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更新日:2012年4月1日

第2部第5章権利擁護の推進

近年、高齢者虐待が増加・顕在化し、社会問題化しているため、高齢者及びその家族に対する支援の充実が強く望まれています。また、認知症高齢者の増加により、日常生活における支援を必要とする事象が多くなるため、金銭管理をはじめ、財産管理や介護保険のサービス利用契約等、様々な経済諸活動に対する支援策が求められています。

平成18年(2006年)4月に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)。以下「高齢者虐待防止法」といいます。)」が施行されたのをきっかけとして、全国各地で成年後見制度の活用促進や、消費者被害の防止等、高齢者虐待の防止に関わる様々な対策が講じられてきました。また、平成18年4月の介護保険制度改革では、新たに創設された「地域包括支援センター」が担う「包括的支援事業」に、高齢者虐待の防止とその早期発見、成年後見制度の利用支援等の高齢者に対する「権利擁護事業」が位置づけられたことによって、より身近な市民の相談窓口として機能しています。

本市においては、高齢者虐待の早期発見・早期対応へ向けて、地域包括支援センターと行政が中心となり、関係機関との連携を図ってきました。また、比較的軽度の認知症により金銭管理等の支援が必要な高齢者を対象として、社会福祉協議会による「日常生活自立支援事業(まかせてねット)」を実施するとともに、身寄りのない認知症高齢者に対しては、成年後見制度の申立てを市長が当事者に代わって行う、市長申し立て等を行ってきました。

今後は、地域包括支援センターにおける「権利擁護事業」の充実を図りつつ、高齢者虐待への対応について、関係機関の役割を明確化し、連携を強化することで、高齢者権利擁護施策のより一層の推進に努めます。

1.高齢者虐待への対応

【現状と課題】

高齢者のみの世帯、いわゆる「高齢者世帯」や認知症高齢者の増加が、家族介護者の介護負担増大の要因となって、高齢者虐待の増加につながっていると言われています。家庭内で発生し、顕在化しにくい高齢者虐待への対応は、早期発見と迅速な対応が必要不可欠です。

本市においては、高齢者虐待防止法が施行された平成18年度には、21件の通報中18件、平成19年度(2007年度)には8件の通報中4件を高齢者虐待と認定する等、件数としては減少傾向にありますが、高齢者虐待は生命・身体の危険や人権侵害につながる事例であることから、ネットワークを早急に構築し、地域と行政が一体となって高齢者の尊厳と権利を守る態勢づくりが急がれます。

今後は、高齢者虐待防止法に基づく支援の実施体制の拡充や支援者間での連携強化はもとより、高齢者虐待防止に関する市民へのさらなる啓発と周知を図り、地域が一体となったネットワークへの取組みが重要です。

【今後の取組み】

地域包括支援センターや介護サービス事業者、民生委員・児童委員や地区福祉会等の様々なチャンネルを通じ、高齢者虐待防止法に係る虐待の定義や虐待の速やかな発見、虐待を発見した際の通報義務等について、きめ細かな周知を行います。

家族介護者の介護負担の増大が高齢者虐待の要因とも言われていることから、養護者による「虐待」を未然に防止するため、コミュニティソーシャルワーク機能を活用したファミリーサポート(家族支援)の仕組みを検討します。

認知症に対する周囲の誤解や偏見を取り除き、認知症高齢者やその家族が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、認知症サポーター養成講座の実施など認知症に関する知識の普及啓発に努めます。

高齢者虐待事例を把握した場合にあっては、地域包括支援センターの社会福祉士、主任介護支援専門員及び保健師等と市職員によるケアチームが中心となって、状況の確認を行うとともに、老人福祉施設等への措置や成年後見制度の活用等、事例に即した対応策による速やかな解決を図ります。

施設等において、高齢者の人権が尊重された利用者本位のより良いケアを実現するために、大阪府が策定した「身体拘束ゼロのための行動計画」や「身体拘束ゼロ推進マニュアル」の活用が徹底され、施設等における身体拘束ゼロをめざした自主的な取組みが推進されるよう、大阪府や関係機関との連携を強化します。

高齢者虐待への対応には、地域住民、介護サービス事業者、地域包括支援センター、地域における多様な関係団体との連携が不可欠であり、より効果的な対応を進めるには、高齢者虐待に係る周知から未然防止、対応手法にいたる一連の流れをシステム化し、関係者が相互に共有することが重要なため、今後、高齢者虐待への対応システムの確立を検討します。

2.権利擁護を推進する各種制度の活用

【現状と課題】

平成11年(1999年)の民法改正により、判断能力にハンディキャップのある認知症高齢者等が、住み慣れた地域で安心して在宅生活を送ることができるよう、平成12年度(2000年度)から「成年後見制度」が実施されました。この制度には、実際に判断能力に不安のある方について行う「法定後見」と本人が判断能力があるうちに将来に備えて行う「任意後見」とがあり、「法定後見」には判断能力の程度等、本人の事情に応じて「後見」、「保佐」、「補助」の3つの制度があります。これらの成年後見人等が本人に代わって行う代理権等については、表33に示すとおりです。

本市においては、これまで、認知症、知的障害や精神障害等のため日常生活を営むことに支障がある方が、家庭裁判所に後見開始等審判の申立てを行う場合に、申立てを行う親族がいない方については、市が申立てを行い、本人や親族が申立てを行う場合には、地域包括支援センターとの連携により申立ての支援を行っています。また、社会福祉協議会では、「日常生活自立支援事業(まかせてねット)」(旧地域福祉権利擁護事業)によって、比較的軽度の認知症により金銭管理等の支援が必要な高齢者を対象に、福祉サービスの申請手続き、預貯金の出し入れ、公共料金の支払等を代行するサービスを実施してきました。

高齢者虐待や認知症高齢者の増加にともなって、高齢者に対する権利擁護への取組みの充実が求められています。日常生活自立支援事業や成年後見制度といった権利擁護を推進する各種制度が、必要な高齢者等に対して適切に利用されるよう、多様な支援機関や専門職種のさらなる連携強化が求められています。

【今後の取組み】

高齢者虐待防止法の施行等により、権利擁護への取組みの充実が求められているなかで、成年後見制度の申立件数は、本市を管轄する大阪家庭裁判所管内においては5年間で3倍に急増する等、全国的にも増加しています。高齢者虐待の市民への制度周知にあわせて、権利擁護を推進する各種制度の利用についても、より一層、分かりやすく、きめ細かな広報・啓発を図ります。

認知症高齢者が権利擁護事業による支援を受け、安心して在宅生活を送ることができるよう、地域包括支援センター、市の総合相談、民生委員・児童委員や社会福祉協議会等との連携により、潜在的なニーズの把握を行い、より一層の利用促進を図ります。

高齢者の判断能力によっては、日常生活自立支援事業から成年後見制度への移行が必要な場合が想定されることから、社会福祉協議会、地域包括支援センター及び市の連携のもと、円滑に対応できる体制を整備します。

法律的専門性がますます増大することが予測されることから、弁護士や司法書士といった法律の専門家をはじめ多様な専門職種との連携のあり方について検討を進めます。

3.消費者被害の防止

【現状と課題】

近年、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯をねらった、悪質な詐欺事件等、高齢者の消費者被害が多発しています。特に、周囲に相談相手がいない、金融機関での複雑な手続き等の理解が難しい高齢者は、格好の標的とされ、社会問題として大きく取り上げられています。

本市では、消費生活センターの実施する消費生活相談や出前講座等の他に、地域包括支援センターが高齢者の生活相談のなかで起こる消費生活トラブルの解決へ向けた支援を実施しています。

【今後の取組み】

高齢者向けのバリアフリー等住宅改造の相談や消防機器の点検等と称した悪質な消費者被害は、高齢者の消費生活のあらゆる面に及んでいるため、今後は、高齢者の相談窓口である地域包括支援センターが中心となり、消費生活センター、警察、消防等の多様な関係機関とも連携を強化して、高齢者の消費生活トラブルを未然に防止に努めます。

【表 33:成年後見制度の概要】

 

後見

保佐

補助

対象となる方

判断能力を欠く状況で、日常生活に関する行為以外のすべての行為について支援が必要。

日常の買物程度は可能だが、その他の重要な事項を判断する能力が著しく不十分な状況

軽度な精神上の障害を持ち、判断能力が不十分な状況

(一定範囲の判断能力はあるが、契約など高度の判断を要する法律行為についての判断能力が欠けているため、特定の法律行為について具体的に必要な範囲で保護・支援を受けることを要する者)

申立てをすることができる人

本人、配偶者、四親等内の親族、検察官等

任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人

市町村長

成年後見人等の同意が必要な本人の行為

 

民法第13条第1項所定の行為(注1)(注2)

申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(民法第13条第1項所定の行為の一部)(注2)

取消しが可能な行為

日常生活に関する行為以外の行為

同上(注2)

同上(注2)

成年後見人等に与えられる代理権(権限)の範囲

<財産に関するすべての法律行為>

 

代理権:本人の財産に関するすべての行為を本人に代わって行える。

同意権:本人が行ったすべての法律行為を了解する。

取消権:本人が行ったすべての法律行為に関して、不利と認められる場合はその行為を取り消すことができる。

<申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注3)>

 

代理権:申し立て時に選択した財産管理や身上監護に関する行為に対して権限を持つ。またそれを行う場合、本人の同意が必要。

同意権取消権:重要な法律行為に対して権限をもつ。

<申立の範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注3)>

 

代理権:申し立て時に選択した財産管理や身上監護に関する行為に対して権限を持つ。

同意権、取消権:申し立て時に選択した重要な法律行為に対して権限をもつ。また代理権、同意権、取消権を行う場合は、すべて本人の同意が必要。

本人の選挙権

有しない(公職選挙法第11条)

有する

有する

本人の被選挙権

有しない(公職選挙法第11条)

有する

有する

(注1)家庭裁判所の審判により、民法第13条第1項所定の行為以外についても、同意権・取消権の範囲を広げることができます。

(注2)日常生活に関する行為は除かれます。

(注3) 保佐人や補助人に代理権を与える審判を申し立てる場合、本人の同意が必要になります。補助開始の審判を申し立てる場合も同じです。

【図25:権利擁護システムのイメージ】

権利擁護システムのイメージ図 

よくあるご質問

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部高齢福祉室 

箕面市萱野5-8-1

電話番号:072-727-9505

ファックス番号:072-727-3539

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