらわれない先駆的なものであることから潜在化している課題の発見が早く、また実践的な活動をしていることにより、課題が持つ問題点や方向性についての把握が的確であるという特性に着目したためである。
    なお、本条は、市民参加条例(平成9年箕面市条例第5号)第2条(定義)に規定されている「市の意思形成の段階から市民の意思が反映されること」及び第4条(市長の責務)に規定されている「市長は、市民自らがまちづくりについて考え、行動することができるよう市民参加の機会の提供に努めること」を受けたものである。

《用語解釈》

  1. 「調査審議」とは、提出された意見等について、その事実を調べて、その内容について意見を交換し、論議することである。原則として第12条の促進委員会に諮問し行われる。
  2. 「非営利公益市民活動団体その他関係者」とは、非営利公益市民活動団体、非営利公益市民活動団体の構成員たる個人、団体から現にサービスを受けている人などを指す。

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第12条(促進委員会

第12条  非営利公益市民活動の促進に関し、市長の諮問に応じ、及び前条の意見等について調査審議するため、 箕面市非営利公益市民活動促進委員会(以下「促進委員会」という。)を置く。

2  促進委員会は、委員15人以内で組織し、識見を有する者及び非営利公益市民活動団体の関係者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が任命する。

3  委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4  促進委員会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

  • 一  会長は、会務を総理し、促進委員会を代表する。
  • 二  会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

5  促進委員会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。

  • 一  促進委員会は、委員の2分の1以上が出席しなければ会議を開くことができない。
  • 二  促進委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。ただし、議事に直接の利害関係を有する委員は、表決に加わることができない。

6  促進委員会に、必要に応じて部会を置くことができる。

  • 一  部会に属する委員は、会長が指名する。
  • 二  部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。
  • 三  部会長は、部会の会務を掌理し、部会における審議の状況及び結果を促進委員会に報告する。

7  促進委員会の運営に関し必要な事項は、会長が促進委員会に諮って定める。

趣旨

  1. 地方自治法第138条の4第3項において「普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、審議会、調査会その他の執行機関の附属機関として調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。」と規定されており、同規定に基づき、政策の立案、運営に当たり専門知識を導入し、あるいはさまざまな意見を反映させるため、行政機関の附属機関として条例により促進委員会を設置するものである。

解釈

《条文解釈》

  1. 委員会で検討される事項は、非営利で公益的な市民活動の促進における協働のルールであり、市が非営利公益市民活動促進策等を一存で決定するのではなく、広く市民活動団体・専門家等からの意見をいただき、何が必要であるかの検討を行うものである。
  2. 委員会の委員15人以内の構成については、市民からの意見を採り入れる必要から、非営利公益市民活動団体や市民の公募を採り入れ、より市民の構成割合を高めておく必要がある。また、市民参加条例第6条の規定に基づき、委員会の会議を公開することにより市民参加を促進するものである。
  3. 議事に直接の利害関係を有する委員が表決に加わることができないのは、議事の公正を図るためであり、例えば委員が所属している団体の事象が議事に直接関与している場合においては表決に加われないものである。
  4. 委員会に必要に応じて置く部会には、委員会で調査審議する協働のルールに関する各部会が考えられる。部会の構成は、促進委員会の委員のなかから指名される。

運用

  1. 委員会で調査審議されるべきものは、1.補助金の交付のルール、2.契約・入札に関するルール、3.行政情報の提供のあり方、4.市民活動情報の収集・発信のあり方、5.意見等の提出後の検討のあり方等が考えられる。
  2. 非営利公益市民活動への理解の促進や、協力の方法、活躍できる場づくりは、非営利公益市民活動団体や市民の意向を反映しながら協議により進める必要がある。「非営利公益市民活動が活動しやすい市民社会のルールづくり」は複雑多岐に及ぶが、これらをひとつひとつ丁寧に合意を得ながらルール化していくことが必要である。
  3. 促進委員会の委員の構成は、市民参加の観点、専門的知識の導入などの観点及び本条例の趣旨目的に基づき学識経験者、事業者(企業)の関係者、公益法人・NPO法人関係者、公募による市民、行政職員など幅広い委員で構成する必要がある。
  4. 契約や補助金申請等の具体的な条件について定めているのは、箕面市契約規則、箕面市補助金交付規則やその他要綱である。その既成のルールに則し、契約や補助金申請等を行うことが原則であるが、非営利公益市民活動を促進するために、契約における非営利公益市民活動団体の位置づけや補助金システムの見直しなどの庁内の調整を経て、促進委員会で議論されるものである。

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第13条(報酬及び費用弁償

第13条  委員の報酬及び費用弁償の支給に関しては、箕面市報酬及び費用弁償条例(昭和29年箕面市条例第10号)の定めるところによる。

解釈

《条文解釈》

  1. 本条は、箕面市非営利公益市民活動促進委員会の会長及び委員の報酬及び費用弁償の支給について規定したものであり、「箕面市報酬及び費用弁償条例」の規定に基づき出務1日につき、非常勤職員報酬及び費用弁償(旅費等)を支給する。
  2. 促進委員会の委員は、地方自治法第202条の3第2項に「附属機関を組織する委員その他の構成員は、非常勤とする」という規定が適用される。

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第14条(委任

 第14条  この条例に定めるもののほか、非営利公益市民活動の促進に関し必要な事項は、規則で定める。

趣旨

  1. 本条は、この条例の施行に関して必要な事項については、施行規則で定めることを規定したものである。

運用

  1. 規則の制定については、この条例に基づく促進委員会等での議論等のなかから整理し、必要に応じて定めていくことが想定される。

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附則

この条例は、平成11年10月1日から施行する。

条例全文

よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:人権文化部生涯学習・市民活動室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6729

ファックス番号:072-724-6010

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