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更新日:2017年8月17日

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箕面市防災改革の基本方針

箕面市では、3.11東日本大震災の教訓を市の防災体制に活かすため、平成23年10月に「箕面市防災改革の基本方針」を策定しました。

「箕面市防災改革の基本方針」(平成23年10月策定)(PDF:558KB)

以下は、この基本方針の概要です。

箕面市のめざす方向性

(1)これまでの箕面市の防災

箕面市の地勢

箕面市は、北部に山を抱く内陸の都市です。

市域の約3分の2が山地であり、北から南に向けてだんだん高度が下がっていく地形で、津波の心配はありませんが、土砂災害への警戒が特に必要であり、一部の地域では大雨等による浸水被害も想定されています。なお、市域には有馬高槻断層という活断層があり、上町断層の影響もあると言われています。

現在の防災体制

箕面市では、このような地理的条件をもとに、地震や豪雨等によってどのような被害が発生するかを想定して、消火・救助・避難支援活動の準備や避難所の整備などを行ってきました。

そして、これらの準備は、行政が中心になって進めており、実際に災害が発生した場合にも、ほとんどの役割を行政が受け持つ想定をしていました。

災害発生時の役割分担(箕面市の現状)

(2)東日本大震災を教訓として

未曾有の大災害

平成23年3月11日に東日本大震災が発生しました。

この地震は、東北から関東にかけた広い範囲に甚大な被害をもたらし、半年以上が経過した今でも、復旧・復興にはほど遠い状況です。

阪神・淡路大震災から17年、市民の防災意識も徐々に薄れつつあることに危機感を持っていたこの時期に、東日本大震災の状況を目の当たりにし、もし、同じように、近畿地方全体に被害をもたらすような大災害が発生したら、現在の箕面市の防災体制で十分な対応ができるのか、改めて振り返る大きなきっかけになりました。

改めて市の体制を振り返ると

阪神・淡路大震災の当日、神戸市では、職員の4割しか出務することができませんでした。これを箕面市に当てはめると、震災当日に出務できるのは、わずか600人弱(市立病院の医療職も含めて)です。これでは、13万人の市民の安全を確保し、避難を支援し、さらには物資の調達から避難所の運営までをやりきることは、とても不可能です。

また、消火や救助、負傷者の病院への搬送、断水地域への給水活動など、どの分野を見ても、全市域に十分な手当てを行うことはできません。

災害発生時の市の体制

(3)行政の限界

「行政にできることは有限である」という事実

東日本大震災や阪神・淡路大震災のような大災害が発生し、市域全体が被災地となるような事態を想定して、職員数、消防車・救急車台数を増やすことで、消火、救助・救出、搬送、安否確認、避難誘導、避難所の開設・運営を十分に行えるかを改めて検討しました。

しかし、仮に、職員を増員し、緊急車両を増やしたとしても、地震直後の道路や通信が遮断された状況の中で、すぐに全市域の被害状況を把握して、消火や救助活動を行うことは、自衛隊などの外部からの支援を含めても困難です。

行政だけでできることは、残念ながら有限です。この事実を直視し、真に災害に強いまちを作っていく必要があるのです。

(4)方向性の転換

災害発生直後、何が起こるか

東日本大震災では、地震に津波の被害が続いたことから、地震そのものによる被害状況がまだ明らかになっていませんが、阪神・淡路大震災では、犠牲者の8割以上が「建物の倒壊などによる圧死」でした。

大震災では、一瞬にして多くの建物が倒壊し、多くの人がその下敷きになる危険があります。

阪神・淡路大震災で救助された人の救助要因 

地域住民による救助活動の重要性

東日本大震災では、発生直後、近隣の住民による消火活動や、高齢者の安否確認と避難誘導などが行われました。これら地域住民による災害発生直後の活動が、多くの命を救ったのです。

阪神・淡路大震災でも、倒壊家屋の下敷きになったなどで救助を必要とした人の8割近くが、近隣の住民によって救助されました。

阪神・淡路大震災の犠牲者の死因

 

行政と市民が力を合わせて

行政だけでは不可能でも、行政と市民一人ひとりが力を合わせて災害に対処することで、「災害に強い箕面」を実現することができます。

そのため箕面市では、行政を中心とした防災体制を見直し、行政と市民が一体となった防災体制を構築します。

 

(5)市民の皆さんにお願いしたいこと

まずは、行政にしかできないことは、行政が率先しておこなっていきます。

そして、市民の皆さん一人ひとりは、「自分の身は自分で守る」という意識を持って災害に備え、近所の皆さんと協力し合いながら防災活動に取り組むことを、ぜひともお願いします。

お願いしたいこと

 

重点的に取り組む施策

(1)災害対策の洗い出し

今回、箕面市では、過去の震災の事例や、他の市町村の取り組みを参考に、山が多い箕面市独特の事情などをも考えながら、災害対策のためのあらゆる取り組みを洗い出しました。

リストに挙げているのは、現時点で思いつくすべての災害対策で、この中から地勢、地域特性、災害特性に合った対策を実行していきます。

また、今後見直しを進めていく中で新たな課題が発生したら、その対策を追加するとともに、対策が完了した項目を消し込んでいき、防災改革の進捗管理にも利用します。

(2)重点的に取り組む施策の選び方

リストに挙げた対策を、すべて一気にやりきることはできません。財政バランスを考慮しながら徐々に進めていくものもありますし、施策の進捗状況に応じて、段階を踏まなければ実行できない対策もあります。

しかし、ひょっとすれば明日起きてしまうかもしれない大災害から命を守るために、すぐにでも実行しなければならない優先度の高い対策をリストから選び出し、早急に取り組んでいきます。

優先度の高い取り組みを選ぶための3つの方向性

「明日起きるかもしれない災害」から命を守るため、優先して、重点的に取り組む施策を次の3つの方向性に沿って選びました。

1.行政だけでできる取り組みをまずやりきる

行政主体の防災体制から、市民と行政が一緒に体制を作り上げる方向に転換することは、行政の責任を放棄することではありません。市民の命を守ることは、これまでもこれからも、行政の重大な使命です。

避難所の物理的な機能強化や、道路・水道などの耐震化など、「行政がすべきこと」で、かつ「行政だけでできること」を何よりも優先して取り組みます。

2.自分たちの身は自分たちで守る

「行政からの助けを待つ」のではなく、自分の身は自分で守り、地域の力で地域を守る、つまり「自分たちの身は自分たちで守る」という市民の意識と取り組みが「災害に強い箕面」を実現します。

今回の防災改革における一番大きな転換ポイントである「自分たちの身は自分たちで守る」ための市民の取り組みを、市が重点的に支援します。

3.災害発生から3日間もちこたえる

災害で最も多くの被害が出るのは、発生直後です。阪神・淡路大震災でも、犠牲者の8割近くが災害の発生した当日に亡くなっています。

阪神・淡路大震災での兵庫県内の死亡者の死亡日

また、災害発生直後には命が助かったとしても、交通・通信・ライフラインが断絶している状態では、支援物資が届くまでの間、何日も耐えることはできません。

現在の日本では、外部からの支援が入って、生命維持にかかわるような食糧が極端に欠乏した状態から回復するまでには、3日間かかると想定されています。

災害発生直後に命を落とさないこと、そして3日間、家族や地域と助け合いながら持ちこたえることが、被害を最小限に抑えるためにとても重要です。

3つの方向性の模式図

 

(3)重点的に取り組む施策

箕面市では、数ある防災対策の中から3つの方向性に沿って選んだ次の施策を優先し、重点的に取り組んでいきます。

防災意識の向上

1)防災に関する情報の提供

  • 日頃から市民の防災意識の向上を図り、市民による自助活動、地域による共助活動を推進するため、被害軽減につながる防災の基礎知識や、地域の避難場所・危険箇所等に関する情報を、市民に正確に、具体的に提供します。

2)防災教育の推進

  • 子どもの頃から防災についての知識を身につけ、災害時に的確に対応できるように、家庭や地域社会と密接に連携し、幼稚園・保育所・小学校・中学校での防災教育を推進します。

市民の防災活動の促進

1)防災訓練の強化

  • 地域が防災のノウハウを蓄積し、災害直後に市民・地域・行政が一体となって、迅速で的確な対応ができるよう、地域住民主体の訓練、行政と地域が連携するための訓練など、地域の防災訓練を強化します。
  • 全市域が被災地となる大災害を想定し、新たに全市一斉の防災訓練を行います。

2)地域の防災コミュニティづくり

  • 自治会、マンション管理組合など既存の地域コミュニティが、災害時に自主防災組織として機能できるように、地域に働きかけていきます。
  • 現在、どの地域コミュニティにも属していない世帯が、日頃から「顔の見える関係」を作ることをめざし、「防災の取り組み」を核とする小さな地域コミュニティ「防災となり組」の結成を支援します。

3)地域の防災活動へのサポート

  • 「防災となり組」や自治会などの地域コミュニティに随時、防災に関する情報を提供します。
  • 地域で「顔の見える関係」を構築し、災害時要援護者を地域で把握するとともに、地域全体で避難支援を行える仕組みを作ります。
  • 消防団の災害時の役割に、消火活動に併せて、救助・援護・避難支援活動といった地域の防災活動のリーダー的役割を位置付け、必要な資機材を整備します。
  • 市内のホームセンターなどと連携して、防災関連グッズの販売コーナーを常設してもらうなど、市民が災害に備える環境を作ります。

4)地域防災ステーションの設置

  • 災害直後に、身近な場所を防災拠点として、素速く消火・救助活動を行えるよう、地域の公園などを地域防災ステーションとして、消火・救助用の資機材などを設置します。
  • 地域防災ステーションは、被害状況や在宅被災者のニーズを集約したり、通信断絶時に市からの情報を発信する「地域の情報拠点」として、また、在宅被災者に食糧や飲料水を支給したり、断水時には仮設トイレを設置する「地域の生活支援拠点」としても活用します。

5)「(仮称)避難所運営委員会」の立ち上げ

  • 避難所生活が長期化した場合に、地域住民で避難所をより使いやすく安全に使っていただけるよう、日頃から具体的な使い方や役割分担などを考える場として、地域コミュニティと校区単位で活動している団体で構成する「(仮称)避難所運営委員会」を立ち上げます。
  • 「(仮称)避難所運営委員会」は、避難所の運営だけでなく、地域防災の中核として、地域の情報集約、地域への情報発信の中心、在宅被災者などへの支援のコーディネートなどの機能を持てるようにしていきます。

避難所の整備

1)避難所の再編成

  • 災害規模に応じて避難所を開設する優先順位を付けたり、避難生活が長期化する場合にも対応できる避難所を決めたり、複数の施設が集中している地域の避難所を再編するなど、避難所の役割や機能を整理して、再編成します。
  • 土石流氾濫想定区域などハザードエリア内にある一時避難地、避難所、特別避難施設を見直します。

2)避難所の機能強化

  • 最大2万人の避難者が3日間生活できるよう、食糧・飲料水の備蓄を増強するほか、生活用水を確保するため、貯水槽の耐震化などを行います。
  • 避難所の衛生を保つためマンホールトイレなどを整備し、夜間のトイレ利用をしやすくするための照明器具、自動車から電気を供給するためのインバーターなど、避難所生活を包括的に支える資機材を増強します。
  • 被災者に災害情報・安否情報・支援情報などを提供するため、避難所内の通信機能を強化します。

3)避難所の運営体制の確立

  • 「(仮称)避難所運営委員会」を中心に、地域住民が自ら避難所を運営できるよう、避難所運営マニュアルをともに作成し、それに基づいた実践的な運営訓練を支援します。

市の防災体制の整備

1)市の体制の強化

  • 限られた職員数で、最も効率的に対応できるよう、災害規模に応じた配備体制を見直します。
  • 災害対策本部の体制を見直し、災害対策本部内及び本部と外部との情報収集・伝達体制を強化するとともに、本部設置予定場所(本庁舎)の大きな被災も想定した体制を作ります。

2)緊急時の情報発信体制の強化

  • 市民の安全を確保し、被害を最小限に抑えるために、タッキー816みのおエフエムと市役所の庁内放送で、緊急地震速報を自動で割り込み放送します。

3)災害時の渉外拠点の整備

  • 自衛隊の駐留拠点や、外部からの支援物資・ボランティアの一次受け入れなどを行う渉外拠点を決め、必要な整備を行います。

災害に強いまちづくり

1)土砂災害や水害への対処

  • 止々呂美地区を始め、山すそに住宅がある地域における急傾斜地の崩落防止や、河川の氾濫を未然に防ぐための対策を、大阪府と連携して早急に実施します。
  • 土砂災害の危険がある箇所や、災害時の避難所などの情報を掲載したハザードマップを市内全戸に再配布します。
  • 緊急時に市民に的確に危険を伝達できるよう、警戒避難態勢を強化します。

2)道路、橋梁、河川などの安全対策

  • 延焼の防止、円滑な避難、消防や救助・救急活動などに重要な役割を果たす道路、橋梁、河川について、大阪府と連携して安全対策を進めます。

3)災害時の水の確保

  • 断水時の飲料水を確保するため、浄水場や配水池、配水管などの水道施設・設備の耐震化を進めます。
  • 大阪府が「災害時協力井戸」として指定している一般家庭の井戸について、持ち主の協力を得て地域と情報を共有し、災害時の具体的な活用計画を作ります。

住宅・内装の耐震化の促進

1)住宅の耐震化の促進

  • 現在の耐震診断・耐震改修への補助制度を、もっと広く市民に周知し、制度の利用率を上げ、住宅の耐震化を促進します。

2)内装の耐震化の促進

  • 自分で簡単に行える家具などの転倒対策や、安全な家具配置の方法などの情報を提供し、市内のホームセンターなどとも連携して、内装の耐震化を促進します。

外部の団体との防災協定の拡充

1)自治体との防災協定の拡充

  • 大規模災害発生時にも物資の提供・人員の応援が受けられるよう、同一の災害では被災しない程度の中・長距離にある自治体との相互応援協定を拡大します。(東方面は静岡県富士宮市と締結済み)

2)企業との防災協定の拡充

  • すでに締結している防災協定について、災害発生後だけでなく、災害に対する備えに関しても連携できるよう、内容を充実します。
  • 新たに、ホームセンター(内装耐震化などの対市民相談窓口の開設など)やドラッグストア(医薬品の店頭在庫の活用)など、平常時と災害時それぞれに、必要な役割を担える企業との連携を進めます。

 

 

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所属課室:総務部市民安全政策室 

箕面市西小路4‐6‐1

電話番号:072-724-6750

ファックス番号:072-724-6376

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