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更新日:2018年12月17日

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平成28年度第1回箕面市総合教育会議議事概要

日時:平成28年11月29日(火曜日)午前10時30分から午後12時30分

場所:箕面市役所本館3階委員会室

出席者:
【箕面市】倉田市長
【教育委員会】山元委員長、高野委員長職務代理者、中委員、大橋委員、丹澤委員、具田教育長
【事務局】
(市政統括)藤迫市政統括監
(子ども未来創造局)千葉局長、樋口担当部長、木村担当部長、浜田担当部長、岡担当副部長、小西担当副部長、半沢副理事、河原副理事、柴田課長、坪田課長、石橋室長、陸奥田所長、村中室長、久野担当室長、戸島課長、松澤室長、山田室長、吉川参事、長島参事、竹内

1.議事内容

1.「箕面市教育大綱2016」の進捗状況と今後の取組について

  • 配付資料に基づき、事務局より説明

1.貧困の連鎖の根絶

(山元委員長)

  • データから分かることと実態とが一致しないケースがあることから、データ上の数値だけでなく、実際の事例を収集し、実態の把握に努める必要がある。
  • 一見何を意味しているのかわからないデータであっても、詳細に調査していくことで、対象者の実態を知ることができることもある。まずは、しっかりデータ分析を行い、支援につなげて欲しい。

(具田教育長)

  • 今後のデータ分析から、学習支援、家庭支援、経済的支援が子どもたちの学力等にどのように影響をおよぼしているのかわかってくると思う。その結果から、現在の施策が最良の組み立てになっているか、改めて検討する材料としたい。
  • 最終地点は「貧困の連鎖の根絶」である。効果の低い施策を見直したり、逆に効果の高い施策にはリソースを投入するなど、「選択と集中」を行いながら、20年くらいの長期スパンで対応していきたい。

(倉田市長)

  • データベースを作って整理するのは、あくまでも最初のとっかかりに過ぎない。データはセンサーとしての役割を果たすものであって、むしろ重要なのは、具体的な支援の手法、アプローチの仕方である。
  • データ整理して終わりではなく、データ分析から得られた結果を踏まえて、制度の見直し等を進めていくということに、今後はより一層注力していかなければならない。
  • 「貧困の連鎖の根絶」については、子どもだけではなく、家庭全体への支援も必要で、生活保護など、福祉の分野も深く関わっている問題である。そういう意味で、教育委員会だけでなく、福祉部門も、従来のやり方にとらわれず、次の世代のことを意識して対応を変えていくことが必要。

2.学校組織体制の再構築

(山元委員長)

  • 他のミドルリーダーを専任化しているのと同様に、教務部長についても、授業軽減を図るべき。また、管理職の補佐をする役割を明確化することが必要ではないか。
  • 教務部長の業務について、教員でなくても可能な仕事があるのであれば、一定の見直しが必要である。ただ、従来の教員のキャリアパスとして、教務部長は将来の管理職候補であると認識されていることが多いことから、業務見直しにあたっては、管理職を育成するという観点は意識するべき。

(倉田市長)

  • 私の問題意識は、教職としての専門性が必要な仕事と、そうでない仕事を分業する必要があるのではないかという点である。以前と違い、現在の学校現場では、教員だけでなく、事務職を含めた様々な専門職が働いている。多様化した学校内の課題に対応するためには、専門職が仕事を分業していくことが必要不可欠であり、そうでなければ教員の負担は増える一方である。
  • これまでの文化をただ壊せばいいというわけではなく、今までのイメージにとらわれず、ニュートラルな視点から学校運営を考えなおす必要がある。
  • すべての教員が必ずしもマネジメントのトレーニングを積めるわけではないので、そのような教員にとっては、学校の運営を任されても難しい部分があるかもしれない。そういう意味では、最終的な組織体制として、トップ(経営陣)が必ずしも教員である必要はないと考える。例えば、運営を医療部門と事務部門のツートップ体制にしている病院にならって、これまでの教員だけの管理体制の見直しを図るなど、学校組織体制のあるべき姿を検討していく必要がある。
  • 学校は管理職が校長と教頭しかいないので、組織としては、特殊であるとも言える。組織を動かすのに管理職が2人しかいないというのはそもそも無理な体制であるので、こうした組織体制についても、時間はかかると思うが、見直しを行う必要がある。

(大橋委員)

  • 組織の再編について、パイロット校については、市内で3校だけであり、同じ市内の学校で教育体制の質に差がでている。この状況が長く続くのは好ましくないと感じる保護者もいるだろう。早急にパイロット校の成果を整理して、市内全体への拡大に向けて検討して欲しい。

(丹澤委員)

  • 中堅教員は、組織運営の要であると同時に授業を通じて子どもたちに勉強の楽しさを伝えるという点においても中心的な役割を果たす存在。あれもこれもと大変だとは思うが、ぜひともがんばってもらいたい。
  • 組織の見直しにあたっては、従来の枠組みにとらわれず、事務職でできる仕事は事務職が担い、その分、教員は子どもたちの育成とそのスキルアップに努めて欲しい。

(中委員)

  • ミドルリーダーを管理職にするためには、授業軽減だけでなく、何かモチベーションの向上につながる仕掛けがないと難しいのではないか。子どもたちの育成という本来の仕事に加えて、組織運営を担うことになると、教員の負担につながる。本来、役職が上がり責任が出てくれば給与も上がるが、今の組織はそうなっていない。将来的には、給与等へのフィードバックが必要ではないかと思う。

(高野委員長職務代理者)

  • 現在の教員の年齢構成からすると、今後しばらくはミドルリーダーになりうる40代前後の人材が少ないと思われる。年齢構成の変化を見据えた人員配置の検討が必要で、そのためには、組織の見直しもスピードアップしなければならない。

(倉田市長)

  • 人員配置と人材育成についてはせいぜい2~3年単位でしか動くことができないので、新しい組織体制を10年後に完成させようと思えば、早急な対応が必要。現在取り組んでいる階層分けや、チームで仕事をしていくという点は、今後目指すかたちと大きく変わらないと思うので、今すぐにでも具体的な検討を進めることができるはずである。イメージとしては、市役所でいうところの職員定員適正化計画や機構改革、研修計画、MOS計画(箕面市アウトソーシング計画)を組み合わせたような、人員体制の年次計画をつくっていく段階にあると思われる。
  • 給与でモチベーションアップを図るのもひとつの手法だが、どのような仕事に喜びを感じるかは人によって異なると思う。例えば、児童生徒ひとりひとりと向き合うことに喜びを感じる教員が大多数かもしれないが、中には組織運営にやりがいを感じる教員もいるはず。そういう観点で、適材適所を実現させていくということも、ここから数年間で検討していけたらと思う。

(具田教育長)

  • 人材育成の観点から、30歳前後の若手教員を教育委員会事務局へ短期間でも出向させるローテーションを組みたいと考えている。教育委員会事務局の仕事を経験できれば、視野が広がるきっかけになると思う。

(事務局)

  • 組織体制の再構築については、非常に大きな課題だと認識している。
  • 組織体制の再構築にあたっては、学校事務職員が学校経営を積極的に担うことにより、教員が教育に専念できる環境を創出する観点が必要であるという問題提起でもあると受け止めている。そうしたことも踏まえ、組織としての人材育成のあり方など課題整理していきたい。

3.すべての児童生徒の学力の向上

(山元委員長)

  • 習熟度別指導の実施にあたっては、実施して終わりではなく、習熟度別指導を実施したことによって、子どもたちの学力等にどういう影響があったかなど、実施結果を保護者へフィードバックすることが重要。そのためには、担任と習熟度別指導の教員が連携しながら、保護者対応をしていくことが必要である。

(丹澤委員)

  • 習熟度別指導を実施していくにあたっては、一番効果的な実施時期や分割方法を見つけることが重要だと思う。そのためには、各校の実施状況とステップアップ調査の結果を比較して、学力等との相関を検証する必要がある。
  • 習熟度別指導は学力の向上につながると思われることから、小学校だけでなく、中学校での習熟度別指導を手厚くし、高校受験に備えて欲しい。
  • 習熟度別指導による学力の向上は、子どもたちの居場所づくりや貧困の連鎖の根絶といった課題にもリンクしている。学力が向上することで、子どもたちは勉強に楽しさを見いだし、学校に行くことが楽しくなる。そうなると、例えば、放課後に学校に残って先生に質問するなど、放課後も学校で過ごすようになると思う。中学校は小学校と異なり、学童保育等の放課後の居場所が学校にないので、必然的に友だちと地域のたまり場で過ごすといったことが増えることから、非行につながる恐れもある。子どもたちが勉強する場所として、学校で過ごすようになれば、非行防止にもつながると思われる。

(高野委員長職務代理者)

  • 習熟度別指導は、「児童生徒が理解できる授業」という観点からも、学力の向上に効果的な指導方法と思われる。習熟度別にクラスを分けることによって、教員1人あたりの指導する児童生徒数が少なくなるので、教員が児童生徒一人ひとりにきめ細やかに対応しやすくなる。その結果、それぞれの進度に合わせた指導ができると考えられる。授業が理解できなければ、児童生徒の学習意欲の低下につながるので、一人ひとりが理解できるよう授業を進めることは重要である。
  • 偏差値などの目に見える数値も重要ではあるが、実際に習熟度別指導を実施している教員の手応えなど、現場の声を拾い上げることも必要。また、それぞれの学校内で完結するのではなく、学校を超えて情報共有を行えるような仕組みも必要ではないか。

(事務局)

  • 教員同士の情報共有については、習熟度別指導の教員と担任間ですでに行っているが、今後もしっかり継続していくよう教育委員会から学校に指示していきたい。また、情報共有の方法として、すべての子どもたちのことを関係する教員が把握できるよう、単元が変わったり、習熟度別指導のクラス編成を変更する際には、担当教員を入れ替えるなどの工夫をしている。併せて、気になる子どもについては、習熟度別指導の教員が個人懇談に同席し、保護者に状況を伝えている。
  • 習熟度別指導とステップアップ調査の比較については、今後、しっかりと実施する。
  • 中学校での習熟度別指導については、実施する学年や実施方法について、効果的なパターンを検証中である。
  • 今後も習熟度別指導の実施にあたっては、小中学校ともに、実施方法等について現場の声を聞きながら進めていきたい。

(倉田市長)

  • 資料にも記載されているが、「分割方式の違いによる学力の影響についての検証」については確実に実施するとともに、一番効果的な分割方式を確立して欲しい。
  • 特に、習熟度別で指導することと、少人数で指導すること、どちらが学力向上に寄与するのかということや、それらをどのように組み合わせるべきなのかを見極めて欲しい。検証にあたっては、学校現場にまかせるのではなく、教育委員会事務局がしっかり主導して欲しい。

(中委員)

  • 「すべての子どもの学力の向上」を達成するためには、成績中間層の子どもたちの学力の向上が鍵になると思う。成績中間層の子どもたちは、普段から特に問題なく学習できていることから、習熟度別にクラスを分けた効果を感じにくいのではないか。
  • 中学3年生は自分が入学したい高校などの目標が定まり、勉強に対するモチベーションが高まる時期なので、最も習熟度別指導が必要になる時期だと思う。また、数学などは、一般的に理解が難しいとされる単元が明確なので、そのタイミングで習熟度別指導を実施するなど臨機応変な対応が必要だと思う。
  • 学校では、学内での席次など、自分の位置の指標となるものを本人に明確に提示していないので、模試を受験していない子どもや塾に通っていない子どもは、自分の成績でどこの高校を受験できるのかわかりにくく、目標を定めづらい。ゴールが曖昧では頑張ることも難しいと思う。
  • 進路指導教員にとっても、学校内のデータしか持っていないので、自校の生徒が大阪府内全域でどれくらいのレベルにいるかわからず、適切な進路指導が行いづらい状況にあると思われる。大手の塾は府内だけでなく全国のデータをもっていることから、子どもたちは、進路指導を塾に頼らざるを得ないことも多いのではないか。

(山元委員長)

  • 確かに、学校で得られる情報よりも、塾などの外部で得られる情報のほうが詳細かつ有意義なものであることが多いと思う。進路指導の充実という意味では、教育委員会としても、なんらかの対策が必要。

(丹澤委員)

  • 学校によっては、校内で自分の順位がわかるようになっているところもある。自分の順位を知ることは、自分の勉強のやり方が効果的だったかどうかを見直すきっかけにもなる。

(具田教育長)

  • 習熟度別指導の実施時期については、今後引き続き検証していきたいと考えている。箕面市は実施している学年が学校によって異なっているので、これまでのデータを整理して、最適な学年を探っていきたいと考えている。結果については、改めてお示ししたい。

(倉田市長)

  • 生徒の全体の中でのポジションに関する情報提供のあり方については、すぐにまとめて、大綱2017に記載すること。

4.児童生徒・青少年の居場所づくり

(山元委員長)

  • 国の問題行動調査によると、不登校について、その理由が不明瞭な子どもたちが増えている傾向にあるようである。現状を知るためにも、生徒指導の教員から状況を聞き取りたいと思っている。
  • 不登校等の支援について、義務教育期間だけでなく、高校生に対しても継続して事業を展開していることが評価できる。義務教育後も継続して見守ることで、子どもたちが、ちゃんと社会復帰できているのかを把握するとともに、次の支援につなげていく検証材料になるので、今後も続けて欲しい。

(中委員)

  • 生徒指導の教員の話によると、児童生徒の問題行動のうち、暴力行為は年々減少している一方で、不登校は増加傾向にある。不登校の原因がいじめや暴力であれば、解決方法も見つけやすいが、実際はそうした理由以外で不登校になる子どもが増えている。不登校児童に対する指導方法を今後どうしていくかが課題である。
  • 不登校からひきこもりになるケースがあることから、不登校支援の中で、ひきこもりにならないようサポートする必要がある。

(大橋委員)

  • 中学校は進路を決めるタイミングであることから、中学校での不登校支援は重要。しかし、大綱2016に記載している居場所づくりの取組においては、中学生に対して手薄な印象を受ける。もう少し中学生に対する支援が必要ではないか。
  • 学校は常にクラスという単位で校内の問題を考える傾向にあるが、近年、学校で発生する問題は、生徒同士だけでなく、生徒と教師間、家庭の問題など、複雑多様化していることから、クラス単位で人間関係が固定しないようにすることも不登校対策として有効だと思う。

(高野委員長職務代理者)

  • 学校を休む期間が長くなればなるほど、学校への復帰は難しくなると思うので、学校を休みがちになったらすぐに対策を講じることが重要。実際の事例として、休みがちになっていた生徒が、教育センターのスクールカウンセラーと面談したことにより、不登校にならず、また学校に通えるようになった例もある。このように、効果があった事業や取組を検証し、さらに充実させて欲しい。

(事務局)

  • 不登校の原因が不明瞭な子どもたちについては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、ケースワーカーと学校とでケース会議を実施するなど、様々な方向から、内的・外的要因の究明を図り、不登校問題の解決に向けて動いている。

(具田教育長)

  • 不登校に対する早期対応については、あらためて議論したいと考えている。
  • 学校への復帰を支援する場としては、市が運営している適応指導教室(フレンズ)があるが、それに加えて、文科省の研究指定を受けている池田市のスマイルファクトリーなど民間主体の支援の場もあり、今後検討を進めていく予定である。

(倉田市長)

  • 昨年から議論しているが、現在の居場所づくりの取組については、不登校の子どもや支援の必要な子どもに対しての比重が大きくなっているので、それ以外の子どもたちにとっても、よりプラスに発露していける場、例えば、英語のエクスプレッションコンテストなどの機会を充実させる必要がある。

5.子育て支援と外出促進

(高野委員長職務代理者)

  • 外出促進策については、親子が歩いて行ける距離を念頭に置いて、検討して欲しい。例えば、コミュニティセンター等に常時おもちゃがある状態であれば、常日頃から親子が集えるし、出張子育てひろばなどで職員が出向くにあたっても最小限の荷物で済むといったメリットもある。

(丹澤委員)

  • 出張子育てひろばの実施にあたっては、転入が多い地域や若い世代が多い地域に重点的に出向いて欲しい。彩都については27年度から28年度で実施回数が増えているものの、森町は依然として少ないので、回数を増やすなど配慮して欲しい。

(倉田市長)

  • 出張子育てひろばに保健師は参加しているか?

(事務局)

  • 以前から必要に応じて保健師も参加している。特に今年度から、彩都・森町については、保健師が必ず参加できるよう体制を組んでいる。

(倉田市長)

  • 母子保健部門が教育委員会に統合されたので、今後は、保育士だけでなく、保健師も出張子育てひろばに参加したり、あるいは保健師だけで出張子育てひろばを開催することがあってもいいと思う。保育士と保健師については、「連携」にとどまらず「融合」をめざして欲しい。

2.その他

  • 意見なし

2.資料

 

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お問い合わせ

所属課室:子ども未来創造局教育政策室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6762

ファックス番号:072-724-6010

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